亜久斗がシャルルと交戦をしている同時刻、一夏とラウラは空中で同じく交戦していた。
「先に片方を潰す戦法か。無意味だな、その戦法は相手より自分が強い場合のみ有効だ、あいつでは荷が重いだろう」
「確かにシャルルよりも亜久斗の方が強いと思う、だからシャルルには亜久斗を倒すんじゃなく、手を出させないようにしてもらってる、言わば時間稼ぎだ」
「ほう…貴様が殺られる時間か?」
「まさか…俺がお前を倒す時間のだ……よっ!」
一夏は瞬時加速でラウラに体当たりをして接近、そのまま雪片弍型で接近戦を繰り広げる。
「うおおおおおっ!」
「貴様の武器はそのブレードのみ、近接戦でなければダメージを与えられない、対策などいくらでもできる」
ラウラはプラズマ手刀を解除し両手を交差して突き出し、その手のひらを一夏に向ける。
「(くっ、AICか!」
刹那、ビシッ!と凍り付いたかのように一夏の体が止まる。
「では___消えろ」
六つのワイヤーブレードが一斉に噴出され、一夏へと噴出される。だが___
「なっ!?」
それは一夏には届かなかった。否、届く前に弾かれたのだ、シャルルが連射した弾丸によって。下を確認すると追い詰められながら交戦していたシャルルの姿があった。
「(あいつ、俺よりもきつい状況でカバーするなんて……いや、情につかるのは後だ。今は決定的なチャンス!)うおおおおっ!」
一夏はワイヤーブレードを弾かれ、武器のないラウラに切りかかり、それは確実にラウラの機体を捕らえた。
「(こんな……こんなところで負けるのか、私は…)」
「(亜久斗(あいつ)の言う通りに…負ける)」
ラウラの頭には試合前、亜久斗に言われた言葉が霞んでいた。
『お前が織斑先生になろうとしている限り、一夏には勝てない』
だが、その言葉がラウラを奮い立たせた。
「(だからどうしたと言うのだ…!私は…教官の汚点となったあいつに…勝たなければいけないんだ!)」
『___願うか?……?汝、自らの変革を望むか……?より強い力を欲するか……?』
「(言うまでもない。私に、私にあの男を倒す力をよこせ!)」
「ああああああっ!!」
突如、ラウラが身を裂かんばかりの絶叫を発する。そしてラウラが、ISそのものが変型していた。装甲をかたどっていた線は全てぐにゃりと溶け、どろどろのものになって、ラウラの全身を包み込み、最後には黒い全身装甲のISに似た『何か』に形状を変えた。
だが一夏が目を向けていたのはその手に持たされている武器である。
「<雪片(ゆきひら)>……!」
それは一夏の姉である織斑千冬がかつて振るった刀、雪片に酷使していた。そして、それを見た一夏は無意識のうちに<雪片弍型>を握りしめ、ISに向けて突進していた。
「お前が、お前が千冬姉の力を使うんじゃねえええええ!」
「落ち着け!」
だがいつの間にか亜久斗に拘束されており、ISに近づくことは出来なかった。
「放せ、亜久斗!あれは、千冬姉のデータだ。それは千冬姉のものだ。千冬姉だけのものなんだよ。俺はあいつらをぶっ叩いてやんねえと気がすまねえ!邪魔をするんならお前から___!」
「いいから落ち着け!」
「つぅ~~!」
ガンッ!、と亜久斗が暴れる一夏を一喝する。いや、ヘッドバットを喰らわせた。
「うわぁ……」
それを見たシャルルはその威力に軽く引いている。操縦者が痛がるヘッドバットなんてどれほどの威力なんだろうか。
「お前のその気持ちには俺も一理ある。だけどな、むやみに突っ込んでそれで勝てるのか、未知の相手に」
「違うぜ亜久斗、勝てるのか勝てないのかじゃない、こういうのはやるかやらないかなんだよ。俺はやりたいからやるんだ、ここで引いてしまったら俺はもう織斑一夏じゃなくなっちまう!」
「あ、あの、二人とも…」
