インフィニット・ストラトス 黒髪と銀髪は学園に 作:ニックネームは忍者
「主力はまだ入れんのか」
「はい、あの鳥みたいなのが入り口をロックしています。アリーナの全入り口を完全に閉ざされています」
モニター室でも千冬と真耶はNo.4を踏み潰した鳥を見つめていた。
「織斑先生……あの鳥は何なんですか? ISでもIAにも見えません」
「私にもわからんが…………アレは危険だと、私は感じている」
「………………」
千冬もわかる。アレは誰にも触れてはならないと…………だが、ライはアレと戦いっていたのだった……。
―――――――――――――――――
「ハアアァァァァ!!」
「ククゥゥ!!」
ライはブレイドを大きく降り下ろす。鴉は左の盾の形をした羽で防御する。そして右の羽でライに斬り刻んできた。
「くっ!」
ライは足のバックステップで回避。鴉の左右に着いている羽は盾にも使えるが全体が鋭く、大きな鋼鉄ブレードにもなっていた。鴉はライに近付き、横に振るう。ライはしゃがんで回避したが、鴉の胸部にはチェインガンが二つ見えた。その銃口はライに向けて発射される。
「―――――ッ!」
ライは後方に下がり、距離を取る。距離を取って、回避していくが、至近距離からのダメージがあった。
鴉の嘴が開き、レーザーがチャージされる。ライにめがけて発射され、爆発する。
ライは煙の中から、正面から突撃する。レーザーがもう一度発射され、ライは瞬速加速で後方に回り込む。完全に後ろをとった状態になる。ライはブレイドで斬り刻んだ。
「がはッ!」
だが、鴉は尻尾でライを吹き飛ばした。ライはアリーナの壁に激突する
。
「ククゥゥゥゥ」
鴉の右羽を前に出し、裏から何かが出てきた。散弾銃のようにバラバラへと飛んだが、一瞬に追尾に入った。
それはミサイルだった。
ミサイルはライの方にへと着弾していった。
「…………」
「ククゥゥ……」
ライは地面へと倒れる。鴉はライへとゆっくり近寄っていた。
「ライッ!?」
「シャルル!? 箒ッ!」
「わかっている!」
倒れたライを見たシャルルは駆け寄ろうとした。だがラウラを担いでいる一夏は箒にお願いした。箒はシャルルの腕を掴む。
「シャルル! 危険だ」
「だってライがッ! ライが倒れたんだよ!」
「あぁ、わかっている! わかっているから考えろシャルル!!」
「ッ!?」
箒の声にシャルルは我に返った。
「ライは私達を逃がすために戦っていた……助けるのは当然だが何故戦っていたと思う? 私達を逃がすためだ。今出ても無力だ……それに主力もすぐ来る筈だ。先ずはここから離れよう」
「……わかった」
シャルルはライの方を見る。今でもうつ伏したままだった。
「さぁ、早――「ククウゥゥ……」――何ッ!?」
ライに近付いていた鴉はシャルルと箒達の方に向いていた。そして口が開いていた。
「シャルル! 箒! 逃げろ!!」
「ククウゥゥ!!」
一夏は叫ぶが既にレーザーは発射準備完了であった。
「クク―――――!?」
「―――――!!」
鴉はシャルルと箒に嘴からのレーザーを発射しようとしたが、銀色のブレードがその嘴を切り裂いた。
「あれは―――」
「―――ライ?」
――――――――――――――――――
羽の裏にミサイル内蔵か……身体が動かない……当然か……
「…………」
「ククゥゥ……」
奴が近付いてくる……俺に止めを刺すつもりかな…………どうしてか、アレを倒せと本能がそう言っていたな……俺にはわからない…………記憶が関係したのかな……
……だが、ここで死んだら自分が何者かがわからないままだな……だが、シャルル達が逃げ出せればいい……もうすぐ、主力が……来る筈、だ……
意識が―――――俺は死ぬのか……
「シャルル! 危険だ!」
「だってライがッ! ライが倒れたんだよ!」
……シャルル? 早く逃げてくれ……危険、だ…………君には生きていて欲しい……こんな所で死んで欲しくない……
「ライは私達を逃がすために戦っていた……助けるのは当然だが何故戦っていたと思う? 私達を逃がすためだ。今出ても無力だ……それに主力もすぐ来る筈だ。先ずはここから離れよう」
「……わかった」
そうだ……それで、いい……早く逃げて、くれ……
「さぁ早――「ククウゥゥ……」――何ッ!?」
何だ……? いったい……目は開けるが、いったい―――
「シャルル! 箒! 逃げろ!!」
「ククウゥゥ!!」
―――――!!
