初めて書いたものを見直すと色々書き足りなかったことが出てきたのでリメイクみたく加筆修正を行いました。
お付き合いいただきありがとうございました。
数か月後どうやって調べたのか材木座のアパートのポストに結婚式の招待状が届く、材木座はたまっていた有給をここぞとばかりにつぎ込んで比企谷の待つ山形へと向かった。
山形へは結局二人が消えてから一度も足を運んだことは無かった為、かなり久しぶりとなる。
まず叔父さんの家に挨拶をしにいくと会社は全部任せて自分は会長として悠々自適な生活をしているとのこと、材木座は実は比企谷達とは同窓生だと話したところ詳しい話は全て数日前に聞いたとのことだった。
式には参加しないのかと聞いたところ同窓会も兼ねているので身内だけでやるから自分は不参加とのこと、あとは行ってみればわかるとのことだった、叔父さんはニヤニヤしながら
「義輝君のおかげでいろいろすごいことになっているぞ」
と言われたがなんのことやらと首をひねり式の会場へと足を運ぶ
式の会場に到着すると見慣れた顔がたくさんいた。
「戸塚殿!久しぶりであるな、八幡の会社はどうだ?」
「材木座くん!久しぶりだね!まだ少ししか働いてないけど、高校の時の知り合いがたくさんいてとっても楽しいんだ!」
「左様か、それはよかったのう、しかし式に来る人はこれだけか?社長と言ってる割にはずいぶんと少ないようだが」
「うん、式は身内だけでやるからってこれしかいないんだ、理由は材木座くんならわかるでしょ?僕、話全部聞いたよ」
「あーもしかしてラノベの話か・・・」
「そうだよ!材木座くん!すごいよ!八幡と雪乃さんと結衣さんの為に小説を書いてあげたんでしょ?あの時僕は何にも知らなくて・・・知っていても何にも出来なかっただろうけどさ・・・」
「ちょっとマテ、いったいどういう話になっているのだ?我は別にそんなつもりじゃ・・・」
材木座が戸塚に訳を聞こうとしているとき
「ちょっと材木先輩、酷くないですかー?」
一色が話に割り込んできた
「なんで小説に私も先輩と駆け落ちするって書いてくれなかったんですかー?ひどくないですかー?」
「いやちょっとマテ、おぬしは誰だ?」
一色とはほとんど顔も合わせたことが無い上に接点がまるでなかったので顔は完全に忘れていた
「はぁ?材木先輩酷すぎますよ?生徒会長の顔忘れたとかそれでも本当に総武高校の元生徒ですか?つか材木先輩が小説に私のこと書いてくれれば先輩は私の物になって私は社長夫人なれたんですよ?責任取るべきですよね?」
一色がかなり怖い顔で迫ってくる
「ああそう言えば一年で生徒会長になったのがいたな・・・ってかもうそんな昔のこと忘れたわ!我とそんなに接点なかったであろう!ってか先輩って八幡のことか?おぬしとの関係なんぞ知らぬわ!」
「酷いですよ!もうこうなったら式の最中ちょっとまったコールをかけるしか・・・」
「おい、ちょいと待たれよ・・・ってもうどっかに行ってしまったな・・・ってかいったい八幡はどんな話を皆にしたんだ?」
一色が去って行った方向を見ていると別な方向から声がかかる
「・・・書いて」
「んん?」
振り向くとずいぶんと若い、女子大生だろうか?やけに雪乃と雰囲気が似ている女の子が立っている
「八幡が私と不倫して逃避行する話書いて」
「いやちょっと待たれよ、おぬしは何者だ?」
「人に名前を聞くときは自分からって雪乃さんに言われなかった?」
「ああ、材木座義輝と申すがおぬしは?」
「鶴見留美・・・八幡の女」
「え?マジデ?」
「嘘に決まってるでしょ、ばっかじゃないの?いいから書いて、私と八幡が逃避行する話、あの女たちに負けたくない」
「んな無茶苦茶を言うな、つか本当におぬしは何者なのだ?八幡とどういう関係なのだ?」
材木座は謎の美少女の出現に戸惑ってしまう
「昔どうにもならなくった時に八幡に助けられた、雪乃さんとはメル友、今はこっちの大学に通いながらアルバイトで働いてる」
「んもう、八幡のやつこんな若い子まで・・・あれ?昔って我らが高校の時だよね?」
