『鈴仙』
冷酷無比、戦場に死をもたらす悪魔
『山田 信也』
この二人が出会ったきっかけとは
今解き明かされる・・・
「あれは、二年前」
イスラエル 中部 米軍中継地点
その時、俺は大規模な作戦成功により『悪魔』などと、恐れられていた。
そして、その後も様々な任務を単独で行い、必ずといっていいほど完遂して帰って来ていた。
どんなに出血し、死にかけていたとしても
そしてある時から、回数を重ねるごとに倒す敵の規模が大きくなり、それなりに難易度が増していった。
そんなある日、上官から「バディーを持ってみないか」といわれたが俺はそれを頑なに拒んだ。
その後も、何度もその誘いが来たのだが俺は拒み続け、
三か月後―
“ブラット、こいつが、今日からお前のバディーだ”
ブラットとは山田ことの呼び名、「キール・ブラット」は山田のコードネームである
そして、山田の目の前に立つのは
うさ耳をつけた、うす紫髪の女と補佐役だろうか一人20代後半の女性が立っていた
そのうさ耳の女の目は赤く、体もそこまで筋肉質ではなく、そこらの女性と大差はない
だが、どこか普通の女性とは違うことをこの時山田は確信する
「すまないな、こいつしゃべらなくてな」
この当時、山田も基本無口だった。
「この子も同じです。この子は鈴仙といいます。どうぞよろしくお願いいたします。」
そう言ってその女性は深々と頭を下げた
「キールといいます。頼んだぞ、鈴仙」
上官は鈴仙にいった
鈴仙はゆっくりと首を縦に振った
「それでは早速明日から任務にあたってもらう、いいな」
そういうと、山田と鈴仙は無言で敬礼をする
その後鈴仙は、宿舎の方へと背を向けながら去っていく
山田はその後姿を彼女が見えなくなるその一瞬まで見続けた
その姿を見た山田は
―殺気の殺し方は無に近く、殺気がそこいらの兵隊よりも鋭い―
あるで、殺人マシーン
この少女と実戦で戦えば、まず勝ち目はない。
抗う一瞬の時間さえ与えられず、一方的に殺される。
そう感じる山田。
そして、不思議に思うことがあった
それはあった時、瞳を見た瞬間に感じたことだ
―冷酷さの中に、『優しさ』があることだ―
「優しさ?」
白山は首をかしげた
「あぁ、敵には容赦なく殺意を向け、関係のないものへは深い愛情を向ける」
「選別という優しさ・・・か」
訊ねる白山
「そうだな、普通は関係のない物へまでも殺意を向け、手をかける奴もいる」
「それはお前もな」
「うるさい」
そう言いつつ、話を続ける
「でだよ、あいつにはそんな感情はなかった。その点が珍しいというか」
「不思議なんだよね」
「そうそう。だけど、修羅場を潜り抜け、敵と残酷な方法で一人残さず殲滅させる冷酷無比であることには間違いない」
「それお前が言える立場?」
「?」
その言葉に、疑問を持つ山田
「お前、四肢を撃って追い詰めてから殺したり、頭と胴体離して頭の中にグレネードいれたり、
武器を持った瞬間子供でも脳幹に一発、弾丸入れて殺して奴が、よく言えるわ」
山田は驚いた顔をしつつ
「そうか?俺らのご法度だろ」
軽々しく言うこの男
まさに
「お前も十分に冷酷だわ」
見つめあう二人
静まり返る部屋
「きっも」
山田が言う
「うるさいわ」
そういい返す白山
「まぁそれが彼女、『鈴仙』との初めての出会いだったよ」
「なるほど・・その後はどんな感じだったんだ」
「そうだな・・・」
その後は―
様々な任務の中で、彼女の生活や好きなことが見えてきた
任務がない日は、一日中本を見ていること
本を渡すと、目をキラキラと光らせるとこ
銃のメンテは、全部自身でやること。それも念入りに
何を聞かれても何も、何も喋らない
くしゃみが何とも言えない程可愛らしいこと
洋食よりも和食が好きなこと
いつも同じ服を着ていること
そいつとの生活は続き、一か月
特に進展がなく
「で?お前のバイクと車は?」
唐突に話を変える白山
「急だな!てか、反応しろよ」
そういって、ツッコミを入れる山田
本当に変なコンビである
「すまん、すまん。で?車は」
「あの二つか?まぁ一様は持ってきた」
「ランボとカワサキのか?」
「さぁ」
この学園は、護衛担当以外の生徒は、各自で自由に車両やバイクを持って来ていいことになっている
だが、基本空輸でもできないわけでもないが・・・
白山の問いに知らんふりをする山田
「何円した?」
「海運で、特級にして、2万だったかな・・」
「やすくない?」
「普通銃そうこうしているなら6トンぐらいあるんだろ、それなら30万とか余裕で超えるはずなのになぜそんなに安くできる」
目を見開く白山
それも無理はない任務等で使う車両は様々な環境に対応出来るように
装甲が分厚く、武装も重装備となりどうしても重量がかさむ
その上、秘匿対象であるため様々な決まりがあり、
輸送する際には、軍の輸送機か専用の運搬船にしか乗せられない為
どうしても高くなってしまうのだ
「聞かせてくれ、どんなルートでしたの」
「さぁ~ね」
山田は、そっぽを向いむいて、窓の方向に歩きだす
「にがさんでぇ~」
白山は山田の首に腕を絡みつかせ、持ち動きを止める
「やめろって~」
「やめね~」
じゃれあう二人、そこには、過去の山田自身の姿はなかった
「それでだよ、どうやってお前と同じ冷酷無比の心を持つあの子と親しくなったんだ?」
白山が訪ねる
「それは・・・・」
躍起までの笑顔が一変、曇り顔になった
バディーとして出会った二人
開始される、殲滅作戦
しかし、この後この二人に起きることを誰も予想はしていなかった。