『危険! 危険!』
それが何だ…………俺は奴を―――――!!
―――――――――――――――――
嘴を切られ、先端の方が爆発。爆発と同時に後方に下がった。
「………………」
ライは鴉の頭上から嘴に目掛けて斬り刻んだ。ライの背中には鴉が立っており、振り向かずに非固定浮遊部位の翼を広げた。
「ククゥゥゥ!!」
鴉は右の羽を横にして、斬りかかった。ライは振り向きながらブレイドで上から下へと降り下ろし、羽を自分の足元へと地面にぶつけた。
「ククッ!」
左の羽で大きく振り落としたが、ライはブレイドを両手に持ち、受け止めていた。鴉は地面に突き刺さっている右の羽でライに攻撃しようとしたが、左足で抜けなくしていた。
「ククゥゥゥゥ」
鴉に意志があるならこう思う…………何処にそんな力があるのだと…………ライの行動は普通ではあり得ない。戦えない状態に見えるが、普通に戦っている。まるで痛みがないかのようだった。
「ククゥゥゥゥ!!」
鴉は胸部にあるチェインガンをライに至近距離からの撃ち込もうとしていた。両手と片足……ライに抵抗する手段がなかった…………いや、あった。
「………………」
ライはブレイドを右手だけで受け止め、左手からもブレイドを出した。そのブレイドは胸部に目掛けて横に振った。
「クク―――」
鴉のチェインガンが失った。残された武装は両羽のブレードと両羽の裏にあるミサイルだけだった。鴉は後方に下がり、上昇して両羽を広げて、ミサイルを放った。
「ククゥゥゥゥ!!」
「………………」
ミサイルはライ、一夏、シャルル、箒の四人バラバラに追尾していった。ライは只、手を下に下ろしていた。ブレイドを仕舞い、そこに何かが現れたのだった。
『α認証』
『β認証』
ライの両手に武器が現れた。右手には形としては直角三角形の銃。銃口の下に鋭い牙のような物が出ていた。左手には歩兵が持っているアサルトライフルを細くした形にマガジンの部分が後ろにあった。
「!!」
ライが動くと同時に両手にある銃はミサイルに向けて撃ち始めた。右手のライフルは連射が良く、どんどん撃ち落としていたが、ミサイルは近い順に撃ち落としていた。左手のは連射では無く、単発式だった。単発式ではあるがミサイルは遠くにある順に撃ち落としていた。横に移動し、回りながらミサイルを確実に撃ち落としていた。
右手は連射式ライフル、左手が単発式ライフルであった。
「一夏、あれは本当にライなのか?」
「ああ、ライだ…………多分」
「おい! どっちなのだ」
「俺にも良くわからないが……俺の目にはライが凄い上手く扱っている姿に見える」
「それは―――――そうだな」
「…………」
一夏と箒はライの操縦凄いと言うより、恐ろしく見えてきた。誰もが知らないISを操縦して、誰もが知らない機械と戦っていたのだから…………そんな二人の会話よりもシャルルは黙々と見ていた。
「フンッ!」
「ククゥゥ!」
ミサイルを撃ち落としたライは鴉に狙い撃つ。鴉は羽のブレードを盾のように構え、回避していく。ライは上昇して接近しながら撃つ。鴉は防御していたが連射式は盾に振動を与えていた。単発式は盾の振動で出来た隙間に撃ち込んで徐々に傷をつけていた。
「ククゥゥゥゥ!!」
「…………」
鴉は羽を広げて、嘴に火花を出しながら、ライへと突撃する。ライはライフルを仕舞い、ブレイドを展開。正面に加速して鴉に近付く。
「ククウゥゥ!!」
「ハァァァァ!!」
鴉のブレードとライのブレイドがすれ違いに斬った。
「くっ!」
ライはダメージを受け、地面へと落下していく。
「ク、ククゥゥ……」
右肩と左羽に斬られた傷と右羽の先端が切断されていた。鴉はライの方に振り向く。
「―――!!」
ライは体勢を直そうと降下していったが、転がるようになった。だが、直ぐに立ち上がって鴉を睨む。
「ク、ク…………ゥゥ」
