それでは本編スタート!
「あ、織斑君と夜霧君だ!」
「う、うそっ!わ、私の水着変じゃないよね!?大丈夫だよね!?」
「わ、わ~。体かっこい~。鍛えてるね~」
「織斑くーん、夜霧君も、後でビーチバレーしようよ~」
「おー、時間があればいいぜ」
「俺も後でなら構わないよ~」
さて、地面から生えたウサ耳(束さん)の乱を終えたあと、更衣室から出てきた女子数人と出会う。にしてもあれだな、全員が水着だから目のやり場に困る。ウラタロスが見たら十人くらいナンパをするだろう、改めて神の偉大さがわかった気もする。ありがとう、十八時間。
「あちちちっ」
隣を見ると、一夏が砂浜を裸足で踏みつけて熱がっていた。今は七月、太陽の光が砂浜を照らしつけていて熱いのは当たり前だと思う。ちなみに俺はサンダルを入っているから熱くもなんともない。あと、ベルトはつけたまま、防水加工?しているに決まっているだろう?
「亜久斗、準備運動するか?」
「当然、足をつって溺れたら格好つかないもんね」
「い、ち、か~~~っ!」
「のわっ!?」
二人で準備運動をしていると突然に鈴が一夏に飛び乗ってきた。来ている水着はスポーティーなタンキニタイプ。色はオレンジと白のストライプ。小柄な鈴にとてもマッチしていると思う。
「あんた、今失礼なこと考えてなかった?」
「いや別に?よく似合ってるなと思っただけ、ねぇ一夏?」
「おう、すっげえ似合ってるぞ、鈴」
「あ、当たり前じゃない!ほらほら、体操終わったんなら早く泳ぐわよ」
一夏の褒め言葉に照れている鈴。顔が赤くなっているが一夏は気づいていないだろう。哀れ、鈴。
「こらこら、お前も準備運動しろって。溺れてもしらねえぞ」
「あたしが溺れたことなんかないわよ。前世は人魚ね、たぶん」
恐らく前世は猫なんじゃない?ていうか準備運動はしなよ、中学で調子に乗って体操せずに深水して足がつってウニが刺さったやつがいたのを見たことがあるよ?マジで。
「おー高い高い。遠くまでよく見えていいわ。ちょっとした監視塔になれるわね、一夏」
「監視員じゃなくて監視塔かよ!」
「いいじゃん。人の役に立つじゃん」
「誰が乗るんだよ……」
「んー……あたし?」
「ナイスピース」
パシャリ
鈴が一夏に笑顔を向けたのでカメラで一枚、撮らせてもらった。ナイス、ツーショット。
「おいおい、何で写真撮ってるんだよ」
「まあまあ、いいじゃんいいじゃん。思い出のメモリとして脳内に刻んでおくだけじや勿体ないし」
「う~ん、それもそうか、でも撮るときは許可をとってからにしろよ」
「オーケーオーケー」
「亜久斗、後で写真ちょうだい」
「あっ、あっ、ああっ!?な、何をしてますの!?」
そう言ってやって来たのはセシリアだった。水着は鮮やかなブルーのビキニ。腰に巻かれたパレオは優雅さを引き立てていてモデルの様、この人には青が似合う。更に手にはビーチパラソルとシートとサンオイルを持っている。……一夏に塗ってもらう気が満々だね。なぜだろう、この臨海学校はみんなが積極的に見える。
「何って、肩車。あるいは移動監視塔ごっこ」
「ごっこかよ」
「そりゃそうでしょ。あたし、ライフセーバーの資格とか持ってないし」
「あ、俺心肺蘇生ならできるよ」
「わ、わたくしを無視しないでいただけます!?」
あ、セシリアを無視して喋ってしまった。これじゃあ無視された方は楽しくないわな。
「とにかく!鈴さんはそこから降りてください!」
「ヤダ」
「な、なにを子供みたいなことを言って……!」
ざくっ!とセシリアがパラソルを砂浜に刺した。うん、紛れもなくご立腹だね、こりゃ。
「なになに?なんか揉め事?」
「って、あー!鈴さんが織斑君に肩車してもらってる!」
「ええっ!いいなぁっ!いいなぁ~!」
「きっと交代制よ!」
「そして早い者勝ちよ!」
「だ、だったらあたしは夜霧君に!」
ああ、この騒ぎで女子たちがこっちに集まってきた。おまけに鈴が一夏に乗っているせいで肩車をしてもらおうと、俺も含めて。
「鈴、このままだと色々と誤解が広まるからさ、降りた方がいいよ絶対」
「ん。まあ、仕方ないわね。よっと」
すごいね、ひらりと手のひらで着地してそのまま前方返りで起立。鈴さん、君の前世は間違いなく猫だと思う。
「ところでセシリア、そのビーチパラソルとサンオイルは……」
「ああっ!そうでしたわ!一夏さん、さっそくサンオイルを塗ってください!」
「「「え!?」」」
ああ、これじゃあ二次災害が発生しちゃうよ全く。何故そこで大きな声を出すんだ。
「私サンオイル取ってくる!」
「私はシートを!」
「私はパラソルを!」
「じゃあ私はサンオイル落としてくる!」
最後のはいらないと思う。てかみんな速いな!?なにその行動力、ある意味で尊敬するわ。
「コホン。それでは、お願いしますわね」
