BLEACH〜空座町の死神代行少女と多重世界〜   作:桂ヒナギク

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第33話:絶鬼

 私は帰国した。

 空座町に戻る前に、童守町へ寄った。

 童守町は異様な空気に包まれていた。

 鬼天帝でも現れたか、疑問符。

 ぬ〜べ〜の霊圧を察知して現場へ行くと、覇鬼(ばき)の弟、絶鬼(ぜっき)がヴィムクと戦闘(たたか)っていた。

 絶鬼は怪我をしていた。

縛道(ばくどう)(いち)(さい)!」

 私は絶鬼に有利になるよう、ほんの一瞬だけヴィムクの動きを止めた。

 捨て台詞を吐き、逃げ去るヴィムク。

「ぬ〜べ〜!」

「聡美!?」

 倒れる絶鬼。

「なんで絶鬼が?」

「う……、お前、死神か」

 絶鬼は私を見ただけで、その魂魄が死神であることを見抜いた。

「とりあえず、運ぶぞ!」

 絶鬼を医療施設に運ぶ。

 病室で、絶鬼が地獄で起こったことを説明した。

 鬼天帝のことはぬ〜べ〜から聞いていたが、まさかそんなことになっているとは思いもよらぬ私である。

「ぬ〜べ〜のことは助けたいけど、私は専ら虚退治が専門だからなあ……。まあ、妖怪とて魂魄。斬魄刀で斬れないこともないけどね」

 私は病室を出た。

 コツコツと足音を立てながら廊下を歩く。

「おい、お前!」

 男に声をかけられ、振り返る。

「あなた、さっきぬ〜べ〜たちと一緒にいた。……誰?」

「カルラだ。そんなことよりも、死神ってなんだ? 斬魄刀? 虚?」

「そんないっぺんに訊かれても……」

 私はカルラの問いに困惑した。

「説明するより見せた方が速いか」

 私は死神化した。

「これが死神」

「そっちの本体にはもう入っていないのか?」

「空っぽよ」

「その身の丈ほどある大刀は?」

「斬魄刀。霊を斬るための刀よ」

「死神って言ったらカマじゃないのか?」

「それは死神様。私たち死神は尸魂界から派遣される悪霊退治専門の戦闘員よ」

「そうか。よくわからんが、そういうのが存在するのか。ちなみに、尸魂界ってなんだ?」

「あの世のことよ。何回かあっちへ行ったけど、いいところよ」

「行ったって、お前死んでるのか?」

「死神だから自由に行き来できるだけよ。勝手に殺さないで」

「う……すまん」

「ついでに、虚ってのは悪霊よ」

「そうか」

「話はそれだけ?」

「ああ」

「そう。じゃあ、行くわね」

 私はカルラに背を向けて歩き出した。

 駅へ行き、空座町に戻る。

 空座本町駅で電車を降り、改札を抜けて帰路に就いた。

「イイ匂イガスルナア」

 虚の霊圧。

 振り返ると、イカのような虚の姿があった。

「あら、あなたも美味しそうね」

 私は死神化した。

「死神ダッタノカ」

「虚の分際で私に挑もうなんざ、百万年早いわ!」

 私は虚の懐に潜り込んだ。

 

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