二つの仮面を使い分ける主人に持ちかけられた決断(Personal Ride) 作:personablack
男は目を閉じた、何かを思い出すように。大事な、それでいて大切な約束をしていたかの様な記憶を手繰り寄せるように…
9月の末、丁度奥村春の父親を改心させるべく、パレスの攻略に動き出していた頃の事だ。コミュレベルや各ペルソナの育成もそれなりに良好だった彼は、早々にパレス攻略を終え、あとは春の父親の改心を待つのみでした。
双葉「よーし!パレス攻略も終えた事だ。ここは一つ、祝杯と言うか息抜きついでに誰か誘うかぁ…?えっと、チャットの方はっと」
佐倉惣次郎の家で暮らしている、佐倉双葉は怪盗の頭脳派の一人だ。パレス攻略の為の足掛かりとして皆のサポートをしている。通称ナビ。無論、怪盗で有る事は仲間以外は秘密である。
双葉「なんだよ、誰も上がってないじゃーん。あ、そうか皆パレス攻略で疲れてるもんなぁ。仕方ないか。」
そんな双葉にも弱点はある。それは、引きこもり生活が長く続いた事による不摂生と体力の無さである。無論それは、彼女が今まで受けた心的外傷と強烈なトラウマによる物なのだが、今の彼女が皆の疲れや体力について何を言おうと説得力はない。
双葉「ま、それならそれで何時も通りネットサーフィンやらアニメをっと、あれ?」
何もメッセージが無いので、早々に自分の日々の日課に戻ろうとしたが、どうやら一報が届いたようだ。
主人公「双葉、急で悪いが少し頼みがある。」
唐突なメッセージだった、しかし何やら穏やかで無い様子。何時も人見知りやら人混みの不安を克服する練習に付き合って貰ってる為、答えない訳にはいかない。
双葉「ん?どうした?何か悩み事か?出来る事が有るなら協力するぞ?」
主人公「スマホに盗聴系のアプリか何か仕込めないか?」
スマホに盗聴器を仕込むと言う普通ならプライバシーの侵害など法によっては警察に捕まってしまう目論見だが、彼らは法の網をくぐり抜けてるので関係なし。
双葉「うーん、まぁ私に掛かれば全然出来るんだが。何があった?」
主人公「郵送でルブラン宛に変な手紙が届いた」
双葉「変な手紙?…まさか、正体がバレたとか?いやまさかそんな、変装は完璧だし、情報の漏洩諸々は全部カットしてるしそんな簡単にバレる訳が…もしかして?!ファンレター?!」
主人公「双葉…」
双葉「ごめん…つい色々頭の中で浮かんじゃって…」
頭の中でついつい思い浮かんだ単語や発想をついつい早く相手に伝達したいが為に、必要以上の情報を口頭で且つ早口で伝えようとする経験、無いだろうか?その固有の物である(それは置いといて)
主人公「取り敢えず、端末を君に預けようと思う。それでアプリを仕込んでる間に皆を集めて欲しい。」
双葉「オッケー!任せとけ!皆が合流する間にちゃんと改造しとくからさ!」
こうして、端末を弄りつつ秘密会議(得体の知れない手紙の為に)が始まるのだった。
竜司「んで?なーんで、双葉の部屋で作戦会議するわけ?別に何時もの屋根裏でよくね?」
主人公「いや、それが…今回は人目に付かない、且つ惣次郎さんや周りの人に聞こえない様にするべきだと思ったんだ。」
杏「…何か何時も以上に深刻な感じね。でも、皆を集めたって事はそれ以上に危険な何かが有るって事だよね?」
竜司と杏が個々に皆が呼ばれた理由を憶測している様子である。
祐介「ふむ…春の父親のパレスも突破するのに難題な箇所が幾つも有ったからな、お前が新たにターゲットを見つけそれを伝える為に、こういう場所に集めたとも考えられる。」
春「でも…幾ら何でも早くないかしら?もう少し改心の様子を見ても…」
祐介は集められた事態を推測し、春は不安を口にしている。まぁ当の本人が口にしなければ、真実は解らないのだが…とここで
真「まず双葉を介して、私達に招集を掛けた。そしてリーダーは人目に付かない、尚且つ最小限人の声が届かないこの部屋に皆を集めた…と言う事は、残された推論は一つ…」
ゴクリ、何かを飲み込む音が聞こえた
真「私達の正体が何者かに知られ、それを手紙として貴方に伝えてきた。どうかしら?」