そう言って、しゅるりとパレオを脱ぐセシリア。何故かその仕草は色っぽくて、とても気恥ずかしい。
「い、一夏。男の俺がここにいるのも不味いと思うし……じゃあな、また後で!」
「おおい!?」
俺はスタスタとその場を去る。いくらなんでも女子の半裸を見る分けにはいかない。あとは一夏に任せた。俺は少し離れた砂浜に行く。
「さて、と。……泳ぐか」
サンダルを脱ぎ、俺は海にカメラを持って潜る。辺りは一面、美しい蒼い世界が広がっていて地上から射す光がとても綺麗だ。
「(ナイスショット)」
パシャリ
本日二枚目、いい写真が撮れました。ん?あれは…鈴か?なんか溺れて…あ、一夏が助けた。ていうかサンオイルは終わったのか、なにごとも無かったと思いたい。取り合えず気になるのでついていく。
「おーい鈴、大丈夫か?やっぱ足がつって溺れた?」
「足はつってないわよ!お、溺れたのは一夏が……」
「ん?俺がどうした?」
「なんでもないわよ!」
「取り合えず、もう砂浜に着いたし降ろしてあげたら?鈴なんか恥ずかしくって顔真っ赤だし」
「よけいなこと言うんじゃないわよ!……ちょ、ちょっと向こうで休んでくるから……」
一夏が降ろすと鈴はさっさと別館の方へ向かって歩き出す。
「あ、亜久斗に一夏。ここにいたんだ」
「あ、シャル……と、誰?」
俺が振り向くとそこにはシャルとバスタオル数枚を全身に巻いて覆い隠している何かがいた。でもこの大きさからすると……
「もしかして……ラウラか?」
「うん、更衣室から出てからこの調子で…。ほーら、せっかく水着に着替えたんだから、亜久斗たちに見てもらわないと」
「ま、待て。私にも心の準備というものがあってだな……」
「もー。さっきからそればっかりじゃない。一応僕も手伝ったんだし、見る権利はあると思うんだけどなぁ」
にしてもこの二人、学年別トーナメントの一件から凄く仲が良くなっている。同じ部屋同士、何か通じ会うものでも会ったのだろう。
「ねえ、亜久斗もラウラの水着姿見たいでしょ?」
シャルはそう言うと俺にウインクをして来た。ああ、なるほど
「ああ、俺もラウラの水着姿、見てみたいな、でもバスタオルが取れないんじゃあ無理か、なら、シャルと一夏と俺だけで遊びに行こうかなぁ」
「~~~!ええい、脱げばいいのだろう、脱げば!」
バスタオルをかなぐり捨て、水着姿のラウラが現れる。黒の水着、レースをふんだんにあしらったもので露出度が高く、一見大人の下着のようにも見える。おまけにいつもの伸ばした髪ではなく、左右で一対のアップテールとなっていて、恥ずかしいのかもじもじと落ち着かなさそうにしている。何この可愛い生き物。
「わ、笑いたければ笑うがいい……!」
「おかしなところなんてないよね、二人とも?」
「お、おう。ちょっと驚いたけど、似合うと思うぞ。なあ亜久斗」
「ああ、すっごい可愛い。よく似合ってる」
「なっ……!」
あ、ラウラの顔が赤くなった。
「しゃ、社交辞令などいらん……」
「いや、本当に可愛いって、ねえ?」
「うん。僕も可愛いって褒めてるのに全然信じてくれないんだよ。あ、ちなみにラウラの髪は僕がセットしたの。せっかくだからおしゃれしなきゃってね」
「へえ、そうなんだ。にしてもシャル水着、よく似合ってるね」
「う、うん、ありがと。亜久斗も似合ってるよ」
それにしても二人ともよく水着が似合っている。可愛い金髪と銀髪の美女の水着姿。全日本男子が見たがる姿かもしれない。
「二人とも、一枚写真とっていい?」
「えっ、い、いいけど…あとでみんなでもとろうよ」
「オッケー。じゃあ二人とも、並んで」
ここで写真を撮らなきゃいけない気がするので撮らせてもらう。ちゃんと許可もとった、問題ない。
「はい、チーズ」
パシャリ
「うん、よく撮れた。じゃあ次はみんなで」
近くにあったテーブルにカメラをセットして四人で並ぶ。一夏、俺、ラウラシャルの順番で。
「「「ピース!」」」
「ピ、ピース……」
パシャリ
「ありがと、この写真、焼き増しして渡すからお楽しみに」
「うん、楽しみにしてるよ」
「おっりむらくーん!よーるきーりくーん!」
「さっきの約束!ビーチバレーしようよ!」
「オッケー!」
それからみんなでビーチバレーをやったり写真を撮ったりラウラが赤面して逃げたりして、楽しんだ。こんな楽しい平和が、大好きです。
ちなみに、砂浜で撮った写真の合計枚数、十二枚。二枚が一夏、五枚が景色、残り五枚がシャルやラウラ、みんなと一緒に撮った写真である。
なにげに文字数が多かったです、大変でした。
挿絵って難しいですね。挑戦しても全然上手く描けません。どうやったら顔を上手く描けるんだろう。ε=(・д・`*)
感想、評価等、待ってます。
アンケートを活動報告にて行っているので、コメントが欲しいです。