BLEACH〜空座町の死神代行少女と多重世界〜   作:桂ヒナギク

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第18話:鬼

「無理だな。こやつに死神の力はない。ただの霊媒師と言ったところか」

 その間も因果の鎖は侵食を続ける。

「あ……」

 侵食しきった因果の鎖。

 刹那、ぬ〜べ〜の虚化が始まった。

「うわああああ!」

 悲鳴をあげるぬ〜べ〜。

「ああああ!」

 ぬ〜べ〜の顔が仮面で覆われ始める。

 だが、通常の虚化とは違った。

「これは……」

 刹那、ぬ〜べ〜は光に包まれ、鬼と化した。

「え?」

「こ、この姿は?」

「なるほど。鬼の手の力が虚化を抑えたってことね。元に戻れる?」

 私の問いにぬ〜べ〜は答える。

「え? いや、どうすればいいか……」

「現世に戻れるのではないか?」

 と、ウルキオラは言う。

「どうして?」

「胸に孔がない。死神のような存在ではないのか?」

「そうか!」

 私は斬魄刀で扉を開き、ぬ〜べ〜と共に宿直室に戻った。

「お、戻ったみたいだね……って、その鬼は!?」

「ぬ〜べ〜だよ」

「向こうで何が?」

「よくわかんない」

 ぬ〜べ〜が自分の体に重なり、中に入り込んだ。

 起き上がるぬ〜べ〜。

「お、ちゃんと生き返った!」

「きっと、魂魄が鬼化したのね」

 私もカイと入れ替わって自分の体に戻る。

「おい、てめえ!」

 私は死神様を()め付ける。

「なんじゃ?」

「てめえ、本当に死神様か?」

「え? わからないです」

「わからない、じゃねえよボケ!」

 私は死神様を蹴り飛ばした。

「ひええええ!」

 部屋中を縦横無尽に飛び交う死神様。

「年寄りには優しくするもんじゃあ!」

「死神様が虚園に霊を連れて行くのか!?」

「ごめんなさい。私は死神様ではありません。許してー!」

 死神様を名乗る老人が宿直室から逃げ去って行く。

「二度と来んな!」

「聡美」

「あ?」

「今の、胸に孔があった。虚じゃないのか?」

「低級な虚でしょ、あんなの」

「だといいんだがな」

「何はともあれ、生き返れたんだから、それでいいじゃない」

「それじゃ、私は帰るね」

 私は童守小を後にすると、駅まで向かった。

 駅に着き、電車に乗って空座町に戻った。

「はあ」

 疲れからの溜め息。

「いい……なあ」

 何か聞こえた。

 私は声がした方へ急ぐ。

 辿り着いた公園で、虚が霊を襲っている。

「何やってる!?」

 私は虚を蹴り飛ばした。

「ぎゃああああ!」

 悲鳴をあげて吹っ飛ぶ虚。

「貴様、わしが見えるのか?」

「てめえの相手、私だ!」

 死神化し、虚を一瞬で斬り裂いた。

 真っ二つになった虚は粒子となって消滅した。

「大丈夫?」

 魂魄に訊ねる。

「恩にきるよ」

 私は斬魄刀の柄で霊を魂葬した。

 光に包まれ、成仏する霊。

 

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