呂布の子孫と成りて……   作:ヴォルト

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9話

 

 アーシアの歓迎会から数ヶ月。

英雄組は変わらず、居場所をなくした人を受け入れ続けて成長をしていった。

 

 夏が近づいている中、曹操は疲れた顔をしながらヴァーリと一緒にやって来た。

 

 

「呂布、悪いが賈駆連れて駒王町に行ってくれ。ストラーダの爺さんからの依頼だ」

 

「……オレである必要性ある?」

 

「まあ、無いかもしれないが念のためだ。俺はリーダーだから此処を離れるにはそれ相応の理由が無いとダメだし、ヘラクレスは神器の特性上隠密が出来ないし、ジークとコンラはまだ悩んで禁手化出来てないから不安定。今回は教会関連だからジャンヌに教会関連は地雷だから任せられん。陳宮とレオナルドとゲオルクは此処の守護の要だから除外。他の戦闘員は師匠の太鼓判をもらってない。黒歌らはぐれ悪魔だった者もダメ。残ってるのは組織最強の呂布(オマエ)とゲオルクとメフィストフェレスから太鼓判を押された魔法使いの賈駆ぐらいだ、オーケー?」

 

「……オーケー」

 

「あー、それなら陳宮も大丈夫かな?種類と生産力は陳宮が圧倒的だし」

 

 

 陳宮はレオナルドの『魔獣創造(アナイアレイション・メーカー)』の聖獣バージョンである『聖獣創造(ビジテーション・マニュファクチュア)』の所持者。見た目が小学生くらいだが実はオレの一個下。

 賈駆は幼馴染みの董卓が神器持ちだった事と容姿の良さで二人一緒に悪魔に狙われていたところをオレが助けた後、安全の為に英雄組に勧誘した。

 

 曹操の言葉に全面的に同意してしまった。

その理由だとしたら何故、ヴァーリが曹操の隣にいるのだろうか?

 

 

「……じゃあ、ヴァーリは?」

 

「俺はアザゼルからコカビエルを連れて帰ってこい、と言われてね。呂布と一緒に駒王町に同行するつもりだ」

 

「……コカビエル?何でグリゴリの幹部の名前が出るんだ」

 

「ストラーダの爺さんの話だと教会が所有しているエクスカリバーがそのコカビエルに強奪されたみたいでね。それで、二人の聖剣使いが派遣されるんだが爺さん曰く、その二人ではコカビエルに勝つのは零に等しいから死なない様に見張ってくれだそうだ」

 

 

 そういえば、原作でそんな出来事があったな。コカビエルの件が終わると和平会談と「禍の団」が現れるんだったな。でも英雄派が無いから今はどうなっているのだろう?

まあ、それはそれとして……。

 

 

「……勝てない奴を派遣しても意味ねぇだろ。……デュリオか爺さんを派遣すればいいのに何がしたいんだ、教会は…」

 

「そうなんだよな~堕天使に聖剣なんて使っても効果なんて殆ど無いし、デュリオとストラーダの爺さんなら瞬殺だって出来る筈なのにな。まあ、爺さんから依頼の前金送られてるから断るつもりはないけど」

 

「……任務に行くのオレと賈駆じゃん。……あとヴァーリって所属はどーすんの?」

 

 

 この時点では禍の団に入ってないし、グリゴリに正式に所属している訳でもないが、一応堕天使側の存在ではある。

ヴァーリに同行していた美猴、アーサー、黒歌、ルフェイは英雄組に所属する事になっている。

ま、テロリストになるよりかは良いだろう。

 

 

「そうだな……コカビエルの件が終わったらでも良いか?その時までにしっかりと答えを出しておく。それでも良いか、曹操」

 

「構わんよ、ヴァーリ。此処はお前さんを白龍皇だのルシファーで贔屓とかしないし、競い合える奴もいる。英雄組は人でも人外でも受け入れるけど……今代の赤龍帝の様な奴は勘弁して欲しいな、常識的に考えて。女性陣から苦情が殺到してテロるかもしれないからな。ま、考えを心の底から改める気があるなら別だけど……」

 

 

