ハリー・ポッターと聖邪の兄妹 作:匿名希望
ホグワーツ入学の案内を受け取った翌日。
ツィオルキン公爵とその子女がダイアゴン横丁を歩いていた。
「教科書と鍋は買ったわね。後、買っていないものは何かしら、お兄様」
レイがそう聞くと、クーダは「後は杖だけですが、ペットはよろしいのですか?」
「うん、いらない。だってお兄様の方が梟便より早く届けてくれるし」
するとクーダはニコリと笑い、「ツィオルキン家の執事たるもの、それぐらいの速さで移動できなくてどうします」と答えていた。
双子は隣に並ぶと解るが男女の差故か、クーダの方が頭1つ分大きいようだ。
暫く歩くと金髪の少年に遭遇した。
レイはその少年に静かに近づくと両手で目隠しをして「ドラコ、だ~れだ」と言っていた。
ドラコと呼ばれた少年はその体制のまま「パンジー、違うな。彼女にしては手の位置が低すぎるし、そこまで高い声ではない。そして目隠しをされる前にちらりと見えた白い髪を考慮すると、君はレイ・ツィオルキンか」
レイは嬉しそうに微笑むと、「正解」と言った。
「レイがいるということはもしかすると」
ドラコがふと考え事をすると。
「ええ、私もいますよ。マルフォイ君」
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ドラコside
僕には憧れている人物がいる。
少し前までそれは僕の父上、ルシウス・マルフォイだったが今は違う。
それはクーダ・ツィオルキンだ。
嘗て僕は富と名声、権力を持っていると思っていた。
しかし彼、クーダと出逢い気づかされた。
富は代々続くマルフォイ家の祖先が遺したもの、名声は父がホグワーツの理事長の一人だから、権力は父が入っていた組織、
しかし彼は違った。
初めて出会ったとき、五歳にしてマーリン勲章を一等を幾つも持ち、父親の十倍以上の富を既に稼いでいた。
近所や近隣の村民たちから寄せられた疑問を解決することで信頼と名声を手に入れていた。
そして彼が頼りにされてるのは何も村民ばかりではなく、時には
その際彼は絶対に勝てないと想われた戦から一人の死者を出すこともなく勝利を納めた、数々の戦を終戦に導いた、等々言われ六歳の頃には既にイギリス軍少佐の地位についていた。
それでも僕は彼に魔法で勝負を挑んだ。
ツィオルキン家の持つ権力を利用し特別に未成年が魔法を使う許可を得た後、決闘を申し込んだ。
幸いにもツィオルキン家の敷地内では未成年が魔法を使用しても匂いが感知できないらしい。
勝負の結果は惨敗だった。あれは一歩二歩の差ではなかった。しかも彼は体に魔力を抑える為の魔方陣を描かれていたにも拘わらずだ。
頼みの綱であった箒の勝負でハンデを貰ったあげく負けてしまった。
その日の夜はツィオルキン家にお泊まりしたのだが誰もが寝静まっているであろう夜中にこっそりベッドを抜け出し、ツィオルキン家の庭でこっそり練習をしようとしたら先客がいた。
それはクーダだった。彼は僕に振り替えることなく「おや、起こしてしまいましたか。それとも何か用事ですか」と喋っていた。
思わず僕は彼に「こんな夜中に魔法の練習をしてるんだな」と皮肉を込めて言ってやった。
けど彼は僕に「ええ、昼間はお嬢様の執事をしているので、こうやって夜に練習をいているんですよ。お嬢様をお守りする為に。それに夜中にこっそり練習をするのは私だけでは無いようですし」と笑顔を崩す事なく此方に振り向きながら語っていた。彼は只の天才ではなく、努力することを楽しむ天才だったのだ。
その日僕は家族以外の前で本気で泣いた。
彼は優しく僕を抱きしめ頭を撫でながら「貴方はいずれお父上を越えられる魔法使いになれるでしょう。その時は、貴方の事を名前で呼ばせていただきますよ。ドラコ・マルフォイ君」
気がつくと僕はツィオルキン家の客室のベッドで寝ていた。
昨夜の事は夢だったんじゃないかと想うが目元に拭いた後が合ったので夢ではないと確信を持てた。