「そう、助けられたのは私が小学生の時」
その発言に小学生にまで奴は手を出していたのかと呆れてしまう
「八幡の奴なんであちこちにフラグ立ててんの?あいつなんなの?本当に爆発すればいいのに」
材木座は自分の頭をぐしゃぐしゃとかきながら嘆く
「八幡に危害を加えたら許さないから・・・絶対書いて、私は忘れないから」
この子ヤンデレなのかしら?と材木座は引き気味になる
「ま、まあ爆発とかは冗談だ、あと不倫の話?気が向いたらな、たぶん、いつかきっと書くように善処するから勘弁してれ」
そう言って材木座はその場から逃げだす。
「なんなんだ?これって肉食系女子って奴?八幡ってこんなのに囲まれていたの?」
これ以上ここにいるとまた誰かに因縁つけられちゃうと思っているとまた声がかかる
「なあ材木座、断罪って言葉が似合うキャラってなんだと思う?」
「あ!平塚先生ではないですか?」
テレビではよくわからなかったがもうアラフォーなのに学校の時とあんまり変わらないなと余計なことを考える
「やっぱ断罪というとカズマより劉鳳って感じなんだよな、なあ絶影の剛なる拳ってどんな名前だっけ?」
そう言ってこぶしを固める
「ちょちょっと平塚先生・・・じゃない、平塚さん、何をそんなに怒っているんです?」
「今回の式や正妻と愛人とか元教育者として完全に納得できるものではないだろう!貴様のラノベが元でとんでもないことになっているではないか!」
「そんなこと申されてもですよ?こちらもこんなことになるとは・・・」
「黙れ貴様、教師を辞めてすぐこちらにお世話になれたのはよかったが、アパートに居たときなんてあいつら毎晩ハッスルしていたんだぞ?貴様が由比ヶ浜を送り込んでから余計に激しくなりやがって!次の日が休みだとそれこそ一晩中だ!それを聞かせられる見にもなってみろ!そしてだ!朝飯を御馳走になりに行くと部屋が異様に生臭いんだぞ!元教師としてどんな顔でいいかわからなかったんだからな!」
「いやそんなこと言われましても」
でも確かこの人にも?と思い聞いてみる
「でも先生、先生にもいい人ができたとか?高校の時八幡から聞きましたが?」
途端に平塚にはさっきまでの勢いが無くなる
「あーそれか、それはだな・・・」
「平塚さんはもう結婚しているよ、忙しくて式をするのが延び延びになってるだけ」
横から青みがかったロングヘアーの女性が話しかけてきた
「相手も平塚って苗字だから変わってないだけ、相手はこっちによく来ていた某重工の技術屋、相当なラブラブっぷりだよ」
「ああ!、ちょっと川崎!」
「いいじゃない、先生・・・じゃなかった平塚さん、私がこっちに来たときの衝撃は未だに忘れないよ、あの平塚先生が男相手に弁当を用意してさらに食べさせ会ってるなんてさ」
「!!!!!」
顔を真っ赤にした平塚はどっかに走り去っていった。
「はーあの先生がなぁ、人生分からぬものだわい」
材木座はそう言ってその場を立ち去ろうとしたが川崎に呼び止められる
「ちょっとあんた」
なんだか顔がかなり怖くやばい雰囲気を醸し出している
「あんた、やっぱり比企谷のこと知っていたんじゃないか!」
材木座の襟首を掴んで睨み怒鳴る女性
「あの時なんで教えてくれなかったんだ!あの時!もし教えてくれていたら!」
襟首をぎゅうぎゅうに締め付けるので息が苦しくなる
「ちょっちょっとぐるじい」
目を白黒させていると別な方向から声がする
「なにあんた?いい年こいていじめ?ウケるんですけど」
声がする方を見ると通称獄炎の女王こと三浦が立っていた。
「・・・あんたこそいい年してその格好はなに?そんなに足だして恥ずかしくないわけ?」
「は?」
「あ?」
この二人めっちゃ怖い!そう思い逃げ出そうとしたら
「まちな、話は終わってないよ!」
「ひぃい!」
材木座は足がすくんでしまう、蛇に睨まれたカエル状態である
「あーしもあんたに聞きたいことあるし、なんであんたがヒキオ達の為にあんなもん書いたか超気になるし」
「こっちが先だよ」
「あ?」
「は?」
またも睨みあう二人
三次元の女ってこんなに怖かったっけ?