鴉は上昇していった…………遮断シールドが当たる直前、解除してまた戻した。
そして海の方へと姿を消した。
「……………」
ライは鴉の姿が見えなくなるとISを解除し、眠るように倒れた。
「ライッ!?」
シャルルは急いでライに近付いて、身体を起こす。少し乱れていたが呼吸はしていた。
「シャルル! ライは!」
「気は失っているけど、息はしてるよ」
「そうか」
箒も側に寄ってきて、確認した。一夏に表情で送ると、一夏は微笑んだ。
…………数秒後、主力が入り、No.4にやられた部隊とライとラウラは医務室へ……念のため一夏達にも検査をする。
……事態は徐々に収まっていったのだった。
――――――――――――――――――
「アンノウンの鳥はどうなった?」
「海上の移動中に姿を消しました。ジャミングの可能性があります。追撃部隊はどうしますか?」
「姿を消した地点まで追跡、手掛かりがあれば確認し、何もなければ帰還命令だ」
「わかりました」
千冬と真耶はモニターから一夏達が救出されたのを確認し、安心した表情になる。だが直ぐに険しい顔になった。
「織斑先生……模擬戦の時といい、今回の時にも現れたのは何者なのでしょうか……何とかなりましたが、この先また現れると―――」
「わかっている…………正式な調査は本部に任せ、我々は学園を守る事を考えればいい」
「はい…………」
「だが、今は無事であったことを喜ぼう……それが救いだ」
今日一日、色々な出来事が起きたが、それでもこの事態を収めるために戦った者達に感謝をするのだった。
「織斑先生、ここは私一人で大丈夫ですから、先生は行った方がいい所があるんじゃありませんか?」
「……そうか。では、山田くん。ここを任せてもいいか? 私は行ってくる」
「ライくんに早く元気にと伝えてください」
「…………私よりも先客がいるから、あいつは後回しだよ山田君」
「え?」
真耶は一瞬ポカンとしたが千冬は席から離れていった。
―――――――――――――――――
「ぅ……ここは?」
ライは目を覚めた。外は夕方でベットの上……少し前の自分を思い出した。
「(俺は生きている……No.4はあの機械に倒されたが、奴は―――ん?)」
ライはベットのテーブルに何か置いておるのに気づいた。お盆の上に皿やお椀が置いてあり、その上はラップで包んであった。
「(唐揚げとご飯とサラダ)まだ温かい」
テーブルに置いてあるご飯はまだ温かった。ライは唐揚げを一つかじった。
「上手い……」
サクッとかじった一口は口に広がり、美味しかった。
「……誰が作ったのかな」
ライは誰が作って、後でお礼を言わないと、考えながら、食べ始めた。
――――――――――――――――――
『No.4は失敗した模様です。対象は健在…………このまま帰還でよろしいですか』
「あぁ、帰還しろ。作戦は失敗したが歯止めの効かない奴が消えたのだから良しとしよう……わかったなNo.2」
『了解、帰還します』
No.2は通信を切り、No.1は安堵した表情になったが直ぐに崩れた。
「No.4を倒しただと? あいつを? …………倒せる奴は―――いや、しかし…………No.2に奇襲を仕掛けても、奴なら―――――どうすれば……」
『おやおや? お困りですかな? No.1』
No.1が考えていたらNo.10が通信に割り込んできた。
「貴様……待機している筈が何のようだ」
『いえいえ、また一人減ったような気がしたので…………No.4ですか?』
「貴様には関係のない事だ…………黙って待機してろ!」
No.1は通信を切って、無線の中にNo.10だけになった。
『あらあら、わかりました。待機してます、してます』
No.10は誰もいないのに喋っていた。だけど、どこか喜んでいた。
