道中 シャングリラ
リーザスを出発したエールと長田君は次の目的地をヘルマンへと定めた。
エールが次の目的地を考えていると真っ先に思い浮かんだのは、魔王討伐の旅の終わり、別れ際に泣いていたレリコフの顔だった。ゼスとも悩んだのだが、レリコフは仲間にするのも兄弟で一番最後だったので長く一緒に居られなかったというのもある。
「んじゃ、ヘルマンに向かうのにいくつか道があるけど」
長田君が言い切る前にシャングリラに寄っていきたい、とエールは言った。
「へへ、そうだよな! リセットさん元気にやってるかね」
ヘルマンに向かう前に通るシャングリラもエールの旅の大事な目的地である。
エールの小さい姉であるリセットが居る場所。冒険を最初から最後まで支えてくれたリセットはたくさんいる兄弟の中でも一際世話になった存在だった。
「エール、ちょっと歩くの早いってー!」
早く会いたい、とエールの足取りは軽かった。
………
……
「ヘルマンに行くときは、せめて砂漠……超えるまではうし車使おうな……」
ぜぇぜぇと肩で息をする長田君に、エールもへとへとになりながら頷いた。
砂漠を徒歩で進んだ二人は前来た時も同じ失敗をしたこと、そしてあの時はロッキーのサポートがあった、という事も合わせて思い出していた。
「あの人にも世話になったよな。ドッスとワッスもついて行ったみたいだけど、今はゼスで孤児院やってんだったっけ」
冒険中会いに行ければいいね、とエールは答えた。
前と同じように長田君がこけてカラスに襲われる一幕はあったものの悪魔に襲われたりはせず、暑い暑い砂漠を抜けて二人は何とか国際共同都市シャングリラへ到着した。
都市に入れば疲れも吹き飛ぶような賑やかさ。種族も国も関係ない、ごった返しぶりも懐かしい風景だった。
飲み物を入れて一息つき、早速とばかりに二人はリセットが居る建物へ向かう。
「申し訳ありませんが、リセット様は現在シャングリラを出ておりまして…」
パステルの妹にして従者であるサクラがそう言った。
エールは一瞬また隠されているのかと思ったが、話しているのはパステルではなくサクラである。信用できるだろう。
「え、マジ? どこいっちゃったんすか?」
「リセット様は外交に出ております。戻られるのはかなり先になるかと」
「あー、そういえばリセットさんって外交官だもんな。残念だったな、エール」
久しぶりに姉に会いたかった。
せっかく乗せやすそうなみかんもちゃんと用意したというのに、エールはそれを軽く握りながらうつむいていた。
「お前どこでそんなもん買ってたんだよ、いや、すっごい今更だけど」
とりあえず代わりにとばかりにエール達は都市長でありカラーの女王であるパステルにも挨拶しに行くことにした。
「今更何しにきおった。 だが、せっかくじゃ、お前にはいくつか言いたいことがある!」
開口一番、不機嫌な様子を隠そうともしないパステル。
勝手にリセットを連れ出したことをまだ根に持っているのか、ついでとばかりにかつてエールの両親、ランスとクルックーがペンシルカウというカラーの故郷を火の海にしたことまで言い出した。
「それはエールは関係ないっすよ!?」
長田君はエールを庇うが聞く耳持たぬという雰囲気である。
エールはパステルの話を聞き流しながらこの荒れようは何かあったのか、とこっそりサクラに小声で尋ねた。
「実は少し前の話ですがランス様がここにいらっしゃいまして……」
ランスがシャングリラにやってきた。
何しに来たかと言えばハーレムにいれる女探しの旅でカラーは見た目が変わらないこともあってランス曰く俺様の昔の女を誘いに来たという。
運悪くリセットが外交に出ていた時期でパステルとランスの二人の間を取り持つ存在はなく、久しぶりに顔を合わせた二人は感動の再会とはならなかった。
ランスの目的を聞いたパステルは当然のように憤慨。
