────フクロウ─
「衛一、ファイアフライ早く仕留めろ!」
「・・・よっし、撃墜」
何時かの如く、砲弾を迎撃して遊んでいた
「お前さっきから何やってんだ!」
「迎撃してる」
「普通に撃破しろや!」
「えぇ~~」
『衛一ぃ、さっさとしろー!』
『うるせぇ無能砲手!俺がとどめ指すぞ!』
『衛一さん!大洗の現状思い出してください!』
「そうだ衛一。俺が調べた情報を忘れるな」
「あ?・・・・・・なんかあったっけ?」
『『『お前なぁ!』』』
「なんだこのクソ茶番」by早崎
衛一が廃校の事を忘れていた。とは言うものの戦況は芳しくない。38(t)の履帯が切れてt-44の後ろで修理中。Ⅲ号突撃砲、M3leeが撃破された。だがこっちもⅢ突がM4一両と相討ちしている。
「先に隊長車っぽいの殺るか。波川、お前の目から見て隊長車どれだ?ッチ、また避けられた」
「まず、フラッグ車は違う。ファイアフライも違うだろう。となるなら残りの」
「無印シャーマンどっちかだな」
戦力差は4対3、しかし衛一の頭の中では2,5対3である。理由はカメの砲撃はゴミであること、フラッグだから前に出れないこと、八九式の火力では撃破が難しい事があげられる
「じゃあ先に右のやつを」
『こちらアヒル、履帯破損』
「じゃけんさっさと障害排除しましょーね」
さっきまで衛一は表面上ファイアフライを狙っていた。いきなり目標を変えたことで狙われた無印シャーマンは対応が遅れ、車体正面に直撃した
「シャーマン一両撃破確認・・・敵フラッグどこ行った?」
「さあ?」
「「・・・」」
波川と衛一が黙り混む。そしてみほから無線が
『後方より砲撃!』
「ここで裏取りかよ!」
M4A1と無印シャーマン(ケイ)、ファイアフライに挟撃された。
「どっちにしろ履帯直してない鈍亀はいい的だぞ!」
『うおーーー』
M4A1がカメに砲撃をした。が履帯を直した八九式が割り込んできて一時的に難を逃れる。しかし八九式は撃破された
「徹甲装填完了!残弾榴弾四発、徹甲弾五発!」
「分かった。衛一、榴弾での撃破は可能か?」
「装甲の薄い車体下部、天板なら保証する」
「この状況じゃあ使えねえな。」
「次目標ファイアフライでいいか?」
「ああ。それでいい」
「移動の必要は?」
「八九式の残骸がいい感じに盾になってる。ここで移動したらファイアフライの盾もなくなる」
フクロウ(H)、カメ(K)、アヒル(A)の位置関係
→敵からの攻撃方向
→ HKA ←
「おれの戦車を盾扱いとはなぁ?」
「こんな装甲もってるなら使わない手は無いからな」
ズドンと車内に轟音が鳴り、早崎が次弾を装填する。衛一の砲撃は・・・迎撃された
「おい衛一、迎撃されてんじゃねえ!(錯乱)」
「俺が出来るんだァ!相手に出来ても可笑しくねえダルロォ?ギャハハハハ!面白くなってきたねぇ!」
「装填完了ォ!撃ってこないところを見るとこっちが撃つの待ってるぞ」
「煙幕展開!砲撃を隠せ」
「なんで今までしなかった?」
小気味良い音をたてて少し前に煙幕が展開する
「煙幕あるの忘れてた!」
「まあ、そんなときもあるなぁ。砲撃照準はどうすればいい?」
「心眼でなんとかしろ!」
「無茶苦茶だぁ!」
──────アンコウ─
『フクロウよりアンコウへ。これより再度ファイアフライの撃破を試みる』
「分かった、そう伝える。みぽりん、フクロウがファイアフライ狙うって」
「分かりました。華さん、攻撃目標を後ろの敵フラッグ車に変更します。まこさん、フクロウの後ろに移動してください。ぶつからないようにお願いします」
「分かりました/分かった」
「西住殿、こちらからフラッグ車を狙って逃げられないでしょうか?」
「多分逃げない。ここで向こうが火力を減らしたらフクロウの餌食になってフラッグ車が孤立する。それに戦力を集中した方がカメさんを撃破しやすいから」
