BLEACH〜空座町の死神代行少女と多重世界〜   作:桂ヒナギク

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第09話:魔界

 洞穴の中は真っ暗で何も見えない。

 私はスマホの懐中電灯の機能で明かりを点けた。

 かろうじて明るくなり、奥へ進むことができる。

 奥まで辿り着くと、康太が倒れていた。

「康太!」

 私は康太に駆け寄る。

 康太は意識を失っていた。というか、魂魄が入っていない。

「大丈夫だ。シルバーコードはまだ繋がってる」

 ぬ〜べ〜が言う。

 確かに、因果の鎖はまだ切れていなかった。

 更に奥を見やると、そこに霊道が開いているのが見えた。その先がどうなっているのかはわからない。

「この先は霊界だ。お互い、体外離脱して行ってみよう」

 私とぬ〜べ〜は肉体から離脱して霊道を抜けた。

 その先は冥界へと繋がっていた。

 尸魂界ではない。

 禍々しい空気を感じる。

 魔界、と言ったところだろうか。

 因果の鎖を辿る。

 その終点は高台の上で女性と楽しそうに話をしていた。

「康太!」

「お姉ちゃん?」

 女性が康太を庇う。

「あんた何者よ!?」

「ふ、死神と人間風情が何をしに来た?」

「決まってっだろ! 康太を連れ戻しに来た!」

「康太は私のモノだ。お前たちには渡さない」

 康太は疑問の表情をした。

「お姉さん?」

「いいのよ、康太。気にしないで」

 私は瞬歩で接近しようとするが、結界によって弾かれてしまった。

「お姉ちゃん!」

「行きましょう、康太」

 女性は康太を連れて去って行く。

「待て!」

 私は斬魄刀で結界に切れ目を入れた。

「ぬ〜べ〜、ここから行けるよ!」

 私とぬ〜べ〜は結界の中へ。

 康太を追いかけた。

 先へ進むと、先ほどの女性が魔物と話していた。

 私たちはそれに耳を傾ける。

「シルバーコードが切れたら、これを飲ませます。あらゆるものを魔物にすることができる薬品です。康太は弱々しいが霊感をお持ちだ。きっと素晴らしい逸材になってくれることでしょう」

「そう言うことだったのね!?」

 私は女性の側に躍り出た。

「貴様!?」

「あんたを倒して、康太を連れ戻す!」

 私は瞬歩で女性の懐に潜り込んだ。そしてそのまま背後に抜ける。

 その刹那、女性の鎖結(さけつ)魄睡(はくすい)を破壊した。

 女性は血しぶきをあげて倒れた。

「あんたの鎖結と魄睡は破壊させてもらったわ。次に目覚めた時、あんたはただの霊となるわ」

「貴様、私の可愛いシモベをよくも!」

 魔物が飛びかかってくる。

 私は斬魄刀で魔物を真っ二つに切り裂いた。

「ぎゃああああ!」

 消滅する魔物。

「康太!」

 私は因果の鎖を辿り、康太の元へ向かった。

「康太!」

「お姉ちゃん!」

 私と康太は抱き合った。

「さ、元の世界に帰ろう」

 私は康太を連れて、ぬ〜べ〜と共に現世に戻った。

「僕の体……僕、死んじゃったの?」

「ううん」

 私は首を横に振るう。

「体外離脱しただけよ。さ、重なりなさい」

 康太が自分の体に重なる。

 私とぬ〜べ〜も自分の体へ入った。

 夕暮れ時になり、私と康太、そして遠足組はそれぞれの帰路に就くのだった。

 

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