シィルやイージス、パステルの母親や祖母までが止めに入り一旦は収まったものの結局ランスはここで曰く"俺の女"相手に散々好き勝手してからシャングリラを出て行ってしまったらしい。
リセットとは会えないままだったのでサクラ達は引き止めたそうだが……
「出て行ったのではなく、追い出したのじゃ!」
机をばしーんばしーんとだだっこのように叩いて憤慨している都市長であり現カラーのパステル女王。
息子の前ではメロメロだが根幹にカリスマと威圧感を纏っていたリーザスのリア女王を見た後というのもあって、あまりの差にエールは首を傾げた。
この人とあの父からリセットのような存在が生まれることに奇跡を感じるばかりだ。
「お前も何か言ったらどうじゃ!」
エールはパステル女王とリセットは全然似てないですねと言って、リセットのために持ってきたみかんをパステルの頭の上に乗せた。
「な、なんじゃとー!? 貴様、またもや妾をバカにしおって! やはりあの二人の子供――」
呪いをかけんがばかりの形相になったので、エール達は側にいたカラー達が宥めている間にそそくさと退散した。
「うちのエールがホントすいません……」
長田君がエールにも頭を下げさせながら、外まで案内してくれたサクラに平謝りしている。
エールの方は迷惑をかけてしまったサクラに素直に頭を下げるが、パステルの方への謝罪の気持ちは全く沸いてこなかった。
「ご両親が昔ペンシルカウを燃やした、というのは仕方がないことだったんです。そこはお気になさらないで下さい」
サクラもまたパステルのことを謝罪する。
エールには隠しているつもりだがクルックーは放火好きである。
冒険の勉強でキャンプをすることになった時の事、クルックーがキャンプのたき火をつけるとき目をキラキラさせて眺めていたのをエールは良く覚えていた。
燃やすのが好きなのか、燃えているものを見るのが好きなのか、両方なのかは知らないがエールはとにかく母が火が好きであることを知っている。
それと同時に、クルックーがエールまで放火が好きにならないように注意していたことも分かっていた。
魔法の才能があることが判明した時も覚えさせたのは雷の魔法、火は危険なものであり放火が良くないということはちゃんと教えられている。
「いや、仕方なく村を焼くってどんな状況っすか?」
「話すと長くなるのですが、我々を救うために……決して悪気があってされたことではないのです」
さすがに趣味で村を焼くような人ではないようでエールは少し安心した。
「リセット様もエールさんに会いたがっておられました。またいらしてください」
「外交って言ってたすけど、どこらへんにいるんすか?」
「大陸西方のヘルマンとゼスを回りつつペンシルカウへ視察をする予定ですね。イージスも同行しています」
ランスとクルックーが仲良く(?)燃やしたというカラーの故郷ペンシルカウ。一体どんな場所なのか、とエールは聞いてみた。
「翔竜山の近くにあるクリスタルの森にあるカラーの住む村で、今は人間になじめない、身を守り切れないカラーがそこで暮らしています。
近くに魔王城が出来てしまってから皆シャングリラへ一時避難していたのですがそれもなくなりましたので」
エールはペンシルカウにぜひ行ってみたい、と言い出した。
「俺も! 俺も行きたーい! カラーの村とか絶対美人だらけの楽園だろ!? 人間も入れないっていう幻の村、行ってみて―!」
「え、えぇ? 申し訳ありませんが、そこはカラーの秘密の村で普通の人間は入ることは……」
困った様子のサクラに二人は迷惑かけないから、リセットに会うだけだからと強引に詰め寄った。
サクラは何度か断ったが、二人は折れる気配はない。
エールは翔竜山から魔王を追い出したのは自分達なのだから、村を見せてくれるぐらいはしてもいいんじゃないかと言い出した。
