戦姫絶唱シンフォギア Never Ending Odyssey 作:パイシー
項目名:セレナ
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セレナ
[編集済]
年齢:15歳
聖遺物:[編集済]
SONG所属のシンフォギア装者。寄宿舎ではなく、SONG本部から離れた市街地のマンションにて一人暮らしをしている。
表面上はしっかりした優等生だが、本当はかなり弱気な性格で強引に迫られると断ることができない。
普段は本部にこそいないが、奏を介して今の状況は理解しており、必要に応じて響達を支援するつもりでいる。
[編集済]であるこの世界の■■■とは強い絆で結ばれており、彼女の存在が心の支えになっている。
セレナが本物ではないかもしれない、その意味がクリスには分からなかった。
「偽物?一体どういうことだ……?」
クリスの質問に、翼は黙って一つのUSBメモリを見せた。
「これは、今朝奏が私にくれたものだ。中に入っていたのは、この世界のギャラルホルンの起動実験の記録だ。半年前、キャロルが怪獣を呼ぶ石とされる謎の聖遺物を改造して、ギャラルホルンを作り出したとある。そして、3ヶ月前に最初の起動実験として起動され、奏が召喚された。その次は私達6人だ」
「じゃあ、あと一人はどこから来たんだよ?」
「さあな。私も今日一日調べられる範囲で調べたが、出てこなかった。それ以前に、『セレナ・カデンツァヴナ・イヴ』という名前すら見つからなかった。マリアはフロンティア事変の実行犯として記録されているのに、だ」
翼の言っていることに矛盾はない。セレナが生まれず、マリアが一人っ子として育った世界がこの世界とすれば矛盾は発生しない。しかし並行世界から渡ってきたメンバーにセレナの名前が無いとなれば、話は違う。クリスが出会ったセレナの説明がつかない。
「奏がなぜ私にそれを教えようとしたのかは分からない。だが、あのセレナが私達の知っているセレナではない事は確かだ」
「セレナが敵のスパイかなにかだって言いたいのかよ」
「いや、その確証はない。ただ、あのセレナが誰なのか、それはハッキリさせるつもりだ。協力してくれないか?」
味方の中にスパイがいるとはクリスは思いたくはなかったが、正体不明の人間がいるとなれば話は別だ。クリスは、翼の提案を承諾した。
スペクトルの拠点に帰ってきたスズチェンコは、トゥエルノに手厚く出迎えられた。
「スズチェンコ!無事だったのか!?」
「ごめん、デイトナはやられちゃったし、シンフォギア装者も連れてこられなかった」
「良いんだ良いんだ!お前さえ戻ってきてくれれば!デイトナのことは残念だったが、一人でも帰ってくれたんだからな!」
トゥエルノはスズチェンコを思いっきり抱きしめた。実際、スズチェンコが調の解析を行ったことで、レイオニクスのDNAサンプルという貴重なデータが手に入ったのだ。決して無駄ではない。
「ボスだって、レイオニクスがいるって分かって喜んでたぞ!」
「うん、ありがとう……。それでね、トゥエルノ、ちょっとお願いがあるんだけど」
「おうおう!何でも言ってみろ!何かいい考えなら、やってみようじゃねえか!」
トゥエルノに促され、スズチェンコは自分の作戦を話し始めた。
セレナが偽物かもしれない。クリスは翼の仮説を未だに半信半疑でいた。あまりセレナと仲の良い訳ではないが、助けてくれた人間を敵なのではという疑いをかけていいのだろうか。
(でも先輩にああ言っちまった手前、変にセレナの肩は持てないよなあ)
「あ、クリス。良い所に」
クリスがどうしようか考えていた時、マリアに声をかけらた。
「ねえ、クリス。セレナに会ったらしいわね」
「ああ。そうだけど?」
「その、元気そうだった?あの娘確か料理とか覚えてないはずだから、ちゃんとしたもの食べてるか不安なのよね」
クリスは一瞬、受け答えに迷った。もしここで、正直に答えれば、どこで料理を覚えたのかとマリアは気になるだろう。そして適当に答えれば、ツッコミを入れられてボロが出てしまう。
「あぁ、悪ぃよく覚えてねえや。でも覚えてないってことは、元気ってことじゃねえか?」
「そうよね。私が気を使いすぎたのかもしれないわ。ごめんなさいね」
