BLEACH〜空座町の死神代行少女と多重世界〜 作:桂ヒナギク
霊を魂葬した私は、
道中、テレビ局のクルーが、霊媒師のドン・
見えていないわね。
観音寺は金属のステッキで、地縛霊の胸の
やば!
私は観音寺の元に駆け出し、「それやめて!」と、叫んだ。
だが、時すでに遅し。観音寺は霊の胸の孔を完全に開いてしまった。
霊が消滅する。
「え?」
私は目を疑った。
浄霊……できたのか、疑問符。
「おやー? Youも霊だな?」
と、観音寺が私を見て言う。
「私は霊じゃない。死神よ。それより、あんたの除霊方法って……」
その時、廃屋の屋上に、虚が構築された。
「なんだ? あの胸に孔の開いた仮面の霊は」
さっきのは浄霊じゃなかったのだ。
「多分、あんたが霊の胸の孔を開けたから虚として再構築されたのよ」
「虚?」
「悪霊ってことよ」
「そんな……私のやり方は間違っていたのか……」
「今はそれより、あいつを潰すのが先決」
私は屋上へと飛び上がった。
「キシャアアアア!」
虚が襲いかかってきた。
私は虚の攻撃を斬魄刀で受け止める。
「くっ!」
その攻撃は意外にも重く、私は
そこへ追い打ちの引っ掻き攻撃。
死覇装が切り裂かれ、肩から血が噴き出す。
「痛えんだよ、このやろう!」
私は虚の脳天に斬魄刀を突き刺そうとするが、仮面が硬すぎて奥まで刺さらなかった。
「え?」
そのことに戸惑っていると、虚に殴り飛ばされ、その際に斬魄刀が手から離れてしまった。
虚の仮面に斬魄刀が刺さったままのところは、フランケンシュタインを彷彿させているようだった。
「私の剣返せ」
瞬歩で間合いを詰め、斬魄刀を引っこ抜く。
「脳天がダメなら首よ!」
私は瞬歩で背後に回り込む。
虚は私の姿を見失い、驚き戸惑っている。
「こっち!」
私は虚の首を切り落とした。
虚は光の粒子となり天へ昇って行った。
「You、やるな」
観音寺が屋上に上がってきた。
「悪霊を片付けちまうなんて。よし、入門試験は合格だ」
「なんの試験よ?」
「今日からYouは私の一番弟子だ!」
「ならないわよ!」
「で? Youは死神らしいが、まさか私の魂を刈りにきたわけじゃないだろうな?」
「そんなことしないわよ」
めんどいやつと関わってしまった。
「じゃあ何しに来たんだ?」
「帰る途中だったのよ」
「帰る?」
「私は死神をやっている人間で、家に帰るところだったのよ」
「死神って地獄の使い魔じゃないの?」
「違います」
帰ろう。
私は家に向かって一直線に飛び立った。
後ろで観音寺がなんか言っていたが、気にせず帰路に就いた。