BLEACH〜空座町の死神代行少女と多重世界〜 作:桂ヒナギク
「……!?」
攻撃を躱された。
背後に回り込まれ、攻撃を受ける。
「ぐわ!」
私の体が吹っ飛び、地面に転がる。
「くっ!」
体を起こし、姿勢を整える。
「隙アリダ!」
虚が突進してくる。
「うわ!」
受け身で躱す。
虚は壁に突っ込んだ。
「はあ!」
虚の頭部を背後から斬魄刀で突き刺した。
「ぎゃああああ!」
虚は悲鳴を上げながら消滅した。
私は肉体へと戻る。
立ち上がり、家路に就いた。
「ただいまー」
家に着く。
静かだった。
「康太? お姉ちゃん帰ったよ」
……………………。
誰の反応もない。遊びに行っているのだろうか。
「……?」
臭いを辿ってみる。
康太が寝室で血を流して倒れていた。
「康太!?」
魂魄が入っていない。
因果の鎖は断ち切れている。
私がいない間に何があった?
携帯で父に電話した。
血相を変えて飛んでくる父。
「康太捜してくる」
「捜してくるってお前……」
「何者かに殺されたんだとしたら、康太の魂魄が彷徨ってるはず。もしいたら、魂葬してあげないと」
私は康太の霊圧を探る。
何も感じない。近くにいないのか。
私は死神化して外へ出た。
浮遊霊に康太を見ていないか訊ねる。
「いや、見てないな」
「そう」
ついでに魂葬しておく。
「どこ行ったのよ、康太」
「お前が捜しているのは、この魂魄か?」
その問いに振り返ると、虚が康太の魂魄を握っていた。
「貴様か!? 貴様が康太を!?」
「お姉ちゃん!」
康太が虚の手の中で暴れる。
「生きのいい魂魄だ。これは美味そうだな」
「嫌だ! 僕まだ死にたくない!」
いや、もう死んで……って、突っ込んでる場合じゃない。
「康太を離せ!」
「嫌だね。お前が代わりに食われるってのなら放してやってもいいが」
その時、虚の背後から光の矢が飛んでくる。
康太を握っていた手が吹っ飛んだ。
「康太!」
私は康太を受け止めた。
「ぎゃああああ! 俺の手がああああ!」
矢の飛来した先には、石田の姿があった。
「石田くん」
「たまたまコンビニの帰りに通りかかったのでね。あ、別に虚の霊圧を感じて家から買い物袋を提げてきたわけじゃないからな」
うわー……。
おっと。
虚を見ると、逃げようとしていた。
「逃すか!」
石田が矢を放った。
矢が虚の後頭部に突き刺さる。
「ぎゃああああ!」
虚は消滅した。
私はしゃがんで康太を見る。
「康太、あなたはこれから、行くべき場所へ行かないとならないの」
「行くべき場所?」
「そう。残念だけど、こっちではもう暮らせないんだ」
「そんな……」
康太は涙を流し始めた。
「お姉ちゃんと一緒じゃないのは嫌だ!」
「北神さん、浦原さんに相談してみたらどうだい?」
「いくら強欲商人でも死人は生き返らせられないと思うよ?」
そこへ、下駄を履いた帽子を被った男が現れる。
「おやおや、私の力が要りようで?」