BLEACH〜空座町の死神代行少女と多重世界〜 作:桂ヒナギク
私は学校にいた。
「北神さん」
午後の授業が終わり、教室でボーッとしていると、クラスメイトの
「うん?」
私は男子の顔を見る。
「あの、良かったら、一緒に帰らない?」
彼は
「いいよ」
断る理由もない。
了承した私は、支度をして啓太郎と帰路に就く。
「啓太郎くんは、なんで転校して来たの?」
「え? それは……」
「言いたくないなら聞かないよ」
「うん。ごめんね」
「あ……」
私は道端で泣いている魂魄の男の子に気づく。
「どうしたのかな?」
霊が泣いている、なんてとてもじゃないけど言えない。
「あの子、どうしたんだろう?」
「え?」
どうやら、啓太郎にも見えていた。
啓太郎が霊に声をかけた。
「君、どうしたの?」
「うえーん。お母さんとはぐれちゃったよ。ひっく」
「そうかそうか」
啓太郎が霊を撫でる。
「お母さんとはどこではぐれたのかな?」
「わかんない。気がついたらいなかったの」
その時だった。
「いい匂いがするなァ」
虚が現れた。
「え? なんだよあれ?」
啓太郎にも見えていた。
「二人とも、逃げて!」
「北神さん?」
私はカイを飲み込んで、死神化した。
「カイ、頼むよ!」
カイが二人を誘導した。
私は虚を切りつけた。
腕を削ぎ落とすが、すぐに再生する。
「死神か。うまそうだ」
着地し、振り返る私に虚が迫ってくる。
「お前を食らってやる」
虚が攻撃して来た。
私は上空に飛び上がり、虚の攻撃を
「くたばりやがれ!」
私は落下の勢いを利用し、虚の額に斬魄刀を突き刺した。
「ぎゃああああ!」
虚は悲鳴を上げながら消滅した。
「はあ……はあ……」
そこへ、三人が戻ってくる。
「北神さん、その姿は?」
「あなたには言っとく。私、死神なの」
私は肉体に戻りながら言った。
「死神?」
「そう。代行だけどね」
「死神って、人を殺して魂を連れて行くっていう?」
「それとは違うわ」
「よくわかんないな」
「死神は尸魂界から現世に派遣され、さっきの化け物や成仏していない霊を尸魂界に導く職業のことよ」
「そうなんだ」
「それより、虚や死神が見えるってことは、かなりやばいわよ」
「どうして?」
「虚はね、より霊圧が高いものを好むの。あなた、襲われやすいわよ」
「じゃあ、どうしたら?」
「とりあえず、出会ったら逃げなさい」
「うん、わかった」
「さあ、帰ろう?」
「うん」
私たちは、改めて帰路に就いた。
もちろん、魂魄の魂葬もしておいた。