おろおろしているとまた声がかかる
「優美子、そのぐらいにしたらどうだ?川崎さんも落ち着いて、今更問い詰めても何も変わらないだろう?それに今日は記念すべき日じゃなかったっけ?」
声がした方を向くと葉山だった。
葉山は三浦と川崎を別方向に連れて行くとすぐ戻ってきた
「やあ材木座くん、話は聞いているよ、君のおかげで大変なことになってしまったね」
「貴殿は葉山殿か?いったい何がどうなっているんだ?」
「数日前この式の日取りが決まった時に君が書いたラノベ?って奴かい、あれを比企谷、いや比企谷社長がみんなに見せてくれたんだよ、今ここでこうしているのはこれを書いてくれた奴のおかげだと言ってたな、読んで驚いたよ、君は何かの能力者なのかい?」
「いや、まさか、我は単に奴がパクりといちいち指摘して来るから・・・つか葉山殿は何故ここに?」
「俺は最近呼ばれたんだよ、どうやら奉仕部を知ってる人や関わった人全員に声かけたみたいだね。俺は今弁護士の修行中なんだけど呼ばれてさ、会社を大きくして新社屋にするから人材を集めていて俺に法曹関係を全部任せたいとか言われたんだ、俺の場合うちの弁護士事務所から出向って立場だしひよっこだから大変だけどさ」
「さ、左様か、しかしこう言っては何だが貴殿らはあんまり仲がその・・・」
「それ言っちゃうかい?まあ確かにね、相変わらず面と向かって嫌いだと言われてる、でも仕事だけは信頼できると言われてるんでね、これで少しは償いが出来るのかなと・・・ああ、これはこっちの話だった、ともかく式を楽しんでくれ、こんな式は前代未聞だよ、自分の式もまだなのに俺と陽乃さんが仕切るように言われていてさ、色々雑用をしないといけないからこれで失礼するよ」
そういって葉山は腕時計を見ながら早足で会場へと姿を消した
前代未聞?なんだかさっきから大変だのなんだのと猛烈に嫌な予感しかしないが、あと自分の式とか言ってたな、相手は獄炎の女王なんだろうか?
そんなことを考えているふと気が付く『陽乃さん』と今いったよな?まさかと思っているとまたまた声がかかる
「材木座くんだったよね?確か高校の時あったよね?」
満面の笑顔でこちらに話しかけてきたのは陽乃だった、やっぱ出た!高校のことを即座に思いだし材木座は足がすくんでしまう
「は、はひ!、おひさひぶりでござります!」
「あのときはうまいこと騙されちゃったわねー、雪乃ちゃんが陰で氷の女王なんて呼ばれてたなんて知らなかったし、逃走経路なんて一旦名古屋に行ってからフェリーで仙台行って山形?それにガハマちゃんとの嘘のお付き合いとか本当に何杯も食わせてくれたわね、てっきり愛知県内か東海地方にいるのかと思ってものすごい労力とお金使っちゃったんだよー?」
この人笑顔だけど超怖い、そもそもなんでこの人ここにいるのか?雪ノ下を連れ戻しに来た訳では無さそうだしそれとも自分になにかしにきたのだろうかと焦る材木座
「そんな顔しなくていいよ、別に君を追い込もうとしてるわけじゃないし、雪乃ちゃんを幸せにしてくれてむしろ感謝してるかな?私も比企谷くんの仕事を手伝うことにしたんだよ」
「さ、左様ですか、で、でもご自分の実家の会社があるのでは?この間ご家族が連れ戻しに来たとか聞きましたが・・・」
「あーアレ、家は母親が強引に事を進めるからね、私もその時いたけど、こっちの方が遥かに面白そうってわかったから、実家の方は同族経営だとどっかから横やり入った時に簡単に沈むよって言って強引に逃げてきたのよ、家出って奴かな?」
「そ、そんなことをして大丈夫なのですか?」
「普通に会社の中から後継者選べばいいからね、その辺も根回ししておいたから君が気にすることじゃないよ」
それにしても・・・と話を続ける