マリアはそう言い残して去っていった。なんとか無難に乗り越えられたようで、クリスも思わずため息が漏れた。本来であれば、マリアにもセレナのことを伝えておくべきだったのかもしれないが、うっかり地雷を踏んで連携の不和でも招いたら元も子もない。
クリスは外の空気を吸ってリフレッシュしようと、一度外に出た。そこで、玄関口でウロウロしてる不審な人物がいた。
「セレナ?」
セレナは声をかけられて小さい悲鳴を上げて、クリスの方を向いた。普段は見ないキャスケット帽を被っているので、一瞬誰だか分からなかったが、なんとなく雰囲気がマリアに似ていたので分かった。
「なんだ、雪音さんですか……」
「なんだってなんだよ。お前、かなり怪しいぞ」
セレナはキャスケット帽に加え、半袖のジャケットを羽織り、ミニスカートを履いている。普段の格好とは勿論、ちょっと遊びに行くにしても少しおしゃれすぎる格好だ。そんな人間が入口付近でウロウロしていれば、否が応でも目立つ。
「私、そんなに目立ってます?」
「あぁ、バッチリな」
クリスに指摘されて、セレナはがっかりしているようだった。アレで目立っていないと思っていたのだろうか。
「てかこんなところで何やってんだよ。なんか悩みがあるなら相談にのるぜ?」
ここでいつまでもグダグダとしていたら、マリアと鉢合わせして余計ややこしいことになる。これ以上気苦労を背負いたくないクリスは、場所を移そうと考えた。
「あれ?クリスちゃんにセレナちゃん?こんなところで何やってるの?」
たまたまお昼を食べようとしていたのか、本部から出てきた響と鉢合わせしてしまった。クリスは、下手をするとマリアより面倒な人間と遭遇し、やってしまったという思いに駆られる。
「あ、ど、どうも……!奇遇ですね!私達これからお昼なので、一緒にどうですか?!」
セレナも平静を装って、響を誘っているが、どう見ても顔がひきつっている。
「え?いいの?いやあ、助かるよー。この辺のふらわーとか無いみたいだし、お昼どうしようかな~って思ったとこだったんだ!」
こうして、ノリノリな響、戸惑いを隠しきれていないセレナ、いまいちスッキリしないクリスの3人でお昼を食べに行く事になった。行き先は、元の世界でもよくあるファミリーレストランだ。
クリスはすぐに響を止められるように響の隣に座り、セレナがその向かいに座る。特に食べたいメニューもなかったので、日替わりランチを3つ頼んだ。
「うん、味も変わらないね。私の知ってる味と同じだ」
「さすが、チェーン店。どこの世界に行っても同じ味が楽しめるんですね」
響とセレナもそんな話をしながら、運ばれてきた料理を食べている。事情を知らない響がうっかり地雷を踏まないかと心配していたが、杞憂で終わりそうだった。
(よし、このまま何事も無く終わってくれれば……)
「そういえばさ、セレナちゃんはマリアさんに会わないの?すごい心配してたよ?」
その一言で、場の空気が一瞬で凍りついた。セレナは完全に固まってしまい、クリスは飲んでいたコーヒーを吹き出しそうになってむせてしまった。
(コイツは地雷原でタップダンスでも踊ってるのか!?どうしてこうも的確に地雷を踏みに行くんだ!)
セレナは何か言おうとしているが、うまく言葉を紡げていないようだ。
「え、えっと……。マリア姉さんと、距離の取り方がわからないっていうか……」
何とかセレナが放った言葉それだけだった。何かブツブツ言っているようだが、上手く聞きとれない。
「よし!じゃあ私がマリアさんの代わりになって、予行演習をしよう!私をお姉ちゃんだと思ってくれていいんだよ?」
響は大きく腕を広げて、頼もしいお姉ちゃんアピールのようなものをするが、わざとらしすぎて逆効果だ。セレナも反応に困っているようだ。何とか笑顔を取り繕うとしているが、どこか陰のあるような表情になってしまっている。
「おいやめろよ。困ってるだろ」
「えー。いい考えだと思ったんだけどなー。私、一人っ子だから妹とかいたらなーって思うんだよ!セレナちゃんいい子だし、セレナちゃんが妹だったいいなーって……」
「いやいやダメだろ、こんなバカの妹なんて……」
2人が喧嘩しているのに嫌気が差したのか、セレナは突然立ち上がった。
「ごめんなさい。これは私の問題なので、気を遣っていただかなくても平気、です。もうへっちゃら、ですから」
セレナはそれだけ言い残して走り去っていってしまった。終始俯いていたせいで、その表情までは読み取れなかった。さすがの響もマズいと思ったのか、さっきまでの威勢は鳴りを潜めている。
