我、島田流ノ息子ナリ   作:超甲形巡洋艦

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今回長いです


第三十五話

─────プラウダ学園─

元々衛一が居た学校である。その中のとある真っ赤なカーペットが敷き詰められた一室に聖グロの隊長、ダージリンとプラウダの現隊長、カチューシャ、副隊長ノンナが集まっている。

 

「大洗学園と言う学園艦を聞いたことがあるかしら?」

 

「大洗学園?名前だけならどこかで聞いたような・・・」

 

「その高校がサンダースを撃破したらしいわよ」

 

「そんな学園艦があのサンダースを?」

 

ケイが指揮するサンダースが新参者に破れたと聞いて耳を疑ったカチューシャ

 

「ええ、そうよカチューシャ・・・というかそれは1回戦の話だけど」

 

「ふうん。まあ、仮にも戦車道。本来そういうものでしょ」

 

「その通りね」 

 

「もー!ノンナはまだかしら。お茶飲みたいのに!」

 

「おいしいお茶を入れるのには時間がかかるものよ」 

 

「それより、練習しなくてもいいのかしら。……大洗の隊長は、あの西住流よ」

 

「・・・はぁ!?」

 

「まあ、西住流の妹のほうだけど」

 

「な、なーんだ妹って、去年の試合で戦車を離れた妹って、なら楽勝よ!」

 

ダージリンは含みのある笑い方をしている。まるでカチューシャの反応を楽しんでるようだ

 

「何よ、その顔、気味が悪いわ」

 

「それにあそこには貴方もよく知る天敵が居るわよ」

 

「天敵?そんなものこの栄えあるプラウダには存在しないわ」

 

去年結果はどうあれ黒森峰相手に勝った。残る天敵など居ただろうか

 

「ええ、『プラウダ』の天敵はスツカ高校対戦車道航空課エースの『ルーデル』以外に存在し無いわ。ただ、貴方の宿敵は居るんではなくて?」

 

「もう、あのサイレンは聞きたくないわ」

 

苦い記憶が甦る。去年の練習試合では単騎で十両中十両を吹き飛ばされた

 

「カチューシャ様に天敵など存在しません」

ノンナがきっぱりと言いきった

「あら、怖い怖い。でもこういえばわかるかしら、『死神の鎌は上から振り下ろされる』」

 

「誰の言葉よ?」

 

「!?」

 

ノンナは感づいた。ダージリンが言っている宿敵の正体に

 

「カチューシャ様、早急に遠距離狙撃に対する訓練をした方がよろしいかと」

 

「なんでよ?」

 

「カチューシャ様も忘れてはいないでしょう。あのスナイパーを」

 

「スナイパー?・・・・・・あ!」

 

「私はこの辺で失礼するわ。ご機嫌よう」

 

─────アンツィオ戦、ドゥーチェside─

「おい、マカロニ作戦はどうなっている?」

 

『姐さん、後にしてください!』

 

「何で?」

 

『T-44と交戦中ぅ!』

 

「阿呆!何でもっと早く報告しない!」

 

『すいませんって』

 

「今のところの損害は?」

 

『えっと・・・一両やられました』

 

「ええい、包囲作戦中止!全員フラッグの元に集まれ!分度器作戦を発動する!」

 

ペパロニらが見付かっているのなら看板を置いていても直ぐにバレるだろう。それに敵が直ぐ近くまで近づいているのかもしれない

 

「カルパッチョ、出動だ!敵は直ぐそこまで来ている」

 

アンチョビの乗るP40、カルパッチョのセモヴェンテ、CV-33が移動を開始した。そしてさっき居た地面を多数の砲弾が抉る。アンチョビのP40はアンコウ、カバさん、ウサギさんに捕捉された。アンチョビ達も当然反撃にかかる。運良く初撃でウサギさんを撃破した。

 

「隊長、Ⅲ突は私が押さえます」

 

「頼んだぞ」

 

カルパッチョが見たのはⅢ突に付いているカバのマーク。カエサルのメールアイコンと同じものだった。試合前にこんな会話をしていた

 

「たかちゃんも戦車道始めたって本当なんだ!」

 

「うん。何に乗ってるかは秘密!」

 

Ⅲ突とセモヴェンテがぶつかり合う。どちらも固定砲塔の自走砲である。その戦闘風景は多分中世ヨーロッパの槍兵同士の戦いのようだ。そして至近距離での砲戦が繰り広げられる

 

「相手はⅢ突・・・なら防盾を狙って!」

 

「どこでも良いから当てろ!こいつの砲ならどこでも抜ける」 

 

そしてまた、車体がぶつかり激しく火花を上げる

 

───sideフクロウ──

「居た!前方だ!速度上げろ」

 

「限界だ。主砲で何とかしろ」

 

T-44の最高速度(自動車部の改修有り)で追いかけているが八九式も豆戦車も最高速度、そう簡単に追い付けない

 

「安心しろ!弾は榴弾装填済みだ。だからやれ」

 

「集団の中にアヒルが居て下手に撃てねえよ。この距離だったら機銃も効果があるかどうかわかんねぇ・・・弾種軽量徹甲弾装填」

 

「軽量徹甲了解、お前に当てれんのか?」

 

「相手に心理的圧迫感を出すだけなら十分だろ」

 

と言って主砲での砲撃開始、だが徹甲弾の手持ちは五、六発しか無い。衛一が『どうせ相手装甲紙なんだから徹甲弾大量に要らんだろ』と言ったからだ。端から衛一は榴弾で横転させ機銃で撃破するつもりだった

 