辺りが静寂になった、双葉は少し動揺しているがもう少しでアプリの改造が済むので、集中する事にする。
主人公「やはり、真には敵わないか。そう、此方を知っているかの様な手紙が届いた。」
出来るだけ冷静に、淡々と告げた。
竜司「マジかよ?!一体どんなやつなんだ?!まさか、今度は裏社会のトップとか?」
杏「何言ってんの?まだ何も言ってないでしょうが!」竜司「いててて」
何時ものツッコミである。
モルガナ「おいおい、落ち着けって。竜司の予想が当たってるかもしれないだろ?それに手紙に犯人に繋がる証拠が有るかもしれない」
と、ここで口を出したのは怪盗団の鼓舞と言うかもう一人の纏め役、モルガナだ。
祐介「ちょっと待て、と言う事はモルガナは手紙の内容を知らないのか?」
祐介は疑問を素直に口にした、と言うのはモルガナは何時も主人公の隣にいる相棒の関係なので、伝えないのは不自然だと思ったのだ。
モルガナ「あぁ、少なくともここに来るまで何も言おうとしなかった。ワガハイもアイツの行動を逐一見てたが特に変わった様子とかも無かったからスルーしてたんだが…」
主人公「悪い、この手紙の内容を出来る限り知られない様に伝える為に、敢えて言わなかった。」
モルガナに言及され、謝罪を口にする。
双葉「普通に考えれば、賢い選択だな。私の部屋なら盗聴器の隠し場所やら把握できるし可能性が有るなら妨害電波を流したり、記録の追跡と抹消も出来る。」
春「電子機器に詳しくないと、確かに出来ない事だよね…こういう情報の扱いって。」
どうやらリーダーを責める事はしない様子である。信頼の証であろうか?
竜司「うっし、じゃあ色々言い終わった所で早速、どんな事が書かれてんだ?俺気になって早く聞きてえ!」
真「私も、どんな内容が書かれてるか気になるわ」
皆の意見が纏まった所で、彼が読み始めた。
「じゃあ行くぞ。」
「あまねく社会の世情に苛立ち、身勝手な行い、そして罪悪感を感じない傍若無人な行いをする大人達の心を次々と塗り替える怪盗の一味とお見受けする。私は、宇宙より存在は小さく、しかし世界にとっては余りに持て余す才能を持つ一人の創造主だ…君達の正体は全て知っている。が、その行いと功績を公開するつもりはない。ただ私の話を聞いて欲しい。無論悪いようにはしない。丁重に持て成そう。その気があれば、私が今度発表する今月最終週に開く新作ゲームの公表会のイベント会場に参加したまえ。 God 」
…沈黙が流れる
竜司「ナニコレ?」杏「なんだろ?私でも解る、自信過剰な奴ね。」祐介「自分を神と名乗っているのか?」春「な、何だろう?ある意味お茶目なのかな?」双葉「うん、単純に言おう。イカれてる」真「ごめん、ちょっとこの文章だけじゃ得体のしれない宗教の勧誘に聞こえるわ。」モルガナ「なぁ、ニンゲンってこんな奴も居るのか?」
皆が口々に思い思いの感想を口にした。この場に手紙を送った本人が居たら確実にキレてるだろう、そう思う。しかし、本題はここから。
モルガナ「なぁ、本当にこんな得体のしれない奴に会いに行くのか?リスクが高すぎる。」
率直に警戒しなければ成らない事や不安混じりの心配を口にした、しかし
主人公「手紙によると、どうやらリーダー一人で来いとの事らしい。しかも、動物の同伴も無しだ。」
祐介「だろうな、普通企業の発表会やイベントでは例外が無い限り動物の同伴は出来ないはずだ。」
竜司「と言う事は、一人で乗り込めって事かよ!くっそー、向こうも勝手な頼みじゃねえか!」
杏「でも、逆に言えば敵の情報を知るチャンスって事だよね…?じゃあ!あぁ…そっか…」
双葉「そ、敵の本拠地に、しかも罠の中に飛び込むぜって言ってるような物。」
モルガナ「なんせ、相手にパレスが有るのか。そもそも、心の認知が歪んでるかどうかすら解らない。危険な賭けだぞ…」
皆が口々に不安を言い始める。ペルソナ能力を使い、相手の心の中に潜り込み、改心させるには相当な手順の組立と素早い判断を求められる。しかし、相手の事が解らないのだ、どうするか?
