ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生with軍師の娘   作:雑賀衆見習い

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イキキル④

~マーク視点~

舞園さんに何と言われたのかはわかりませんが、どうやら桑田さんが舞園さんを亡き者にしようとした。ということになっているみたいですね。

機転が利くのは良いことなんですが、これはちょっと厄介ですね。

父さんの仕事は、何も戦場で策を練り、みんなに指示を出して実行するだけではありませんでした。商売人(食料や日用品等)との交渉や、戦争に反対する貴族の説得も行っていたんです。その過程では、どうしても話術が必要でした。つまりこれから先、私が父さんのようになるためには、こういった話術も磨かなければなりません。

それに私自身、今回の状況を利用して見極めたいこともあるんです。

ここは父さんのような軍師になるため、私の話術をもって桑田さんの疑惑は払拭させて貰いましょう。と、言いたいところですけど…

 

「は⁉ 何言ってんだよ苗木!舞園が呼びつけてきて俺を殺そうとしたんだよ!」

「違います!桑田さんが扉をこじ開けて入ってきて、私、怖くて…」

「ひどいよ桑田君!舞園さんを襲うなんて!」

 

こうもパニックになられると何も進展しませんね。まずは…

 

「皆さん、一旦落ち着いてください。こうも興奮されると言いたいことも分からなくなりますから」

 

こうしないと、話し合いにすらなりませんからね。

まず、ここが誰の部屋なのか明らかにしましょう。

 

「私の記憶違いでなければ、ここは苗木さんの部屋のはずなんですが、どうして舞園さんが部屋にいたんですか?」

「…舞園さんに頼まれたんだ。一晩だけ部屋を交換してほしいって」

「その時、手に怪我をしていましたか?」

「いや、してなかった」

「舞園さん、苗木さんの部屋を訪れたのはいつ頃の時ですか?」

「夜時間が始まる、少し前です」

 

なるほど、これは覚えておきましょう。じゃあ次は…

 

「部屋を交換してもらってからしばらくしたら、急にドアが開いて桑田さんが押し入ってきたんです!」

「だからンなことしてねぇって!」

 

…どうやら、ここが最初の勝負所みたいですね。

 

 

 

 

<議論開始!>

・部屋の交換

・舞園の怪我

・工具セット

 

舞園

「苗木君に部屋を[交換してもらって]から、部屋で寝ていたんです」

 

舞園

「そしたら、突然ドアが開いて[包丁を持った桑田さん]が襲い掛かってきたんです!」

 

舞園

「私、怖くて…無我夢中で[シャワー室に逃げ込んだ]んです」

 

桑田

「だから、そんなの全部[でっち上げ]じゃねーかよ!」

 

桑田

「俺は舞園に襲われた[被害者]だっての!」

 

 

 

(桑田さんの言い方だと荒れる一方ですね。ここは冷静にオカシイ点を突くことにしましょう)

 

 

 

舞園

「苗木君に部屋を[交換してもらって]から、部屋で寝ていたんです」

 

舞園

「そしたら、突然ドアが開いて[包丁を持った桑田さん]が襲い掛かってきたんです!」

 

―――――それは違います!【舞園の怪我】

 

 

「ち、違うって…舞園さんの話はいったい何が違うの?」

「舞園さん、その手の怪我はいつ負ったものですか?」

「これは、桑田さんに襲われたときに出来たものです。必死で抵抗して、何とかシャワー室に…」

「だから俺h…」

「桑田さん少し黙ってください」

「えぇ…」

 

本当に話が進みませんので。

 

「ですが舞園さん、包丁を持った桑田さんに襲われたのなら、その怪我は有り得ないんですよ」

「有り得ないって…どうしてそんなことが言い切れるの、マークさん」

 

苗木さん、疑ってますね。疑いの目を向けたままです。

 

「簡単なことですよ。どうして包丁で襲われたのに、【切り傷】ではなく【打撲傷】なんですか!」

「あっ!いや、それは………」

「待ってよマークさん!何も桑田君に襲われたときだなんて言えないんじゃ…」

「彼女は部屋の交換時、怪我をしていなかった。これは苗木さんが言ったんじゃないですか!」

「ああっ!」

 

全く、自分の言葉くらいちゃんと覚えていてほしいものですね。

 

