BLEACH〜空座町の死神代行少女と多重世界〜 作:桂ヒナギク
かんかん照りの空座町。
私は汗をかきながら、虚と戦っている。
敵の強さは大したことないが、この炎天下の中だ。体が鈍る。
「はあ!」
虚の攻撃を弾き、斬魄刀を額に突き刺す。
虚は粒子となって消滅した。
「はあ……はあ……」
異様に暑い。
私は体に戻り、クーラーのある家へ急ぐ。
道中、通りかかった公園で人だかりを見つけた。
なにが、と様子を見ると、どうやら殺人事件が起きたようだった。
死神の出る幕じゃないね。
そう思って歩き出そうとすると、被害者の霊が現れた。
「あなた、普通の人間ではありませんね?」
「わかりますか?」
「さっきの怪物との戦い、見ていました」
「そうですか」
「お願いします! 僕の敵を取っていただけませんか!?」
「敵って、誰を?」
「僕、あなたが戦っていた怪物みたいのに殺されたんです。食べられそうになって、なんとか逃げ回ってまして」
その時、何者かの声が聞こえてくる。
「どこ行った!? 隠れても無駄だぞ!」
虚の声だった。
「見つけた!……ん?」
虚が私の霊的濃度の高さに気づく。
「お前の方がうまそうだな」
私はカイを飲み込んで死神化する。
「カイ、家帰ってて」
私は斬魄刀を抜いて虚に迫る。
「死神か。上玉じゃないか」
虚が攻撃を躱し、反撃してきた。
「ぐわ!」
吹っ飛ばされ、地面に叩きつけられる。
「お嬢ちゃん!」
魂魄が駆け寄ってくる。
「逃げて」
「で、でも!」
「逃げろって言ってんだよ!」
「ひい!?」
魂魄を守りながらじゃ無理だ。
「逃げないなら……」
私は魂魄の額に斬魄刀の柄をあてがおうとするが。
「魂葬はさせんぞ!」
虚が猛スピードで迫ってきた。
魂葬の暇がない。
私は魂魄を抱えて飛び退き、攻撃を躱した。
魂魄を守りながらじゃ戦えない。
その時だった。
「月牙……天衝!」
黒い衝撃波が飛来し、虚を一撃で真っ二つに切り裂いた。
「な、仲間がいたとは……」
虚は粒子となり消滅した。
「大丈夫か?」
「ありがとう、黒崎くん」
「なんで知ってんだ?」
「クラスメイトでしょ!?」
「ああ! えっと、誰だっけ?」
私はずっこけた。
「だから、クラスメイトの北神 聡美! 覚えてよね!」
「おう、悪い……」
私は魂魄の額に斬魄刀の柄をあてがう。
魂魄は光に包まれ、尸魂界へ送られた。
「お前の斬魄刀もでけえな」
「華奢な女の子が持つにはでかすぎだと思うんだけどね」
「違いねえ」
「黒崎くんはなんで死神化してるの?」
「ああ。そこの公園で事件あったろ。あれ、虚の可能性があってな。調べてたんだ。じゃ、俺はもう行くな」
一護は消え去った。