真「ねぇ?そもそもおかしくない?」春「どうしたの?マコちゃん?」
真「いや…率直な疑問なんだけど…そもそもどうして私達の正体を知った上で公表をしないのかも一つの疑問だけど、問題は私達をどうやって知ったかよ」モルガナ「確かに…パレスにはペルソナ使いや強い反抗心を持ってないと入れないはず…」
真「そう、それよ。それにまだ有るわ!」祐介「と言うのは?」
真「私達の正体を知っている、これだけでも相当大きな情報量と世間を騒がせるニュースを得た筈よ。それだけの収集力が有るにも関わらず、どうして今まで私達の目に引っかからなかったのかしら?」
モルガナ「成程、つまり相手は相当大きな権力を持ってる可能性が高い…」祐介「もしくは俺達と同じ能力者で有る可能性も高い。」
真「そういう事ね、皆冴えてるわ。」春「じゃあ、尚更手紙の送り主について前もって調べないといけないと思うのだけど…」
双葉「そこは任せとけー!それに相手はわざとゲーム関係者って手掛かりを残してる!」竜司「んー?どこだー?あっ、ゲームって単語有った!」
杏「でも、ゲーム関係者って言っても都会だと会社なんて何社も転がってるよ。その中からどうやって…」
主人公「最近出来た会社から調べるって言うのは、どうだろう?」
「!?」
意外な提案に皆振り向く
主人公「ど、どうした?」 真「いえ、どうして最近設立された会社から調べる必要が有るのかしら?」
主人公「いや、逆の発想だ。今までこちらの目に止まらなかったって事は、逆にこちらが知らない最近台頭し始めた大物か、または大物でも無く権力も持ってない誰かが送りつけたと言う可能性を探る方が早いと思ったんだ。」
祐介「成程、最近の物から潰していけば後に残り調べる候補は壮年に渡る企業だけと言う事か。」
一行の調べる水準が纏まり始める。とここで
モルガナ「おいお前ら、大事な事を忘れてるぜ」杏「ん?大事なこと?」
モルガナ「良いか?手紙ってのはワガハイが知る限り、差出し主と住所を書いてる必要が有るぞ、そこから辿れないのか?」
主人公「それが無理だ。」モルガナ「何で?!」
真「今ではコンビニや色んな場所から、差出人や住所を偽装して手紙を送れるのよ、しかも相手はゲーム会社の関係者で多数の人が出入りするイベント出演者で有る事を利用して、自分がどこの企業に所属してるか隠してる。抜け目無いわね。」
竜司「つーことは、会場に乗り込んでその中から探すしかねぇって事かぁ。あぁもう!イライラする!」
双葉「苛立っててもしょうがないぞー。とにかく私達は遠くで待機しつつ、アプリから色んな情報を抜き取るしか無いな」
モルガナ「取り敢えず、当日までに色々調べるが、気をつけろよ。お前が居なくなると色々と大変だからな」
主人公「解ってる」
と皆の考えが纏まり、当日まで出来るだけ対策をこうじ日を待つことに。そんな中…あるところでは
???「まぁ、私の才能に掛かれば、神も悪魔も天使も、あまねく神話の摂理さえ超える事が出来る。何故なら私は、命を無限に生み出せる神…父親すら成し得られない偉業を成す、それが私だ…」
ブァーハハハハハハハハ!!!
