呂布の子孫と成りて……   作:ヴォルト

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11話

 

 

 人の気配薄い夜の中を呂布(オレ)、曹操、賈駆()、ゼノヴィア、イリナの五人で駒王学園に続く道を歩いている。

 

 ヴァーリ経由で知らされた聖書陣営による会談。

その会談が何故か人間界の駒王学園で行われる。自分達の領域である天界か冥界で行うのが良いハズなのに……警備とかの面で。

英雄組に連絡が取れるヴァーリから招待状を預かった。これで英雄組が行かなかった場合聖書陣営の奴等の勝手でテロリストにされかねないから仕方なく当事者とリーダーが会談に参加することになった。

 

 

 原作だと会談中に旧魔王派と魔法使いが襲撃してくるけど確かヴァーリが手引きしていたハズ。だけど今のヴァーリがテロリストになる事は無いからどうなるんだろう?悪魔天使堕天使それぞれ禍の団に寝返る奴がいたと思うからそいつらが手引きするんだろうなきっと。

 

 

 会話無く歩いて駒王学園の校門に近付くと銀髪メイドが立っていた。

 

「英雄組の方々ですね。招待状を」

 

 曹操は懐から招待状を出して目の前のメイドに渡す。メイドは招待状を開き確認してからもう一度こちらを見た。

 

「招待状を確認しました。私は魔王ルシファーの女王グレイフィア・ルキフグスと申します。これから会場へご案内しますので私についてきて下さい」

 

「案内お願いします」

 

 

 曹操の言葉を聞きグレイフィア・ルキフグスは校門の内側に進んだのでオレたちも後に続く。

 

 

 会場に到着し中に入ると三勢力のトップが既に揃っていた。

 トップの護衛の中に見慣れたヴァーリとデュリオが居たことにホッとする。

ヴァーリはオレたちを見ると口角を上げ、デュリオは軽く会釈をした。

 

 

「君達が英雄組の人だね。初めまして、私はサーゼクス・ルシファーだ」

 

「初めまして、ルシファー殿。俺が英雄組のリーダーをしている曹操です。あ、先に一応言っておきますがただの子孫ですので自分は」

 

「と言うことは曹操は偽名ってことでいいのかな」

 

「確かに本名ではないですが、偽名…と言うよりは、コードネームと言って貰いたいですね。まあ呼び方はそこまで重要ではないでしょう。貴方がルシファーを名乗るのと然程の違いはない」

 

「確かにそうかもしれないね。さあ、会談を始めようか」

 

 

 

「神が居なくても世界は回るのさ」

 

 オレたち(英雄の子孫)お前たち(人外)が居なくても世界は回るんだよなー。

 

 

 

 会談が始まったけど開始数分で此処から去りたい気持ちが膨れ上がった。

 

 

 

 

 二つのドラゴンオーラが垂れ流しされ過ぎてグラムが出てきそうになってる。

ヴァーリは修行のお陰でオーラが全く出ていないから兵藤一誠と誰だ?ドラゴンオーラ(社会の窓)全開してる奴は!

 

 グラムの反応からしてアザゼルか?ドラゴン由来の何かを所持していやがるって事か、紛らわしい事しやがって。

我慢は嫌いではないが修行ということにしておくか。帰ったら師匠か帝釈天若しくは哪吒太子か関聖帝君辺りにストレス発散に付き合ってもらうか……どーせ暇しているだろうからな。

インド神話群のヒトでも来ないかな?まあ、須弥山の下部組織みたいな英雄組には来ないか。トップの帝釈天が嫌われてるから仕方ない。

 

 

 

「呂布、どうした?」

 

 グラムを出さないようにしながら考え事をしていたからか、曹操が声をかけてきた。

 

 

────が、空間が止まってしまった。

 

 

 あ、空間が止まるって事はテロリストが来たみたいだな。曹操はどーゆー判断するかな?オレは出来れば帰りたいのだが……。

 

 

 

 

 

■■■■■■■■■■■■■■■

 

 

 

 聖書の神の死の確認から始まり、コカビエルの一件、と二天龍の話へと順調に進んでいた。

 

 

 

「そういえば、曹操と言ったか。その英雄組には神器持ちがたくさんいるのか?」

 

「今は会談中ですよ堕天使総督アザゼル殿。貴方の趣味の話は終わってからにしてください」

 

「あ?何で趣味って事を…まさかヴァーリお前何か言ったのか!?」

 

 

 曹操の口から出た趣味という言葉を聞き少し考えて、曹操と交流があるのはこの中だと招待状を渡したヴァーリだけだと到りヴァーリを見る。

 

 

「なに…仕事を部下に丸投げして神器の研究をして、その部下の監督もしないから幹部二名に裏切られた威厳が中途半端な奴……くらいしか言ってないさ。まあ威厳云々は元からない様なものだから仕方ない。威厳に関してはシェムハザとバラキエルに負けてるからな」

