我、島田流ノ息子ナリ   作:超甲形巡洋艦

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大洗での初の戦車戦


第二十四話

~戦車格納庫~

聖グロリアーナ戦の翌朝、フクロウの腕前を見ると言う名目でⅣ号、Ⅲ突との2対1での演習をすることになった衛一が『そいえばどっかの生徒会無能砲主が至近距離砲撃はずしたらしいな』と煽り38tも巻き込んだ

 

「それにしてもT-44Ⅴ型なんて車両、どこから持ってきたんですか?」

 

「俺の私物だよ。中学の卒業祝でな」

 

「戦車を卒業祝に・・・羨ましいです」

 

「秋山、そいや俺こいつの性能以外なんにも知らないに等しいから、史実でどんな車両だったか教えてくれ」

 

「はい!」

 

「(めっちゃ目輝いてる)」 

 

「まずT-44中戦車は1943年3月にアレクサンド・モゾロフがウラル戦車設計局で試作車両のT-43を開発しました。T-43はT-43/43と約七割強の部品を共有している戦車です」

 

「T-43がt-44の試作品な訳だ」

 

「少し違いますね。主な違いは砲塔中人数が二人から三人になったことですね。装甲の強化で増えた重量の分、最大速度は48km/hに低下しましたが、サスペンションが従来のコイルスプリングを使ったクリスティー式ではなく、KV戦車と同じトーションバー式に変更され、走行性能そのものはT-34を越えていました。これは3000km走行耐久比較試験でも、従来のクリスティー式に比べ優秀であることが証明されています」

 

「ふむ、早速専門用語の羅列で頭がパンクしそうだ」

 

「T-43は1943年に一旦正式採用されることで決定しましたがすでに古くなっていた武装の新型戦車を正式採用することに異論が出たり、T-34の生産に支障が出る恐れがあることから、正式採用は見送られ、再設計が行われることになりました。その代わり、T-43の砲塔をベースに改良し85mm戦車砲D-5Tを載せたものをT-34に載せかえることで武装を強化することが決定しT-34-85として生産が開始されたんです」

 

「なるほど」

 

「モロゾフは車体を再設計して車体は履帯の上にスポンソンを設けない完全な箱型にし傾斜した前面装甲は90mmもの厚さになりました。エンジンもT-34のV-2ディーゼルエンジンを改良したV-44を搭載してエンジン出力も向上し、横置きにすることで車体もコンパクトにまとめられ、重量も31.8tに抑えました。砲塔はT-43に似てはいますが前後に長く装甲も厚い新型となり、主砲は85mm戦車砲ZIS-S-53を搭載してます。車重がT-34-85より軽量で、車高も低いことから、機動力も良好で路上では最大50km/hを出すことができました」

 

「さっきからt-44が空気だな」

 

「まあまあこれからです。この戦車は1943年7月、「T-44」として正式採用され、ドイツ軍から奪い返したハリコフ機関車工場で生産が行われました。大戦終了までに965輌が生産されたとされてます」

 

「へえ」

 

「T-44の開発当初はD-5TおよびZiS-S-53と共にD-25-44T 122mm戦車砲を搭載したT-44-122が1944年初めに試作されました。最初の試験で砲に故障が生じ、4月から5月にかけての試験でも搭載弾薬の少なさなど問題とされ、不採用となりました。車体側面にドイツ戦車の“シュルツェン”に似た増加装甲を実験装備した車両も存在します。戦車道のレギュレーション的にシュルツェンを浸けるのも有りかもしれません」

 

「装填大変そうだな」

 

「T-44の武装は大戦末期には標準的なもので、すぐにでも力不足になる代物です。だから生産開始とともにさらに強力な100mm戦車砲を搭載する研究が始まりました。試作されたT-34-100やT-44-100のように、単純に主砲を交換するだけでは、100mm砲の反動をうまく車体で受け止めることができず、砲塔を新設計するとともにターレットリング径を拡大して車体からはみ出す形となり、問題が多かったトランスミッションも新型が搭載され、履帯も変更、この新砲塔の100mm戦車砲搭載型はT-44Vと呼ばれたが、すぐにT-54と改称されました。T-54は1946年から試験的に部隊配備された後、1950年に正式採用され、更にお椀型の新型砲塔に変更し大量生産されていて、T-54は当時世界最強と名高い戦車です」 

 

「そのt-44Ⅴ型はほぼT-54か、弱いわけないわな」

 

「ええ。総合バランスでは最強と言っても過言じゃありません。で衛一殿は大学生チームで鍛え上げられたんですよね?」

 

「せやで」

 

「衛一さん、まだですか?」

 

「秋山連れて今行くわ」

 

~学園艦上、森林~

砲塔側面に躍動感のあるフクロウの磁石を張り付け(宮古作)大洗の校章を追加したT-44、更に自動車部の魔改造で舗装された道の最高速度が75キロに増加し、砲の安定感も増していた

 

「これが自動車部の力か」

 

「よく動いてエンジンの機嫌も良い」  

 

「砲の安定感も増したらしい。狙撃するのが楽しみだ。で、波川、今回の作戦は?」

 

「第一にⅣ号を撃破、次Ⅲ突、最後に38t血祭り」

 

「あいよ。変態紳士、早崎行くぞ」

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