 確かに兵藤一誠は常識的に考えれば今頃は新聞やニュースに載るであろう覗き常習犯だ。

英雄組には上級悪魔の男に性的な暴行を含む行いを受けた転生悪魔の女性や神器持ちだったが為に親から虐待されて男性恐怖症になっている人もいる。見た目が女性なオレでリハビリをしてはいるが、それでも錯乱してしまい神器や魔力をブッパしてしまうがオレの禁手で抑え込んで落ち着かせている。金の余裕が出来たならカウンセラーを雇うことが決定する程の問題になっている。

 

 ザ・女性の敵を迎え入れるのはハイリスクノーリターンでしかないって訳だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ゲオルクに駒王町まで送ってもらい、ヴァーリと賈駆と一緒に行動し件の聖剣使いを確認しに行った。

 

 格好が判りやすくて助かった。

 

 それくらいの感想しか出なかったな。まぁ、鍛えているってのは分かるよ?でも練度が足りない。

ストラーダの爺さんから何で手解きされないのだろうか。

 

 青髪の聖剣使いゼノヴィアは受けてしかるべきのハズだろ。爺さんからデュランダル受け継いでいるのだから。後継者の育成は普通じゃないのか?爺さんが依頼してきた理由は後継者を死なせない為ってことかな。

 

 

 コカビエルが行動に移すまで近くのホテルに泊まりながら見張る。いつでも行動に移されても対応できる様にするためだ。

 

北欧で仲良くなって使い魔契約を結んだラタトスク(リス)とワタリガラス、英雄組本拠近くで仲良くなった蛟や犬らを駒王町に放って監視させた。

 

 

 

 

■■■■■■■■■■■■■■■■■■

 

 

 

 

 

 時は流れ、現在駒王学園の上空に待機中である。

 

 オレとヴァーリは禁手の状態で空中を飛び、賈駆は魔法で空中に浮いている。

そしてグラニの形をした炎に跨がっている紫藤イリナ。

 

 何故紫藤イリナが居るかって言うと、ジークにくりそつのフリード・セルゼンにやられて倒れたところを賈駆の魔法で目眩ましをした隙にオレが音速で掻っ攫ったからだ。傷は既にオレの白の炎〈騰霧〉で治している。

 

 助けた理由序でにストラーダの爺さんの依頼の事も話て納得してもらった。ま、全部賈駆が説明したんだけどな。

 

 

 だって、オレ初対面の奴とは話せないもん。

 

 

 

 

 

「聖と魔の融合か…中々面白い亜種禁手だ。しかし、だからかな担い手の練度が低いのが目立つな。西洋剣で日本の剣術をベースにしている様だが……それなら剣も刀に変えた方が良い。呂布は勿論、アーサーやスタイルを定めたジークに力負けするだろう」

 

「ヴァーリ(キミ)ね呂布やアーサー、ジークフリートらと彼を比べるのは駄目よ。四六時中剣を振ってるバカと復讐だの何だの言っておきながらそこそこしか鍛えてないバカを比べたら彼が可哀想よ」

 

「け、結構辛辣ね……」

 

 賈駆の言葉に顔を引き攣らせる紫藤イリナ。

 

「だってそうでしょ。復讐って自分の後の人生を投げ売ってでもするモノよ。まぁボクは復讐なんて本気で考えたことなんて無いからこれ以上言うつもりはないけど、そこらへんはどうお考えなのかしらね、白龍皇殿は…」

 

「さあ、どうだろうかな……」

 

 

 全身鎧の姿のまま肩を竦めてはぐらかした。

 

 ヴァーリって確かリゼヴィムっていうウザキャラをぶっ殺したいんだっけ?神器を無効化する力を持っているからオレらみたいな神器持ちには辛いけどその無効化って結構ガバガバだよね。

神器の力を無効化できるのに透過と反射は無効化出来ないみたいだし。

透過も反射も神器の力なんだから無効化出来ないっておかしな話なんだけど。

 

 オレの炎の熱や曹操の聖槍の光の様な間接的な現象までは無効化出来ないだろう。まぁ、ヴァーリの獲物だから英雄組に被害がなければノータッチで良いか。

 

 

「あ、そろそろ危ないわね。呂布、準備は?」

 

「……無問題」

 

「紫藤さんはボクが預かる。呂布は能力使って結界を壊さず侵入、ヴァーリも同時に入って。呂布は聖剣使いのゼノヴィアと一応グレモリーとその眷属の護衛。ヴァーリはコカビエルを取っ捕まえる。それで今回の任務は────」