『こちらフクロウ、アヒルさんチームへ。後ろから援護はするが榴弾が使えない。あまり期待してくれるな』

 

『いや、助かる』

 

「こっちに寄ってこないな」

 

「当たり前だな」

 

「おい、残りの徹甲弾四発だぞ、大丈夫だろうな?」

 

「大丈夫ではないな」

 

『ええい、アヒルさんチームへ。爆発注意!榴弾使う!』

 

『ええ!?わ、わかった』

 

「榴弾装填!」

 

「榴弾了解した、八九式巻き込むなよ」

 

「おれはあの化け物じゃねえんだ」

 

そう言って榴弾を撃つ。二両程CV-33を巻き込んで吹き飛ばした。かなり近くで炸裂したので二両とも撃破だ

 

『大丈夫か!?』

 

『戦車が簡単に壊れるか!っとそっちに寄り付いて良い?』

 

『どうした?』

 

『少しでも撃破しやすくならないかなって。火力方向が何とかで』

 

『言いたいことは把握した。速度落としてくれ』

 

取り敢えず合流というか、側面でぴったりくっついて攻撃の最適化を図る

 

「よし、遠慮無く榴弾で吹き飛ばすぞ装填急げ」

 

榴弾を装填し直すまでの間12,7mm機銃での銃撃、銃身を小刻みに動かしながらCV-33の動きに追従しようとするが追い付かない

 

「装填終わり!いつでも撃てる」

 

急いで車内に戻り側面の地面ごと迫るCV-33を吹き飛ばすが横転するだけで撃破には至らない事が多い

 

「・・・?・・・!」

 

宮古は操縦手席に地図を付けている。それを数秒眺め、自分等の予想進路とさっき波川が言っていた敵フラッグ車と交戦しているアンコウやカメの予想進路がぶつかり合う事に気が付いた

 

「・・・(別に言わなくていいか、その内気づくだろうしな)」 

 

残念ながら機銃掃射で手一杯の波川にそんな余裕無かった。衛一ならば片手間で気付いたかもしれないが

 

「よっし、やっと一両撃破」

 

抵当に早崎に撃たせ榴弾で吹き飛んだところに機銃掃射して一両撃破、確認出来ていないだけで他にも撃破しているかもしれないがこれだけ波状攻撃されたらもう何両残っているか分からない

 

「クソッ、後どんだけ居やがる?」

 

「多くても8両程度じゃねえの?少なかったら4両かもしれんが」

 

実際は残り6両だが知るよしもない

 

「よっし、装填」  

 

『こっちも一両撃破した!』

 

波川が機銃掃射に徹してしまっているためもう砲手と化している早崎。以外にも砲撃は良い味を出しており吹き飛んで姿勢を崩させると言うより相手に予測させて回避させたところで機銃掃射。と言うやり方に自然に変化した。

 

「よし!一気に二両行った!」 

 

榴弾の回避先で片方が集中機銃掃射、もう片方はアヒルさんの主砲を受けて撃破された

 

「波状攻撃が落ち着いてきた・・・数が減ったか?」

 

回りを見渡しても3両しか確認できないし、他に来る様子も無い  

 

『フクロウよりアヒル、多分この3両でここは最後だ。だから慌てず慎t『割り込み済まない、宮古だ。このまま行ったら直ぐにでも敵フラッグとかち合わせする』

 

「おい!何時から気付いてた!?」

 

「ん?「よし!やっと一両撃破!」のところ辺り」

 

「結構前じゃねえか『磯部先輩!さっさと終わらせるぞ』」

 

『うん!』

 

ガガガガガ ズン! ガガ ズドン!

まるで機銃の音と砲撃音が協奏曲を奏でているようだ

そして、残りはペパロニの乗るCV-33だけになった

 

「前方に敵フラッグ車確認したぞ、波川」

 

「後は包囲殲滅だな」

 

この後、無事にこの場の残りのアンツィオ高校の戦車は殲滅された

 

─観客席─

試合が終わり弓道着を着たまま与一と会場に来た(自分達の出番が終わって閉会式をすっぽした)そして今、聖グロのお茶会に混ざっていた

 

「ほーん、そんな流れか。カエサルの奴、直々に教えたんだから負けるなよ」

 

「なあ、本当に良いのか?私までここにいて」

 

「別に構いませんわ。それに日本の弓道選手のツートップをお茶会に誘えたんですもの」

 

「そんなものなのか?」

 

「まあ、ダージリン様が良いと言っているんですし・・・あ、クッキーどうぞ」

 

まあこんな雑談をしながら試合を観戦している。と言っても終盤で、大画面にはぶつかり合うセヴェモンテとⅢ号突撃砲がぶつかり合っている

 

「ねえ、あれは聖グロの隊長からしてあの一騎討ちはどうよ?」

 

「優雅だはありません・・・でも熱い戦いね。つい興奮するわ」

 

そんな中、勝負が一騎討ちの勝負が決まった。それと同時に試合の勝敗も決まった

 

「Ⅲ突とセヴェモンテは・・・相討ち、まあ及第点か」

 

「初心者なら上出来だと思いますけど」

 

「あいつの腕前なら機動戦してる最中でも当てられるはずだ。本番弱い奴でも無いしな」

 

「大洗の砲手は逸材が多いと聞きます。貴方が育てているのなら納得ですが」

 

「最悪プラウダ、黒森峰と殺り合わなくちゃならない。家の戦車で撃破するなら弱点を正確に狙い撃つのが手っ取り早いんでね」

 

弱点さえ狙えればM3leeで虎ⅠやT-34を落とせると話す衛一。そして、撤収作業が始まり、その手伝いに行く衛一だった。

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