BLEACH〜空座町の死神代行少女と多重世界〜   作:桂ヒナギク

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第36話:康太、帰る

 尸魂界。

 康太は流魂街にやってきた。

「えっと、死神の学校は……」

「なんだおめえ?」

 草むらで一休みしていたハゲ頭……もとい班目(まだらめ) 一角(いっかく)が訊ねる。

「おじさんは?」

「おじさんじゃねえよ。班目 一角だ」

「お姉ちゃんと同じ服ってことは、班目さんも同じ死神なの?」

「ああ。てか、姉貴?」

「僕、虚に殺されて、お姉ちゃんに魂葬してもらったんだ」

「お前、流魂街の新入りか」

「うん。僕、死神になりたいんだけど」

「お前が死神に? やめとけ。お前みたいな子どもじゃついていけねえところだからよ」

「それでも、僕はお姉ちゃんの元で暮らしたいんだ!」

「そうか。けどよ、死神になったら、生きてた時の記憶はなくなるぜ?」

「浦原さんって帽子のおじさんがなんとかしてくれるって」

「浦原? よりによってあいつかよ」

「それより、死神の学校ってどこにあるの?」

「あ? 瀞霊廷内にあるぞ。案内してやる」

 康太は一角に死神の学校である真央霊術院へと案内される。彼はそこで簡単な入院試験を受けて合格した。

 やがて、力をつけた康太は、真央霊術院を卒業し、死神として護廷十三隊の十三番隊に入隊した。

「うーん……なんか大事なことがあったような気がするんだけどなあ」

 康太は思い出そうとするが、何も覚えていなかった。

 

 

 

 

 

 私は尸魂界にやってきた。というのも、浦原が尸魂界からの情報で、康太が十三番隊に入隊したというからだ。

 十三番隊といえば、朽木 ルキアの所属する隊だ。

「康太!」

 十三番隊の宿舎廊下を歩いている康太に声をかけた。

「え?」

 振り返る康太。

「えっと……?」

「入隊おめでとう」

「お姉さん、誰?」

 記憶を失ってる……。浦原の言う通りだった。

「あ……僕、北神 康太。お姉さんは?」

「聡美よ」

「お姉さんも死神なんだ?」

「うん」

「ここにいるってことは、十三番隊の人、だよね?」

「いや、私はどこにも所属してないんだ。現世で代行やってる」

「死神代行?」

「うん」

旅禍(りょか)?」

「そうなるわね」

「ここへはなんの用なの?」

「康太を呼びに来たの。現世に行こうよ」

「現世に? でも、滞在許可が出てないし」

「それは問題ないわ」

「どういうこと?」

「いいからいいから」

 私は康太を強引に現世へ連れ帰った。

「浦原さん!」

 浦原商店に入る。

「お帰りなさい、康太くん」

「おじさん、誰?」

「後で思い出しますよん」

 康太は疑問符を浮かべた。

「それじゃ、奥へお入り下さい」

 私と康太は店の奥へ移動した。

「康太くん、これを頭に被って下さい」

 浦原が記憶をバックアップするときに使ったキャップを康太に渡した。

「これで何を?」

「失われた記憶を戻すのです」

「失われた記憶?」

「あなたには、死神になる前、つまり流魂街に現れる以前の記憶を取り戻してもらいます」

「……?」

「説明より実行! さあ、被って下さい!」

「こんな訳のわからないものいきなり渡されて被れ? 怪しすぎでしょ」

「お願いよ、康太。被って」

 私が言うと、

「……………………」

 康太は無言で被った。

「さて、うまく行くでしょうか」

 浦原が機械を起動した。

 康太の脳裏に、生前の記憶が蘇る。

「康太?」

「お姉ちゃん!」

 康太が抱きついてきた。

「おかえり、康太」

 私は康太を抱きしめた。

 

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