今度は、天使、悪魔、神、いずれかを選び絆を育みながら人間同士好きな神話で戦わせ、人の心の空虚や闇を暴くゲームを開発していくかぁ?!それとも神話に加勢する度に、自分がその歴史になぞる存在と成り、最終的に過去の時代でしか存在できない生物に果てるバットエンドを仕込もうかぁ!!あぁ、私の才能で生み出される罪過が、余りに苦しく…愛おしい
狂気を持った声が闇の中で響いた…
イベント当日
双葉「一応、アプリの状態は万全だ。安心しろ、スリープモードや電源を切っても盗聴は出来る優れものだぁ」
真「ねぇ、双葉?どうやってそんな物入手してるの?」双葉「企業秘密」真「そ、そう」
触れてはいけない会話だと思い、それ以上言及はしなかった。(本意ではないが)
竜司「つっても一人だろー?何か退屈しねぇ?」杏「しょうがないでしょ?!一人だけって言う約束だし」
愚痴を言うが、それが通ることはない
主人公「取り敢えず会場には入った、人混みで窮屈だが…」
モルガナ「そもそも何でビルの中でイベントを開催するんだろうな?」
祐介「確かに、普通ならドームやら広場を借りても良いと思うんだが?」
と、個々に疑問を口にする。すると
受付「お待ちしておりました、招待状を見せてください。」
主人公「あ、はい。これです」
受付の方が扉の前で招待状を見せるよう催促する、当然持っているのでこれに答える。
受付「確かに確認しました、では、3階の会場にどうぞ」
主人公「はい。」
特に問題なく通される。がここでまた違和感
春「ねぇ。」 杏「どうかしたの?」春「ううん、ただイベントの会場にしては小さいとは思うのだけど…それ以上にね。」祐介「何かあるのか?」
春「こんな高層ビルでも無い狭い会場なら、私達が入っても問題ない気がするのだけど…」
祐介「確かに、リーダーがこの場所に来る事に何か意味が有るのだろう。ほら、中に入るぞ」
皆が思い思いに音を拾いながら、指定された会場の中に入る。
所が…
主人公「妙だ…」
祐介「どうかしたのか?!」 主人公「確かに人は居るんだが、皆静止していると言うか、同じ姿勢のまま動いてないぞ」
そう、指定された部屋の外では人が大勢おり皆思い思いに色んな事を話す光景を確かに見ていた、しかも受付の人に怪しい所もない。だと言うのにこの部屋の中だけ、まるで人が居るのに生きていない雰囲気を漂わせている。
モルガナ「おい!今すぐそこから離れろ!!」
モルガナが何かを感じ取り、直ぐに逃げるよう伝える。しかし…
主人公「?!ドアが、開かない…!鍵なんて付いてなかったのに!」
祐介「まずいぞこれは…!早く助けに行くぞ!」
と、焦り始めたその時… バッ!と部屋の照明が消され、また照明の明かりが戻ると部屋に居た人の様な物は一瞬にして消えた。
主人公「どういうことだ?一体何が…」 ???「君がこの部屋から出るのは少し待って欲しい、と言う意味だよ。」
男の声がした、扉とはもっと遠く、部屋の真ん中辺りだろうか?恐る恐る見てみると…
男が立っていた、かなりの背丈で高校生の彼を越しているのだろうか?黒いスーツを纏い、笑みを浮かべながら立っている。
???「初めまして、心を盗む怪盗の諸君…私の名は…"檀"黎斗。前は新檀黎斗、檀黎斗神と呼んでいたが今はこの方が君達も呼びやすいだろう。今後ともよろしく… これが契約する悪魔に対しての挨拶、だったかな。」
男は高らかに厚顔不遜の立ち振る舞いをするかのように自己紹介した、今の自己紹介からでも解るだろう。只者じゃない。
主人公「貴方が、ここへ来る様に呼んだんですか?それとさっきの人達は?」
