真っ暗かと思えば真っ白。
気が付けば周囲には都会らしいビルもない、というより人っ子ひとりいない世界。
自分は立っているのか座っているのかもわからない。
あるいは寝転んでいるのかもしれない。
「……ここはどこ?」
「こんにちは、ご機嫌いかが?」
と、急に声をかけられる。
思えば眼は動き、耳は聞こえるのに体が動かない。
視線を左に向ければ見た目が誰かにそっくりな気も……
「思いだした、弟だ」
「外見はね……意識も戻ったしまず一言。君は死んだよ」
「……え」
自分の弟、と思えばその雰囲気は全然違う。
そしていきなりおかしなことを言い出す弟似の男性。
「自己紹介が遅れたけど、私は神。で、疑問に答えると……君は死んだ。まあ、こちらのミスでだが」
「神?……俺の名前、死神のノートにでも書かれてました?」
「違う違う、まだ君は冗談と思っているようだが現実……といえるかな、ここは?」
そう言われ眼であたりを見れば、いろいろな人間がいる。
古臭い格好から妙に現代的な格好まで様々だ
「死んだっていうのは本当だよ? この格好も、君がわかりやすいようにしたんだ」
「だからって弟は無い……いや、本当見たいですね」
「段々思い出してきたかな? 交通事故っていうのは視るに堪えないからね」
どうやら自分はあの時、結局よけきれなかったらしい。
まあ、かばった子供……!?
「子供は!?」
「あの子は無事だよ? しばらく君はニュースで話題になる」
「……あ~あ、なんか損した気もする」
「だから私が来たんだ。君を別世界に転生させる……無論、理不尽だからある程度の望みはかなえるよ?」
そうして神様とやらは、三つの……欠片らしきものを目の前に持ってくる。
眼と口しか動かないので、自分からは動けないのだが。
「一つは行きたい世界、一つは肉体能力、一つは特殊な能力とか」
「……マンガやラノベの世界とか、どこでもいいんですか?」
「ああ、どこでも」
そう言われ考える。
ここで嘘だ、というほどの悪意は感じられない……自分がおかしくなっていることは自覚しているが。
だが、どうせなら欲を出してみよう。
「めだかボックス……という世界には?」
「へえ……あの特異な世界を選ぶのかい?」
「最近はまっていたので……あと、肉体と能力についてなんですが」
考えた。
これは本当に大事なことだ。
あの世界に行けるのであれば……まあ、身を護る程度でいいはず。
だが本音を言えば、関わりたい。
そうして考え……
「北斗の拳というマンガ、そこにいる北斗四兄弟の次兄、トキのスペックをそのまま俺にくれますか?」
「うおっ!? またきっついのを選ぶね」
「あ、もちろん死の灰をかぶる前ので」
「そうだね……うん、あの世界ならそれでも大丈夫だろう」
神はそのまま欠片をいじり……手を止める。
「容姿はどうするんだい?」
「このままで。別に普通で構わないから……」
「……ふ~ん、そうか。ではこれがトキの能力だ。南斗聖拳の知識もおまけしておくよ」
そう言い、欠片を神は俺に埋め込んだ。
欠片が全部体の中に入ったのを確認し……神は微笑む。
「……さ、あとは君次第。どんな物語を紡ぐか、楽しみにしてるよ」
「どうも……行ってきます」
そうして彼は旅立った。
次の世界、第二の人生で何を得るのか。
「……あ、原作スタート時からって言ってなかったな」
どうやらこのうっかりさが、今までのミスにつながっているらしい。
いきなりはじまってしまいました。
同時進行となりますが、どうかよろしくお願いします。