その日からだ。僕が父上でも
それからは父上や母上の目を盗んではツィオルキン家に通い、今まで持っていたプライドを捨てクーダに魔法を教えて貰っていた。
そんなある日、彼は僕に自分の理想を語ってくれた。
その理想とはこの国は色々と間違っているという事だ。
身分の違いで結婚出来ない。身分が違えば裁判でもまともな判決を下してもらえない。浮浪者や孤児達は満足に暮らせない。それなのに国のお偉いさん達はそれで秩序が保たれている等と語る。だからそれを覆すと。
僕は一瞬呆れてしまったが意識を取り戻した直後彼に「そんな事をすれば国を敵に回すことになるぞ」と言ってやると彼はいつも通りの笑顔で「望むところですよ。その為の優秀な人材は確保してありますからね。勿論君もその一人ですよ、マルフォイ君」
その時の彼を敵に回す事に成る者達が見たら悪魔に見えただろうけど、僕には彼が天使に見えた。
彼は語る、「隷属者を支配者に、劣者を優者に、弱者を強者に、愚者を賢者に、貧民を富豪に、平民を貴族に、
その為の道はどこまでも厳しいだろう。
けど僕は引き返したりはしない。その道に橋の架かってない道が現れたなら僕は喜んでその橋になろう。
彼らのためなら、僕は喜んでこの命を賭ける。
ドラコsideout
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「ねぇ、ドラコがここにいるって事はドラコも今年からホグワーツなの?」
レイが無邪気にドラコに話しかける。
「ああ、そうさ。これから7年間宜しく頼むよ」
父親が近くにいるため砕けた口調をしているが彼は両親の目が届かなければ確実に敬語を使っている。
彼は既にこの兄
「君達も買い物かい?」
「ええ、後は杖だけですが」
クーダは相変わらずの丁寧語を使い、ドラコと会話をする。
するとレイが「でも、お兄様はホグワーツに入学はしないで執事として来るみたい」
するとドラコはフッと笑うと「確かに彼はホグワーツで学ぶことなんてないかもしれないな」と語っていた。
「それじゃあ入学の日に会おう」と言って別れた。
そしてツィオルキン公爵とその子女はオリバンダーの店へとやって来た。
店に入ると早速老人がツィオルキン公爵に話し掛けてきた。
「お久しぶりです、アルティ殿。貴方に売った杖は今でも覚えていますよ」
「こちらこそお久しぶりです。今日は子供達の杖を選んでもらおうと思いまして」
「なるほど、今年からホグワーツに入学ですか。因みに杖腕はどちらで」
「娘は右、息子は両方だ」
オリバンダーは頷くと一本の杖を持ってきた。
「樫の木にドラゴンの牙、10㎝。強くて固い」
二人とも降ってみるが効果はイマイチだった。
「桃の木に人魚の鱗、15㎝。風と水の魔法が得意」
レイの方は惜しい、という感じだったがクーダには合わなかった用だ。
「桜の木にユニコーンの角、20㎝。守りと回復の魔法が得意」
レイが降ると桃色の風が杖先から溢れだし部屋を春の様な暖かい空気で包み込んだ。
こうしてレイの杖は決まったがクーダの杖はこの後も20本試したがどれも合わなかった用だ。
するとオリバンダーは「もしかすると、あの杖が。いやしかし」等と言いながら他の杖が入っている箱よりも二回り大きめの側面に鍵穴が四つ有り鎖の付いた南京錠が縦に一つ、横に二つ付いた箱を持ってきた。
「銀杏の杖に宿り木の杖が寄生したもの、芯はアバドンとリリスの毛。75㎝。全てを破壊し全てを創造する杖。どうぞお試しください」
クーダがそれを手にすると杖の先から全てを照らし出すかのような眩しい白い光と、全てを包み込むかのような漆黒の闇が溢れていた。
ツィオルキン公爵一家が料金を支払い帰ろうとするとオリバンダーが一つ呟いていた。
「クーダ殿の杖は場合によってはニワトコの杖より強力な杖。良からぬ事が起こらなければ良いが」
誰も居なくなった店内にその呟きを聞く者は居なかった。