BLEACH〜空座町の死神代行少女と多重世界〜   作:桂ヒナギク

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第16話:メノス・グランデ

 斬魄刀を構える。

「私の食事の邪魔をするとはな」

 カイは何やってんだ?

 私は辺りを見渡した。

 傍に私の体が倒れており、義魂丸が口元に落ちていた。

 殴られた衝撃で抜けたか。

「ああああ!」

 私は虚の懐に迫る。

「おっと、こいつを殺されたくなければ動くな」

 と、虚が康太を突き出す。

「くっ!」

 私は立ち止まる。

「そうだ。そしてそのまま私に食われろ」

 虚が迫ってくる。

 康太を人質に取られては何もできまい。どうしたものか。

 と、その時、光の矢が飛来し、康太を握る虚の腕が削ぎ落とされた。

「ぎゃああああ!」

 悲鳴をあげる虚。

 今だ!

 私は虚の懐に迫る。

「はああああ! やあ!」

 私は刀を一振りし、虚を縦に真っ二つにした。

「ぎええええ!」

 虚は粒子になって昇天した。

「助かったわ、石田くん」

「なに、これは僕が招いたことだ。自分の尻拭いくらいはするさ」

 私は康太に歩み寄る。

「お姉ちゃん!」

 康太が私に抱きついてくる。

「怖かったね。もう大丈夫よ」

「ありがとう、お姉ちゃん」

 私は石田を見る。

「石田くん、手伝うよ。今みたいに襲われたりするやつがいるのは嫌だからね」

「だったら最初からそうしてくれ」

 私は体に落ちている義魂丸を入れた。

「助かったよ、聡美」

「カイ、あなたは優秀な義魂丸ですこと」

 皮肉を言った。

「ごめん」

「康太を頼むわ」

「うん」

 私は二人を置いて、家を出る。

「って、何あれ!?」

 空が割れていた。

「まさか! あの時みたいな!?」

「あの時?」

「以前、黒崎とやりあった時、現れたんだ。その時は黒崎一人で追い返したけど……」

大虚(メノス・グランデ)か」

 予想通り、割れ目から大虚が姿を見せる。

「黒崎くんに追い返せて、私にできないはずはない!」

 私は大虚に接近した。

「ちょっと待つんだ! 君一人では危険すぎる」

 後ろから石田が追ってきた。

「うっせえ!」

「全く、黒崎みたいなやつだな、君は」

 大虚に辿り着く。

 虚閃(セロ)を放つ大虚。

 私は斬魄刀を構え、攻撃を受け止めた。

「ぐっ!」

 足が地面にめり込む。

「はああああ!」

 私は渾身の力で、虚閃を押し返す。

「死神様を、舐めんなよ!」

 虚閃を押し返し、衝撃波を放った。

 大虚が真っ二つになり、粒子となって消滅した。

「ばかな! 黒崎ですら追い返すのがやっとだった大虚を、浄化しただと?」

「はあ……はあ……」

 息が上がる。

「う!」

 私は力を失って倒れた。

「大丈夫かい?」

 と、心配した石田が寄ってくる。

「ちょっと、力出しすぎた」

「待ってろ。今霊力を分けてやる」

 石田が私の手を取り、霊力を注ぎ込む。

 失った力が、湧いてくる……。

「もういいだろう」

 石田が私の手を放した。

 私は徐に起き上がり、家へと歩き出す。

「北神さん、大丈夫かい?」

「なんともない。ありがとう」

 私はそう言って、家へ帰り着いた。

「聡美、大丈夫?」

 カイが心配してきた。

「うん」

 私はカイを体から抜いて入れ替わった。

 

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