「おい変態紳士、あと何時間かかる?」
「不明」
「まあ、波川、そうあせるなって。一応連絡はしたんだからさ」
真の敵は運が悪いことに交通渋滞だった。
「ここで渋滞かよ」
早崎が装填手順を確認しながらぼやく。
「間に合わないな。前の遅い原因の車は見えてるから、破砕榴弾装填する。衛一、撃て」
「やめろ」
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「え!衛一さん達が遅れる?」
「なんでも交通渋滞に捕まったらしい。短く見積もっても三十分は遅れるそうだ」
「うーん、困ったな~。それにあのチームがどんな戦車持ってくるか分からないしね~」
「そう言えば、もう一チームは島田流らしいですね。楽しみです!」
「でもどんな戦車かも知らせないで作戦立てるの苦労したよね。ほんと!挙げ句の果て残したのが『強さは保証する』だもん」
「ほかのヒントから推察するとソビエト連邦戦車としか断定出来なかったですしね」
この時点では衛一が何に乗ってくるか盲目だった。付近から独特な履帯音とエンジン音が近付いてくる
それはチャーチル歩兵支援戦車とマルチダIIの音だった
そしてあのダージリン(出るだけで笑いをとれる ガルパン界の檀黎斗(神) 語録しか喋らない女の子 ※以上ニコニコより抜粋)隊長が降りてきた
「本日は急な申し込みにも関わらず試合を受けていただき感謝する」
「構いませんことよ。それにしても、個性的な戦車ですことねぇ」
衛一がいたら確実に『うるせえ歩く英国面もどき』とでも言い返したであろう。まあ無理はないピンクのM3lee、金の38T、カラフルで旗のついたⅢ号突撃砲、色々かいてある八九式戦車。まあ、個性的だ
「ですが、私達はどんな相手にも全力を尽くしますの。サンダースやプラウダみたいに下品な戦い方は致しませんわ。騎士道精神でお互いがんばりましょう。所で、聞いていたよりも一両少ないようですが」
「実は一両交通渋滞にはまってね~」
「そうですか。そうねぇ、こちらも一両減らすかしら?」
「いや、ミスがあったのはこっちだから気にしないで~」
審判からの試合開始の挨拶。
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「波川、ラジオ放送してるはずだ。流してくれ」
「あいよ」
『ジジッ、大洗学園M3lee試合放棄、聖グロリアーナ女学院損害無し』
「若干ヤバイな、早崎は強装薬装填、衛一、空砲撃って脅かせ」
「マジで?やって良いの?やっちゃうよ!」
ズーーン100mm砲からの轟音、前の遅い車があわててスピードを上げた。
「よっし渋滞緩和。後は時間との勝負!」
『両校は市街地に突入したもようです。戦力も経験も劣る大洗は市街地の複雑な道を生かしてゲリラ戦をしかけるのか?』
「宮古、飛ばせ」
「限界まで速度だしてる。さっきまで混んでたから思うように速度出ない」
「もう一発やっちゃう?」
「今とそう変わらないからやめろ。」
『おおっと、ここで角待ちⅢ号突撃砲がマルチダを一両撃破!更に八九式が立体駐車場を使って更に一両損害!これは熱い戦いです』
「おお!流石だな」
『ですが、情報によると大洗は更なる切り札を隠して居る模様。だがその内容は明らかにされていない。とても楽しみです』
「おい、俺ら期待されてんぞ」
「悪い気はしねえな。むしろヒーローは遅れてやってくる位か」
『あーー!八九式、マルチダを撃破しきれていなかった。手痛い反撃、八九式ここで撃破されたー!ん?Ⅲ号それは危ないぞ?あちゃーⅢ号突撃砲、その旗が仇となった。マルチダII、家越し射撃でⅢ号撃破。残るはⅣ号と38Tのみ、対する聖グロリアーナの戦力はチャーチルとマルチダII5両これを覆せるのか』
「芳しくない所の話じゃないぞ完璧に33-4状態じゃねえか」
「「「なんでや阪神関係ないやろ」」」
波川のボケに綺麗に反応して見せた
『まだ聖グロリアーナはⅣ号と38Tの位地は把握していないのか?』
「ふむ、衛一これ殲滅戦だったよな?」
「だよ」
「俺らがつく前に終わったらどうなるんだ?」
「試合終了、欠席扱い」
「やベエ、宮古現在地は?」
「もうすぐ。手続きは済ませてあると言う生徒会の言葉を信じる」
『おっとここでⅣ号追い詰められた。前には聖グロ、後ろは通行止め。絶体絶命だ』
「やべっ、波川無線飛ばせ。参戦だ。聖グロリアーナ相手に宣戦布告するぞ」
「待て、まだ審判からの許可が出てない」
『おー!履帯を切られた38T!ここに参陣!・・・え?』
「おい?何があった?」
『えー、実況の私も混乱していますが、至近距離での射撃を外し、38Tが撃破されました』
「おい!38Tの無能砲主は誰だ!」
「確か生徒会」
「じゃあ、副会長の桃だな。今度射撃勝負舐めプしまくって泣かしたろ」
「えげつないね」