 

「あれ?お前ってそこまで饒舌に語る奴だったか……って俺の事ディスりまくってんじゃねーよ!」

 

 哀れ、アザゼル。周りから憐憫の目を向けられた。

 

 

「だぁーっ、話が逸れたが大事な事だ。お前ん所は神滅具が幾つあるか訊きたいんだよ」

 

「それを聞いてどうするんですか……」

 

「だって気になるだろう?聞いた話によると英雄組のリーダーつまり曹操は聖槍の所持者って話だからな。他にもいるか知りてーと思うのは神器研究者じゃなくても普通さ。それにこの場にはお前さんも入れて神滅具が四つも揃った。聖槍は神滅具を集める何かがあると俺は考えてる」

 

 

 曹操は考える。自分の中にある『黄昏の聖槍』。ヴァーリの『白龍皇の光翼』。デュリオの『煌天雷獄』。兵藤一誠の『赤龍帝の籠手』。

 

 此処にはいないがゲオルクの『絶霧』。レオナルドの『魔獣創造』。

神滅具認定されていないが、アザゼルが視れば神滅具にされるかもしれない呂布の『炎纏の駿馬』改め『滅龍の炎馬(ブレイズ・スレイヤー)』。陳宮の『聖獣創造』。

 

 確かに集まっている。自惚れと言われるかもしれないが聖槍の下に集まっていると思ってしまう。

 

 

「まあ、言わなくて勝手にテロリストにされるよりは言った方が良いですからね。今の英雄組に神滅具と呼ばれる神器は俺の聖槍を入れて三つ、霧と魔獣ですよ」

 

「うぉ、マジかよ。よりにもよって上位の『絶霧』と『魔獣創造』もあるのかよ」

 

「言っておきますけど、我々が世界の敵に回る事は無いと宣言しておきます」

 

「それは本当かい?」

 

「ええ、本当ですよ。聖槍に誓いましょうか?それとも死んだ聖書の神に?それとも帝釈天の名に誓いましょうか?」

 

 サーゼクスの言葉に曹操は自信を持って言う。

 

「インドラの名を出すって事はバックは須弥山か……。なあ、お前さんたちの拠点に行っても良いか?神器研究者として一度視ておきてーんだが」

 

「駄目ですよ」

 

「何でだよ?」

 

 即答されたのが気に障ったのか、少しだけ怒気が含まれていたが曹操は気にせず続けた。

 

 

「英雄組のメンバーの中には堕天使や悪魔に家族を殺された奴や天使に居場所を壊された奴がいます。詫びの一つもせずに堕天使のトップがやって来たらどうなります?いくら貴方が殺っていないとはいえ、神器狩りは貴方が部下に出した命令の筈だ。それともコカビエルの時の様にまた、そいつの独断だからで済ましますか。構いませんよ?言うことを聞かない部下は邪魔でしょうからね」

 

「それは…」

 

「まあまあ、落ち着いて下さい。会談の趣旨からどんどん脱線していってますよ」

 

 

 天使長ミカエルの言葉を聞き、一時的にだが収まった。 

 

 

「失礼。少し熱中してしまったみたいで」

 

「ああ、…いや事情を知らない俺が悪い」

 

 

 場が静まったが会談は進み、遂に和平の話になった。聖書陣営は和平する事をトップだけで根回ししていたのだろう。一言で言えば茶番劇。

そのトントン拍子で行われている身内の事を深く考えていない和平を観て顔に影を落とすデュリオとそれに気付く曹操と賈駆とヴァーリ。呂布?内にあるモノを抑えていて気付いてない模様。

 

 曹操は呂布の気配が薄い事に気付き声を掛ける。

 

「呂布、どうした?」

 

 その言葉を紡いだ数秒後、空間が停止した。

 

 

 

 

■■■■■■■■■■■■■■■

 

 

 

 組織のトップとその付き添いは動けているみたいだな。魔法はスゴいが肉体的に強い訳じゃない賈駆と聖剣を持たないイリナ、デュランダルを持っているがゼノヴィアは止まっている。

ゼノヴィアはその内動き出しそうだから大丈夫かな?と考えながらグラニを隣に呼び出す。

 

 曹操は聖槍、ヴァーリは光翼、デュリオは紫電を迸らせて敵の攻撃に備えて警戒している。

 

「組織の頭と赤龍帝以外の神滅具持ちと聖魔剣と桜髪の呂布ってのが動けるみてーだな。…にしても神滅具でもない独立具現型の『炎纏の駿馬』か。呂布で赤い馬ってまんま赤兎馬かよ」

 

「もう少し緊張感を持ったらどうですか、アザゼル殿?言っておきますが呂布は英雄組最強。アザゼル殿でも勝てない強さを持っていますよ」

 

 オレの強さを信頼してくれるのは素直に嬉しいけど、ハードル上げるのは勘弁して。

 

 