檀黎斗「その前に!私達の会話を聞いている彼らにも、私の事を知ってもらおう。衛生省並びにマスコミが纏めていた記事の全貌だ。」
男は高校生の彼の話題を遮り、ゲーム機の様な機械を一個取り出すと空中でコンソールを出現させ操作し、何かの記事を転送したようだ。
双葉「ん…?わぁ!」 真「どうしたの?!」 双葉「い、いや向こうから何枚も記事が送られて来て…って何だこの内容?!」 真「ちょっと見せて貰える? …嘘でしょ…この記事の内容だけ見ると、犯罪者、それも極刑に掛けられても可笑しくない事件を起こしてるわ!」
春「そんな人が、どうして私達の事を?それにどうして今まで誰も気付かなかったの?」
皆が疑問や感想を口にする中、皆の会話を聞いてないがまるで、クロトは聞いているかの様に答えを言った。
檀黎斗「君達はこう思ってるだろう?何故、君達の目に掛からなかったのか?当たり前だ、それは私が生まれた世界で起こした事件。つまり私は君達が居る場所とは別の世界で生まれたのさ。」
一同「?!」
予想外の答えに驚愕を隠せなかった。
檀黎斗「それより、君の仲間の声を聞きたい。通話を開いて貰えるか?大丈夫だ、この端末を使えば料金は掛からない様にしてやる。」
主人公「…」
渋々通話ボタンをONにした。
双葉「お、おおおう。いよいよ何かマッドな臭いがするゲーム関係者と会話かぁ…。こ、怖くなんかないぞ…!」
真「無理しなくていいから、私達が彼と話すわ。」
と、覚悟を決めて彼と話し始める
真「初めまして、えっと…檀黎斗さん? 率直な質問をするわ、貴方がこの世界の人間じゃないってどういう事?非現実的過ぎるわ。」
檀黎斗「それは、君達のペルソナ能力と呼ぶ特殊能力も同じでは無いかな?」
モルガナ「コイツ、やっぱりワガハイ達の力を知ってやがる…どうやってその情報を知った?!」
檀黎斗「まぁ、待て。その前に、私がこの世界に来た、経緯と理由を話そうじゃないか…」
双葉「あぁ…ヤバイやばい…これ絶対アイツのペースに乗せられるパターンだぞぉ…ラスボスとの会話で何か選択肢が入る類のやつだぞぉ…」
と不安に成りながらも彼は気にせず、語り始めた。
クロト「私達の世界、及び別世界には幾多ものオーバーテクノロジーが存在する、私もその技術を継承し、作り上げてきた…。私がこの世界に訪れる事が出来たのは、エニグマシステムを有効利用したからだ…」
祐介「エニグマシステムだと…?」
クロト「そう、物理学者が様々な次元や並行世界を移動する超巨大エネルギーを持った装置。それの小型化に成功したんだ。私はそれを使って、君達の所へやってきた。」
真「ちょっと待って?!次元の移動って、物凄いエネルギーを必要とする筈、一体どうやってそんな物を?!」
クロト「エニグマシステムの開発には、天才物理学者が関わっていた。私はライフを一度失う前に彼のデータと遺伝子を抜き取り、バグスターウィルスと配合させ、彼のクローンを作ったのさぁ…そしてそれがここに居る」
竜司「ここに居るって、カメラをONにしねえとわからねえぞ!」双葉「今つけるから待ってろ!」
そして驚くべき光景が…
杏「え…?嘘?!ゲーム機の中に人が入ってる?!!」祐介「なにっ?!」
クロト「元に成ったのは、既に事切れた人体。私はリプログラミングを利用して遺伝情報を分散させ、そこに彼の遺伝情報を上乗せした。あとは、肉体をデータ化し復元させる。それで二人目の、桐生戦兎の完成だ。」
桐生戦兎、恐らくはゲーム機の中に閉じ込められている者の本来の彼の名前だろうか?