『歯止めの効かないNo.4を倒すのは当然だが、“クロウ”に傷をつけるとは…………幸いにもNo.1にばれていないし、破壊されてもいない事に喜ぶかなかな? まぁでも、あれはもう使えないかな? 修理もめんどくさいし~バード君に早く会いたいな~………………それにしても本当よ…………
―――イレギュラーな奴だぜ』
No.10はこれからを楽しみにしていた。
――――――――――――――――――
「結局、トーナメントは中止だって。ただ、個人データが取りたいから一回戦は全部やるそうだよ」
「ふ~ん、そうか……ライも第一試合あるのか?」
「ライだけは無いみたいだよ。逆に相手の方は一対一で行うみたい」
「そう言えばライのパートナーは誰だったんだ?」
「う~ん……第一試合で誰かは見てないけど…………“四組”の人だったみたいだよ」
「へぇ~じゃあそのパートナーは―――?」
食堂で夕食を共にしていたシャルルと一夏だが、ふと、視線を感じると三人の女子がこちらを見ていた。
「優勝、チャンス……消えた」
「交際無効……」
「うわゎゎーー!」
「「うわゎゎーーーー!!」」
三人の女子が去っていった近くに箒とライが立っていたことに気付く一夏。
「あ……」
何かを思いだし、テーブルから立ち上がり、箒に近付く。
「さて……どうなるかな」
「ライ!? どうしてここに?」
一夏がシャルルから離れたと同時にライが入れ替わるように来た。ライは質問に答える。
「まぁ、歩いていい許可は貰ったからね。さっきの―――箒の方はどうなるかな」
「? 箒がどうかしたの?」
「ここに来るとき、ずっと一夏を見てたからちょっと背中を押しただけだよ」
ライは食堂の入り口から箒が何かを除く見ている格好から声をかけた。
箒は何もないと言うが、見ていた方を見ると一夏がいたのでライはちょっと背中を押したのだった。二人は一夏の方を見た。
「そういえば、箒……先月の約束さ。付き合ってもいいぞ」
「え!? 何……」
「だから 、付き合っ―――「本当か! 本当に本当なんだな!!」―――お、おう……」
「な、何故だ、理由を聞こうではないか……」
突然、箒に胸ぐらを掴まれ、突然離され、質問をしてくる箒。
「幼馴染みの頼みだから、付き合うさ」
「そうか!!」
「買い物くらい」
フンッ! ガツン!
「くあぁ!!」
一夏は箒に殴られた。
「そんなことだろうと思ったわ! ふんッ!」
更に右足を蹴り、一夏の腹に見事にヒットした一夏。
「ふん!」
ずかずかと箒は去っていった。一夏はまるで目の前が真っ暗になった状態に思えた。
「ぐ、ぐ、ぐっ……」
苦しい一夏に、ライとシャルルが側による。
「一夏って、わざとやってるんじゃないかって思うときがあるよね」
「……大丈夫か一夏? それにしても何故箒は怒ったんだ?」
「え……」
ライの発言にシャルルは唖然とする。
「う……そうだよな。付き合うなら買い物だろうと思ったのに、何でだろう」
「だが、何故優勝したらだ? 優勝しなくても別に行くだろう?」
「ああ、確かに……何でだろう?」
二人は疑問に考えるが、シャルルはライに言った。
「ねえ、ライ……本気で言ってる?」
「本気も何も、付き合うなら買い物だろう? 荷物持ちか情報収集のどちらかだろう?」
「…………」
ライの平然とした答えにシャルルはため息を出す。ライは何故ため息の顔をしていた。
「……それよりも怪我は大丈夫?」
「怪我は問題ないみたいだ。自分でもわかる……シャルルには心配かけたな。流石に今日は色々あった」
「そうだよね……」
ラウラを救助してから現れたNo.4と無人機……ライは戦って、怪我をしたが、無事でいた。
「……唐揚げありがとな、美味しかったよ」
「え!? ……そう、なんだ(い、今は言わないでよ! 今は!)」
突然手料理の感想を言われ、シャルルは焦った。ライは何故焦るのかわからなかった。そんなとき、真耶が三人の側に寄ってきた。
