BLEACH〜空座町の死神代行少女と多重世界〜 作:桂ヒナギク
霊を成仏させると、私は肉体に戻った。
「さて、妖怪捜しますか」
私たちは本来の目的に戻った。
だが、どこを回っても、妖怪は見つからなかった。
「やっぱりお前の見間違えじゃないのか?」
「そんなことないわ。クラスメイトの石田くんも見たって言うし」
「石田くん?」
「ああ、
「滅却師? 弓を使った除霊者か。噂には聞いたが、本当にいるのか。とりあえず、その石田ってやつにも話を聞こうか」
私たちは石田家を訪ね、情報を仕入れた。
彼の話によると、コンビニへ買い物へ行った帰り、上空を飛翔する鬼童丸を見たと言う。
鬼童丸は、古今著聞集によると、酒呑童子討伐で知られる武将・源頼光が弟・源頼信の家へ行ったとき、厠に鬼童丸が捕えられていた。頼光は、無用心だから鎖でしっかり縛っておくようにと頼信に言い、その晩は頼信の家に泊まった。鬼童丸は縛めの鎖をたやすく引きちぎり、頼光を怨んで彼の寝床を覗いて様子を窺った。頼光はこれに気づき、従者たちに「明日は鞍馬に参詣する」と言った。そこで鬼童丸は鞍馬に先回りし、市原野で放し飼いの1頭の牛を殺して体内に隠れ、頼光を待ち受けた。しかし頼光はこれをも見抜き、頼光の命を受けた渡辺綱が弓矢で牛を射抜いた。牛の中から鬼童丸が現れて頼光に斬りかかってきたが、頼光が一刀のもとに鬼童丸を斬り捨てたという。鳥山石燕の妖怪画集の今昔百鬼拾遺には「鬼童」と題し、鬼童丸が雪の中で牛の皮をかぶり、市原野で頼光を待ち受ける姿が描かれている。
「ぬ〜べ〜、鬼童丸って?」
「鎌倉時代の説話集である古今著聞集などに登場する鬼のことだ。空想上の妖怪だと思われていたが、実在すると言うのか。だとしたら、源家の人物が狙われるだろう」
「そういえば、石田くんの言ってたコンビニの近くに源家が」
「行ってみよう!」
私たちはコンビニの近くにある源家へ訪れた。
そこには数台のパトカーが止まっており、ブルーシートが張られていた。
「お父さん」
私は捜査員である父に声をかけた。
「聡美。こんなところで奇遇だな」
「お久しぶりです、お父さん」
ぬ〜べ〜が父に挨拶する。
「おお、あなたは鵺野先生。その節は娘がお世話になりました」
「お父さん、この家の人、亡くなちゃったの?」
「ああ、そうなんだよ」
「私たち、鬼童丸って妖怪の仕業だと考えてるんだけど……」
「妖怪をどうやって逮捕しろと言うんだ……」
ぬ〜べ〜が真剣な表情で源家を見つめる。
「ぬ〜べ〜?」
「