「数日前この式の日取りが決まった時に君が書いたラノベ?って奴?、読んで驚いちゃった、前に雪乃ちゃんの部屋で見た下らない内容の物かと思ってたけど、未来を暗示してるみたいだった、君、すごいね」
「い、いや、まさか、ししかしあなたと八幡達は・・・特に結衣殿とは・・・」
「あーそれ言っちゃう?確かにね、結衣ちゃんを追い詰めたりしたからね・・・まああれもほとんど家の母の指示だったんだけどやったのは私だからね、土下座して謝ったら許してくれたよ」
このプライド高そうな人が土下座?そういえば平塚先生にもしてたな
「静ちゃん辞めさせたときは家族で喧嘩になっちゃってね・・・実は静ちゃんが学校辞めた後コンタクト取ろうとしたんだけど取れなくてさ、静ちゃんまでがここにいるとは知らなかったよ、いつの間にか旦那までいるし・・・それも君のおかげとか言ってたかな?ま、ともかく式を楽しんでねー、隼人と一緒に仕切るように雪乃ちゃん言われてさ、立場は自分が上とか言って聞かないんだよ!私が姉のはずなのにこれっておかしくない?おかげで色々雑用をしないといけなくってさ、とってもメンドクサイ!」
そういいながら陽乃は笑顔で早足に会場へと姿を消した。
「なんだか他にも色々見覚えのある人がいるな、本当に高校の時の知り合い全員呼び集めたのか・・・しかし式はもしかしてアレか、本当に我の書いたラノベの通りにやるつもりか?」
材木座は既に書いた内容をほとんど覚えていなかった。データも消され、印刷されて残った一部も由比ヶ浜へ渡してるのだ。
「たしか主人公と二人のヒロインが式を挙げるというやつだったかな?え?マジでやんの?」
ものすごい不安にかられたが式の内容はまさにその通りになった。新郎を挟んでウェディングドレスに包まれた二人の新婦が並んで登場した。傍から見ると異常だろうがここにいる全員がそれを認めており、みな祝福しているという筋書きだったはずだが・・・
川崎はハンカチを咥えて悔しそうな目で見ているし
一色は新郎新婦が近くまで来たときには新郎へとびかかろうとして周りに抑えられてたし
戸部は相変わらず「ヒキタニくんぱねぇわ、やべーわ」と大声で言って葉山からたしなめられているし
平塚先生はこぶしを握りしめて
「元教育者として許していいのか?いやあいつらも覚悟の上だし・・・」
とブツブツ言いながら小刻みに震えて陽乃からなだめられているし
どっかからは
「この結婚式はじつにイノベーション的マインドでウィンウィンとなるソリューションマリッジだな」
とよくわからない横文字を言っている声が聞こえたと思ったら
「それあるー」
とわかってるのかどうなのかわからないような合の手をいれている声も聞こえる。
肝心の新郎新婦はというと新婦は始終ニコニコ顔していたのだが、小町と隣に座ってる大志が仲良く話しているのを見つけた新郎の目つきが途端に変わり、それをいち早く察した新婦達と陽乃や葉山が抑え込まなかったら面倒なことになっていそうだった
「なんだろう、我のラノベの筋書き通りとかなんとか言っているが、ここは全然違う気がする、それにこういうのってもっとおごそかにやる物だった気もするんだが、、ものすごくまとまりがないというかあくが強いというか・・・この会社大丈夫なんだろうか?そういやここにいる連中は成績が上位だったり部活動が優秀だったり何気に優秀な奴らばかりだな、それに八幡のことだ、どうとでもなるだろ、しかしこの伊勢海老は上手いな」
材木座は伊勢海老の料理を食べながら考える。
ビュッフェスタイルなので既にそればかりか食べており、その間式はまるで飲み会のように喧騒に包まれた中進んだ。
「・・・というわけで数奇な運命でつながっていた新郎新婦達はともに苦汁を乗り越えどちらも選ぶという道を選んだわけだな、何と言いうか俺はずっと影でリア充爆発しろと言われて続けていたわけだが、今ならはっきり言えるな、八幡爆発しろ!・・・・・・」
