日頃のストレスを発散すべく、日頃の妄想を書いてみたくなり投稿しました。
初めての作品なので、お見苦しい点があるかもしれませんが、楽しんでいただけたら幸いです。
とある町のアパートの一室、とある少年が恐る恐る手に持った書類に目を通している。
書類の文字を穴が開くのではないかというくらいジッと見つめ、ガックリとうなだれる。
「……またか。」
届いたのは就職試験を受けた企業からの合否結果通知書。
またかという言葉から分かるように、結果は不採用。
「……はぁ。」
少年、佐賀 岬はため息を漏らし、箪笥の上の卓上カレンダーを見る。
今日は9月1日。学校を卒業してから、一年と約半年が経過していた。
就職試験を受けたことから察せるが、彼は無職、就職浪人である。
別に彼が学生の間、就職活動を怠っていた訳ではない。
むしろ就職氷河期とさえ言われているこのご時世、精力的に活動した。
企業への合格を決め、卒業式を終えて社会人として最初の一歩を踏み出す…はずだった。
内定取り消しの通知が届くまでは。
踏み出した地面が脆くも崩れ去り、人生という名の階段を転げ落ちている気分だった。
もちろん学校もそういった卒業生を対象に緊急措置として1年間の就職支援期間を設けた。
企業見学会や企業への斡旋等、さまざまな支援を行った。
しかし、その甲斐も無く悉く不採用。
溜息の1つでも吐きたくなるというものだ。
(就職内定率が安定してきたなんて、絶対嘘っぱちだ。)
学校側も1年以上は面倒を見きれないのか、「頑張ってください」や、「強く生きてください」といった言葉を言うだけとなった。
RPGゲームのNPCなのではと思ったくらいだ。
「…はぁ、コンビニ行こ」
憂鬱な気分を払拭しようと、気晴らしに外に出ることにした。
ジーンズに白地にメーカーのロゴがプリントされたTシャツ、薄手の上着を着て道を歩く。
(弁当と、今週の雑誌…はまだ買ってなかったけ?)
買うべき物を脳内でピックアップしながらなんとなく周囲に目をやる。
生まれてからずっと見てきた見慣れた町。されど年月が進み、旧い物は新しい物と入れ替わり
幼い頃からあった建物は数えるほどしかない。2度と戻ることの無い風景は一種の郷愁を呼び起こしさえする。
(……なんか、俺だけ変わらないっていうか俺だけ周囲(まわり)から置いてかれてるな。)
級友達は定職に就いており、路頭に迷っているといった話は無い。中には1児の親となった者も居る。
それに比べ、未だに職も恋人も見つけられない自分に焦燥感が沸いてくる。
「あぁ、仕事欲しい……できれば福利厚生がしっかりとした。」
職を求める者としては当然の考えかもしれない。だが世間には働こうにも働けない人々のいる昨今、とても贅沢な要求かもしれない。
しかし岬は知らない。数十分後に自分の未来に大きな変化が訪れることを。