(こりゃデカい地雷踏んだなおい……)
響のこういう無遠慮さはいつものことだが、今回踏んだ地雷は、かなり大きいものだとクリスは実感せざるを得なかった。
気まずい空気のまま、食事を終えてレストランを後にする。レストランを出ると周囲が騒然としているのがすぐに分かった。周囲の人々が、『何か』を見て、怯え逃げ始めたのだ。クリスはその『何か』がいる方向を見て、敵の正体を確認しようとした。
「はぁ!?何だありゃ!」
真っ黒な塊がそこには浮いていた。その表面はよくわからないが、デコボコしていて、ゴツゴツとしているのは分かる。
「おい、アレも怪獣なのか?」
「えぇ!?あんなのゲームにはいないよー!ちょっと待ってて!切歌ちゃんにも聞いてみる!」
響は通信機を取り出して、切歌に連絡を取ろうとしている。クリスはすぐにバキシムを召喚しようとしたが、ココで召喚すれば出現するだけでも甚大な被害が出かねない。
「もしもし?切歌ちゃん?真っ黒な塊の怪獣って知らない?なんていうか、表面はすごいゴツゴツしてて、こう……そう!ゴミを固めたような……。え?なんだって?それが名前?……うん!ありがとう!私平成はまだ見てないの多かったから、助かったよー」
切歌から無事、怪獣の正体を教えてもらえたらしく、響は満足そうに通信を終えた。
「で、アレの名前は?」
「ユメノカタマリ、だって」
響はすごい言いづらそうに言った。切歌の怪獣に関する知識は間違いなく本物だと分かってはいるものの、そんなファンシーな名前の怪獣がいるとは信じがたかった。
「ユメノカタマリねえ……。どう見てもゴミノカタマリだろ」
「私も一瞬、分からなかったけど、よく分からない塊っぽい怪獣って言ったら、多分コレデス!って……」
突拍子もない名前で、響自身も困惑しているようだった。正直名前などどうでも良いのだが、クリスはアレをユメノカタマリという名前で呼ぶのはあまり良い気がしない。
「ユメノカタマリなんてふざけた名前、さっさとぶっ潰してやろうぜ」
幸い、ユメノカタマリは浮いているだけで、特に被害は出していない。逃げ遅れた人も見当たらないので、少し開けた場所でなら問題なく怪獣を召喚できるだろう。
「させるかよ!」
クリス達が移動しようとした時、いきなり頭上から奇襲を受けた。クリス達はとっさに回避して距離を取る。
「悪いがスズチェンコの邪魔はさせねえぜ」
上から襲ってきたのは、レイビーク星人トゥエルノとバルキー星人ジークの二人組だった。2人は強化アーマーのようなものを纏っており、今にも襲ってきそうだ。
「お前たちがアレを作ったってことでいいんだな?」
「当たり前だ。スズチェンコが立てた計画でな。邪魔させるわけには行かねえんだよ!」
クリス達はコンバーターを外して、通常のシンフォギアとしてギアを起動させる。キャロル曰く、レイオニクスギアと通常のギアの使い分けは本人の気持ち次第でできるらしいが、クリス達はまだうまくコントロールができないのでこうするしかない。
「行くぜ!」
クリスはイチイバルを乱射して先手を打つが、それより先にトゥエルノ達が攻撃が回避する方が先だった。トゥエルノ達の足から小型の車輪が現れ、すばやくイチイバルの攻撃から逃れる。続いて響がトゥエルノ達を先回りして一撃を浴びせようとするが、トゥエルノ達の機動性の方が上だった。
「行くぜジーク!」
「おうよ!」
トゥエルノの合図で、腕のコンテナ部分が開き、巨大なチェーンソーが現れた。2人は円を描きながらクリス達めがけてチェーンソーを振り下ろす。響が手甲を盾にしてなんとか跳ね返したが、一撃だけでも息を切らしている。
「その武器、調ちゃんの……!」
色や細かな意匠こそ違うが、トゥエルノ達が装備しているものは明らかにシュルシャガナに似ていた。だがオリジナル程変幻自在の無限軌道は再現できず、せいぜいチェーンソーの形を似せる程度しかできていないのだが。
「ああそうだ!デイトナが残してくれたデータで作った武器だ!俺たちは死んだ仲間も無駄にはしねえ!最後に残ったやつが目的を果たすんだ!」
再びチェーンソーの攻撃が来る。響はまたしても攻撃を防ごうとするが、今度はチェーンソーが真ん中で折れ、的確に響の首を狙う。距離から言って、回避することは容易だが、そうなればクリスの身が危ない。
