BLEACH〜空座町の死神代行少女と多重世界〜 作:桂ヒナギク
虚と対峙している。
斬魄刀で攻撃を防ぎ、反撃のチャンスを窺う。
「くっ!」
私の体が後方へ押される。
「ぐおおおお!」
虚の咆哮。
刹那、隙を見つけた私は、虚の体を斜めに斬りつけた。
「トドメ!」
と、怯んでるところを、額に斬魄刀を突き刺した。
粒子となって消え去る虚。
私は家へ直行する。体があるからだ。
家に着き、部屋に入ってベッドに横たわる自分の肉体に戻った。
「帰ったのか?」
押入からウルキオラの声。
「うん」
襖を開けるウルキオラ。
「最近、よく出るな」
「そうね」
私はベッドから抜けてドアの前に移動すると、扉を開けた。
「シャワー浴びてくる」
部屋を出ると、階下に降りて脱衣所へ。
服を脱ぎ、浴室に入る。
シャワーを出し、頭からお湯を被る。
頭と体を洗い、貯めてある湯船に入った。
{ホロウ……ホロウ……}
脱衣所から代行証の電子音が聞こえる。
風呂くらいゆっくりさせてよ。
私は脱衣所に飛び出すと、急いで体を拭き、服を着て現場へ向かう。
辿り着いた先で、虚が魂魄を襲っている。
私はカイを……カイを……。
「あれ?」
ポケットを
「あ! 忘れた!」
脱衣所に置きっぱなしだった。
私は代行証で死神化した。
「はあ!」
跳躍し、落下の勢いを利用して、虚の額に斬魄刀を突き刺して昇華した。
虚の消滅を確認した私は、急いで体に戻り、家へと帰った。
「お姉ちゃん、魂抜けちゃった」
「え?」
康太が玄関先に現れた。
肉体から抜けた魂魄の姿になっている康太。
「何したの?」
「飴玉。舐めたら抜けちゃった」
それってまさか!
私は因果の鎖を辿った。
その先には、康太の肉体に入っているカイがいた。
「待ってたよ、聡美。自分じゃ出れないからどうしようかと思ったよ」
私は代行証でカイを取り出した。倒れる肉体。
「康太!」
康太がやってくる。
「重なれば戻れるから」
康太が肉体に重なった。
「康太、おやつ抜き」
「ええ!?」
「だってお姉ちゃんの仕事道具でいたずらするんだもん。反省してなさい」
「う、うえーん……お姉ちゃんのバカ」
泣き出す康太。
「バカはどっちよ! 男が泣くんじゃない!」
私は康太を残して部屋へと戻った。
「弟、泣いてるけどいいのか?」
と、ウルキオラ。
「放っておけばいいのよ。どうせすぐに忘れるんだから」
「そうか。俺、ちょっと出かける」
「どこ行くの?」
「虚園に戻るんだ」
「帰ってくる、よね?」
「ああ。暫く留守にする。すまんな」
「うん、行ってらっしゃい」
ウルキオラは窓から出て行った。