一気に静まり返る式、うわっこれは滑ったなと思ったが案の定
「隼人ーそれはないわーつまんないわー」
「今のは微妙だったね」
「あーしはおもしろかったよー隼人!」
失笑の中下手にフォローしても逆効果だろうと思って葉山を見ると案の定恥ずかしさでプルプルしているようだが
「んっんん」
咳払いをするといつものスマイル顔に戻る
「さすが元トップカースト、メンタルも半端ないのう、我なら逃げ出してるぞ」
と次の伊勢海老に手を出しながらのんきに考えていると
「えー、では最後に、今回の出来事の発端となった材木座くんからご挨拶がありまーす」
滑った発言をした司会の葉山から声がかかる
「は?」
五匹目の伊勢海老を食べてるところにスポットライトが浴びせられた。
「は?ちょっとマテ、何も考えてないぞ?」
「私をはめてくれたんだからね、このぐらいで許してあげるんだから感謝しなさい、さあどうぞ」
いつのまにか近くに来た陽乃が材木座の耳元でぼそっとつぶやく
「はわわわ」
汗がドバっと出て固まってしまう。
何も言えず固まっていると雪乃から声がかかる
「材木座くん、その伊勢海老はおいしいかしら?」
「は?ええおいしいですが」
「そう、それは私が調理したのよ?ところでその付け合せのサラダの味はどうかしら?ずいぶん残してるようだけれども」
「あ、そうでしたか、ありがとうございます。ただこの付け合せのサラダはちょっと自分の口に合わないようで、すみません」
「ふふふ、だそうよ由比ヶ浜さん」
「ちょっと!中二!ひどくない!むしろサラダだけ食べろし!」
ふくれっ面になる由比ヶ浜に声がかかる
「結衣ー!今度あーしとまた料理の練習するし!泊まり込みでやるから覚悟するし!」
「おまえら!斬新な料理を作るのはいいが家のキッチンはラボじゃないんだからよ、なんか怪しい物体とか錬成するなよ、そして毎回俺を実験台にするなよ・・・」
頭を抱える比企谷に皆が爆笑し、材木座もつい笑ってしまう。
「緊張はほぐれたかしら?材木座くん」
雪乃が材木座に笑顔で語りかける
「お気遣い痛み入ります」
しかし変わる物だ、以前は氷の女王とか言っていたがもうそのような感じではないな、こんな気遣いをするなんて高校の時には考えもつかなかった、なにやら色々枷が取れたといった感じだ。
材木座はそう思い少し落ち着いたため思いついた言葉述べる。
「あー、げふん、皆さんもご存知かと思いますが自分のラノベのストーリーは今日ここで終わっています。これからは八幡達のストーリーがはじまります。一度公開したストーリーはたとえ間違っていても修正がききません。故に後で読み返した時にあの時ああすればよかった等と後悔しないようなストーリーを作っていってください。別に最良でなくても最善でなくても、後から見て満足のいくものであれば良いと自分は考えます。これは八幡達への自分からのお願いです・・・・」
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二次会の会場は比企谷邸で行われることになった。
比企谷邸までは全員でマイクロバスで移動だったが、ちょうど材木座の携帯に仕事の電話が入ってきた為、材木座だけ後から遅れてタクシーで行くことになってしまった。
「あのー運転手さん?本当にここでいいの?なんかの施設じゃないのこれ?」
材木座の目には長い塀と門が映ってる
「ええ、ここで間違いないですよ?」
運転手に料金を払い門を潜る。
「はえー、庭がやたら広い、つか家だけで我の実家の2倍、いや3倍はあるなこれ」
塀の中の比企谷邸は広く庭に築山や池までもあった。よくぞここまで成り上がったもんだと材木座が感心していると
「やっときたか、そりゃ嫁が2人もいるんだし毎日知人が押しかけてくるんだから家はでかくないとな、まあ土地が安いってのもあるが」