「あ。あの…いいですか?」

「どうしました、舞園さん」

「すみません。さっきまで気が動転してて…思い出したんです。そこのシャワー室に逃げ込むときに、手を挟んじゃって、それで怪我したんです」

 

…う~ん、これは否定するのは難しそうですね。無理に追及すれば却って反撃されてしまいます。疑われている今の状況では、これ以上の追及は危険ですね。

 

「…わかりました。では桑田さん、貴方は何故夜時間出歩き禁止ルールがあるにも拘らず、舞園さんの部屋を訪れたのですか?」

「それは、このメモで舞園に呼び出されたんだよ」

 

彼はそう言ってポケットから一枚の紙を取り出しました。全員で確認すると…

 

『二人きりでお話ししたいことがあります。5分後に私の部屋に来てください。部屋を間違えないようにちゃんとネームプレートを確認してくださいね 舞園さやか』

 

…なるほど。この怪しい手紙に釣られてノコノコとやってきたわけですか。浅はかとしか言いようがないですね。

 

「…知りません。こんな手紙、私知りません!」

 

自分は桑田さんに襲われた被害者。ということにしたい舞園さんにとっては当然容認するはずがありませんよね。次は、このメモが争点となりそうです。

 

 

 

 

 

<議論開始!>

・部屋の交換

・舞園の怪我

・工具セット

・桑田が持っていたメモ

 

桑田

「夜時間になってしばらくしたら、ドアにメモが[挟まっている]のに気づいたんだ」

 

桑田

「ちゃんと5分後に部屋に行ったら、[包丁を持った]舞園が襲い掛かってきたんだよ!」

 

舞園

「桑田さんを襲ってなんかいませんし、[そんなメモも知りません]!」

 

桑田

「でも、このメモには[舞園の名前]が入っているじゃねーか!」

 

苗木

「このメモ自体は、みんなの[部屋にあるメモ帳]みたいだね」

 

苗木

「舞園さんの名前は[みんな知っている]から、そのメモは誰でも書けたよね」

 

舞園

「本当は[桑田さんが書いた]物じゃないんですか、そのメモ」

 

苗木

「そのメモを[舞園さんが書いた証拠]、あるとは思えないけど…」

 

 

 

(名前だけでは証拠にならない、ですか。確かに父さんやクロムさんの名前ならイーリス中に知れ渡っているから、名前だけなら問題なく書けますね。

でも、舞園さんが書いたなら”アレ”に必ず痕跡があるはずです!)

 

 

 

桑田

「夜時間になってしばらくしたら、ドアにメモが[挟まっている]のに気づいたんだ」

 

桑田

「ちゃんと5分後に部屋に行ったら、[包丁を持った]舞園が襲い掛かってきたんだよ!」

 

舞園

「桑田さんを襲ってなんかいませんし、[そんなメモも知りません]!」

 

桑田

「でも、このメモには[舞園の名前]が入っているじゃねーか!」

 

苗木

「このメモ自体は、みんなの[[〇部屋にあるメモ帳]]みたいだね」

 

苗木

「舞園さんの名前は[みんな知っている]から、そのメモは誰でも書けたよね」

 

舞園さん

「本当は[桑田さんが書いた]物じゃないんですか、そのメモ」

 

苗木

「そのメモを[舞園さんが書いた証拠]、あるとは思えないけど…」

 

―――――それは違います!【部屋にあるメモ帳】

 

 

「メモ帳?それが証拠になるの?」

「ええ、なっちゃうんですよ。苗木さん」

 

彼女を信じている苗木さんには悪いですが、舞園さんが書いたことを証明してくれるはずです。

 

「もし、このメモ帳に何か書いたのなら、その後ろの紙にも筆圧が残ります。それを鉛筆の芯で紙全体を軽くこすれば…」

 

口で説明しながら、この部屋のメモ帳で実践していきます。そうすると…

 

『二人きりでお話ししたいことがあります。5分後に私の部屋に来てください。部屋を間違えないようにちゃんとネームプレートを確認してくださいね 舞園さやか』

 

やっぱり!浮かび上がってきましたね。

 

「念のためお聞きしますが、これは苗木さんが書いたものではありませんよね?」

「…うん」

 

心ここにあらず、といった感じですね。信じた人に裏切られたのだから、当然といえば当然ですが…

 

