BLEACH〜空座町の死神代行少女と多重世界〜 作:桂ヒナギク
洞穴の中は真っ暗で何も見えない。
私はスマホの懐中電灯の機能で明かりを点けた。
かろうじて明るくなり、奥へ進むことができる。
奥まで辿り着くと、康太が倒れていた。
「康太!」
私は康太に駆け寄る。
康太は意識を失っていた。というか、魂魄が入っていない。
「大丈夫だ。シルバーコードはまだ繋がってる」
ぬ〜べ〜が言う。
確かに、因果の鎖はまだ切れていなかった。
更に奥を見やると、そこに霊道が開いているのが見えた。その先がどうなっているのかはわからない。
「この先は霊界だ。お互い、体外離脱して行ってみよう」
私とぬ〜べ〜は肉体から離脱して霊道を抜けた。
その先は冥界へと繋がっていた。
尸魂界ではない。
禍々しい空気を感じる。
魔界、と言ったところだろうか。
因果の鎖を辿る。
その終点は高台の上で女性と楽しそうに話をしていた。
「康太!」
「お姉ちゃん?」
女性が康太を庇う。
「あんた何者よ!?」
「ふ、死神と人間風情が何をしに来た?」
「決まってっだろ! 康太を連れ戻しに来た!」
「康太は私のモノだ。お前たちには渡さない」
康太は疑問の表情をした。
「お姉さん?」
「いいのよ、康太。気にしないで」
私は瞬歩で接近しようとするが、結界によって弾かれてしまった。
「お姉ちゃん!」
「行きましょう、康太」
女性は康太を連れて去って行く。
「待て!」
私は斬魄刀で結界に切れ目を入れた。
「ぬ〜べ〜、ここから行けるよ!」
私とぬ〜べ〜は結界の中へ。
康太を追いかけた。
先へ進むと、先ほどの女性が魔物と話していた。
私たちはそれに耳を傾ける。
「シルバーコードが切れたら、これを飲ませます。あらゆるものを魔物にすることができる薬品です。康太は弱々しいが霊感をお持ちだ。きっと素晴らしい逸材になってくれることでしょう」
「そう言うことだったのね!?」
私は女性の側に躍り出た。
「貴様!?」
「あんたを倒して、康太を連れ戻す!」
私は瞬歩で女性の懐に潜り込んだ。そしてそのまま背後に抜ける。
その刹那、女性の
女性は血しぶきをあげて倒れた。
「あんたの鎖結と魄睡は破壊させてもらったわ。次に目覚めた時、あんたはただの霊となるわ」
「貴様、私の可愛いシモベをよくも!」
魔物が飛びかかってくる。
私は斬魄刀で魔物を真っ二つに切り裂いた。
「ぎゃああああ!」
消滅する魔物。
「康太!」
私は因果の鎖を辿り、康太の元へ向かった。
「康太!」
「お姉ちゃん!」
私と康太は抱き合った。
「さ、元の世界に帰ろう」
私は康太を連れて、ぬ〜べ〜と共に現世に戻った。
「僕の体……僕、死んじゃったの?」
「ううん」
私は首を横に振るう。
「体外離脱しただけよ。さ、重なりなさい」
康太が自分の体に重なる。
私とぬ〜べ〜も自分の体へ入った。
夕暮れ時になり、私と康太、そして遠足組はそれぞれの帰路に就くのだった。