真「まさか…貴方、人の命を再生させたというの?!しかも、ウィルスを使って…」
クロト「察しが良い、どうやら思った以上に賢いようだ。そう、私の世界では、2000年問題と言う、2000年を迎えた時、一斉にコンピュータが刻んでいる時間が統一出来なくなる不具合が発生した。私はそのバグから、コンピュータウィルスを見つけ、更にそれを人体に感染させるウィルスに進化させた…それが、バグスターウィルスさ。」
竜司「わりぃ…言ってる意味が全然分からねえ…!」モルガナ「すまん、ワガハイもだ。聴き慣れない単語が多すぎる…」
主人公「つまり、特定の時間を迎えると、本来ネット時間で一斉に時間を刻んでいたPCの時間がその時だけ、ズレていた…?」
クロト「そう、そしてその原因がウィルスだったと言う話さ。私はそのウィルスを人体に適応させるべく、医療関係者やヒトゲノム研究所と結託し、電子情報の中でも意思を持ち、且つ人体に感染するウィルスを完成させたと言う訳サァ!!」
双葉「いや、何でそこで声張るし?!」
真「それが…ゼロデイ、ウィルスを利用したバイオテロの引き金に成った…」
春「バイオテロ…?」杏「テロって何か本格的にヤバくない?!」
真「記事を読みながら話してたんだけど…えぇ、そのまさかよ。彼は、幻夢コーポレーションの元社長。父親はそのゲーム開発専門会社の元経営者で有り初代社長、正宗…。バグスターウィルスを完成させた彼は、開発していたネットゲームやRPGと云った多数の電子情報をウィルスの中に刷り込ませ、大勢の人体に無作為に感染させた…」
双葉「この記事を見るに、感染者の大半はゲーム病と言う特殊な病を発症するらしい。で、一度感染すると従来の医療では治せず、ウィルスの元に成ったゲームとモンスターを攻略する特殊医療で治すらしい。」
と、記事を参照しながら解説していたが…
真「ねぇ、ジョーカー!そんな奴と話をする必要は無いわ!今すぐ加勢しに行く!」
祐介「ちょっと待て!いきなりどうした、まだ話の途中だぞ?」
真「だからよ!このままだと彼、ウィルスに感染させられる可能性が高いわ。それに相手は私達の事を知っている。ここがパレスになるかどうか解らないけど、ペルソナさえ使えれば…!」
クロト「ふむ…どうやら彼の身を案じている様だ。安心したまえ、彼にウィルスを感染させる気は無い。頼みが有って来たんだ」
と、穏やかに真を諭しに来る檀黎斗。しかしここで
クロト「仮に君達が私と戦った所で、勝てる見込みはほぼゼロだ。」
モルガナ「んなっ!?どうしてそんな事が言えるんだよ?!ウィルスをばら蒔いてるだけの奴じゃないのか?!」
双葉「いやぁ…それが強ち嘘じゃないぽいんだよなぁ…アイツ、ウィルスを利用した特殊強化スーツみたいなのを作って何度も身につけて戦ってたらしい。」
クロト「そこに居るネコが何時も好き好んで、変身と車に変形させるアレと似たような物だ」
モルガナ「ちょ…!ネコじゃねえ!!」
春「特殊強化スーツって、変身ヒーローみたいな物なのかしら?」双葉「いやぁ、そんな穏やかな物じゃないぞぉ…多分」
各々が勝手に予想を口にする。どうやらCRライダーシステムに興味があるらしい。
クロト「はぁ…。やれやれ、じゃああの映像を見せてやろうか。」