『だがその隙にⅣ号離脱、ここで大洗の秘密兵器が到着した模様。今渡されたデータによるとT-44/100!?』
『こちら審判、参戦を許可します。遅れてすいません』
『いや遅れたこっちが悪い。御迷惑をかけてごめんなさい』
「ラジオ切るぞ。さて宣戦布告だ『こちら大洗学園所属戦車、コールサインはそうだな・・・フクロウで頼む。これより戦線に参加する。フクロウよりアンコウへ、しばらく持ちこたえてくれ。後はこっちで何とかする。後はそうだな(周波数弄り)どうも初めまして、試合に遅れて申し訳ありません。綺麗な挨拶はこれくらいにして・・・踊れ踊れ英国被りの淑女共 地獄を見せろこの私に』」
『アンコウからフクロウへ、そろそろ何に乗ってるか教えてよ』
『そうだな。フクロウはt-44を使用している』
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~あんこうチーム~
『そうだな。フクロウはt-44を使用している』
「T-44?!えっと戦車道のレギュレーションでは最強候補一角の戦車です。細かい型は分かりませんが、今の聖グロリアーナの車両なら性能差は圧倒的です!まさか味方になるなんて」
「これなら、勝てる!」
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~フクロウチーム~
「衛一、市街地が見えた。ゲリラ戦の準備はよろしいか?」
「さあ、反攻作戦開始だ」
T-44はほぼ最高時速で走っている。
『こちらアンコウ、ごめんやられそう。長く持ちこたえられるかわからない』
『構わん。もう少しで市街地に突入する。現在地知らせ』
『えっと、a-2b地点』
『了解、急行するアウト』
「今市街地入った。確か通り道に八九式が撃破された立体駐車場がある」
「成る程、まだいるな。一時的にも撃破と勘違いされたならかなりの損害かもしれん」
「この先だ。もう見えた」
『こちらあんこう、マルチダII二両撃破だよ』
『おお!こっちも八九式撃破したマルチダII血祭りにあげてから行くアウト』
「こっちからも確認した。行進間射撃でも構わんぞ」
「スモーク焚いてこっちの手の内を隠す。できるな?」
「余裕」
脳筋の早崎が発煙筒(六個くくりつけ)をなげこむ。煙で一気に視界が無くなるが宮古は速度を維持し直線
衛一が砲塔をブロック塀ギリギリまで回す。そして発射した。轟音が少し煙を吹き飛ばしそれと共に鈍い金属音が鳴る。命中した。明らかに跳弾の音ではない。それにマルチダIIごときが100mm砲に耐えきれるとも思えない
「撃破だろう。弾かれてない」
『こちらフクロウ、マルチダ一両撃破確実』
『こっちももう一両撃破したよ!あとこっちで片付けちゃうからね』
『頼もしいな』
キューポラから頭を出して索敵に専念する波川。耳を研ぎ澄ませば履帯の音、砲撃音が聞こえてくる。
「あとマルチダ二両とイギリス首相が一両か」
と目の前の道にⅣ号戦車がひょっこり出てきた
「おっす隊長?」
「え?何だ・・・フクロウさんか」
「嘘でしょ、しかも100mm砲搭載型!?こんなの使ってるチーム滅多に聞かないです!」
「とりあえず目先の聖グロだ。ゲリラ戦で良いな?」
「はい、敵を撹乱しつつ撃破してください。チャーチルの正面装甲は脅威です」
「衛一がこいつの砲ならぶち抜けるってさ。さあ、行くぞ」
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~忘れかけてた紅茶視点~
『どうも初めまして、試合に遅れて申し訳ありません。で綺麗な挨拶はこれくらいにして・・・踊れ!踊れ!英国被りの淑女共 地獄を見せろこの私に』
「あらあら品のない挨拶ですこと」
「そうでしょうか?私は結構好きですけど」
「でも英国被りの淑女共とは我が校最大級の侮辱ですねダージリン様」
「そうねアッサム。けちょんけちょんにして差し上げましょう」
結構頭に来たダージリン、ただフクロウが何に乗ってるか分からない。
「ダージリン様、MI6からの情報ではかなり強力な車両とのことですが」
「心配要らないわ。どんな戦車に乗ろうとも、急造品では私たちに敵いませんのよ」
この時のダージリンは知らなかった。急造品であることには代わりないが、大学選抜で鍛え抜かれ、軽く人間やめた集団であることに
『すいません、ルクリリ車撃破されました』
『修理中でしょう。仕方無いわ。相手が何だかわかるかしら?』
『煙幕を張られたと思ったらもうやられてました』
「煙幕で身を隠しながら撃破・・・急造品であっても侮れない相手だったようね」
「まるで忍者ですね。闇夜では無いですが気付かれない内に撃破する」
「そうねオレンジペコ。でもね忍者も「あ!」どうしたのアッサム?」
