~観客席~
Δと名乗った男と唐沢先輩が消えたあとすぐにしほさんがきた
「何の御用でしょうか」
「みほの件です」
「黙ってたことなら反省しないよ?」
「いえ、その事ではありません。もう過ぎた事なので」
「じゃあなにさ?次の試合負けたらみほと絶縁するとでも言うのかい?」
「その通りです。次の試合でみほが負けたら勘当を言い渡します」
「ほーん。で?」
「で?って、何か無いのですか」
「そんなこったろうと思ってたからね。こう言う事はしほさんスゲエ単純なんだもの。で?何でそれ俺に言うの?みほには言い渡さんのかい?」
「いえ、余計なストレスになってはいけないかな、と」
「変なところで気を・・・いや、しほさんらしいっちゃらしいのか」
「・・・では私は帰ります」
「えぇ、本当にみほ勘当の事いいに来ただけなんかい」
~少し先、大洗学園艦。生徒会室~
「こんな感じの編成が予想されるんだな?」
みほが出したのは黒森峰の車両で機動力のある編成だった
「ふーん、でも姉御も立場あるからな。確実に倒しにくると思うしもっと装甲と攻撃力ある編成じゃなねえの。それに鼠も出てくる可能あるぞ」
それに勘当の件もある。恐らく姉貴も知っているだろう。だからと言って手を抜いてくる人ではない
「鼠・・・ですか、確かに想定するべきですね。でも私がここに来た時点でアレはまだ稼働状態に無かったですよ?」
「唐沢さん経由の情報だ。鼠は元気かどうか知らんが走り回ってるらしい」
「あのぉ、さっきから衛一殿が言ってる黒森峰の鼠ってまさかとは思いますが」
「そのまさかだよ。うちの現有火力で撃破できるか怪しいわ」
「カバさんやアンコウはともかくフクロウの火力なら撃破可能なのでは?」
「怪しー所だな。撃破出来なくとも砲身に破砕榴弾ぶちこんで射撃不能に持っていくことはできる。ただ砲身をピンポイントで狙える距離となるとなぁ50mで行けるかどうか」
超至近距離からの射撃になるだろう。姉御がそんな近距離まで近付けさせてくれるとは思いにくい、腕の良い直衛くらい付けてるだろう()
「勝負を付けるなら短期決戦での正面からぶつかり合いがいいだろう。こそこそフラッグ車を隠す人でもあるめえ」
そうして対黒森峰の作戦会議は続いていく。練習も対パンター等を意識した物になった。そしてこの会議が終わる頃、衛一の携帯に電話が掛かってきた
「あれ?しほさんから?」
「ビクゥお、お母さんから?」
「ああ、聖グロとの試合終わった頃だろ?次覚悟しとけみたいな内容か?」はいもしもし?』
『私です。そこにみほは居ますか?』
『ん?隣に居るけど?』
随時動揺している声色だ。何かあったのだろう
『一緒に聞いてください』
衛一はスピーカーにし、会議中の全員に聞こえるようにした
『やられました』
「は?いったい何が何に?」
『黒森峰が、聖グロリアーナに負けたんです』
「はぁ!?どういうことだよ!」
「え?嘘でしょ?」
全員が大きく動揺した。衛一もみほもここで聖グロが勝つとは想定していなかったのだ。たしかにダージリンはやり手だが車両の性能差が激しすぎる
『聖グロリアーナを裏から強化していた奴が居ます』
「裏から強化?・・・・・・・・・・・・まさか」
『そのまさかでしょう』
「なにやってんだ!あの馬鹿親ァ!」
普段の衛一は絶対に吐かないであろう千代への暴言、顔には青筋も浮かんでいる
『あら衛一、馬鹿親とは酷いじゃない』
『千代。携帯を取らないで下さい!』
「丁度良い、どういう事だお母様よお?」
めっちゃ顔がピクピクしている
『あら?私なりに面白いと思った事をやっただけよぉ』
「そうかい、こっちは頭が痛てえよぉ。しかし何をやった?お母様の力だけであそこの凝り固まった頭はカチ割れねえと思うが?」
「西住殿?まずいです。黒森峰を倒せたと言うなら作戦面だけじゃなく、車両も変えているかと」
「うん。何を持っているか情報集めないと」
『あら、それなら今までの努力賞ついでに教えてあげるわよ。一方的な勝負もつまらないもの』
「桃ちゃん、メモの準備を」
「分かった。あと桃ちゃん言うな!」
そして、車両のメモを取る
『じゃあ私は帰るわぁ、じゃあね~』
『・・・私にも出来ることがあったら教えてください。では』
そう言って電話を切った
「はぁ~、まじか~」
今まで考えてきた作戦が全ておじゃん。しかも聖グロの車両が一新されていた
ブラックプリンス歩兵戦車
バレンタイン歩兵戦車
クロムウェル巡航戦車
と言う構成らしい。強い(確信)前までは火力貧弱(個人的見解)だったけどマジすか
母さん容赦ねえなぁまじで・・・しかし母さんの力だけで主力を一新出来る程予算があったのか?
裏がありそうだ。情けない後輩で申し訳無いけどまた唐沢さん頼ろう
「・・・これ黒森峰相手に立てた作戦、細かいところ直したらそのまま使えるかも?」
「どうしたんですか?西住殿」
「山の上から撃ち下ろす戦法はちゃんと使えそうです」
こうして時間が過ぎていく。後はやれることをやるだけだ