IS 楽しむことは忘れない 転生者の物語   作:滝温泉

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翌朝、一人の少女は一つの携帯を拾う。

「なんだこれは、IS…なのか……?」

少女が携帯を手に取ると足元にベルトが転送され、携帯と共に、消えた。

「なんだったんだ……?」

だが消えた携帯とベルトは転送されていた。







少女の持つ、ISへと


三十二話 学年別トーナメント/前編

 

 

時は進み、学年別トーナメント当日、一夏とシャルルはアリーナの更衣室にいた。更衣室のモニターからは観客席の様子が見える。そこには各国政府関係者、研究所員、企業エージェント、その他諸々の顔ぶれが一堂に会していた。二人は戦いの作戦、役割の確認を整え、モニターがトーナメント表に切り替わるのを待っていた。

 

「相手は誰だろうね」

 

「まあ、あいつらと当たるまでは絶対に負けないけどな」

 

「ふふっ、一夏、気合い入ってるね」

 

「まあな、あそこまで言われちゃ、頑張らないとな」

 

「鈴とセシリアの分も頑張らないとね」

 

「ああ……お、対戦相手が決まったみたいだ」

 

二人が見たモニターにはこう写っていた。

 

一回戦 織斑一夏、シャルル・デュノアペア

        対    

ラウラ・ボーデヴィッヒ、夜霧亜久斗ペア

 

 

 

 

 

 

場所は変わり、一夏たちが使っているのとは反対側の更衣室。そこにはモニターを見ているラウラ・ボーデヴィッヒ、と夜霧亜久斗の姿があった。

 

「いやぁまさか初戦で一夏たちと戦うなんてね、これなんか仕組んでない?男操縦者同士を戦わせるとか」

 

「そんなことはどうでもいい」

 

ま、確かにね。と亜久斗は置いてある飲料水を口にしながら呟く。

 

「いいか、私はあいつと戦う。お前は___」

 

「援護をすればいい…だろ?」

 

亜久斗がラウラの言葉を遮る。ラウラはそれに不満げな顔になる。

 

「…違う、お前は邪魔をしなければそれでいいと言っているだろう」

 

「ラウラが一人で一夏と戦うと思っていてもあっちは違うんだよ。これはタッグマッチ、二対二で戦う模擬戦のようなもの、だからこちらも二人で戦わなきゃ、負ける」

 

「……ならば、お前は私の援護をしていろ。あいつとは、絶対に私がやる」

 

正当な亜久斗の言葉に折れたラウラ、だがその瞳の奥の信念は変わっていない。

 

 

一夏(あいつ)は必す私が倒す

 

 

「あ、そうそう」

 

アリーナへ向かおうとすると、亜久斗が立ち止まりラウラに声をかける。

 

「なんだ?」

 

「ラウラはさ、織斑先生をどう思ってる?」

 

何を今更。だがラウラも移動を止め、言い返す。

 

「あの人は私の目標である人物だ」

 

「……それはどういう目標だ?」

 

「私は教官のように強くなる。それだけだ」

 

「…先に言っておこう」

 

「お前が織斑先生になろうとしている限り、お前は、一夏には勝てない」

 

それだけ言うと亜久斗は背を向けアリーナへ向かった。

 

「…どういうことだ……私が教官になろうとする限り…?」

 

考えたが答えは出ず。ラウラもアリーナへ向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「一回戦目で当たるとは。待つ手間が省けたと言うものだ」

 

「そりゃあなによりだ。こっちも同じ気持ちだぜ」

 

アリーナで四人が対峙していた。一夏とシャルル、ラウラと亜久斗だ。

 

「ま、いい勝負にしようぜ」

 

「そうだね」

 

「それと織斑、お前には絶対に負けん」

 

「こっちのセリフだな、それは」

 

ビーッ!

