BLEACH〜空座町の死神代行少女と多重世界〜   作:桂ヒナギク

19 / 45
第19話:力を失った日

 それは、私が中学を卒業し、高校に入学する前の時だった。

 とてつもなく強い虚、グランドフィッシャーにやられ、死神の力を失った。

 地に伏している私。

「グランドフィッシャー」

 そこに現れたのは、後に友人となるウルキオラだった。

「そいつに手を触れるな」

「なんだ? 私の邪魔をするというのか?」

 ウルキオラが刀を抜き、グランドフィッシャーに深手を負わせて追い返した。

「大丈夫か?」

「あ、あなたは……」

 胸の孔を見て、虚だと気づく。

「虚が助けた?」

「助けたかったから助けた。ダメか?」

「いや……そういう虚もいるのね」

 死神の姿からただの魂魄になり、因果の鎖が出現し、肉体と繋がる。

「うっ! 苦しい……」

「お前、名は?」

「北神……聡美……」

「力、取り戻す気はあるか?」

「今の私は鎖結と魄睡を破壊された魂魄よ?」

「霊力さえ開放できれば望みはある」

「どうでもいいけど、あなたの名は?」

「ウルキオラ・シファーだ」

「ウルキオラ。かっこいい名前だね」

「立て」

 私は立ち上がる。

 体が重く感じる。

 ただの魂魄になるとこんなにも負担がかかるのか。

「俺の攻撃を躱してみろ」

 ウルキオラのパンチが迫る。

「うお!?」

 私は咄嗟に躱した。

「いきなり危ねえだろ!?」

「これぐらい躱せなければ、見込みはない。が、どうやら霊力は回復したみたいだな」

 そういえば、あれだけ重かった体が、嘘のように軽い。

「では、このまま第二レッスンと行くか」

 ウルキオラが斬魄刀で私の因果の鎖を断ち切った。

「な!? 死んじゃったじゃないのよ!」

「お前の体にはこいつを入れておこう」

 ウルキオラが義魂丸を私の肉体の口に突っ込んだ。

 起き上がる肉体。

「聡美、共に来い」

 私はウルキオラに虚園へ案内された。

「ここは?」

「虚園だ。虚だけしかいない」

「ここで何を?」

 因果の鎖を掴むウルキオラ。

「え?」

 ウルキオラは私の胸から因果の鎖を引っこ抜いた。

「え? うわああああ!」

 虚化が始まる。

「うわああああ!」

 刹那、私の意識は内なる世界に飛ばされた。

「ここ……は?」

 ビルの窓のようなものに座っている私。

「聡美」

 声のした方を見ると、女が立っていた。

「私はあなたの斬魄刀。名は鎌鼬。ところで、なぜそのようなところに座っておいでで?」

「え?」

 壁に座っていると気づいた刹那、私は落下した。

「うわああああ!」

「崩壊する世界の中から、私の入っている箱を見つけなさい。それができなければ、あなたは虚になるわ」

「そ、そんなことを言われたって、一体何をすれば!?」

「ヒントを教えるわ。赤いやつよ」

「赤いやつ?」

 私は水面に突っ込んで水中に潜った。

 水中なのに、呼吸ができる。

 で? えっと、なんだったかな。

 箱を見る私。

 どれに斬魄刀が? 確か赤いものって。

 私は精神を集中させた。

 霊絡が現れる。

 その中に一つだけ、赤い霊絡がある。

「これのことか?」

 私は霊絡を引っ張って箱を開けた。

 案の定、中には斬魄刀が。

「大当たり!」

 私は箱から斬魄刀を引っこ抜いた。

 内なる世界から戻ると、私は仮面を被っていた。

 死神化に失敗したのか、疑問符。

「……成功したようだ」

「ああ?」

 よく見ると、私は死覇装を身に纏っていた。

「でも、この仮面は?」

「虚の仮面だ」

「そんなことはわかってるけど?」

「お前は死神と虚の両方の力を手にしたのだ」

「ありがとう、ウルキオラ」

 ウルキオラが現世への扉を開いた。

 私は扉に飛び込む。

 現世に戻った私は、代行証で体から義魂丸を取り出して肉体に重なった。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。