呂布の子孫と成りて……   作:ヴォルト

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プロローグ

 

 

 薄暗い森の中を疾走する二人と馬一頭。

 

 

 二人の内一人は馬に乗っている。

 

 

「曹操どうした!遅れてるぞ!」

 

「馬に乗っている君が言う言葉じゃないぞ、呂布(・・)!」

 

 

 

 そう、オレは呂布。………と言っても、呂布の血を引くただの子孫だ。

 

 ついでに言えば、転生者でもある。この世界が『ハイスクールD×D』と気づいたのは、神器(セイクリッド・ギア)と言う言葉を聞いたからだ。

 

 頭がおかしい神器(セイクリッド・ギア)を研究する機関に拐われたが、命からがら神器を発動させて逃げていたらこの曹操を名乗る曹操の子孫と出会った。二度目の生を謳歌しようとしたら殺されそうになるわ、猿ジジィにオレが呂布の子孫である事を聞かされ曹操と一緒に修業させられた。

 

 パワーバランスが滅茶苦茶なこの世界を生きる為に仕方ない、と原作と関わる事になっている事に諦めて身体を鍛えた。本当に聖書の神は何を考えて神器を創ったのか……しかも、他神話の物を勝手に神器にしてるし戦争待ったなしだろ、普通。何気にオレの神器も地雷になるかもしれない物でもある。

 

 

 

「お前の速さに合わせてるだけでも感謝しろよ」

 

「だったら乗せてくれよ……」

 

「無理だっての……グラニが認めない内は乗らせてくれんよ」

 

「ハァ……。独立具現型神器の強みって事か……仕方ないか」

 

 

 オレが乗っている馬がオレの身体に宿った神器で、名前は『炎纏の駿馬(ブレイズ・スタリオン)』だが、本当の名前はグラニ。北欧神話でスレイプニルの血を引き、ブリュンヒルデの馬でジークフリートの死体と一緒に炎に包まれたとされた馬である。北欧神話、怒ってないのか、これ……。

 

 呂布の子孫でもあるオレとしては赤兎馬が良かったが、今はグラニ一筋だ。魂で繋がっている影響かもしれないな。

 

 

 グラニからの思念と頭に電気が通る様な直感を感じて声を出す。

 

 

「曹操!後ろから追っ手が四人来てるぞ!」

 

「なら、一人で二人を倒せばいいな!………この前より楽で良い」

 

「あんなのが毎回有ってたまるかよ!」

 

 

 ほんの少し前に聖書の悪魔、天使、堕天使が一緒になって襲い掛かってきた。互いに殺し合いしてる癖に、共通の敵がいる時だけ仲よく協力するのは、頭がおかしいんじゃね?と思った。

 

 原作をなんとなく知っているが、お前ら未だ和平結んでない筈なのに……。

 

 

 その時の集団は、オレが持つ魔剣と曹操の神滅具『黄昏の聖槍(トゥルー・ロンギヌス)』の一撃で返り討ちにしてやった。曹操と一緒に斉天大聖のジジィの下で一年近く修業した成果と言えるだろう。

 

 一年経ったらいきなり世界を視てこいって放り出された。曹操と一緒に旅をして三ヶ月の間に有った襲撃は二桁を越した。堕天使とはぐれエクソシスト、天使とエクソシスト、上級悪魔の貴族とはぐれ悪魔、少なくとも六種類の敵がいる。

 まるでゴキブリの様に湧いてくる。しつこいから確実に殺してるのに、だ……。お前ら、数少ないんじゃなかったのか?

 

 

「確かにな。それじゃあ、背中は任せるぞ相棒」

 

「言われるまでもねぇよ相棒」

 

 

 互いの敵目掛けて駆け出す。

 

 

 

 

「……あ、首は狙うなよ呂布」

 

「ご先祖様ネタを毎回やる必要ねぇだろ……。オレはオレだ。名前はそうでもご先祖様じゃない。お前だってそうだろ、曹操」

 

「……ああ、違いない。俺は俺だ」

 

 

 グラニに乗ったまま空を駆け、追っ手と対峙する。

 

 禁手を使っても良いが、森の中で使うと森を燃やしてしまうから迂闊に使えない。自然破壊ダメ、絶対。

 

 

 オレの持つ魔剣にビビった瞬間を狙って一撃で首を斬り落とす。敵に掛ける慈悲はなし。

 

 声を出す暇を与えず、瞬殺して曹操の方に向かえば既に事切れた死体の側に立つ相方の姿があった。

 

 

「今回はあまり歯応えがなかったな」

 

「まったくだ。出来れば師匠クラスの相手と闘いたい、と思った俺は病気か?」

 

「ククク。あー、そいつは病気だわ。因みにオレも、そろそろ強い奴と闘いたいって思ってたぜ」

 

「やっぱりそうか……あ、そうだ。今俺たちってどの辺に居るんだ?」

 

「今は………ドイツだよ。猿ジジィにロシアと東ヨーロッパの国境に落とされて、西遊記の様に西に向かって三ヶ月………敵倒したり、逃げたりでドイツまで来てたんだな、オレら……」

 

 

 ケータイのGPS機能で現在地を調べて曹操に話す。三ヶ月でドイツまで行っていた事に驚くけど、猿ジジィの下での修業よりは幾分楽だから良い。

 

 

「ドイツか……まあ、それはそれとしてだ。毎回疑問に思うんだが呂布。よくその魔剣を平然と使っているが大丈夫なのか?グラム(・・・)なんだぞ、それ……」

 

 

 先程敵を斬った事で血がべったり付いていたが、禍々しいけど綺麗になっている刀身に目線を落とす。血は全部吸ってくれているので手入れいらず。

 

 そう、オレが持つ魔剣は、最高レベルの魔剣である魔帝剣グラムだ。グラニの覚醒と名を聞いた時に、空から降ってきた。オレを担い手として認めているし、オレの『持ち手を槍の様に伸ばせ』っていう無茶ぶりに応えてくれる素晴らしい魔剣なのである。

 

 無茶ぶりに応えてくれる代わりに、龍の血か敵の血を過剰に要求してくるだけなので、案外優しい。

 

 

「まあ、確かにグラムから魂を穢す様なモンが流れてくるが、オレにとっては、そよ風程度にしか感じないし、グラニの焔で燃やして浄化してるから平気なんだよ」

 

「相変わらずの出鱈目加減だな、呂布」

 

「出鱈目なのは、お前も同じだろ?曹操。そんなことよりさっさと行こうぜ。そろそろ野宿じゃなくてちゃんとした場所で寝てぇからな」

 

「あ~……そうだな。此処んところ襲撃ばっかだから碌に休んでないからな。呂布の意見には賛成だ」

 

 

 欠伸しながら今日の宿を探しに街がある方向に歩いて行く。

 

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