「クリスちゃんごめん!」
響はクリスを突き飛ばすようにして攻撃を回避した。しかし、かなり無理がある体勢で回避したせいか、響の肩をチェーンソーが掠めた。響は傷口を抑えてその場に跪く。抑えているのは利き腕ではなかったから良かったが、響の戦闘スタイルからいって、腕をやれたのは痛い
「おい!大丈夫か!?」
「大丈夫、へいき、へっちゃら」
響は自分を落ち着かせるかのようにそう答えた。傷はかなり深いようで、抑えている手からも血が溢れている。クリスは短期決戦をしなければと思い、ペンダントに手をかけた。
「イグナイトモジュール、抜剣!」
クリスはイグナイトを抜剣し、すぐさまトゥエルノとジークの腕めがけて弾をばらまく。姿が変わったことに驚いたのか、トゥエルノ達は一瞬の隙を突かれて片方のコンテナを破壊されてしまった。腕から伸びていたチェーンソーは、根本から折れて、地面に突き刺さった。
「クソっ!隠し玉か!?」
「トゥエルノ、どうする?押し切るか?」
「いや、撤退だ。アレを見ろ」
トゥエルノが指した方向には、ユメノカタマリに立ち向かおうとする一体の巨大ロボットがいた。漆黒のボディに巨大な槍を携えて、今にユメノカタマリに向かっていこうとしている。
「おい何だありゃ!?ペダン星人でもいたか!?」
「とにかく、スズチェンコの応援に行くぞ!」
トゥエルノ達は一目散に撤退していった。クリスはすぐに通信を入れて、救護要請を出した。
「おい!響が負傷した!すぐに助けを頼む!後、装者を連れてこい。怪獣を呼べるやつな!」
ここがSONG本部からそう遠くない場所なのが幸いしたのか、救護用のヘリが5分足らずで到着した。中にはマリアと切歌、調の3人が乗っており、響の止血を始めた。
「すみません、マリアさん……」
「そういうのは後でいいの!切歌!調!早くいってらっしゃい!」
2人は無言で頷き、ユメノカタマリに向かっていった。響はマリアに担がれてヘリに乗って、マリアにガングニールのギアを託して撤退していった。
「随分早えな。助かったぜ」
「ええ。こっちも出撃準備をしてる最中だったし、タイミングばっちりね。クリスもゆっくり休んで頂戴」
クリスはこの状況が片付いたという安心感から、一気に肩の力が抜ける。2対1という不利な状況ではあるが、ユメノカタマリは動かないのだ。あの黒いロボットだけ相手にすればいい。そう思っていた。
しかし、事態は予想外の方向に動いた。黒いロボットの槍が、ユメノカタマリを貫いたのだ。ユメノカタマリは手足が生やして狼のような姿に変化した。それで逃げ切るつもりなのだろうが、黒いロボットはユメノカタマリの核らしき部分を正確に掴んでいる。
最早逃げることすらできなくなったユメノカタマリは、無様に黒いロボットに突き刺され、崩れ落ちていった。それは戦闘と言うにはあまりにも一方的で、処刑、といった方が正しいような、そんな一方的な戦いだった。
黒いロボットはユメノカタマリが消えたのと同時に消滅し、あっという間に事態は収束してしまった。
「なんなんだよ、あれ……。あたしらの敵か?」
「さあ……。まだ判断材料が少なすぎるわ」
程なくして、2人の通信機から着信音が鳴った。マリアが応答すると、焦った切歌の声が聞こえてきた。
『大変デスマリア!セレナが、すごい熱を出して倒れてるデスよ!』
「なんですって!?待ってて、すぐ行くわ!」
切歌はかなり焦っていたのか、マリアだけでなく、クリスの通信機にまで通信を入れてしまっている。しかし、それだけ事が大きいのだと物語っている。
マリアとクリスは、通信を終えるとすぐにセレナの救助へと向かうのだった。
SONG怪獣図鑑
ユメノカタマリ
体長:不定
体重:不定
ステータス
力:★★☆☆☆
技:★☆☆☆☆
知:★☆☆☆☆
スズチェンコが開発した怪獣。コアのユニットに街中のゴミを吸収させて誕生させた。
本人は、かつて地球に侵攻したミジー星人の先輩が製造したロボット怪獣を作りたかったが、予算の都合でこうなってしまった。
本編ではあまりにもあっけなく倒されてしまったが、コアを破壊しなければダメージが通らないという厄介極まりない性質を持つ。
装者のコメント
切歌:まさかダイナ怪獣が出てくるなんて思わなかったデスよ……。
クリス:こういうのが怪獣って、デザインしてた奴は何考えてたんだ?