BLEACH〜空座町の死神代行少女と多重世界〜   作:桂ヒナギク

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第29話:ウルキオラの外出

 虚と対峙している。

 斬魄刀で攻撃を防ぎ、反撃のチャンスを窺う。

「くっ!」

 私の体が後方へ押される。

「ぐおおおお!」

 虚の咆哮。

 刹那、隙を見つけた私は、虚の体を斜めに斬りつけた。

「トドメ!」

 と、怯んでるところを、額に斬魄刀を突き刺した。

 粒子となって消え去る虚。

 私は家へ直行する。体があるからだ。

 家に着き、部屋に入ってベッドに横たわる自分の肉体に戻った。

「帰ったのか?」

 押入からウルキオラの声。

「うん」

 襖を開けるウルキオラ。

「最近、よく出るな」

「そうね」

 私はベッドから抜けてドアの前に移動すると、扉を開けた。

「シャワー浴びてくる」

 部屋を出ると、階下に降りて脱衣所へ。

 服を脱ぎ、浴室に入る。

 シャワーを出し、頭からお湯を被る。

 頭と体を洗い、貯めてある湯船に入った。

{ホロウ……ホロウ……}

 脱衣所から代行証の電子音が聞こえる。

 風呂くらいゆっくりさせてよ。

 私は脱衣所に飛び出すと、急いで体を拭き、服を着て現場へ向かう。

 辿り着いた先で、虚が魂魄を襲っている。

 私はカイを……カイを……。

「あれ?」

 ポケットを(まさぐ)るが、改造魂魄が出てこない。

「あ! 忘れた!」

 脱衣所に置きっぱなしだった。

 私は代行証で死神化した。

「はあ!」

 跳躍し、落下の勢いを利用して、虚の額に斬魄刀を突き刺して昇華した。

 虚の消滅を確認した私は、急いで体に戻り、家へと帰った。

「お姉ちゃん、魂抜けちゃった」

「え?」

 康太が玄関先に現れた。

 肉体から抜けた魂魄の姿になっている康太。

「何したの?」

「飴玉。舐めたら抜けちゃった」

 それってまさか!

 私は因果の鎖を辿った。

 その先には、康太の肉体に入っているカイがいた。

「待ってたよ、聡美。自分じゃ出れないからどうしようかと思ったよ」

 私は代行証でカイを取り出した。倒れる肉体。

「康太!」

 康太がやってくる。

「重なれば戻れるから」

 康太が肉体に重なった。

「康太、おやつ抜き」

「ええ!?」

「だってお姉ちゃんの仕事道具でいたずらするんだもん。反省してなさい」

「う、うえーん……お姉ちゃんのバカ」

 泣き出す康太。

「バカはどっちよ! 男が泣くんじゃない!」

 私は康太を残して部屋へと戻った。

「弟、泣いてるけどいいのか?」

 と、ウルキオラ。

「放っておけばいいのよ。どうせすぐに忘れるんだから」

「そうか。俺、ちょっと出かける」

「どこ行くの?」

「虚園に戻るんだ」

「帰ってくる、よね?」

「ああ。暫く留守にする。すまんな」

「うん、行ってらっしゃい」

 ウルキオラは窓から出て行った。

 

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