「西住流が居るとは調べがついていました。でも増援に来た戦車の砲主が・・・島田流です。さらに悪いことに今のプラウダの隊長、カチューシャに急造チームで勝利した・・・と言う噂を聞きました」
「アッサム、それは本当なの?」
「かなり信頼できる情報です」
「これは思ってるより面倒なことになりそうですねダージリン様」
そんな会話を展開してるときに、前を走行していたマルチダが撃破された。アッサムが反撃を試みたが弾かれる
「ダージリン様、一瞬しか見えませんでしたがおそらくソビエト戦車です」
「ソ連戦車でマルチダIIの角度がついていても正面を抜ける火力をもった戦車・・・T-34の確率が高いかしらね」
「お言葉ですがT-34よりも明らかに大きいです。サイズ感はis-2を少し小さくした程度かと。速度から考えても重戦車では無いです」
「・・・ダメね、思い浮かばないわ」
いかに思考を巡らせようと車種が分からない
「ダージリン様、エンジン音です。近くにⅣ号が潜んでいます」
「アッサム、射撃用意」
Ⅳ号が角に居た。至近距離での早撃ち大会。制したのはⅣ号だったがチャーチルの無駄に固い正面装甲に阻まれ撃破出来ず反撃を受けて撃破された。その二分後位だろうか、チャーチルに衝撃がはしる
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エンジンが再び唸りをあげる。フクロウがあんこうが通って通って来た道を戻る。すぐにマルチダIIにぶち当たる。後ろにはチャーチルも見え、衛一が速射、わざと一番固い防盾をぶち抜いて撃破。チャーチルからの砲撃は砲塔前部側面の傾斜で弾いた。
「圧倒的ではないか、我が戦車は」
「そりゃ強いだろうよ。車体120mm砲塔180mmの超傾斜装甲と100mm砲を時速60kmで振り回すって、センチュリオンにも負けてねえ」
「波川、このまま足を生かして回り込むで良いんだな?」
「ああ。チャーチルの速度考えても逃げ切れるとは思えない」
『こちらアンコウ、ごめん撃破された。あとよろしく』
「だってよ。車長様どうする?」
「よし、ガン待ちしよう」
「面白くないから却下。それなら弾着観測射撃しようぜ相手鈍足だし長いし一両だし行ける行ける」
「おっそうだな。それで行くか、で観測主は?」
「波川、お前に決まってんだろ。これやるからさっさと出ろ!」
車長にパンツァーファウストを持たせて蹴りだし、市街地外の適当な傾斜に移動。車両側の準備ができた時、丁度波川がチャーチルを捕捉したらしい。おまけに履帯をパンツァーファウストで破壊、詳細な位置情報をもらい射撃開始
「射撃開始する。流れ弾に注意せよ」
『あいあい、射撃開始了解』
無線は一時的に衛一が担う。臨時車長は宮古だ
取り敢えず三連射する。
『発砲した。着弾までおおよそ40秒だと思う』
『随分適当だなおい』
「10,,,,5 4 3 弾着、多分今」
『おし、おおよそ40秒だ。初弾目標の前方6メートルに着弾。第二射前方2メートルに着弾。第三射、後方1メートルに着弾。化け物かお前は』
『夾叉だな、同一緒元、連射する』
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この時のダージリンは何が起こっているのか分からなかった。いきなり衝撃が走ったと思えば履帯が吹き飛んでいる(波川のパンツァーファウスト)そして謎の砲撃が飛んでくるため(衛一の着弾観測射撃)車外に出ようにも出れない
「何!?何があったの?」
珍しく取り乱すダー様
「分かりません。どこから撃たれているのかも不明です」
「でも撃たれているって言うより降ってきてるって言った方が正しいと思いますけど」
砲撃は止まない。やがて耳を打つような音が聞こえた。直撃弾が出たのだ。そして、白旗が上がった
「ここまでね、完敗だわ」
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~試合後~
「今日は楽しい試合だったわ」
「いえいえ、そんな」
「やっと撤収終わった。そこにいるのは・・・聖グロリアーナの隊長さん?」
「ダージリンですわ。以後お見知りおきを」
「島田衛一です。遅刻車の砲主してます。試合中に車長があんな事を言ってしまい申し訳ありません」
「『英国被りの淑女共』のことかしら?」
「ええ、聖グロリアーナのあなた方には最悪の侮辱でしょう?」
「確かにそうね。過去の記録を見ていても、それを言ったのはその車長さんが初めてでしょうね」
「おーい、衛一!ちょっと来てくれー!」
「ん?今行く!」
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その日の夕方、正式な隊長がみほに決定した。そして2セットの茶器と茶葉が送られてきた。みほと衛一の分だそうだ衛一は受け取っただけで中身を知らずこの中身を知るのは全国大会終了後なのはまだ誰も知らない