BLEACH〜空座町の死神代行少女と多重世界〜 作:桂ヒナギク
現在、夏休みを謳歌中の私は、ぬ〜べ〜の元にいた。
ぬ〜べ〜の話によると、最近、学校の女子トイレの鏡の中から、霊が出てきて、生徒たちを脅かしているという。
これまで、ほとんどの女子が襲われた。
怪我はしていないというが、しかし、いずれ大惨事を引き起こすと考えたぬ〜べ〜に頼まれ、私は死神化して鏡の中に入っていた。
鏡面世界には、生物は存在していない。
存在していないはず、なのだが……。
兎が駆け回っているではないか。
あの兎が生徒を脅かしているのか。
私は兎を追う。
兎は私に気づき、立ち止まってこちらを振り返る。
「人間?」
兎が言う。
「残念、死神です」
それに答える私も私だが。
「死神?」
と、兎の方から近づいてくる。
「あなたは鏡の中と外を行き来できるのですか?」
「うん。兎さんは霊体?」
「はい。ですが、呪いで出れなくなってしまいまして」
「なんの呪い?」
「あれです」
と、兎が示した鏡面世界の童守小の校庭には、大きな
「繭?」
繭が動く。
亀裂が入り、中から蛾のようなモンスターが現れる。
「何あれ!?」
「あれが呪いの元凶です」
私は校庭へ飛び出した。
モンスターが粉を振り掛けてくる。
「うっ!」
私は斬魄刀を抜いた。
「斬れるかしら!?」
と、私は蛾を斬り付けた。
蛾の体から体液が吹き出す。
斬れた。
斬魄刀で斬れると言うことは、こいつは霊体。
「ならば容赦しない!」
私は瞬歩で背後に回り込み、羽を切り落とした。
飛び立とうとする蛾だが、浮かぶことができない。
「はあ!」
私は斬魄刀を蛾の額に突き刺した。
消滅する蛾。
「ありがとうございます。この鏡面世界が繭により呪われてから、鏡に出入りできる霊体が出入りできなくなってしまったのですが……」
「これで出入りできるようになったのかしら?」
「多分……」
「じゃあやってみよう」
私と兎は鏡の前にやってくる。
外にぬ〜べ〜の姿が見える。
「せーの!」
鏡に飛び込むと、私は通れるが、兎は引っかかって出れなかった。
「聡美、向こうの様子はどうだ?」
「兎がいたわ」
「兎が?」
「あれよ」
私は鏡の中に映り込む兎を指差した。
「霊体らしいけど、なんか呪いで出てこれないんだって」
「兎の他には何か?」
「蛾がいたわ」
「蛾?」
「うん」
ぬ〜べ〜は考え込む。
「多分、
「鏡蛾?」
「鏡に霊体を引きずり込んで閉じ込める妖怪だ。子どもたちを脅かしていたのもやつか?」
「兎さんを助けたいんだけど……」
「もう一度、中に入って魂葬してやったらどうだ?」
兎って魂葬できるのか?
考えていても仕方ない。
私は鏡に飛び込んだ。
「お姉さん、どうするの? 地獄とかには落ちないよね?」
「生前に悪行を犯していなければ、尸魂界に送られる……と思うよ、多分」
「尸魂界?」
「魂の故郷よ」
私は斬魄刀の柄を兎の額にあてがう。
すると、兎は光に包まれ、成仏をした。
私は鏡をすり抜け、外の世界に帰還する。
「しかし霊体が鏡の中に入れるなんてね」
「俺は生身のまま鏡に入ったことがあるぞ」
と、自慢気にいうぬ〜べ〜であった。