「わ、わかりました。エールさんはリセット様の妹君ですし……紹介文を用意出来るようパステル様に相談してみます」
このままでは無理矢理入りかねないと思ったサクラがそう言った。
「うおー!やったぜ、エール! 言ってみるもんだなー!」
パステルが無事に発行してくれるかは分からないが、とりあえずサクラに礼を言ってエールと長田君とハイタッチ、旅の楽しみがまた一つ増えたと喜び合った。
………
……
シャングリラで一泊。前に泊まった宿屋である。
前はちょっとした盗難騒ぎがあったが、あの時の従業員も真面目に働いているようだった。
宿屋の主人はエール達のことを覚えていてくれたらしく、対応もことさら丁寧で少し良い部屋に案内して貰えた。
「懐かしいな。 シャングリラでも色々あったよな」
魔王の襲来、志津香達との出会い、謎の美少女探偵もいま思えば楽しい思い出である。
就寝まで町をぶらぶらすることになったエールと長田君は、町中でリセットの絵が描かれた看板を持った集団を見つけた。
エールはその集団について軽く情報収集をしてみた。
「あれはリセット様のファンクラブだね。最近はまた数が増えたもんだ」
「荒くれ者や魔物なんかも入るようになったからね。まあ、リセット様なら無理もないことだ。なんたって魔王討伐した英雄様だっていうじゃないか」
「そんな凄い方なのに相変わらず私達にも優しく気さくに接してくれるんだ。 本当にシャングリラの誇りさ!」
エールは姉が褒められているのでとても気分が良く、誇らしい気持ちになった。
「リセットさんは相変わらず人気者だな。 ならあれはファンクラブみたいなもん?」
「いやー、リセット様がいない間はどうもガラが悪くてたまに酒場で暴れてるんだよ」
「リセット様の前じゃ大人しいんだがね。 ファンってのもあるからリセット様もあんまり強く言えず困ってるんじゃないか?」
さらに聞くともはやファンを通り越して信者になりかけているらしく、たまに乱闘騒ぎを起こすほどであるらしい。
連中が入っていった大きな酒場は人が大勢出入りして、店員も忙しそうで大賑わいである。
姉であるリセットのファンが増えるのは悪い事ではないが、そいつらは先にいた客をどかして席を確保したり大声で騒いだりとやりたい放題でどうにも物騒な集団に見える。
エールは長田君と適当に飲み物と食事を注文すると、その集団に聞き耳を立てた。
種族の垣根をなくし、シャングリラを栄えさせた外交官。
魔王を正気に戻し、その脅威を取り除いた英雄。
それでいて驕ることもなく変わらずみんなのために尽くしてくれる優しく温かい存在。
しかもあれだけ可愛いと来たらここまでファンが仕方のないことだとエールは姉への美辞麗句をうんうんと頷きながら聞いていた。
「そりゃリセットさんは面倒見も良いし優しいし可愛いけどよー、なんつーか乳とか以前に小さいし? 女として見れないっつーか、女としてみる奴ってロリコンぐらいしか寄り付か」
エールは喋っている途中の長田君を叩き割った。
そのセリフが聞こえたのか、男達がエール達に絡んでくる。
「誰かリセット様のことを悪く言わなかったか!?」
言ったハニーはボクが割った、とエールがそちらを向いた。
「リセット様は確かに小さい。 だがその存在の大きさは世界中に轟いているんだぞ!」
「我々のような魔物にまでリセット様は慈悲を下さった。 今日のシャングリラがあるのも全てリセット様のおかげ、素晴らしい!」
エールにとってはそんなこと言われないでもわかっていることだった。
「リセット様がカラーの女王になったら子供とか作るんだろうなぁ……」
エールはそれを聞いてはっとそちらを見る。
話は不穏な方へと向かった。
「その時は俺が優しく孕ませて差し上げたい……」
「お前なんか振られるに決まってるだろ! リセット様にはとびきり優秀な男探すんだろうよ」
「いや、愛があるのが一番だ!俺の子種を――」