 

「「叩きのめす」」

 

試合開始のブザーと共に一夏とラウラは瞬時加速でお互いに突っ込み、亜久斗とシャルルは僅かに後ろに下がる。

 

「来い、カブト、変身!」

 

カブドゼクターとドライバーを転送させ、カブトゼクターを素早く腰に装着、そして2段変身スイッチを操作しライダーフォームへと変身する。

 

Henshin

Cast Off

Change Beetle

 

「さて、援護ってのはなにも、射撃だけじゃないって教えてあげよう」

 

亜久斗はそう言うとクナイガン・ガンモードを一夏たちの方へ向ける。

 

「(狙うのは本体じゃなく、雪片の方__!)」

 

「なっ!」

 

一夏は雪片を銃で弾かれたことで無防備の体制のままラウラのAIC(アクティブ・イナーシャル・キャンセラー)に動きを止められてしまう。更にそこへラウラのレールカノンが向けられる。

 

「させないよ」

 

だがそこへシャルルが一夏の頭上を飛び越えて現れ、同時に六十一口径アサルトカノン<ガルム>による爆破弾の射撃を浴びせる。

 

「ちっ……!」

 

射撃をずらされ、砲弾が空を切る。さらにたたみかけてくるシャルルの攻撃に、ラウラは急後退をして間合いを取る。

 

「逃がさない!」

 

シャルルは即座に銃身を正面に突き出した突撃体制へと移り、ラピッド・スイッチで左手にアサルトライフルを呼び出す。だが

 

「右サイドが空いてるぞ」

 

光の糸が虚空で集まり、アサルトライフルを形成するまでの僅かの隙を亜久斗は見逃さなかった。亜久斗はベルトのスイッチを操作する。

 

Clock Up

 

瞬間、世界の時は限りなく減速する。止まったに等しいこの状況では僅かな隙が命取りとなる。

 

「ふっ!」

 

クナイガンでシャルルに近づき連射を浴びせる同時に<ガルム>を蹴りで弾き飛ばす。

 

Clock Over

 

時は正常に動き出す。

 

「えっ!?」

 

シャルルは驚愕する。自分のアサルトカノンが弾き飛ばされ、一瞬でシールドエネルギーも削られていたからだ。

 

一夏とラウラも突然のことに少しその場から下がった。

 

「ふん、余計なことを」

 

「いつまでも強がってないで、認めたらどうだよ、助かっただろ、実際」

 

『シャルル、無事か?』

 

『うん、エネルギーもまだ大分残ってるしね、すぐにサポートに入るから』

 

『いや、いい。このまま例の作戦で行こう』

 

『…。わかった』

 

一夏たちはプライベート・チャンネルで短いやりとりを交わした後、シャルルはラウラの射程圏内から離脱し、亜久斗へと間合いを詰める。標的をラウラから亜久斗へと変更したようだ。

 

「(…いや、俺を抑えておいて援護をさせない気か?)」

 

「(亜久斗の機体にはまだ、何があるかわからない、それにさっきの攻撃のことも含めたら、今亜久斗を戦闘に参加させる訳にはいかない!)行くよっ!」

 

「よっしゃ、かかってこいよ!」

 

シャルルが瞬時に呼び出した近接ブレード<ブレッド・スライサー>を亜久斗はクナイガンをアックスモードにすることで受け止めた。

 

「さすがだね、でもこれならどう___!」

 

シャルルは少し下がり、左手の<レイン・オブ・サタディ>で連射する。

 

「効かないな!」

 

Put On

 

亜久斗は銃弾が届く前にさっきとは逆に2段変身スイッチを操作し、防御特化のマスクドフォームに変身する。

その装甲にはダメージがみられない。

 

「今度はこっちから行くぞ!」

 

「くっ!」

 

攻撃を受けきった亜久斗はシャルルに近づき、連続で切りつける。シャルルは左手の<レイン・オブ・サタディ>を検討違いの場所に連射すると離し、<ブレッド・スレイサー>でクナイガンを防ごうとする。

 

「何をしてんだ?ま、これで終わらせるぞ」

 

亜久斗は疑問を抱きながらベルトのスイッチを操作する。

 

1

2

3

 

Rider Kick

 

「おらよっ!」

 

足エネルギーをためで放つ強力な一撃、ライダーキックをシャルルに放つ。

 

「きゃあっ!」

 

それを受けきれなかったシャルルのシールドエネルギーは大幅に削られてしまう。

 

「これでとど「ああああああああっ!!」!?」

 

再び蹴りを放とうとした瞬間、突如アリーナにラウラの絶叫が響く。そしてそこにいたのは

 

 

 

 

どろどろ深く濁った黒がラウラの全身を包み込んでいく姿。そしてそれは全身装甲となり、ラウラを完全に飲み込んだ。

 




次回に続きます。一話では埋めるのが難しいので前半後半に分けます。
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