後ろからラフな格好に着替えた比企谷が声をかける。
「今庭でバーベキューの準備しているからお前も早くこい、お前が来ないと始まらん、あと今日は皆泊まり込みで宴会だからな」
材木座は振り向き様に言う
「八幡!バーベキューとはとうとうお主もリア充の仲間入りか?それより新婦が二人とかあんなん初めて見たぞ!あとご祝儀は3で割りきれないように2万円包んどいたからな!」
「そこは4万円にしようぜ?まあ今回の式はお前の脳内じゃ既に開催済みだろ、そもそもお前の書いたラノベ通りに事が進んで怖いぐらいだったぞ」
「いや我にはそのような特殊能力はないぞ、すべておぬしと雪乃殿や結衣殿の頑張った結果だ」
「俺はその時やるべきことをやっただけで大したことではない、それより材木座、お前で最後だ、お前もこっちにこい、それ相応のポストを用意してある」
「八幡よ、あのラノベには我のような存在のことは書かれていなかったはずだ、原作にない無いキャラを登場させるとユーザーに叩かれる原因になるぞ?某三姉妹のアニメ2期のようにな、それに我は今の仕事が好きでな、まだ頑張るつもりなのだよ」
「やはりそうか、お前らしい回答だな、本当はもっと早く声をかけるべきだったんだが、俺は携帯をフェリーに乗っているときに海に捨てたし由比ヶ浜は家に置いてきたから、連絡取れない奴が結構いてな、戸塚もその一人だった、どうしても無理な場合はお前に頼むつもりだったんだ、でももうその必要は無くなった、だから気が変わったり路頭に迷った時は絶対に俺に声をかけろ、会社に電話してもいい、雪乃も結衣もいつでも歓迎するといっている。」
「ふむ!その時は是非頼む、社内ニートのポジでいいぞ!」
「ふ、そうだな、考えておくよ、それよりなあ材木座」
「なんだ改まって」
「俺の人生は間違っていないだろうか?たまにふと不安になる」
そう言って比企谷はボロボロになったあの日材木座が書いたラノベを手渡す。
「実はこれを支えに3人で励まし合って頑張ってきたんだ、きっと全部うまくいくってな」
材木座はそれを懐かしそうにぱらぱらとめくる、注釈やメモ書きの量が半端ではない、比企谷たちがどれだけ必死だったのが伝わってきた。
「八幡、たしか我は言ったはずだ、我のラノベの結末はみんな幸せ大団円、これ以上何を望むんだ?と、それに式場でも言ったであろう我のラノベのストーリーは今日終わったのだ、ここからはおぬしのラノベであろう」
「俺のラノベか・・・」
「それと、後悔しないようとかいったがな、ああいう席だから言ったまでだ、実の所はそんなのは不可能だ」
「どういう意味だ?」
「どう書こうと後悔は生まれる、あの時ああすればなんて必ずな!」
ふと高校の時由比ヶ浜と偽物の付き合いをしたことを思い出す、あの時本気で告白していたらと、しかしすぐ頭を振って考えを消す。
「故に!書く前から間違ってるんじゃないか、不安だなどと言ってどうする!書いてみないと間違ってたかどうかはわからん!我がおぬしらに何度ダメ出しされたと思っておるのだ!間違ってても最後まで書き続けるのが大事だとは思わんか?」
「俺のラノベは間違っている、そう思っても書き続けるのが大事ってことか?」
「その通りだ!さすがわが盟友!さあ次は我が学校で奔走している間こちらでいったい何があったのかとくと聞かせてもらうぞ、特に神田川の下りはかなりお気に入りだったからな!実現したのかどうか大変気になる!むしろ歌いたいぐらいだ!今夜は寝かせないからな!!」
「うへぇ、勘弁してくれよ」
しかし我の書いたラノベがこんな結末を迎えるとは、奴の間違ったラノベはどんなストーリーになるのか今から楽しみだ、そう思いながら材木座は比企谷と肩を組んで皆の待つ方へと足を向けるのだった。