我、島田流ノ息子ナリ   作:超甲形巡洋艦

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今回原作直前入ります。


第十九話

「おい!お前は今回のことが正しいと思ったからやったのか?」

 

「は?当たり前じゃない」

 

「人の命がかかっている現場で隊長の命令を無視してまで掴んだ勝利が勝利だと?」

 

「何が言いたいのかしら」

 

「お前は地吹雪と呼ばれているみたいじゃないか。ああ、確かに吹雪だろうが心まで冷たいのか?人の心が無いのかと聞いているんだ!」

 

「そんなこと言ったらあんたもそうでしょ。味方を撃破したじゃない」

 

「おまえが!救助の為に!車長が居なくなった!フラッグ車を砲撃しようとした、いや!砲撃したからだ」

 

「衛一!熱くなりすぎだ!頭を冷やせ!」

 

「郷地君の言う通りだ。一度冷静になれ!」

 

郷地と部長が仲介に入る。何でこんな喧嘩が勃発したのか、それは滑り落ちた車両の救助の為に飛び出した所で、カチューシャの車両が発砲した。細かい経緯はこれから

 

━━━━━━━━

 

「は?決勝に出ろ~?」  

 

頼みたいことがあると言われて聞いてみたらこれだった

 

「頭大丈夫か?こんな事するって」

 

衛一の疑問ももっともである。普段あまり顔を出さない奴に決勝戦と言う大舞台に出ろと言っているのだ 

 

「認めたくないけど、あんたの腕は確か。持てる戦力を出し惜しむのは愚行って言ったわよね」

   

「そりゃ言ったが、流石に頭の構造に不備が生じてないか疑うぞ」 

 

「カチューシャ様は正常ですし本気です。それに桐原車の砲手がいま食中毒で使えないのです」

 

「食中毒って、なに食ったんだよ・・・そう言うことなら仕方ないか。日程は?」

 

「三日後」

 

カチューシャが言った

 

「Пожалуйста, скажи это снова」

 

「Три дня спустя」

 

「ちょっとあなた達日本語で喋りなさいよ」

 

「ええ・・・うせやろ。まあ暇だから良いけどさ」

 

━━━━━━

~当日~

「また、よろしく頼むわ」

 

「・・・本来の選手じゃないやつをあろうことか決勝に突っ込むなんてなに考えてるのか」

 

「それゆえの生粋の変人か」

 

「まあ、隊長さんのことです。何か考えがあるんでしょう」

 

「「「合ったら良いな/ね」」」

 

「んで、今回の作戦って何かあるの?」

 

「黒森峰の主力を少数車両で押さえ、残りの車両でフラッグ車を包囲、確実に仕留めるそうです」

 

「ふむ、姉御がそう簡単に乗ってくれるとは思わんが」

  

「姉御?」

 

「ああ、現黒森峰戦車部隊隊長西住まほ。母親同士の仲が良くてな、昔良く会ったんだ。姉御呼びはその名残だな」

 

「もしかして隊長が衛一さんを起用したのも」

  

「それも有るんじゃね?つっても戦車乗ってんの見たこと無いけど。そいやみほも黒高だったか」

 

「・・・みほって、西住まほの妹の?」

 

「そーだよー。中学入って会う機会がめっきり減ったけど昔は超が付くくらいには活発だった。元気かな~」

 

~ちょっと小話~

衛一は何回か西住姉妹に会っている。小6の夏休みにふざけてで言った姉御呼びが存外気に入られ定着した。まほは衛一の過去について知っている。と言うかバレた。みほは知らない。なお衛一の記憶に微かに残っている千代さんが衛一と重ねた人物についても少し知っているらしい

 

『皆作戦は頭に叩き込んだね?さあ、行くよ』

 

「「「「「ураааааааааааааааа!」」」」」

 

━━━━━━

 

その後、何故かほぼ全ての作戦が上手く行き、フラッグ車の包囲が成功した。

 

「なんだこの化け物は、あの姉御が綺麗に策に嵌まるとは・・・」

 