「織斑くん、ライくん、デュノアくん、朗報ですよ!」
「山田先生、どうしたんですか?」
「今日は大変でしたね。でも! 三人になんと、一日だけ男子の大浴場が使える日ですよ!」
大浴場を使える……いままで、部屋の浴室しか使えなかったライたちにとって、確かに喜ばしい事だが、問題が生まれた。
「そうですか(さて、どうするか)」
「ライは先に入っていいよ、僕は一夏を部屋まで見送って、それから入るよ」
「ん? なら俺が―――「大丈夫だよ、ライは疲れたでしょ? ライが上がったら、僕が入るから」……そうか」
「お、俺も、最後で構わないから……」
ライはシャルルを先に入らせようとしたが、シャルルは一夏を部屋まで送る……一夏も苦しい表情になっていた。
「(俺が終わったあと、見張ればいいか)」
ライはプランを考え、部屋に行った。
――――――――――――――――――
「これがIS学園の大浴場……中々いい湯だな」
ライは一人、大浴場の湯に浸かっていた。一人では勿体無いくらいの広さだった。
「(結局、ダッグマッチのパートナーには会えなかったな。名前が更識―――? 更識って何処かで……誰かと同じ名字が―――)」
ライが聞き覚えのある誰かを思い出していると、カラカラカラと……扉から音がした……
「(何故、扉が開く音が? 一夏はシャルルが見張っているし、女子は知っている情報だ。ならば―――)」
「お、お邪魔します……」
「!?」
ライは突然のイレギュラーにより立ち上がり、振り向いた。そこに立っていたのは体一枚当てた、シャルルだった。
「なっ、ななっ! シャルル!!何故―――「ら、ライ!? 見えてるよ!!」―――!?」
ライは自分の姿を見て、直ぐに浴槽に入った。
「す、すまない! いや、何故ここに!?」
ライはシャルルに背中を向けて言っている間に後ろまで接近していた。
「ぼ、僕が一緒だと、いや?」
「い、いやと言うか……見苦しいものをお見せしました……」
「み、見苦しいなんて……凄かったよ」
「え―――」
ライの脳は既に臨界点を突破しようとしていた。シャルルも自分が何を言ったのか理解した。
「べ、別に僕は―――これでおあいこ様でいいでしょ?」
「そ、そうなのか……それでいいのか、不安だが……」
「ま、待って!」
ライはとにかく、上がろうとするが、シャルルに呼び止められた。
「その……話があるんだ。大事なことだから、ライに聞いて欲しい」
「……わ、わかった」
結局、ライとシャルルは背中合わせで話すことになった。
「その……前に言ってたこと、なんだけど」
「……学園に残る話か?」
「そう、それ。僕ね、ここにいようと思う。ライのお陰で僕はここにいたいって思えるんだよ」
シャルルは何事もなく、ライの手に触れながら、言った。
「そうか……」
「それにね……もう一つ決めたんだ。僕のあり方―――」
「ッ―――」
シャルルは後ろからライの両肩をつかんで、左耳には直ぐにシャルルの声が聴こえるが、背中に触れている感触にライの熱が上がっていた。
「僕のことはこれから、シャルロットって呼んでくれる? ふたりきりのときだけでいいいから」
「それが本当の―――?」
「そう、僕の名前。お母さんがくれた、本当の名前」
「わかった、シャルロット―――素敵な名前だ」
「……ありがとう、ライ」
最初は焦っていたライだが、シャルロットの大事な話を聞いている内に、それは心地よい感じになった。だが、流石にこの状況は不味いと思い、浴槽から出ようとする。
「いや、俺の方こそ……じゃあ、俺は上がるから。入り口で一夏が来ないか待ってるよ」
「うん……」
……ことあと、シャルルが上がるまでライは待って、一夏に風呂と呼びに行こうとしたが、ちょうど一夏と遭遇し、一夏は大浴場に行った。
ライとシャルルは部屋へと向かった……。
――――――――――――――――――