「ふざけんじゃねぇ! リセット様には俺が――」
そう言って男達はケンカをはじめようとした。
しかし、それが騒ぎになる前にエールは話していた男を突然ぶっ叩いた。
「なんだぁ!?」
大騒ぎしていた男が一斉にエールの方を見る。
エールはお姉ちゃんが欲しいならボクを倒していけ!と叫んだ。
「ちょ、ちょ、ちょ! エール、何言ってんの!?」
明らかにいつもと様子がおかしいと、長田君がエールが飲んでいたものを見るとそれはいつものピンクウニューンではなくかなりきつい酒の匂いがした。
店内は人でごった返している、店員が注文を間違ったようだ。
「女のくせにリセット様に憧れてんのかよ?」
ボクはリセットの妹だ、とエールがいつになく声を上げる。
「あれか、姉妹願望ってやつか!? リセット様にそんな趣味はねぇぞ!」
「ガキはミルクでも飲んで帰りやがれ!」
飛んできた手をエールは軽くいなすと、そのまま背負い投げを決めた。
「なんだぁ!このガキ!やろうってのか!」
「変なハニーなんか連れやがって!」
姉によこしまな思いを抱くだけではなく、大事な親友をバカにされ、エールは怒り心頭だった。
「誰が変なハニーだこらー! エール! 店のもん壊すなよ!」
エールはとりあえず全員ぶっ叩いてその集団を二度と集まらないように解散させることにした。
………
……
酒場で人が大暴れしている。
そんな通報を受けてシャングリラの警備隊長であるカロリアは現場に走っていた。
いつもの連中だろうが、自分が呼ばれる事態は久しぶりだった。
酒場の前にくると人だかりができていて、わーわーと盛り上がっていた。
人混みをかき分け入ると、そこには見慣れない一人の少女と見慣れたカラーの幽霊…英霊がやり合っている現場であった。
扉が壊れた酒場の中を覗くと床にはその乱闘に巻き込まれたのか、たくさんの男が床に伏せている。
「こらー! 乱闘禁止!」
カロリアが熱くなっている二人に毒針を放つが、少女とカラーはそれをしっかりと躱した。
不意打ちのように放ったにもかかわらず回避されたことに驚くがカロリアは引かない。
「大人しくして! 逮捕するよー!」
そう叫ぶと野次馬は蜘蛛の子を散らす様に消え、暴れていた二人も動きを止めてカロリアの方を振り向いた。
エールに魔法を放っていたそのカラーは満足げに薄く笑うとふっとその場から姿を消す。
「あー、逃げられちゃった。 捕まえたりは出来ない人だけど」
残されたエールはというとさすがに警備に手を出す気はなく、降参とばかりに手を挙げていた。
「大人しくしてくれるんだね。それじゃ、こっちきて」
エールは大人しくその綺麗な女性の後をついていくことにした。
ミステリアスな刺青の紋様や、毒針を出したのが身体から出たムシであるのが気になり、エールは目をキラキラとさせながらカロリアの入れ墨を撫で始めた。
「わわわ! どうしたの!?」
「こら、カロリアにペタペタ触るな」
にゅるっとムシが顔を出し、口から火を吐こうとする。
「儂らが気になるんかいの?」
「ほーら、お嬢ちゃん。こっちに大人しくついといでー」
カロリアのムシ達が子供をあやす様に誘導すると、エールは嬉しそうにそれに手を伸ばし惹かれるようについていく。
エールはまだ酔いが覚めていなかった。
「早々に乱闘騒ぎとは父親そっくりじゃな」
連行された先で都市長であるパステルが呆れた顔でエールを見た。
普段は些事に顔を出すことないが、乱闘にパステルの曾祖母であるフル・カラーも関わっているならば無視するわけにもいかない。
酔いが覚めたエールは尋問室のような場所で椅子に座らされて縮こまっていた。
「いやー、確かに暴れたのは悪いっすけどちゃんと理由があるんすよ!」
一緒についてきた長田君が暴れた理由をパステルを説明する。
リセットさんにいやらしい不埒な事を言ってたやつらをエールが叩くと、あれよあれよとそいつらの仲間まで集まってきた。