杏「え、映像?!何の映像なんだろ?パレスに侵入した時とか?」
クロト「そんな物語の序章を意味するものじゃない… 擬似悪魔プログラム起動、対象のレベルは40。討伐のプレイヤー人数は、未知数。と言った所か」
よく解らないプログラム名を口にして、映像を再生させた。
主人公「?!あれは…」
一人の男が立っている、どうやらクロト本人のようだ。
クロト「擬似悪魔プログラム起動に成功か、あとは彼らとは戦闘力が違う事を見せつけるだけ…」
ピチューン!Dangerous! Zombie!! ゲームソフトのカセットを思わせる形状の機械、その出っ張りのスイッチを入れると音声が鳴る。
双葉「これ、もしかしてあれ?変身とかしちゃう流れ?」
真「いや、期待してる場合じゃないでしょ…」
そして先程のゲーム機を取り出し、腰周りに装着する。
ガッチョーン! 不気味な音声が鳴る
春「でも、いざ見るとちょっと期待しちゃう様な…」
グレードX、変身! そう口にすると先程のカセットをゲーム機の斜め上の差し込み口に装着した。Gashat!!
モルガナ「く、来るのか?」 竜司「おいおい、そのまさかだろ?!」
そして、横に有るスイッチを押す・・・ Bugle UP!! Danger!! Danger!! Genocide!! Death the Crisis!! Dangerous!! Zombie!! Wooooo!!
「私は・・・仮面ライダーゲンム・・・レベルX」
主人公「仮面ライダー…?」 モルガナ「ちょ?!本当に姿変えやがったぁ!!」 竜司「ちょっとカッコよくね?」 杏「バカ!」
クロト「ふはははは…やはり、私の才能に不可能はなァい!!これが私が作り上げた、医療従事だけでなく戦闘能力も備えてるCRライダーシステム。そして私の最高傑作の一つ…ゾンビゲーマーダァ!!」
双葉「ぞ、ゾンビ?!」 祐介「穏やかじゃないな…」
クロト「まずは、その能力を見てもらおう…」
擬似プログラムを起動し、怪物と戦わせる、ところが…
映像内のゲンム「ぐお…!!あぁ…」 怪物の攻撃を受け、事切れた
真「…?気合を入れて姿を変えた割には随分簡単にやられたわね。」
クロト「フフフ…問題はこの後だ…何故私がゾンビと付けたと思う?」
真「何でって…それは…はっ?!」
地面に突っ伏していたはずのゾンビが、不規則にユラユラ動き始めた・・・そして・・・
双葉「嘘だろ?!攻撃を受けて倒れてたのに、フラフラ立ち上がったぞ?!」
クロト「ゾンビゲーマーの能力は、不死を付加させる能力。どんな攻撃を受けても倒れないのさぁ!(例外有り)」
杏「ごめん、竜司。私もちょっと今の事態飲み込めてない。」竜司「俺もちょっと付いてけねえ…」
そんな彼らをよそにどうやら一気に怪物を倒す様子
クロト「そう言えば、君達は敵をホールドアップ、つまりは動けなくさせてから総攻撃するらしいな。」
などと、彼らの攻撃方法について確認したい様子。
主人公「そうだが、それが何か?」
クロト「ふむ、4人だけじゃ足りないだろう?」
と、映像内のゲンムは何やらゲームパッド両端のボタンを同時押しした、そして不協和音な騒がしい待機音が鳴り…Bの表記のボタンを押す。
Critical!! Dead!!
