IS 楽しむことは忘れない 転生者の物語   作:滝温泉

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どうも、こんにちは。アンケートへのコメントが来るたびに喜びと達成感を感じます。滝温泉こと、いずみです。

変身させるオリキャラの名前が厨ニっぽくなってしまい、絶賛苦戦中です。ヘルプミー。

それでは本編スタート


三十九話 女子一同の、気持ち

自由時間が過ぎ、現在PM七時半。大広間三つを繋げた大宴会場で、食事を取っている。

 

ちなみに、全員が浴衣を着ている。『お食事中は浴衣着用』というのがこの旅館の決まりらしい。俺もここではベルトを外して部屋に置いてきた。

 

ずらりと並んだ一学年の生徒は座敷なので当然正座、そして一人一人に膳が置かれている。まあ、このIS学園には日本人のみならず世界各国からの生徒が来ているわけで____

 

「大丈夫か?セシリア。顔色良くないぞ」

 

「だ……ぃ…ょう、ぶ……ですわ…」

 

こういう、正座に慣れていない生徒がいる。隣に座っている一夏に心配されているのはセシリア。普段洋食を取って過ごしている西洋の人にとって和食、ましてや正座はかなりの苦労がいるだろう。

 

そのことを考慮して、正座ができない生徒は隣の部屋にあるテーブル席を利用して食べることができる。だが、セシリアはテーブル席ではなく正座で一夏の隣に座っている。

 

「セシリア、正座が無理ならテーブル席の方に移動したらどうだ?うちのクラスでも何人か行ってるし、別に恥ずかしくないだろ」

 

「へ、平気ですわ……。この席を獲得するのにかかった労力に比べれば、このくらい……」

 

うん、さっさとテーブル席に行ってきた方がいい。というか行け、こっちが気になってしょうがない。

 

俺が座っているのは一夏の隣で俺の隣にはシャルが座っている。そして___

 

「っ~~~~~!!」

 

こっちはこっちで何をしているんだ。ワサビを生でそれも一口サイズのを口に入れて鼻を押さえて涙目になっているシャル。ワサビの食べ方が違う。

 

「ふ、風味があって、いいね……。お、おいしい……よ?」

 

「うん、でもね、ワサビは本来浸けて食べる物なんだ。ほら、お茶飲んで口を濯いで」

 

「う、うん…ありがとぉ……」

 

俺からお茶を受け取って飲む。楽な顔になって来たのでもう大丈夫だろう。

 

「ほら、ワサビはこうやって刺身につけて…。はい、うまいぞ」

 

「へ?」

 

「ほら、あーん」

 

「!?あ、あーん////」

 

俺がワサビを浸けた刺身をシャルに食べさせようとするとシャルは顔を赤くしながら食べてくれた。

 

「な?おいしいだろ?」

 

「う、うん…とっても…/////」

 

「あああーっ!シャルロットずるい!夜霧君に食べさせてもらってる!」

 

「セシリアも織斑君に食べさせてもらってる!卑怯者!」

 

「ず、ずるくありませんわ。席が隣の特権です」

 

「織斑君!私も私も!」

 

「じゃあ私は夜霧君に!」

 

俺がシャルに食べさせたのが不満だったのか、みんなもしてほしいと口を開く。っていうか一夏もセシリアにしてたのか。鈴はテーブル席に行ってるからいいとして箒は……怒ってるね、うん。一夏を睨みつけているね、嫉妬ですよねわかります。

 

「じゃあ、あー「あ、亜久斗っ!」」

 

騒ぎを止めるために食べさせてあげようとするとシャルに怒られてしまった。だがなシャル、早くこの騒ぎを止めないと___

 

「お前たちは静かに食事をすることができんのか」

 

こうなる。織斑先生が騒ぎを止めに来る。

 

「お、織斑先生……」

 

個人的には貞子かターミネーターを流したい。デデンデンデデン!ってね。

 

「どうにも、体力があり余っているようだな。よかろう。それでは今から砂浜をランニングしてこい。距離は……そうだな。五十キロもあれば十分だろう」

 

「いえいえいえ!とんでもないです!大人しく食事をします!」

 

各人そう言って自分の席に戻って行く。にしても五十キロか……この人なら出来そうだね。さすがは人外。

 

ズビシッ!

