ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生with軍師の娘   作:雑賀衆見習い

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週刊少年ゼツボウマガジン④

~マーク視点~

最初は、大和田さんが寄宿舎に戻らずに校舎の2階へ向かったので追いかけたんです。普段から単独行動を好む十神さんならともかく、普段は大和田さん、ちゃんと帰りますからね。

そしたら、そのまま真っすぐ男子更衣室へ向かったんです。

流石に中には入れなかったので、私は女子更衣室に入り、“目”を発動させました。

………今のところ一人みたいですね。誰かを待っているんでしょうか。

しばらく待っていると、不二咲さんが1階から上がってきました。

そのあとすぐ舞園さんも上がってきましたね。うーん、二人して何を話しているのでしょう。“目”では相手の居場所は分かっても何を話しているのかまでは分からないんですよね。

その後、二人は別れ、不二咲さんは更衣室がある方へ、舞園さんは図書室がある方へ向かいました。あぁ、何か用事があって二人で来た、というわけではないんですね。

そして不二咲さんは男子更衣室へと入っていk………男子更衣室!?ということは不二咲さん男性なんですね!

いやぁまさかですね!あ、でも、だとしたら不二咲さんがなかなか私を泊めてくれないのも納得ですね。不二咲さんと腐川さんは私を絶対泊めたくないみたいで………

 

さて、そんなことより今ですね。うーん、今のところどちらからも襲い掛かる様子は感じ取れませんし、今回は取り越し苦労でしたかね。

いやーそれならよかったです。まぁ軍師たるもの読み違えるのはまずかったのですけど、最悪の可能性は無くなったのでよかっt………大和田さんの様子が変ですね。

え?………大和田さん、不二咲さんを「攻撃」しようとしている?

しかもこれは………極めて危険です。私の“目”であれば、人のポテンシャルも確認できますが、今の大和田さんなら、不二咲さんを一撃で死に至らしめることが出来ます。

回避は………ポテンシャル的に無理ですね。

仕方ありません。恨まないで下さいよ、大和田さん!

 

私は懐から魔導書「ウインド」を取り出し、腕に魔力を集中させます。

今からこれを使い、壁越しの大和田さんに当てて彼を無力化します。

…ですが、このまま直接大和田さんに当てれば、今度は私が彼の命を奪ってしまいます。

ですから、少々方法を変えます。

狙いは、彼が今手にしているダンベル。それを手から叩き落せば、少なくとも動揺を誘えるはずです。

一番怪我をさせる可能性が低いのは、攻撃の瞬間。ダンベルを振り上げた瞬間を狙います。

……………今です!

 

 

 

 

 

私の放ったウインドは見事ダンベルに命中!

大和田さんの手から叩き落すことに成功しました!

とはいえ、一度防いだだけ。彼の戦意がなくなるまで何度でも止めますよ!

……あれ?

どうやら、たった一回で終わったみたいですね。

そうと決まればもう安心です。後は二人とも部屋に戻るのを見届けたら私の出番は終了です。

もう女子更衣室にいる必要もないので私も舞園さんの部屋に戻りま………あ、もしかして舞園さん、私を探しに来てくれたんですかね…

悪いことしましたね………後で謝っておきましょう。

 

その時でした、後ろで男子更衣室の扉が開いたと思ったら、錯乱した状態の大和田さんが飛び出してきました。

開いた男子更衣室の扉からは不二咲さんが見えていますね。

「どけぇ!」

言うが早いか動くが早いか、彼はそんな言葉と同時に右の拳を打ち下ろしてきました。

彼の腕力も相まって、当たれば痛そうですが、モーション丸見えの拳なので避けるのは簡単です。左に躱して、そのまま鳩尾に一撃。

たたらを踏んだところに体当たりで向こうの壁まで吹っ飛ばします。

 

「不二咲さん!」

 

状況が呑み込めずオロオロしているようですが、今の大和田さんの近くにいるのは危険です。腕をつかんで強引にこちらへ引っ張ります。

後ろから足音が聞こえてきました。どうやら舞園さんですね。

 

「舞園さん、下がっていてください」

 

あまり悠長にもしていられないので、端的に要点を伝えます。

 

「不二咲さんを連れて逃げてください」

「待って、マークさん。一体何、が………」

 

………状況を理解してくれたみたいで助かります。ただ、大和田さんが立ち上がったので猶予がありません。

 

「お前も……秘密を言えってのか?………言って、何もかも台無しにすりゃよかったのか?」

「早く!」

「っごめんなさい!」

 

二人を避難させた後、立ち上がった大和田さんと対峙します。

 

「まだ続けるなら、相手しますよ」

「…………………いや、止めだ。女殴るとか情けねぇことはしたくねぇ。…さっき殴り掛かって悪かった」

 

大和田さんが戦意喪失したので、私も臨戦態勢を解きます。

 

「男子更衣室の中で、何かあったんですか?」

「………」

 

大和田さんは答えようとはしませんね。一応、巻き込まれたのですから説明くらいしてくれてもよさそうな気はしますけど………

どう声を掛けようか悩んでいると、階段から足音が聞こえてきました。

 

「マークさん!大丈夫!?」

「舞園さん、もうこっちは終わりましたから…って、なんで増えてるんですか?」

 

舞園さん、不二咲さん、石丸さんに苗木さんまで……

 

「話は不二咲君と舞園君から聞いた。兄弟、何故だ。何故マーク君に襲い掛かった」

「………」

「何故だ。何故だ!答えろ兄弟!」

「………どうしても、知られるわけにはいかなかったんだ。俺が………俺が兄貴を“殺した”ことを………」

 




桑田 怜恩

超高校級の「野球選手」

出身は高校野球全国大会の常連校で、エースの4番打者としてチームを優勝に導いた。しかし、真面目に努力することは嫌っており、1度も野球の練習をしないまま高校野球の頂点に到達した野球の才能の塊。しかし、本人はこれ以上野球をするつもりは無く、女性にモテるためにミュージシャンを目指している、とのこと。
クラスメイトの中で一番、朝早く起きる。
誕生日は1月3日

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