我、島田流ノ息子ナリ   作:超甲形巡洋艦

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原作と比べてプラウダ学園の作戦をほぼ一から考えました。すごく大変だった


第三十九話

~観客席~

衛一の知らぬ所で西住しほがこの試合会場に訪れていた。しかし

「みほに、勘当を言い渡します」

この場にいた二人は一瞬頭が回らなかった。そしてしほが放った言葉を理解した。勘当、そう言った

 

「ま、待ってください。なぜいきなり!」

 

「二人は知っていた筈ですね?みほが戦車道をしている事を」

 

「・・・」

 

「衛一が口を滑らせました。二人はみほが戦車道をしていたのを知っていることを」

 

(衛一ィ!)

 

二人はこの場に居ない気楽な馬鹿を恨みつつ気まずい雰囲気の中試合を見ることになるのだった

 

~波川side~

「全車両離脱開始。よし予定通り俺らで足止めするぞ」

 

「ハァ↑ドッコイ┗(*゚∀゚)┛(射撃)一両撃破したぞ。敵の残り何匹よ?」

 

「えっと、見える限り後4両だな」

 

『フクロウさん、殿をよろしくお願いします。絶対無事に帰って来てください』

 

『了解した』変態紳士、Uターンして敵集団に向けて進路取れ、集団のちょい前方で行手を塞ぐように動いてくれ。早崎は衛一が撃ち次第次々装填、弾種は軽量徹甲。衛一は隙みて射撃。撃破しないでもいいから敵の足を削るのを最優先にしろ」

 

「да/了解/分かった」

 

離脱している大洗集団から分離しプラウダの襲撃部隊の足止めに赴く

 

「野郎共!全部返り討ちにする気概で行くぞ」

 

「「「応!」」」

 

~桐原side~

『敵集団北西へ離脱開始。多分衛一さん射撃部隊の方向に勘づいています』

 

T-34で坂付きの曲射を行う場合、一番安定するのが正面への射撃だ。だが砲塔を左右に動かすと砲身の角度の調整が一気に面倒になる。そして左右にずれればずれる程誤差が大きくなるのだ。それを感覚で補正して正確に砲弾を叩き込める衛一は変態としか言えない

 

『射撃部隊、強襲部隊と合流するわよ!観測車は私たち合流して乗員整理!』

 

『分かりました。「本城さん、先に射撃部隊と合流します南へ向かって下さい」

 

「分かった。南だな」

 

~フクロウside~波川side

6対1で殿を勤めているフクロウチーム、基本的には引き撃ちで対応している

 

「うーん、流石にプラウダも逃げの姿勢入ったか?」 

 

正確無比な砲撃で敵の行く足を塞ぐ衛一、既に三両の足を止めている(一両撃破、二両足回り破損)ので無理も無い。残った三両も速度を落としている

 

「よし、全速前進。ここから離脱するぞ」

 

「寒いなぁ。あ、的が増えた」

 

「おいまて、今お前何て言った?」

 

スコープを覗きながら衛一が漏らす『的が増えた』そう言っただろうか?いや、言っていないに違いない。ここで増援が来たら流石に撃破される

 

「寒いなぁ?」

 

「違う、その後だ」

 

「的が増えたな」

 

「つまり?」

 

「まあ、増援だ。よし、全速で逃げよう」

 

「そうだな。変態紳士、コース任せるから全速で逃亡しろ。衛一は煙幕を焚け、因みに何色積んだ?」

 

「聞いて驚け。ふざけて祭りとかにしか使わない蛍光イエロー積んでみたぞ」 

 

「ああ、別の意味で驚いたよ。今すぐ焚け」

 

「あいよ」

 

全力で逃亡すると同時に蛍光イエローの煙幕がばらまかれる。これを観ていた観客は?