 

 

 

 

 

 

 

『四大魔王だけではなく、神も死んでいるのさ』

 

 

 

 

「「「 あ 」」」

 

「主が既に死んでいる……ウソ…でしょ…」

 

 

 

 オレとヴァーリと賈駆の声が重なった。

 

 オレらは既に知っているからリアクションがほぼないが、すぐ隣に知らない人いるけど大丈夫か?賈駆がいるから大丈夫だな。

 

 

「呂布、ヴァーリすぐに行って!」

 

「……了解」

 

「分かった」

 

 

 

 オレの禁手『陽出る炎纏う穆王八駿の滅龍方天画戟』は完成に伴い能力を多少弄った。

 

 変わってないのは緑、赤、白、紫、黒。

 

 青の炎〈翻羽〉は当たった対象の精神、感情を鎮静化させる。当たると冷たい。

 黄の炎〈踰輝〉は橙の炎〈超光〉と能力を統合させた。なので、黄の炎は、空間に穴を開けたり、繋げる事が一つで出来る。

 空いた橙の炎〈超光〉は物理的な壁の特性を付与した。防御に使えるが防御に使うよりも、空中での足場として活用している。赤の炎で飛べるが直角に移動するのは難しいからこの橙の炎があれば蹴って直角に移動が出来るようになった。やっぱり空中を飛ぶのも良いけど、空中でも足場があった方が安定するよねって話。

 もちろん熱いからオレしか使えない。

 

 

 

 赤炎の翼を畳みながら緑炎を纏って音速で移動し、結界に黄炎を当てて穴を開けて突入してグレモリーらに放たれた巨大な光の槍を壊して地面に立つ。

 

 

「何だ、貴様は……。な?!白龍皇だと!」

 

 

 そして降りてきた白い鎧を見て叫んだ。

 

 

「アザゼルから連れて帰ってこいと言われているんでね。悪いが遊びはなしだ」

 

「白い龍が俺の邪魔を───」

 

 

 話の途中だったがヴァーリは容赦なくコカビエルの翼を毟って地面に叩き落とした。

 

 

《Divide》

 

 その音がヴァーリの翼から十回連続で響いた。英雄組で鍛えたヴァーリは半減、吸収の取捨選択を可能にさせた。相手の力だけを半減させ、奪った力を自分に還元させず棄てれるようになった。つまり体力が満タンでもキャパオーバーを起こさず相手を無力化できるって事だ。

 

 そしてオレは力がほぼなくなってフラフラになったコカビエルに一瞬で近付き鳩尾を強目に抉る様に殴って気絶させた。

 

「お疲れ様、呂布。やはり仕事は早い方がいいな」

 

「……だな」

 

「それじゃあ俺はコカビエルと後フリードを持ってグリゴリに一度戻る。またな、呂布」

 

「……ああ、またな」

 

 

 ヴァーリはコカビエルとフリードを抱えて黄炎で開けたままの結界を通り飛び去った。入れ違いで賈駆が青い顔をした紫藤イリナを連れて降りてきた。

 

 

「お疲れ様、呂布。さっさと二人を持って帰ってストラーダ猊下に判断を仰ぎましょ」

 

 

 賈駆が紫藤を抱えているからオレはゼノヴィアを抱えて魔法陣で本拠に戻ろうとしてグレモリーが声を掛けてきた。

 

 

「待ちなさい!その二人を離しなさい。貴方たちは何者か答えて貰うわ」

 

「コカビエルに勝てなかったのに随分元気で偉そうね」

 

「いいから答えなさい!」

 

 賈駆の言葉に殺気立つが無視する。一々構っていたら日が暮れるな。今は夜だけど。

 

 グレモリーって別に本人が偉いって訳でもないのに何で偉そうなんだろう?偉いのはお前の兄だろ?

 

 

「まあ、良いわ。ボクらは聖書の三大勢力に因って居場所失った者たちの為の組織『英雄組』に所属している賈駆文和よ。そしてこちらの彼は呂布奉先。あなた方と仲良くするつもりはないので悪しからず」

 

 

 賈駆は良い笑顔で言った。挑発かな?それよりも……やっぱり兵藤一誠の奴オレの名前よりも容姿に注目したな。

 

 

 

 

 賈駆、アレ斬って良い?えーダメ?

 

 

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