BLEACH〜空座町の死神代行少女と多重世界〜   作:桂ヒナギク

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第14話:みえるひと

 空座(からくら)町。

 私は学校にいた。

「北神さん」

 午後の授業が終わり、教室でボーッとしていると、クラスメイトの精悍(せいかん)な顔立ちをした男子に声をかけられた。

「うん?」

 私は男子の顔を見る。

「あの、良かったら、一緒に帰らない?」

 彼は稲垣(いながき) 啓太郎(けいたろう)。転校生だ。

「いいよ」

 断る理由もない。

 了承した私は、支度をして啓太郎と帰路に就く。

「啓太郎くんは、なんで転校して来たの?」

「え? それは……」

「言いたくないなら聞かないよ」

「うん。ごめんね」

「あ……」

 私は道端で泣いている魂魄の男の子に気づく。

「どうしたのかな?」

 霊が泣いている、なんてとてもじゃないけど言えない。

「あの子、どうしたんだろう?」

「え?」

 どうやら、啓太郎にも見えていた。

 啓太郎が霊に声をかけた。

「君、どうしたの?」

「うえーん。お母さんとはぐれちゃったよ。ひっく」

「そうかそうか」

 啓太郎が霊を撫でる。

「お母さんとはどこではぐれたのかな?」

「わかんない。気がついたらいなかったの」

 その時だった。

「いい匂いがするなァ」

 虚が現れた。

「え? なんだよあれ?」

 啓太郎にも見えていた。

「二人とも、逃げて!」

「北神さん?」

 私はカイを飲み込んで、死神化した。

「カイ、頼むよ!」

 カイが二人を誘導した。

 私は虚を切りつけた。

 腕を削ぎ落とすが、すぐに再生する。

「死神か。うまそうだ」

 着地し、振り返る私に虚が迫ってくる。

「お前を食らってやる」

 虚が攻撃して来た。

 私は上空に飛び上がり、虚の攻撃を(かわ)した。

「くたばりやがれ!」

 私は落下の勢いを利用し、虚の額に斬魄刀を突き刺した。

「ぎゃああああ!」

 虚は悲鳴を上げながら消滅した。

「はあ……はあ……」

 そこへ、三人が戻ってくる。

「北神さん、その姿は?」

「あなたには言っとく。私、死神なの」

 私は肉体に戻りながら言った。

「死神?」

「そう。代行だけどね」

「死神って、人を殺して魂を連れて行くっていう?」

「それとは違うわ」

「よくわかんないな」

「死神は尸魂界から現世に派遣され、さっきの化け物や成仏していない霊を尸魂界に導く職業のことよ」

「そうなんだ」

「それより、虚や死神が見えるってことは、かなりやばいわよ」

「どうして?」

「虚はね、より霊圧が高いものを好むの。あなた、襲われやすいわよ」

「じゃあ、どうしたら?」

「とりあえず、出会ったら逃げなさい」

「うん、わかった」

「さあ、帰ろう?」

「うん」

 私たちは、改めて帰路に就いた。

 もちろん、魂魄の魂葬もしておいた。

 

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