BLEACH〜空座町の死神代行少女と多重世界〜 作:桂ヒナギク
私は瀞霊廷内に入った。
そこは流魂街と打って変わって白一色の無機質な建物が立ち並んでいる。
辺りには死神達しかいない。
私は上空の霊王宮を見上げた。私はそこに用事がある。
霊王宮へ向かい、霊王に謁見する。
「現世の死神が何用だ?」
「私の亡くなった母、
黒崎 早苗は一護の母・真咲の妹である。つまり、私と一護はいとこなのだ。彼とは高校に入って初めて会ったのだが。
そして、早苗にも滅却師の力があった。
虚に魂魄を食われてなければ、こっちに来ていると思ったのだが。
「黒崎 早苗……
私は流魂街の戌吊へ向かった。
南流魂街七十八地区戌吊。
記憶の中の母の顔を頼りに、私はこの地でそれらしい人物を捜す。
母と思しき人物は、旅館で働いていた。
「いらっしゃいませ」
受付でその女性が頭を下げる。
「黒崎 早苗さん」
「どうして名前を?」
「やっぱりお母さんだ」
「え?」
「娘の聡美だよ」
「そ、そんなことって!」
「三年ぶりかしら?」
「わざわざ会いに?」
「うん」
「そうだったのね。私も会いたかったわ」
母が私を抱きしめる。
「聡美、あなた死神の格好してるけど」
「これは元々そうだったよ」
「え?」
「私、最初から死神だったの。なんでかは知らないけど」
「そうなの? ああ、康太は元気? 戻ったら育てられなくてごめんって伝えてくれる?」
「うん。じゃあ」
「もう行くの? もう少しゆっくりしていけばいいのに」
「それがそうもいかなくて。最近、逢魔ヶ刻のせいか、やけに虚が出やすくてね」
「そうなんだ。無茶して死なないでね」
「心配してくれてありがとう。でも大丈夫だよ」
「それならいいのだけど」
「また来るね」
「待ってるわ」
私は母に見送られ、東流魂街の柴田の元に向かった。
「おかえり」
洋一が出迎える。
「瞬歩繰り返してたからお腹空いちゃったわ。ラーメン案内してよ」
「いいよ」
私は洋一とラーメン屋に入った。
辛いラーメンを注文した。度数は十倍だ。
「いきなり? きついんじゃない?」
「大丈夫よ、多分」
ラーメンが運ばれて来る。スープが真っ赤だ。
「いただきます」
一口。
「辛!」
でも大したことなかった。
私は黙々と十倍辛いラーメンを食べる。
「すごい。こんな辛いのを平気で食べれる人初めて見た」
「ごちそうさま」
ラーメンを平らげると、周囲の他の客が拍手をした。
店員も驚いた様子でこちらを見ている。
「洋一くん、お会計して」
「うん」
洋一がラーメン代を払った。
私は洋一と柴田に挨拶して、現世に戻った。
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