「―――と、まぁ~一夏とそんなこともあったんだよ」
「へ~ライも以外な一面もあるんだ」
部屋に入った二人は他愛のない会話をしていた。そして時間が就寝時刻であった。
「明日も早いしな、今日はもう休むか」
「うん……そうだね」
二人はお互いのベットに入り、電気を消した。
「(今日は疲れたな……明日に向かって休息だな。ん?)」
ライはシャルロットに背を向けていたが、シャルロットがベットから起き上がる音がした。
「(トイレって、考えるのは失礼だな。寝よ……?)」
寝ようと考えていたら、ライの背中から一瞬の風と何かが近付いていた。そしてライの背中を誰かが掴んだ。
「(……なんだシャルロットが俺のベットに入ってきたのか…………!?)てっ! シャルロッ―――「ライ!? 声が響く!」……何故俺のベットに?」
ライはすぐにでも離れたいがシャルロットが背中を掴んでいるため、諦めることにして理由を聞いた。
「今日だけ、このままでいさせて……お願い」
シャルロットの声が小さかった。表情がわからないがどうしてかライは追い払うのも気が引けた……。
「……わかった、このままなら俺は構わない。おやすみ」
「うん……おやすみ」
ライはどうしてか承諾をして、シャルロットは頭をライの背中に預けて、寝息を出した。
「(今日ぐらいいいか……お守りのこともあるし、俺も寝るか……
……いや、待てよ…………このままだと……)」
……ベットで添い寝、背中にしがみついている、背中にあたる感触―――
ライは今の状況をフル回転に考え、結論が出だ。
「(む、無理だ。不可能……俺はどうすれば―――)」
ライの休息はまだ先になるのだった……
翌日の朝、シャルロットは爽やかな寝起きだったが、ライは眠ったままだった。 シャルロットが起こしたのだが、ライはかなりの寝不足だったのは言うまでもない。
――――――――――――――――――
「……今日は、皆さんに転校生を紹介します」
「……」
真耶は何らや言いにくそうに言う。周りが騒ぐが、ライだけは違った。一人の席だけ空いているから。
「…………」
そして、学園のスカートを履いた金髪の生徒が入ってきた。
「……シャルロット・デュノアです。皆さん、改めてよろしくお願いします」
「ええと、デュノア君はデュノアさんと、言うことでした」
「「え……」」
シャルロットの本来の姿……女子の服装だった。ライ以外は言葉が出た。
「(皆、驚くよな……俺も驚いたしな)」
「つまり、デュノア君は女?」
「おかしいと思った! 美少年じゃなくて、美少女だったわけね!」
「って、織斑くんとライくんは知らなかったの! ライくんは同室なのに!」
「ちょっと待って! 昨日って確か、男子が大浴場使ったわよね!?」
ドカーン!!
突然、教室の扉の壁ごと壊して入ってきたのはISを纏った鈴だった。
「一夏ぁっー!!」
鈴は一夏に目掛けて衝撃砲をフルパワーで狙う。
「ちょっと待て! 俺は今知った!!」
何も知らない一夏は状況が飲めていない。ライは一夏を見逃さなかった。
「鈴! シャルロットと入ったのは俺で一夏は―――「ライ!! 巻き込まれたいの!!」……(現在の状況は一夏を残し、シャルロットと一夏の周囲にいる生徒を退避することだな)全員一夏から離れろ! 確実に死ぬぞ! シャルロットも早く!」
「う、うん!」
ライの判断で、一夏周囲の生徒は下がった。ライもシャルロットと共に避難する。
一夏はライに助けを求めた……。
「ライ!? ……ドウシテ」
「必要なのは生きること……
…………許せ」
………
「てッ! 何でそうなるんだ!!」
「憎まれ役の幕引きだ一夏……」
「誰の台詞だよ!!」
「……ジャック・L」
「誰だよそいつ!! Oじゃないの!? ちょっと待ってくれ!死ぬ死ぬ死ぬ、ライの言う通り、絶対死ぬーー!!」
ズドドドドンッ!
