「…………なぁ、曹操よ」
「…………なんだい、呂布」
「オレら……呪われてるのか?」
「スマンがそれは、俺も割りとマジでって思ってるから止めてくれ……」
迫り来る紫の霧をグラムとトゥルー・ロンギヌスのスイングによる風圧で飛ばしながら会話する。
ドイツの街に来ていきなり転移させられたと思ったら霧と魔法が飛んでくる。何時の間に、ドイツは世紀末な感じになったのだろう。
避けたり、吹き飛ばしたりしながら立ち回る事五分以上経っている。オレの禁手の能力的にスタミナが無いと話にならない為にスタミナを増やす事と体力を使わない戦い方をしないと辛い。
「この紫の霧………師匠が言っていた、上位神滅具の一つ『
「能力は確か……結界と転移だったな。本当に所有者が魔法使いなら相性が良いにも程がある。相手は陰湿な眼鏡をかけた奴だぞ、きっと。」
確か……『絶霧』の所有者は英雄派のゲオルクって名前で、そいつは眼鏡だった筈だ。原作知識がうろ覚えになっているから断言は出来ないけど。修業ばっかりで、他の事に頭を回さなかったのが原因かもしれない。
「ブフッ!クックッ、呂布、そいつはいつもの直感かい?そんなテンプレートがあると思うのか?」
「ま、そうだな。………それよりも、この状況をどうやって突破するかの方が大事だろ。どうするよ?」
「ふむ……。おっ、だったら、呂布の詰め込みすぎ禁手でこの領域を抜けて、力の中心地に辿り着くのはどうだ?良い案だと思うんだが」
オレの禁手か………。確かに詰め込みすぎて調整ばっかりの禁手だがこの状況の打破ぐらいなら大丈夫の筈だ。
曹操の禁手を視てオレもあんな感じの能力が良いなとか、グラムとグラニを合わせたら最高じゃね?とか想いながら修業した結果生まれた詰め込みすぎ禁手。
「そうだな、とっとと抜けて所有者を叩かんとな。よし、最速で最短で行ってやるぜ!
背に太陽の様に燃える光球が顕れ、光球を囲うように浮かぶ赤、青、緑、黄、橙、紫、白、黒、八色の炎。手足には炎の手甲と脚甲が、手の中には呂布の武器たる方天画戟。
元々の神器である『炎纏の駿馬』は炎に形を与える〈
曹操の禁手『
神滅具の一つである『
グラムを変形させて方天画戟にしているが、不安定故にグラムが協力的でないと変形が出来ずに剣のままになる場合もある。
「越えろ〈絶地〉、曹操は〈踰輝〉の炎が円になったらくぐり抜けろよ」
「分かってる。頼んだぞ、相棒」
緑色の炎〈絶地〉の能力は、纏っている間は風と空気抵抗の影響を無くして神速をもたらす。
黄色の炎〈踰輝〉の能力は、空間に穴を開ける能力だが橙色の炎〈超光〉とセットで運用する。厳密に言えば違うが〈踰輝〉は入口で〈超光〉は出口と覚えておけば良い。
方天画戟を構えたまま、〈絶地〉の能力によって音速を越えて力の中心地に向かって霧と魔法の中を突っ切って行く。
音速を越えた事で五秒程で中心地に辿り着き、加速と止まる際に生じた衝撃波で辺りがボロボロになってしまった。自分には影響が無いようにしてるし、音速から急に止まるなんて無理難題であろう。それにやり過ぎると内臓が揺れて酔ったりするので、安定化しないといけないという課題がある。
「〈絶地〉解。開け〈踰輝〉、結べ〈超光〉」
〈絶地〉を戻し、〈踰輝〉と〈超光〉で空間を繋げると曹操が姿を現す。
「う~む、これは流石に酷いな、と言っておこうかな………」
オレが通った跡を見た曹操の感想を聞くが、提案したのはオメェだろうが。
「言っておくが、お前の提案の結果だ。……此処が力の中心地の筈なんだが、『絶霧』の所有者は何処なんだ?姿が見えねぇんだが……逃げたか?」
「逃げたら何となく分かると思うんだが……もしかして、あの瓦礫の下か?」
衝撃で吹っ飛んだ瓦礫の山を見る。
猿ジジィによる
オレは気を纏う方で、曹操は気を読む方を得意としている。
オレは直感で動く事が多いせいか、気を読む事が苦手のようだ。
曹操の指示で瓦礫を退かすと……眼鏡をかけた野郎が意識朦朧とした状態で倒れていた。
「スゲェ……瓦礫の下敷きになったのに、眼鏡が無傷だぞ」
「いや、そこに食い付く必要性が全く感じないぞ……。兎に角、手当てだけでもしておくか……」
気絶して『絶霧』の能力が切れたのか、景色がぶれたと思ったら、強制転移する前の場所に立っていた。
気絶した眼鏡を担いでホテルがある方に歩いていく。