 

「夜霧、織斑、あまり騒動を起こすな。静めるのが面倒だ。それと今やられた理由はわかっているだろう?」

 

「は、はい……」

 

「わ、わかりました」

 

「だ、大丈夫?音が響いてたけど……」

 

「だ、大丈夫。それよりも食事を先に取ろう」

 

「う、うん……」

 

おーいて、相変わらず威力が半端ないね。にしても織斑先生は読心術の心得でもあるのか。

 

 

 

 

 

 

時は過ぎ、一夏と俺は食後に温泉、露天風呂に二人きりで使っていた。いや、風呂に入っているから浸かっている、が正しいのだろうか?…どうでもいいや。

 

 

※ここから少しの間、音声のみでお送りいたします。

 

「はぁ~。やっぱ風呂はいいなぁ~」

 

「どうした急に。おっさんみたいだぞ一夏」

 

「うるせ、いやぁIS学園でも最近までシャワーしか使えなかったからな。風呂の良さが染みるぜ」

 

「ああぁ確かに、気持ちはよく分かる。特に何も気にせずに風呂に入って休むなんてこと、中々出来ないもんな」

 

「おまけに海を一望できる露天風呂、最高だよな」

 

「あ~、いい湯だねぇ~」

 

「「最高」」

 

 

「さて、風呂にも入ったし、部屋へ戻るか」

 

「あ、こっち向いてー」

 

「ん?」

 

パシャリ

 

「ナイスショット」

 

「またかよ…。今日来て何回目だよ」

 

「特別行事の間はカメラで写真を撮るのが俺のポリシー」

 

「知らねえよ。俺は先に部屋に戻るぞ」

 

「ああ、俺はちょっと夜の浜辺を撮ってから戻る」

 

「はいはい、後で見せてくれよ」

 

「オッケー」

 

 

「いやぁ~絶景だった。やっぱ、楽しいって最高だよねぇ………ん?」

 

俺が浜辺で何枚か写真を撮って部屋に戻ると、ドアに少数の人だかりが、箒と鈴、シャルにラウラだった。

 

「……何してんの?顔真っ赤にしながら……」

 

「あっ!亜久斗……!」

 

「ほら、中に入りたいんだったら早く入ればいいじゃん」

 

俺がドアを開けるとそこには織斑先生と一夏とセシリア。一夏の手の位置やセシリアの体制から見て……マッサージでもしていたのだろうか?

 

「一夏、マッサージはもういいだろう。ほれ、全員好きなところに座れ」

 

あ、やっぱりマッサージだった。ちょいちょいと手招きをされて言われた通りに五人で座った。

 

「ふー。さすがにふたり連続ですると汗かくな」

 

「手を抜かないからだ。すこしは要領よくやればいい」

 

「いや、そりゃせっかく時間を割いてくれてる相手に失礼だって」

 

「愚直だな」

 

「織斑先生ったら。たまには正直に褒めてやっても___はい、すいません。調子こいてました、だからその振り上げた手を降ろしてください」

 

「は、はは……はぁ」

 

「ま、まあ、あたしはわかってたけどね」

 

「「…………」」

 

「おーい、お前らは一体何を想像したんだ、戻ってこーい」

 

シャルとラウラは真っ赤になってうつむいて、反応がない。おーい。

 

「まあ、お前はもう一度風呂にでも行ってこい、夜霧はベルトを取ってこい」

 

「ん、そうする。……くつろいでいってくれ。って難しいかもしれないけど」

 

「はいはいっと。全く……あ、風呂場に忘れた、取ってきまーす」

 

「早くしろよ三分以内だ」

 

「カップラーメンができるよりも早く!?行ってきまーす!」

 

亜久斗と一夏が部屋を出ていくと、どうしたらいいのかわからない女子が五人、言われたまま座ったところで止まっている。

 

「おいおい、葬式か通夜か?いつものバカ騒ぎはどうした」

 

「い、いえ、その……」

 

「お、織斑先生とこうして話すのは、ええと……」

 

「は、はじめてですし……」

 

「まったく、しょうがないな。私が飲み物を奢ってやろう。篠ノ之、何がいい?」

 

いきなり名前を呼ばれて、箒はびくっと肩をすくませ、言葉が出てこずに、困ってしまった。

 

そうこうしていると千冬は旅館の備え付けの冷蔵庫を開け、中から清涼飲料水を五人文取り出していく。

 

「ほれ。ラムネとオレンジとスポーツドリンクにコーヒー、紅茶だ。それぞれ他のがいいやつは各人で交換しろ」

 

そうは言われたものの、受け取った全員が渡されたもので満足だったために交換は行われなかった。

 

「い、いただきます」

 

