BLEACH〜空座町の死神代行少女と多重世界〜   作:桂ヒナギク

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第24話:鏡面世界の兎

 現在、夏休みを謳歌中の私は、ぬ〜べ〜の元にいた。

 ぬ〜べ〜の話によると、最近、学校の女子トイレの鏡の中から、霊が出てきて、生徒たちを脅かしているという。

 これまで、ほとんどの女子が襲われた。

 怪我はしていないというが、しかし、いずれ大惨事を引き起こすと考えたぬ〜べ〜に頼まれ、私は死神化して鏡の中に入っていた。

 鏡面世界には、生物は存在していない。

 存在していないはず、なのだが……。

 兎が駆け回っているではないか。

 あの兎が生徒を脅かしているのか。

 私は兎を追う。

 兎は私に気づき、立ち止まってこちらを振り返る。

「人間?」

 兎が言う。

「残念、死神です」

 それに答える私も私だが。

「死神?」

 と、兎の方から近づいてくる。

「あなたは鏡の中と外を行き来できるのですか?」

「うん。兎さんは霊体?」

「はい。ですが、呪いで出れなくなってしまいまして」

「なんの呪い?」

「あれです」

 と、兎が示した鏡面世界の童守小の校庭には、大きな(まゆ)が転がっていた。

「繭?」

 繭が動く。

 亀裂が入り、中から蛾のようなモンスターが現れる。

「何あれ!?」

「あれが呪いの元凶です」

 私は校庭へ飛び出した。

 モンスターが粉を振り掛けてくる。

「うっ!」

 私は斬魄刀を抜いた。

「斬れるかしら!?」

 と、私は蛾を斬り付けた。

 蛾の体から体液が吹き出す。

 斬れた。

 斬魄刀で斬れると言うことは、こいつは霊体。

「ならば容赦しない!」

 私は瞬歩で背後に回り込み、羽を切り落とした。

 飛び立とうとする蛾だが、浮かぶことができない。

「はあ!」

 私は斬魄刀を蛾の額に突き刺した。

 消滅する蛾。

「ありがとうございます。この鏡面世界が繭により呪われてから、鏡に出入りできる霊体が出入りできなくなってしまったのですが……」

「これで出入りできるようになったのかしら?」

「多分……」

「じゃあやってみよう」

 私と兎は鏡の前にやってくる。

 外にぬ〜べ〜の姿が見える。

「せーの!」

 鏡に飛び込むと、私は通れるが、兎は引っかかって出れなかった。

「聡美、向こうの様子はどうだ?」

「兎がいたわ」

「兎が?」

「あれよ」

 私は鏡の中に映り込む兎を指差した。

「霊体らしいけど、なんか呪いで出てこれないんだって」

「兎の他には何か?」

「蛾がいたわ」

「蛾?」

「うん」

 ぬ〜べ〜は考え込む。

「多分、鏡蛾(きょうが)だな」

「鏡蛾?」

「鏡に霊体を引きずり込んで閉じ込める妖怪だ。子どもたちを脅かしていたのもやつか?」

「兎さんを助けたいんだけど……」

「もう一度、中に入って魂葬してやったらどうだ?」

 兎って魂葬できるのか?

 考えていても仕方ない。

 私は鏡に飛び込んだ。

「お姉さん、どうするの? 地獄とかには落ちないよね?」

「生前に悪行を犯していなければ、尸魂界に送られる……と思うよ、多分」

「尸魂界?」

「魂の故郷よ」

 私は斬魄刀の柄を兎の額にあてがう。

 すると、兎は光に包まれ、成仏をした。

 私は鏡をすり抜け、外の世界に帰還する。

「しかし霊体が鏡の中に入れるなんてね」

「俺は生身のまま鏡に入ったことがあるぞ」

 と、自慢気にいうぬ〜べ〜であった。

 

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