「あれ? 死んでない? ……!?」
一夏が目を開けると、黒いISのラウラが立っていた。AICで衝撃砲を無力化したようだった。
「ラウラ! 助かっ―――!!??」
一夏はラウラに感謝するが、それと同時に一夏の唇を奪った。クラス全員に衝撃が走った。
短いようで長いキスから離れたラウラは言った。
「お、お前は私の嫁にする! 決定事項だ! 異論は認めん!」
「「えー!!」」
また、クラスに衝撃が走った。今日も度々な出来事が起き過ぎている。
「? ……はぁ!! 何で! と言うか―――」
一夏も焦っていて、言葉ご出なかった。だが、一人の男子は飲めていた。
「嫁? 婿じゃなくて?」
ライは一人何事もないように答えていた。
「アンタねええええー!!」
キスの光景を見た鈴は衝撃砲を構える。
「待て! 俺は悪くない! どちらかと被害者サイドだ!」
「アンタが悪い! 何事もアンタが悪い!!」
話し合いの余地はなく、一夏は教室の後ろから出ようとするが、視界に見覚えのあるスナイパーが見えた。
「あら、一夏さん? どこかにおでかけですか? わたくし、実はどうしてもお話ししなくてはならないことがありまして。ええ、突然ですが急を要しますの、おほほほ……」
そう言いながら、セシリアのIS、ブルー・ティアーズを装備してスターライトで一夏に狙いを定めた。
「(廊下は駄目だ……二階から―――!?)」
窓へと逃げようとしたが、その先に刀を突き立てられていた。
「……一夏、貴様どういうつもりか説明してもらおうか」
「待て待て待て! 誰でもいいから俺の話を聞いてくれ!!」
まるで、俺の歌を―――みたいな感じだが、一夏の話は誰も聞かずに叩き始めた。
一方、ライは被害が及ばない位置にいた。
「一夏は人気者だな……皆、そんなに仲良くなりたいなら直接言えばいいのに……
……ところで何故ラウラは俺を拘束してる? 俺が動けないのだが……」
ライは安全な所にいるが、ラウラのシュヴァルツェア・レーゲンの両手でライをホールドしていた。
「そ、それは……お前にも迷惑をかけたから……一夏には初めてしたから、これで―――」
と、ラウラは目を閉じて、顔はライに近付けていた。
「ま、待て! お、俺の話を―――間違っている、間違っているぞ!! 頼む! 誰か―――」
「ラウラ、一夏が大変な状況だよ。助けに行かないと不味いじゃない?」
「……確かにそうだな、この件は後でな」
シャルロットが一夏の状況を言うと、ラウラは一夏の方を見て、ライを解放して助けに行った。
「後でどころか、忘れてくれ。一体誰から教わった行動なんだ……
……ところで、シャルロットさん、発言の許可を求めます」
「うん、いいよ」
ライはどうしてシャルロットにその言葉を聞くのはさっきと何も変わっていなかったからだ。
「その一、何故ISを展開を? その二、何故ISで俺を捕まえてる? その三、パイルバンカーを何故俺に?」
ラウラはライを解放したがその瞬間シャルロットがISを展開、右手で拘束、左に搭載されているシールド・ピアースをライの目の前に向けていた。
「う~ん……その一はライを逃がさないため、その二は外さないため、その三は“確実”だからだよ」
シャルロットは笑顔で言ったが、ライにはその笑顔が恐ろしかった。
「(確実って―――)……最後の発言を希望します」
「うん、いいよ」
既にいつでも発射状態にライは目をつぶって、最期に思った事を言う。
「…………髪を縛ってるリボンがとても似合ってました」
「…………」
ライは覚悟をしたが、何秒か経過しても何も起きていなく、目を開けるとシャルロットは武器を閉まって、ISも解除した。
「え~と、シャルロットさん?」
「……ライは油断しすぎだよ。もし僕が止めなかったらどうなってたの?」
「そ、それは……」
もし、シャルロットが止めていなければライはラウラとキスをしていた。どうしてシャルロットが止めたのかわからないが、とにかくライは助かったのだ。
「それだけだから、気をつけてね」
「わかった……努力するよ」
「うん!」
シャルロットは笑顔を出す。さっきとは違い、可愛い笑顔だった。
「…………ところで一夏は大丈夫かな?」
「う~ん、大丈夫じゃないと思う」
二人は千冬が来るまで、安全地帯にいた。
「(今回のこと、千冬さんが知っても大丈夫なのかな?……それよりも―――)」
ライは窓の向こうの空を見つめる。
「…………いい空だな」
ライは空を見ながら、そう思うのだった。
…………主人公のISの名前、どうしようかな……漢字とカタカナ……どっちにしようか……
続きやった方が方がいいでしょうか?
-
続ける
-
完結でいい
-
続けてヒロイン追加