祐介「ん?!何だあれは?!」 双葉「おいおいおい、嘘だろ?!」 真「さっきまで一人だったのに無数に分身?いえ、増えてきてる…」
その数は、戦闘に必要なパーティの4人枠を越え、10体、50体と増えていく。そして…
映像内のゲンム「全て狩り尽くす…!」その言葉と共に何体ものゲンムが交互に高速で爪で引き裂く攻撃を繰り出す。それも息ピッタリでまるで総攻撃を掛けるかの様に
そして、最後に「ゲームオーバーだ…!ハァ!!」 腹部辺りに強烈な貫手による一撃を決められ、怪物は倒れた。
ゲームクリアァ!!と言う音声が流れる
クロト「さて、私にはまだ奥の手が有るんだが、そろそろ本題に移ろう」
そう言って主人公が持つ端末の通信を外部から切った様子。会話が聞き取れなくなる。
双葉「あっ…アイツぅ!!通信切りやがった?!」 真「復帰できないの?」
双葉「ダメだ…外から遠隔操作された上にプロテクトが掛けられてる。」
真「…しょうがない、こうなったら彼を救助にしに行きましょ!」モルガナ「そうだな…どうやらワガハイ達が思った以上に危険な奴だった」
祐介「約束を破るとどうなるか解らないが…手遅れになる前に行くしかないか!」杏「私も!何か気味悪いし…」
竜司「俺も手を貸すぜ!」春「ちょっと不安だけど、行くしかないよね!」
と全員の意見が一致した所で…
クロト「さて、もうそろそろ私の力を見た事で、彼らがシビれを切らして此方に来る事だろう、手短に要求を言う」
主人公「何だ…?」
クロト「私に協力して欲しい…。その上で君だけでも同士に成って貰いたい。もし、私の課題を達成すれば、私の才能を君に献上しよう」
主人公「一体何故…?それに引き受けるとでも?」
クロト「君は断る事は出来ない、それに君は世情を有りの侭に見つめる、言わば水晶の様な澄んだ瞳をしている…しかし、断言しよう。それが続く事は無い。人の心は常に、裏切り、嫉妬、争い、競争、親子の関係を持っていたとしても切り捨てる冷徹な心、それらが潜んでいる。一度に心の闇を体感し降りかかれば、君の心の中の水晶は、跡形も無く砕け散るだろう…」
主人公「…」 クロト「君にだけ私の望みを教えよう、私の願いは、人々が生み出された時点で持ちうる肉体の牢獄、寿命という枷を解き放ち、一度しかない人生を儚く生きると言う自然摂理を、壊す事だ」
主人公「まさか…さっきの不死能力を見せたのは…!」
クロト「君に知ってもらう為さ、君なら解るはずだ。世界を股にかけ悪人を私用で裁いた所で、何れは限界が訪れる。君達が人間という限りある命を懸命に咲かせた所で、世界にとっては雑音で、全ての悪人を倒し平和に導くなど机上の空論だ」
主人公「でも…俺は…!」 クロト「仲間を裏切れないか、なら仲間が見てない隙を見計らって、私の所に来い。数分か1時間で終わる依頼だ。それに私の力を借りなければならない事態にいずれ、直面する。」
主人公「なに?!」 クロト「この星は何れ多次元と繋がる宿命に有る、その時私はゲームプレイヤーを減らされたくないが故に、人類の感情を操り、全ての人間を争わせる能力と強大すぎる力を持つ外宇宙生命体が飛来するだろう。私の話が絵空事だと思うのは、勝手だ。しかし、その場合真っ先に倒れるのは君達だろう。 どうする?」
これまで戦ってきた時の事、人々の歪んだ欲望や悩み、それらが頭に浮かぶ。そして…
主人公「解った…だが、もし裏切ったら容赦しない。」 クロト「契約成立だ。末永く宜しく。私の神の才能を受け継ぐ器に成るが良い」
※「ちなみに、会場に居た人間は、ホログラムとバグスターの合成、エニグマシステムはボトルの成分を盗み取り元あるシステムに改良を加えたものだ。」
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えぇ、飽く迄妄想です。妄想ですとも。しかし、選択肢によって別々の人生を歩むと言うのが、また魅力です。