全員が同じ言葉を口にして、次に飲み物を口にする。そして女子の喉がごくりと動いたのを見て、千冬はニヤリと笑った。

 

「飲んだな?」

 

「は、はい?」

 

「そ、そりゃ、飲みましたけど……」

 

「な、何か入っていましたの!?」

 

「失礼なことを言うなバカめ。なに、ちょっとした口封じだ」

 

そこでドアが勢いよく開かれ、亜久斗がウィザードドライバーを持って入ってきた。かかった時間は二分二十三秒、お疲れ様です。

 

「お、織斑先生……取ってきました、よ…」

 

「おう、ご苦労。早速出してくれ」

 

「はいはい、………本当に人使いが荒いんだから……」コネクトプリーズ

 

亜久斗は織斑先生に言われてコネクトリングを使ってキンキンに冷えた缶ビールを数本、つまみも取り出す。

 

「全く、明日は早いんですから程ほどにしておいてくださいよ。はぁ…」

 

「わかったわかった。お前も走って汗をかいただろう。風呂に入ってこい」

 

「誰の性ですか誰の…。行ってきまーす」

 

再び亜久斗はトビラを閉めて出ていく。不憫だ。

 

「…………」

 

全員が唖然としている中、千冬はプシュッ!と景気のいい音を立ててゴクゴクと喉を鳴らしながら飲むと、上機嫌でベットに腰かけた。

 

「ふむ、つまみまでは頼んでないんだが、気がきくじゃないか…」

 

いつもの凛とした姿はどこえやら、全面厳戒態勢の『織斑千冬』と目の前の人物とが一致せず、女子全員がぽかんとしている。特にラウラは、さっきから何度も何度もまばたきをして、目の前の光景が信じられないかのようだった。

 

「おかしな顔をするなよ。私だって人間だ。酒くらいは飲むさ。それとも、私は作業オイルを飲む物体に見えるか?」

 

「い、いえ、そういうわけでは……」

 

「ないですけど……」

 

「でもその、今は……」

 

「仕事中なんじゃ……?」

 

「堅いことを言うな。それに、口止め料はもう払ったぞ」

 

「あっ」

 

「さて、前座はこのくらいでいいだろう。そろそろ肝心の話をするか」

 

そう言いながら二本目のビールをラウラに言って取らせ、また景気のいい音を響かせて千冬が続ける。

 

「お前ら、あいつらのどこがいいんだ?」

 

あいつら、とは言っているがこの学園には男子生徒は二人しかいない。____一夏と、亜久斗だ。

 

「わ、私は別に……以前より腕が落ちているのが腹立たしいだけですので」

 

「あたしは、腐れ縁なだけだし……」

 

「わ、わたくしはクラス代表としてしっかりしてほしいだけです」

 

全員ツンデレなのか、肯定をしない。

 

「ふむ、そうか。ではそう一夏に伝えておこう」

 

「「「言わなくていいです!」」」

 

「はっはっはっ。で?お前たちはどうだ?見たところ、夜霧に気があるのだろう?ん?」

 

この人、酒を飲んでいる性か、態度がいつもと違う、これではうざったいおっさんのようだ。

 

「僕は……優しいところ、です…」

 

「ほう。しかし、あいつは誰にでも優しいぞ」

 

「そ、そうですね……。そこがちょっと、悔しいかなぁ。でも、そういうところが亜久斗の良いところで……」

 

照れ臭そうに、熱くなった頬をぱたぱたと扇ぐシャルロット。その様子がうらやましいのかくやしいのか、前述三名はじーっと黙ってシャルロットを見つめている。

 

「で、お前は?」

 

「わ、私は…強いところで…しょうか…」

 

「ふむ、確かにあいつは強いな。お前が思う以上はな」

 

千冬は三本目のビール手に取る。

 

「まあ、強い弱いは別にしてだ。あいつらは役に立つぞ。織斑は家事も料理も中々だし、マッサージだってうまい。夜霧は現社長だし身体頭脳ともに優秀、玉の輿だな」

 

「というわけで、付き合える女は得だな。どうだ、欲しいか?」

 

「く、くれるんですか!?」

 

「やるかバカ」

 

ええ~……と心の中で突っ込む女子一同。

 

「女ならな、奪うくらいの気持ちで行かなくてどうする。自分を磨けよ、ガキども」

 

三本目のビールを飲み干した千冬は、実に楽しそうな表情でそう言った。

 

 

 

 




ウィザードライバーってなにげに一番実用性が高いですよね…。あったらほしい。

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