「へぇー、ならヴァーリとならどっちが勝つんだよ。ヴァーリはどうなんだ?闘うことが好きなお前には良い相手じゃねぇか」

 

「アザゼル。期待を裏切る様で悪いが、相性が有る無しでも俺は呂布に勝てん。まあ、修行相手にはもってこいの相手ではあるが」

 

「おいおい、嘘だろ……」

 

 ヴァーリを過去現在未来を通して最強の白龍皇と思っていたアザゼルはヴァーリの勝てない宣言に驚いたのだろう。それぞれのトップのオレを見る目がスゴい事になってる。

 

 

 

 ゼノヴィアと兵藤一誠とリアス・グレモリーが動ける様になって外に現れた魔法使いをどうするかの話になった。

 

 

「さて、外の魔法使いをどうするかだが……英雄組最強の呂布ってのに彼奴等を倒して欲しいんだがやってくれるか?」

 

 英雄組最強と言われたオレの力を視たいって事で間違いなさそうだな。まさかこんな面倒な事を無償でやってくれるとでも思ってんのか?

 

「ふぅ、警備は万全とか招待状にはありましたが散々な上、自分達の不手際を呂布に尻拭いをさせるつもりなら……テロにあった慰謝料と指名の依頼料をそれぞれの陣営が払うという契約を結ぶならばやりましょう。ま、指名が無くても慰謝料は払って貰いますがね」

 

「な?!お前何言ってやがる!」

 

 赤龍帝が噛みついてきたけどさ……。安全を保障すると言って、それが守られていないのに尻拭いを頼むのは筋違いだって分からないのか?ちゃっかりと契約という言葉を使い聖書陣営から金を取る様にした曹操グッジョブ。

 

 

「あ~。まあ、そう言われると慰謝料は払わない訳にはいかねーよな。サーゼクス、セラフォルー、ミカエルはどうする?俺は指名もしても良いと思ってるが」

 

「私も慰謝料も指名もしても良いと思います」

 

「サーゼクスちゃん、どうするの?」

 

「そう、だね。私のポケットマネーで支払うという形にしておけば良いだろう」

 

「なら、私と折半して払えば良いね!」

 

 

 おい、戦わせる気満々なのかよ。曹操、取れるだけ金ぶん取れよ。

 

 

「では慰謝料を各勢力五千万円。呂布の指名に各勢力五百万円でどうでしょう?」

 

「け、結構額を要求してくるな、お前さん」

 

「ははは、何言っているんですか。億を出さない辺り良心的でしょう?」

 

 

 慰謝料は一人当たり一千万って事か。

 確かに億を要求しないのは良心的ではあるが……。

 

 

「それじゃ、呂布。殲滅で構わんから暴れてこい。どうせグラムを抑えてたんだろ?龍はいないが満足はするだろ」

 

「……了解。……暴れてくる」

 

 

 グラニから出てきたグラムの柄を掴み合体して燃える様になった刀身を顕にする。

 

「……禁手化」

 

 そして直ぐに禁手化して炎を纏って外に出る。

 

 

 

 行くぞグラムの生贄ども。

 

 残機()の貯蔵は充分か。

 

 

 

 

■■■■■■■■■■■■■■■■■

 

 

 

 

 

 呂布が黄色の炎で壁に穴を開けて出ていった直後。

 

 

「あの剣はまさか魔帝剣グラム!?何で『炎纏の駿馬』から出てくるんだよ!」

 

「呂布は魔帝剣グラムの正統な所有者として神オーディンに認められています。そして呂布の神器『炎纏の駿馬(ブレイズ・スタリオン)』は神馬スレイプニルの血を引くグラニであり、グラムとグラニは融合しています。分かりやすく言えば、アザゼル殿の所の〈刃狗(スラッシュ・ドッグ)〉の神器と同型とでも言いましょうか」

 

 アザゼルの言葉に答えていく曹操。

 

「『黒刃の狗神(ケイニス・リュカオン)』と同型だと…それって神滅具相当って事じゃねーかよ!ヴァーリが勝てない理由はグラムが有るからって事か…魔剣や龍殺しの中でも質の悪さが折り紙付きのグラムを持ってるのに何で平然としていられるんだよ。いや、『炎纏の駿馬』がグラニなのも驚きだし亜種の禁手もなんだがそれよりも……」

 

「言いたい事は分かりますよアザゼル殿。神オーディンは呂布にシグルドを襲名させるつもりのようですよ」

 

「おぉう、呂布の子孫でシグルドの名前を襲名って……オーディンの爺さんがそこまで肩入れする程なのかよ」

 

「肩入れぐらいするでしょう。呂布はムスペルヘイムで修行してスルトやフェンリルと戦っているんですよ?」

 

「はあ?!あのムスペルヘイムで修行?!しかもスルトとフェンリルと戦って五体満足って頭おかしいだろ!」

 

 

 アザゼルの言葉に動けている者全員同じ事を思った。

 

 

 

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