IS 楽しむことは忘れない 転生者の物語   作:滝温泉

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ひさしぶりの更新です。
皆様、またせてしまって申し訳ありません。

※11/11 セシリアの一人称を「私」から「わたくし」に変更しました。

それでは本編スタート!


二十二話 波乱の前兆

「「あ」」

 

ここは第三アリーナ、そして授業も終わり放課後、二人そろって間の抜けた声を出したのは鈴とセシリアだ。

 

「奇遇ね。あたしはこれから月末の学年別トーナメントに向けて特訓するんだけど」

 

「奇遇ですわね。わたくしもまったく同じですわ」

 

二人の間に火花が散る。どうやらどちらも狙っているのは優勝らしい。

……それもそのはず今現在進行形で学園には『月末の学年別トーナメントで優勝した者は織斑一夏、夜霧亜久斗と交際が出来る』という噂が広まっている。

自分の好きな相手(一夏)を手に入れるために優勝を狙う二人はライバルと呼べるだろう。………いつもだけど

 

「ちょうどいい機会だし、このさいどっちが上かはっきりさせとくってのも悪くないわね」

 

「あら、珍しく意見が一致しましたわ。どちらの方がより強く優雅であるか、この場ではっきりさせましょうか」

 

お互いにメインウェポンを呼び出すと、それを構えて対峙した。

 

「ではーーー」

 

ーーーと、いきなり声を遮って超音速の砲弾が飛来する。

 

「「!?」」

 

だが砲弾は手前で爆発し二人にはあたらなかった。鈴とセシリアは砲弾が飛んできた方向を見る。そこには『シュヴァルツェア・レーゲン』を展開したラウラ・ボーデヴィッヒがたたずんでいた。

 

「………どういうつもり?いきなり砲弾ぶっ放すなんていい度胸してるじゃない」

 

「中国の『甲龍』にイギリスの『ブルー・ティアーズ』か。私はあくまであいつと戦うためにここへ来ただけだ。。数くらいしか能のない国と、古いだけが取り柄の国の軟弱者の代表候補生などにようはない」

 

ぶちっ!

 

何かが切れる音がして、鈴とセシリアは装備の最終安全装置を外す。

 

「へぇ、言ってくれるじゃない。だったら、見せてやろうじゃない。……セシリア、どっちが先やるかジャンケンしよ」

 

「ええ、そうですわね。わたくしとしてはどちらでもいいのですが………」

 

「ふん、貴様らのような沸点の低いやつとは戦う必要はないが。……やるというのならかかってこい、下らん種馬を取り合うようなメスに、この私が負けるものか」

 

周りから見れば挑発的な態度だが、堪忍袋の緒が切れた二人にはもはやどうだっていい。

 

「……今なんて言った?あたしの耳には『どうぞ好きなだけ殴ってください』って聞こえたけど?」

 

「場にいない人間の侮辱までするとは、同じ欧州連合の候補生として恥ずかしい限りですわ。その軽口、二度と叩けぬよう、ここで叩き折ってあげましょう」

 

「ご託はいらん、とっととこい」

 

「「上等!」」

 

ドイツVS中国&イギリスの、プライドをかけた戦いが始まった。

 

 

 

 

「いやー、本当に最近はいろいろあったけど、一夏はどんだけ問題を起こせば気がすむんだろうね?」

 

「うぐっ、で、でも俺はそこまで酷くは無いだろ、亜久斗だって夜中に寮を脱け出して千冬姉に怒られてたじゃねぇか」

 

「そういうことじゃないんだよなぁ、大体、一夏は問題の内容が酷すぎる。どうやったら同じ部屋の女子の裸を二回も見るんだよ」

 

うっ、と一夏は言葉を濁らせ、シャルは顔を赤くする。

 

「し、仕方ないだろ!箒はともかくシャルルは男だと思ってたんだぞ、それにあれは事故に近い出来事だろ」

 

「なんでも事故ですまされたら世の中変わっちまうだろ、それに……」

 

何故今こんな話しをしているか説明しよう。

あれは昨日の出来事、俺の隣にいる鈍感の塊、織斑一夏がシャルの裸を「うっかり」見てしまったために女だったとバレてしまったのだ。まぁそんときは少しばかり制裁を加えてやったが。

 

「そ、それより!二人とも、今日も放課後特訓するんだよね?」

 

シャルが話題を切り替えてきた。

 

「ああ、亜久斗は?」

 

「俺は今日はやらないぞ、ボーデヴィッヒさんと模擬戦をするからな。確か今日使えたのは……」

 

「第三アリーナだ」

 

「「「わあっ!?」」」

 

突然の声に驚き、後ろを向くとそこには箒がいた。

 

「………そんなに驚くほどのことか、失礼だぞ」

 

「お、おう。すまん」

 

「ごめんなさい。いきなりのことでびっくりしちゃって」

 

「あ、いや、別に責めているわけではないが……」

 

「な、なあ箒。いつから後ろにいたんだ?」

 

「『そ、それよりも~』の辺りからいたぞ、それがどうした?」

 

「いや、なんでもない」

 

もし、最初から聞かれていたら終わっていた。今シャルが女だとわかったらまずいからな。

 

「 ともかく、だ。第三アリーナへと向かうぞ。今日は使用人数が少ないと聞いている。空間が空いていれば模擬戦も出来るだろう」

 

「あ、箒、今日はボーデヴィッヒさんと模擬戦をしたいんだけどいいかな?」

 

「ああ、構わん」

 

俺たちがアリーナに向かっていると、そこに近づくにつれてなにやら慌ただしい様子が伝わってきた。第三アリーナの方で何かあるみたいだ。

 

「なんだ?」

 

「さあ?とりあえず見に行ってみようぜ」

 

「あ、亜久斗。……いっちゃった」

 

言うや否や亜久斗は走り去ってしまった。

 

「亜久斗は先にアリーナに行っちゃったけど、とりあえず僕たちも様子を見に行く?」

 

シャルルの意見に賛成して俺たちもアリーナへと入る。

 

「「「!?」」」

 

だがアリーナに居たのは対峙しているラウラと亜久斗、そして体の所々にダメージを負った鈴とセシリアだった。

 

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