【とある魔術の禁書目録】 〜放課後ティータイム激闘記〜 作:メガネ大佐
腹ペコシスターさんも登場です。
では、どうぞ!!
『学園都市』
東京西部の広大な土地を一気に開発して建設された、教育機関を主とした造りをした街。
多方面から学生を集め、超能力開発つまりは『脳の開発』等を行っている。
高さ五メートル、幅三メートルもある外壁の‘‘外”とは、文明レベルが数十年近く離れていると言われている科学の街である。
__第七学区内、桜高学生寮__
唯「ふぁ……ん眠い……」
街の学生の一人、平沢唯は寝ぼけた目を擦りながら朝食を作っていた。
230万人という人口の8割を学生が占めるこの街では、基本的には学生は寮で一人暮らしだ。
唯「……ん! 出来た!!」
鍋の中の味噌汁を味見し、それが美味であることを確認した唯ははっきりと目を覚ます。
ご飯をよそって、味噌汁と共に食卓に並べる。
手を合わせて元気に
唯「いただきます!」
と言うと、美味しそうに自前の朝食を平らげた。
食事を終え、ふとリビングの掛け時計をみた唯は、慌てて制服に着替え始めた。
時刻は午前八時を回っている。
下手を打てば遅刻である。
唯は大急ぎで部屋に戻り、愛用のギターを背負うと、鞄に弁当を押し込み家を出……ようとした。
唯「ああーっと、忘れてた!!」
唯は駆け足でリビングに戻ると、襖でリビングと仕切られている小さな和室に飛び込んだ。
和室には、観音開きの扉を開いた仏壇がある。
唯はその前に正座し、手を合わせた。
唯(憂、行ってくるね)
仏壇に飾られた花の隙間から覗く遺影の内側で微笑みを浮かべる妹に出発を告げると、唯は駆け足で通学路へ飛び出した。
***
夏の刺すような日差しがアスファルトに降り注ぐ中、唯は全速力(と言っても大した速度では無いが)で自分が通う学校へと急いでいる。
唯が通っている学校は、私立桜ヶ丘女子高等学校。
通称『桜高』
桜ヶ丘女子高等学校といえば霧ヶ峰女学院や常盤台中学校には一歩引けを取るものの、‘‘能力開発”、‘‘座学”においても優秀なお嬢様学校である。
無論、遅刻寸前の時刻に通学路を猛ダッシュしていく桜高の生徒にお嬢様らしさなど微塵も無いが。
唯「ふ、ひゃあぁ遅刻するぅ」
遅刻のプレッシャーに背中を押され、走る。
周りの景色が後ろに向かって消えていく。
唯は小さな十字路に差し掛かった。
その時……。
??「うわあっ!!」
唯「うわっと!!」
……十字路で遅刻寸前の男女がぶつかる。
万年、使い尽くされたラブコメの王道的アクシデントがリアルに起きた。
それも、不幸なことに教科書類を撒き散らすというおまけ付きである。
唯「いてて……あ、すみません! ちょっと急いでたもんで……怪我ないですか?」
??「いや、大丈夫ですよ。それに、俺も急いでたんで」
唯が立ち上がると、そこにはウニのようにツンツンした黒髪の少年が尻餅をついていた。
大体同年代くらいだろう。
唯が散らばった荷物を拾うのを手伝おうとすると、少年は愛想笑いを浮かべながら手を横に振った。
??「ああ、大丈夫です。こういうの慣れてるんで」
少年はそう言いながら素早く荷物を拾うと、一礼して走りだした。
唯が呼び止めようとする間も無く道路の彼方に消えていく。
唯は俯き、ため息をはいて呟いた。
唯「筆入れ……忘れてるよ」
唯「……やばっ! 私も急いでるんだった!!」
しばらくどうしようか考えていた唯は、ふと我に返る。
少年と同じく、唯も通学路を走り出した……のだが。
またすぐに立ち止まる羽目になった。
最初は飛ばされた布団が道路に落ちて居るのかと唯は思った。
しかし、よく近づいてみるとそれは純白の修道服を纏ったシスターだった。
高校生の唯に比べると顔立ちは幼い。
髪の毛も長い銀髪で、全体的に‘‘白”のイメージである。
道端にシスターが転がっている……非科学的な物自体が希少な学園都市では、まずあり得ない光景だ。
唯は、恐る恐る声を掛けた。
唯「あの〜……大丈夫?ですか?」
シスター「…………お」
唯「お?」
シスター「……おなか、へった」
唯はこの瞬間、自分の未来が大きくねじ曲がることなど全く知らず、呑気にキョトンとしているのだった。
次回はほのぼの行こうかな〜と思ってます。
多分ですけど。