「成る程ってフクロウ煙幕撒き始めましたよ!?」
「時間稼ぎかな?でも位置バレしてるし」
「先ほど砲撃が撃墜されたので砲撃したのを隠そうとしてるんじゃないですか?」
「砲弾って撃墜できるの!?」
「物理的には可能ですが、実際にやったのははじめてみました」
「照準もまともに・・・衛一さんなら大丈夫ですね」
ぶっちゃけ迎撃は腕が伴えば有効な戦術だったりする。撃墜したら被弾はしない。しかし、撃破できるなら撃破した方が早い
────フクロウ─
「駄目だわ、音的に当たってはいるっぽいけど」
『アンコウへこちら波川、そちらはどうか?』
『えっと・・・敵フラッグ車に攻撃中』
『分かった、こっちも耐え抜く』
「早崎、次弾榴弾頼む」
「分かったぜっと、よいしょ!」ガコン
────ファイアフライ─
衛一が煙幕の中放った砲弾はファイアフライに命中、撃破した。もともと当たらない砲撃だったが、ナオミが迎撃したことにより弾の軌道が変化、砲塔正面に命中し撃破されてしまった
「チッ」
少し怪訝な顔をしたが、満足したかのように後ろの子に倒れ込み、ニヒッと笑った
────フクロウ─
「衛一、霧吹き飛ばしたらファイアフライの状態確認、動けるなら止め刺せ。撃破できてるならもう一両の無印シャーマンだ」
時限信管で榴弾が空中炸裂、煙を吹き飛ばす。衛一はスコープから、波川は双眼鏡でファイアフライの安否を確認した
「目標無印シャーマンしろ!」
同刻、五十鈴もM4A1に止めを刺そうとしていた
「偏差修正、仰角調整・・・/花を生けるように・・・」
大洗の二人の砲手はこの試合に幕を下ろすため、慎重に狙いをつける・・・そして
「Огонь!/発射」
二両の獣が咆哮を上げる。その咆哮は寸分の狂いもなくそれぞれの目標に空気を切り裂きながら突き進んだ。
━━━━━━試合後━
「exciting!こんな試合が出来るとは思わなかったわ~」
いきなりみほにケイが抱き付いた
「ブフッ!!」
宮古(変態)が鼻血を出して倒れる。しかし、誰も何も処置をしようとしない
「そうだ、ケイさんでしたっけ?家の車両で流してた歌が盗聴されて、それが原因で一人大変な事になったと聞いたんですが・・・当人は大丈夫でした?」
「驚いて気絶しただけよ。こっちも盗聴なんて無粋な真似して悪かったわね」
「いえいえ、こちらも(表面上は)悪かったと思っているので」
(((((こいつ口から出任せ言ってるな)))))←勘のいい大洗の人達
「心配要らないわ。それに戦車道は戦争じゃない。道を外れたら戦車が泣くわ」
「みほ、じゃあ撤収準備の手続き手伝ってくるわ」
「あ、はい分かりました」
━━━━━━━空が橙に染まった頃━
「離せ!」
衛一がその辺ブラついてると取り乱している冷泉の声とそれを制止する声が聞こえてきた。あの冷泉が取り乱すとは何事か?と不思議に思った衛一
「どうかしたか?」
「そうだ、!衛一なら何か持ってないか?」
「持ってるってなにを?」
「衛一殿、実は冷泉殿のお婆様が倒れてしまって」
「成る程、ふむ・・・駄目だな。使用人さんも船で帰ったし・・・」
「そうだ!この島にヘリで来てる人も居るかもしれません」
「だがなぁ、大半はもう飛び立ってったぞ」
冷泉の顔色もどんどん悪くなっていく
「そうだ、確か姉御が」
「あ、お姉ちゃん」
「姉御!」
後ろから独特の風切り音と強烈な風が吹き付ける
「急げ」
「隊長!こんなやつらにヘリを貸すんですか?」
まほとエリカが近くにヘリでおりてきたらしい
「エリカ、これも戦車道だ」
「姉御・・・なんで?」
「帰ろうとして飛んでいたら何かあわてて海にダイブしようとしている大洗の生徒が見えたんだ」
その後、冷泉に沙織が付き添う形でヘリは飛び立った