BLEACH〜空座町の死神代行少女と多重世界〜 作:桂ヒナギク
「無理だな。こやつに死神の力はない。ただの霊媒師と言ったところか」
その間も因果の鎖は侵食を続ける。
「あ……」
侵食しきった因果の鎖。
刹那、ぬ〜べ〜の虚化が始まった。
「うわああああ!」
悲鳴をあげるぬ〜べ〜。
「ああああ!」
ぬ〜べ〜の顔が仮面で覆われ始める。
だが、通常の虚化とは違った。
「これは……」
刹那、ぬ〜べ〜は光に包まれ、鬼と化した。
「え?」
「こ、この姿は?」
「なるほど。鬼の手の力が虚化を抑えたってことね。元に戻れる?」
私の問いにぬ〜べ〜は答える。
「え? いや、どうすればいいか……」
「現世に戻れるのではないか?」
と、ウルキオラは言う。
「どうして?」
「胸に孔がない。死神のような存在ではないのか?」
「そうか!」
私は斬魄刀で扉を開き、ぬ〜べ〜と共に宿直室に戻った。
「お、戻ったみたいだね……って、その鬼は!?」
「ぬ〜べ〜だよ」
「向こうで何が?」
「よくわかんない」
ぬ〜べ〜が自分の体に重なり、中に入り込んだ。
起き上がるぬ〜べ〜。
「お、ちゃんと生き返った!」
「きっと、魂魄が鬼化したのね」
私もカイと入れ替わって自分の体に戻る。
「おい、てめえ!」
私は死神様を
「なんじゃ?」
「てめえ、本当に死神様か?」
「え? わからないです」
「わからない、じゃねえよボケ!」
私は死神様を蹴り飛ばした。
「ひええええ!」
部屋中を縦横無尽に飛び交う死神様。
「年寄りには優しくするもんじゃあ!」
「死神様が虚園に霊を連れて行くのか!?」
「ごめんなさい。私は死神様ではありません。許してー!」
死神様を名乗る老人が宿直室から逃げ去って行く。
「二度と来んな!」
「聡美」
「あ?」
「今の、胸に孔があった。虚じゃないのか?」
「低級な虚でしょ、あんなの」
「だといいんだがな」
「何はともあれ、生き返れたんだから、それでいいじゃない」
「それじゃ、私は帰るね」
私は童守小を後にすると、駅まで向かった。
駅に着き、電車に乗って空座町に戻った。
「はあ」
疲れからの溜め息。
「いい……なあ」
何か聞こえた。
私は声がした方へ急ぐ。
辿り着いた公園で、虚が霊を襲っている。
「何やってる!?」
私は虚を蹴り飛ばした。
「ぎゃああああ!」
悲鳴をあげて吹っ飛ぶ虚。
「貴様、わしが見えるのか?」
「てめえの相手、私だ!」
死神化し、虚を一瞬で斬り裂いた。
真っ二つになった虚は粒子となって消滅した。
「大丈夫?」
魂魄に訊ねる。
「恩にきるよ」
私は斬魄刀の柄で霊を魂葬した。
光に包まれ、成仏する霊。