 

~観客席~

「どうせ衛一でしょうけど・・・なんなんですかあのふざけた煙幕は」

 

((どうしよう、露骨に機嫌が悪くなっている))

 

「あ、あえて変な色をつかうことで心理的効果を狙っているのでは?」 

 

現状のなけなしの勇気をエリカが振り絞った

 

「ふむ、確かに相手から冷静さを奪えるかもしれませんね」

 

(あ、納得しちゃった。これなら)

 

「しかもフィールドは基本暗いですし、強い蛍光色では視界が変になるんじゃ」

 

「どうせならショッキングピンク使えば良かったのに」

 

姉は姉で何か言っているがスルー

 

─────

 

さて、ここで視点をフクロウチームに戻そう。蛍光イエローと言うトチ狂った煙幕を炊いて逃走を図るフクロウチーム、煙幕の中に機銃を乱射され凄く車内がうるさいくらいで特に問題もない。まあこんな状態ではさすがの衛一も命中は運になる

 

「なあ、垂れ流されてる機銃から大まかな方向に砲撃出来るが、やるか?」

 

「いや、弾の損耗は押さえたい。攻撃はするな」

 

「車長、煙幕は無限じゃない。これからどうする?このまま逃げてもジリ貧に近いぞ」

 

宮古がそう訪ねた。しかしいいアイデアが浮かばない

 

「ついでに言うとひたすら走ったから現在地不明。煙幕で地形把握もまともにできん」 

 

「うそん、現在地分から無いのが一番辛いな。このまま集団に突っ込んで出来るだけ道ずれにするのも選択肢だが」

 

『フクロウさん、なんか凄い黄色い煙見えるけど大丈夫?』

 

『なんだ武部か、びっくりしたわ。あと煙幕今炊いてまーす』

 

「おい紅葉、そろそろ煙幕が切れるぞ。具体的には後20秒程」

 

「・・・衛一、弾が飛んできてる方向から敵の方向察知できるよな?ちょっと機銃が何処から飛んできてるか見てくれ」

 

「了解・・・・・・左右後方だな。真後ろは居ない」

 

「変態紳士、全速後進開始」

 

「なるほど、分かった」

 

T-44の行き足が止まり、全速で後退し始めた。自動車部のチューニングのおかげで後退速度は30km以上になっている。波川が頭だけ出して音を聞いていると断続的な機銃の発砲音と共に多数のエンジン音が左右を通り過ぎた

 

「・・・取り敢えずやり過ごせたな。よし、直ぐにここから離れるぞ。進路は東で現在地は後で確認するか『こちらフクロウ、一時的に追っ手を撒いた。だが現在地不明、ここから距離とって場所を確認する』

 

『え?あの量から逃げ切ったの?』

 

『まだ近くには居るはずだから完全に撒けたわけじゃないぞ』

 

『分かった。場所が分かり次第連絡頂戴って』

 

『ちなみにお前らどこにいるんだ?あのまま真っ直ぐ逃げた訳じゃあるまい?』

 

『場所は・・・第一包囲予測地点の近くに居るよ』

 

『おっ!思ったより早く合流出来そうだ。取り敢えずそこに向かう』

 

『分かった。気を付けてね』

 

~カチューシャside~

『全車、機銃で居るかどうか確認しなさい。こんな状況じゃ当たらないから主砲は使っちゃダメよ。両翼の車両は側面警戒』強襲部隊だけで衛一は仕留められる筈が、チッ面倒な事になったわね」

 

「カチューシャ様、このまま追尾を続けますか?待ち伏せを受ける可能性がありますが」

 

「勿論このまま続けるわよ。あれだけでも撃破出来れば総合火力でこっちが有利になるわ。でも黄色い煙幕なんて、こっちをおちょくってるのかしら」

 

「ですが煙幕も無限じゃありません。逃げるにしてもそろそろ仕掛けて来るはずです」

 

機銃弾の跳弾音が聞こえる。かろうじて衛一の乗るT-44を追跡できている様だ

 

(煙幕はもう持たないはず、身を隠す物が無くなったら終わりよ)

 

ほんの一瞬だけ機銃掃射が途切れた。直ぐに再開されたが、その時撃たれた弾は何も居ない煙幕を突き抜けるだけであった

 

(あら、煙幕が切れて・・・)

 

煙幕からプラウダ全車が抜けた。が、そこには追っていたT-44は居らず、無限軌道の跡も無かった

 

(逃げられた?こんな短時間で?)

「全車、まだ近くにいるはずよ。探しだしなさい」

 

「カチューシャ様、これ以上は危険です。こちらはフラッグ車を連れています。無闇に探し回ったら狙撃でフラッグ車が落とされかねません」 

 

「・・・全車、捜索打ち止め。そうね・・・東へ向かうわよ」

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