「これが隊長の凄いところです。相手がどんなに対策を練ろうとも、事前に察知して完璧な対策を一瞬で練る。そろそろ砲撃指示が・・・」

 

「うっせやろ、ガチ物の怪物ジャマイカ」

 

『全車、目標が網に入った・・・射撃開始』

 

近くに潜んで居たT-34群が射撃を開始した。衛一も射撃を開始する。狙いはフラッグ車

 

「んー、なんか懐かしい感覚だな」  

 

「なにがだ?」

 

「いや、なんかフラッグから懐かしい気配がするの」

 

「西住姉妹のどちらかがのってるんじゃないか?」

 

「ああ、成る程。乗ってるならみほだな。姉御は前線だろう」

 

撃ってみるがパンターの正面装甲に阻まれる。

 

「ありゃ、装甲抜けないな。この車両にパンツァーファウストかデグチャレフ対戦車ライフル積んでない?」

 

「何をしたいか分かるが辞めろ」 

 

カンカンカンカンカンカンカンカンカン

 

「うっわ、機銃垂れ流し始めやがった。照準機煙で見えねえ」

 

カンカンカンカンカンカンパキッカンカンカンカンカン  

 

「おい、何か嫌な音がしたぞ」 

 

「やべぇ、スコープのレンズ壊された、照準不能」

 

「ええ!?こちら十二号車、照準機破損」

 

『ふむ、適当でも良いから撃ち続けてくれ。心理的効果を狙う』

 

「適当に射撃続行、心理的効果を狙うそうです」

 

「えー、同士撃ちしちゃうかもよ?」

 

『君はそんなことをする無能ではないだろう?』

 

「会話聞いてたんかい!」

 

『無線開きっぱなしだったから。後射撃継続ね』

 

「・・・桐原、砲手一時的に頼む、キューポラから顔出して指事出すわ」

 

「分かりました。」

 

衛一がキューポラを開き雨の中身をさらす。そこで見たのは、Ⅲ号戦車が雨でぬかるんだ斜面を、濁流に向かい滑り落ちる光景だった。

 

『っ!、全車射撃停止、射撃停止。救援を出す準備だけしておいて。これから命令するまで発砲は禁ずる』

 

「うん?何でみほは体を出して・・・あいつまさか!?」  

 

みほがパンターからⅢ号に飛び移る。その影響でフラッグ車のパンターは停止した。みほはⅢ号の乗員救助を続けている

 

「(ん?なんだ?なんか嫌な予感がする)」

 

回りを見渡す。土砂が崩れる様子もない。何か、何か原因があるはずだ。双眼鏡で確認した、双眼鏡には砲身を動かしているT-34が一両

 

「あの車両なんで砲身を・・・!桐原、砲塔旋回右60!車体も回せ!」

 

「え?」

 

「良いから早く!」  

 

車体と共に砲塔も旋回、こうした方が指向も早い

 

「ストップ、左2度修正、角度は水平、撃て!」

 

「はっ、はい!」

 

射撃の衝撃波を受けないようにするため一瞬車内に戻る。次に顔を出したときに見たのは先程砲身を動かしていた車両が白旗を上げているのだった。だが、フラッグのパンターも白旗を上げていた・・・

 

━━━━━━

そして話は冒頭へ

 

「お前がこう言う曲がったことが嫌いなのは昔からだ。だが、あのチビ助のやったことはルールには反してないんだ」

 

知っている人間に聞いてもカチューシャはルールは破っていない、破っていないのだ。

 

「そうだよな、ルール上は間違ってない。それは分かってるんだ。だが、人として、」

 

「ああ、あいつはスポーツマン精神は欠落してる。それは分かる。だから押さえろ」

 

「衛一、君は少し落ち着いた方が良い。そうだね・・・戦車道から離れる・・・知り合いにとある高校で会長をしている子が居る。そこに転校してはどうだろう」

 

「転校・・・」

 

「形はどうであれ一種の裏切りをしたわけだからね、いずれにせよもうプラウダには居られないだろう」

 

 




次回から本格的に本編に入ります。衛一と言うイレギュラー、どんなスパイスになるかお楽しみに
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