二人の言い合いにシャルルが声をかける。その声は少し震えている。
「あれって…何?ラウラが変型して、しかも携帯とベルトを持っているように見えるんだけど」
「何っ!?」
その声に大きな反応をしたのは亜久斗だった。黒いISはいつの間にか携帯とベルトを取りだし、ベルトを装着していた。
「(あれは…ファイズフォン!?なんでラウラが持ってんだ!?)」
そしてISはファイズフォンを操作する。
「____やめろ!「それ」は、お前には使えない!」
亜久斗の叫びも空しく、ISの指は動く、そして、ベルトにファイズフォンが装着される。
5
5
5
ENTER
Standing by
Error
が、Errorの電子音と共にISは、上空へはじき飛ばされた。
「「!?」」
「くそっ!」
だが、ISは何もなかったかのようにこちらに向き直る。そして
『……た…助け…て………』
この言葉が3人に聞こえた時、3人は行動にでた。
「聞こえた?今、助けてって…」
「ああ、とっととあいつをぶっ倒して、助けてやらないとな」
「だったら、感情的にならずに、冷静に行こうか」
『非常事態発令!トーナメントの全試合は中止!状況をレベルDと認定、鎮圧のため教師部隊を送りこむ!来賓、生徒はすぐに避難すること!繰り返す!…』
緊急放送が入るが、もう関係ない。
「先生たちが来るまで時間がある、そんなの待ってられないよね」
「一刻も早く助け出さないとな、助けてって言われたんなら」
「だったら、作戦を決めようか。俺があいつの動きを止めて、一夏が零落白夜を叩き込む、シャルは一夏の援護、オーケー?」
「「もちろん!」」
「じゃあ、行くぜ!」
シャルルが移動しながら、ライフルを構え、一夏と俺がラウラに突撃する。
「一夏、お前は零落白夜を発動させて突っ込め!」
「はあ!?お前はどうするんたよ!?」
「あいつの動きを止めるに決まってんだろ!」
Clock Up
クロックアップを発動し、一夏よりも早く、ラウラに接近し、仕掛ける。
「まずは邪魔なその刀から!」
蹴りで<雪片>を弾く、どんなに性能のいいISでもクロックアップを越えることは、出来ない。
「はああああっ!」
がら空きとなったボデイに拳を一発叩き込み、くの字に曲がった体の腕、足を体を使って拘束する。
「(これが俺からの一発だ。後もう一発、喰らっときな)」
Clock Over
クロックアップが解除されたとき、一夏の目に写ったのは亜久斗に体を拘束された黒いISの姿。
「やってくれるぜ。…とっとと目を覚ませ、ラウラあぁぁあああ!」
零落白夜を黒いISに叩き込むと、紫電が走り、その姿は真っ二つに割れ。そこからラウラが現れ、ラウラは気を失っていて地面へと落ちていく。
「(ま、まずい!)」
自分のISも零落白夜を使ったことによりエネルギーが限りなくゼロに近い、亜久斗もダメージこそ大きくないがその威力で後ろに少し飛んでいる。このままではラウラは落ちてしまうだろう。だが
「ふう、お疲れ様、二人とも」
地面まで残り数メートルと言うところでシャルルがラウラをキャッチした。腕の中で気絶している。ラウラも無事なようだ。一夏は2人のところへ近づく。
「…終わったな」
戻って来た亜久斗が呟く。
「ああ、千冬姉のものも守れたし、一発いれることもできた。……帰るか」
「「うん(ああ)」」
こうして、波乱の学年別トーナメントは幕を閉じた。……後に控える波乱を残しながら。
はい、終了しました。学年別トーナメント。次回はその後を書きたいと思います、それではまた、次回。
PS
先日、仮面ライダーVSスーパー戦隊を見ました。サブライダーまでは居ませんでしたがメインライダーの活躍だけでも満足しました。このさい映画限定のライダーカードも使っちゃおうかな?
byいずみ