「もうお分かりですね。元の部屋の持ち主である苗木さんは書いていないと言いましたし、何より書く理由がありません」

「じゃあ、やっぱ俺の部屋のドアにこのメモを挟んだのは…」

「勿論、舞園さんです」

「………待って、マークさん」

 

まだ認められませんか。苗木さんにはつらいでしょうけど。

 

「…そのメモ、本当にこの部屋のメモ?桑田君のメモじゃないの?」

 

…なるほど、すり替えですか。有り得ないことじゃないんですけど。

 

「オイ苗木、いい加減にしろよお前。そんな屁理屈並べて何になるんだよ」

「僕には舞園さんが簡単にコロシアイをするとは思えない!さっきのメモ帳だってこの部屋のものだという証拠は無いんだ!」

 

ヒートアップしてきてますね。ですが、ここは彼の主張を聞いていくことにしましょう。

 

 

 

 

<議論開始!>

・部屋の交換

・舞園の怪我

・工具セット

・桑田が持っていたメモ

・超高校級の「幸運」

・超高校級の「アイドル」

・超高校級の「野球選手」

 

苗木

「桑田君のメモも、舞園さんの怪我も、[都合がいいように]解釈しただけじゃないの!?」

 

桑田

「じゃあ聞くけど、俺たちはどうやって舞園の[部屋の鍵]を開けたんだよ?」

 

桑田

「[鍵が壊された]感じはないぜ?」

 

苗木

「マークさんが僕を呼び出したように、[メモを使った]りしたんじゃいないの」

 

苗木

「それで出てきたところを[襲い掛かった]、ってこともあり得るよね」

 

桑田

「だから何度も言うように、俺は[呼び出された]だけなんだよ!」

 

 

 

(感情的に対応してどうするんですか桑田さん。とはいえ、苗木さんもかなり感情的ですね。本人は冷静に考えているつもりなんでしょうけど、有り得ないんですよ、苗木さん)

 

 

 

苗木

「桑田君のメモも、舞園さんの怪我も、二人にとって[都合がいいように]解釈しただけじゃないの!?」

 

桑田

「じゃあ聞くけど、俺たちはどうやって舞園の[部屋の鍵]を開けたんだよ?」

 

桑田

「[鍵が壊された]感じはないぜ?」

 

苗木

「マークさんが僕を呼び出したように、[メモを使った]りしたんじゃいないの」

 

苗木

「それで出てきたところを[襲い掛かった]、ってこともあり得るよね」

 

―――――それは違います!【超高校級の「野球選手」】

 

「…マークさん、どういうこと?」

「苗木さん、残念ながら、そんな状況なら舞園さんが逃げ切れるはずが無いんですよ。舞園さんが部屋のシャワー室に逃げ込むまでに桑田さんなら必ず追いつきます」

「ちょっと待って。舞園さんだってアイドルとして多くのステージに立っているんだ。体力なら負けてないはずだよ!」

「確かに体力だけで言えばそうでしょうね。ですが、野球選手には攻撃や守備のほとんどの場面で素早い走りが求められます。その分野で圧倒的な実力を持つ桑田さんが本気で追いかければ、いかに踊り子として鍛えられた舞園さんでも逃げ切るのは不可能です」

 

この前桑田さんに野球について教えてもらって正解でした。競技の内容から考えれば、間違いなく走力が必要ですからね。

 

「あの、ちょっといいですか?」

 

…舞園さん、今度は何を言い出すんでしょうか。

 

「私、もしかしたら苗木君が何か忘れ物したんじゃないかと思って、鍵を開けたんです。その時に、あそこに落ちてる模造刀を持って行って、模造刀でガードしながら…」

 

実際模造刀を調べた結果、何かを防御したときに出来たと思われる傷跡がありました

この後出しじゃんけんが辛いですね。せっかく矛盾点を指摘しても、後出しの情報で解決されてしまう。

ですが諦めません。誰かが濡れ衣を着させられるのはゴメンですし、何より今回の一件を通じて、私は見極めたいことがあるのです。

 

「…もう分かったはずだ。これが事件の真相だよ!」

 

苗木さん、勝負です!




高山流水さん、クリシュナさん、誤字報告ありがとうございます<(_ _)>
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