エールはそいつらを叩き伏せ、ガキに負ける様じゃ姉を守るわけないとか二度と姉に近付くな、迷惑をかけるなーと叫びながら酒場で暴れていた。
男達はそれが情けなく悔しいのか反撃を仕掛け、エールがさらに応戦しているとどこからかクールな雰囲気で露出度の高い巨乳美女カラーの幽霊まで参戦。そのカラーはエールにも攻撃していたのだが、結局はその争いに巻き込まれファンの集まりだという男どもは一人残らず吹き飛ばされる。
自分も巻き込まれて割れたが、そうなってもエールとカラーの戦いは続き、狭くなったのか酒場の外でやり始めいつの間にやらギャラリーがつく騒ぎになってしまった。
二人とも何故か楽しそうだった。
長田君がそこまで話すとパステルは困惑した表情になった。
「曾お婆様まで一体何をしておるのか……」
「あの幽霊さんってパステルさんのご家族何すか?」
「うむ。 血の気が多く森にもマザーカウにも戻らずふらふらと、妾にも止められは…… いや、そんなことはどうでも良い」
咳払いをしてパステルはエールを見た。
大暴れしていたという目の前の少女は気まずさからか、後悔の念からか、縮こまって頭を机に押し付けるように下げている。
「随分と大人しいではないか。さすがに反省したか」
エールは酒の影響が残っていて、頭の中がまだくらくらガンガンとしていて頭を上げられないだけだったが、パステルはそれを勘違いしたようだ。
「話を聞くにお前だけに非があるわけではないようじゃ。 あやつらにはリセットも困らされておったし、今回のことは不問に処す。感謝するが良い」
そう言ったパステルの言葉には少しばかりの機嫌の良さが伺えた。
パステルにとってリセットは自慢の娘ではあるが優しすぎるところがあり、強く言えないことも多い。エールがリセットのためにしたことだと言われれば、それ以上責任を追及する気にはなれなかった。
「エールさん、これをクリスタルの森にいるカラーに渡してください」
エールは脇に控えていたサクラから一枚の手紙を渡された。どうやら紹介状のようである。
「お前らは村に入ろうと無茶をしかねんからな。いいか、あくまで見るだけじゃ。決して面倒事は起こすでないぞ!」
パステルはエール達が魔王を翔竜山から退け、カラー達がクリスタルの森に帰れるようにしたという功績があるので無碍にするのは良くないとサクラから説得されていた。
何よりエールの両親はあの二人、無理矢理入ろうと騒ぎを起こされたり森が燃やされたりするかもしれないと考えれば素直に入れたほうがマシ、そして父親のことを子供であるエールに当たってしまったことも内心反省していたこともある。
エールは紹介状をくれたパステルにきっちりと頭を下げてお礼を言った。
エールと長田君は絶対に暴れるなときつく言いつけられすんなりと解放された。
エールはパステルと少し仲良くなれた気がした。
………
……
「次は予定通りヘルマン行くか? それともペンシルカウにさっそくいってみる?」
長田君が宿の部屋で地図を広げている。
砂漠で熱いので早くヘルマンに向かいたい、とエールは言った。
「そうだなー、ヘルマンはすげー寒かったから防寒具の準備とかいるよな。 あっ、今度こそ砂漠出るまではうし車使おうぜ!」
二人は冒険の準備に頭を巡らせている。
「そういや、エールってリセットさんの相手ってどんな人ならいいわけ?」
長田君が何となく尋ねると、エールは腕を組んで悩み始めた。
色々と頭を巡らせるがそんな人は思い浮かばない。自慢の兄弟ですら一長一短だった。
エールは悩みに悩むと自分が男だったらリセットに迫ってクリスタルを青く出来るようがんばる、と言った。
「え、お前ロリコン願望とか引くわー… でも実際に男になったら絶対巨乳のほうがいいってなるから!」
エールは長田君を叩き割った。