IS 楽しむことは忘れない 転生者の物語   作:滝温泉

45 / 86


まさかの一日三回更新!今回で臨海学校は終了!
そして書き終えた私はサーティーワンのアイスクリームをクリスマスケーキの変わりに食べるのさ!……悲しくなってきた……。でも挫けない!この作品を愛してくれる読者がいる限り!

そ、それでは本編スタート!


四十四話 銀の福音・エピローグ。新たなるプロローグ?

 

 

銀の福音との戦闘を終えた俺たちは現在独自行動の罪を犯した罰として大広間で正座をかれこれ三十分も正座させられている。

 

これどう思う?頑張って戦ってきた戦士たちへの歓迎が説教と正座だよ?おかしいよ!そりゃぁ勝手に撃墜に行った俺たちも悪いけどさあ…。セシリアなんか顔真っ青だよ!もうやめてあげてよ!横暴d…あ、はい、すいません。俺たちが悪いんですはい、だからその拳をどうかお納めください。

 

「あ、あの、織斑先生。もうそろそろそのへんで……。け、怪我人もいますし、ね?」

 

「ふん……」

 

おおっ!天使だ天使がここにいるよ!……普通に考えたら織斑先生が厳し過ぎるだけなんじゃないだろうか……?

 

「じゃ、じゃあ、一度休憩してから診断しましょうか。ちゃんと服を脱いで全身見せてくださいね。___あっ!勿論男女別ですよ!わかってますか、ふたりとも!?」

 

「わかってますよ」

 

何を急に言ってるのだろうか。わかっていない奴は一夏を超える唐変木か変態ぐらいだろう。

 

「それじゃ、みなさんまずは水分補給をしてください。夏はそのあたりも意識しないと、急に気分が悪くなったりしますよ」

 

はーいと返事をして俺たちはそれぞれスポーツドリンクのパックを受けとる。ありがたいことで……。さて、

 

ドリンクを飲み終えた俺は、すぐに部屋から立ち去る。

 

「……よくやった……」

 

通り過ぎるときに聞こえた織斑先生の言葉はきっと、空耳ではないだろう。

 

「「「「「とっとと出てけ!」」」」」

 

俺が部屋から出てからすぐ五人の声が聞こえた後、一夏が慌てて部屋から出てきて襖を閉めた。

 

「全く、診断は男女別って言われただろ?何で部屋に残ったんだよ」

 

「うっせ、ていうか声をかけてくれてもよかったんじゃないか?」

 

「それもそうだな」

 

はははと俺たちは笑い合う。そして少しの間その場には静寂が訪れる。

 

「……なあ亜久斗、仲間を、守れたよな。俺は……」

 

「……ああ、守れたさ。だから今この場で笑っていられるんだろう?」

 

「……それもそうだよな」

 

「…………ぷっ」

 

「…………ははっ」

 

「「ははははははは!」」

 

「うるさいぞ、静かにしろ」

 

スパンッ!スパアアン!

 

 

 

 

 

 

あれから夜になり、俺は旅館を抜け出して岩場に座っていた。

 

今日は、疲れた。部屋の中だと何故か落ち着かないので気分転換に海を眺めていた。何も考えずにカメラを海に向けて写真を取る。確認しようとするとカメラを落としてしまい、カメラは岩に当たって転がっていく。

 

「あっ、……たくっ」

 

俺がカメラを拾おうとすると、それよりも先にカメラを拾う手が見えた。

 

「はい、カメラ落としたよ。あっくん」

 

「………束さん」

 

カメラを拾ってくれたのは、束さんだった。思えばあの作戦を思い付いたのは束さんだったんだよな…。いや、こんなことを考えるのは止そう。俺はカメラを受けとると近くにある岩に腰かける。

 

「あっくん、隣座っていい?」

 

「……いいですよ」

 

俺が座った岩に束さんも座ってくる。俺も、束さんも何も話さない、空気が重いけど、何も話さない。それから数分ほど立つと束さんが口を開いた。

 

「ねえ、あっくん、怒ってる?紅椿のこと、勝手にUシステムを使っちゃったこと……」

 

「…………」

 

束さんは下をうつ向いたままぽつぽつと呟く。そんないつもと違う雰囲気を持った束さんに、俺は何も言えないでいた。

 

「そりゃそうだよね、勝手に自分の作った物使われたようなものだもんね……。ねえ、覚えてる?束さんと始めて会ったとき……」

 

「………」

 

「あのときはいろんなところから追われてて、勿論束さんは天才だから捕まることなんてなかったんだけどね。でも、日に日に疲れちゃって、全然休むことも出来なくて……」

 

「そんなときに、声をかけてくれたのがあっくんだったよね。他の奴はみたいに利用したり、捕まえるんじゃなくて純粋に助けてくれたよね」

 

「………」

 

「それが…束さん、とっても嬉しかったんだよ?天才だからじゃなくて、っ一人の人間として普通に接してくれたことが…束さん…本当に嬉しかったんだ……」

 

そうやって話す束さんは、泣いていた。あのいつも笑っている束さんが泣くなんて、思いもしなかった。やっぱり彼女はただの人間だ。この人は普通よりも頭が良かっただけで避けられ、認められもしなかったんだと思う。それがISが世界に広まった途端、今度は利用しようと考える人から狙われ、独りで生きていたんだろう。

 

俺がもし、環境に恵まれていなかったら束さんと同じふうだったんだと思う。生まれたときから頭がよくて運動神経も抜群で、五才のころから機械を造っている子供なんて気味悪く思われても仕方ない。

 

でも、俺の親は違った。メグ姉もそうだったからかもしれないが、俺を優秀な子供だと言って育ててくれた。俺も、それと同じことがしたくて、束さんを助けたんだと思う。

 

「でも、そんなあっくんと同じくらいっ、箒ちゃんが大事だったから、だからっ、だから束さんは_____」

 

俺はそんな束さんを見ていられなくなり抱き締めていた。

 

「_____あっくん……?」

 

「束さん。俺はもう、怒ってませんから、束さんが箒を思ってやったことだって、わかりましたから。だからもう、泣かないでください。俺、束さんが泣いているとこなんて、見たくないですから」

 

「あっくん……」

 

俺がそう言うと、束さんは俺の胸に顔を埋めて、

 

「……ありがとぉ!」

 

思いっきり、抱き締め返してきた。

 

「……へ?束さん?……」

 

「うっ……うっ…グスッ、本当に……ありがとう、あっくん!」

 

束さんは抱き付きながら、俺に笑顔を向けた。

 

純粋な嬉しさを表したような、最高の笑顔を。

 

「どういたしまして……」

 

 

 

それからしばらく、俺と束さんは一緒に海を眺めていた。その時の束さんは本当に幸せそうで、疑っていた自分が恥ずかしくなってしまった。

 

「ねえあっくん」

 

「なんですか?束さん」

 

「この世界は、楽しい?」

 

「はい、楽しいですよ。笑い会える友達がいて、学校が会って、いい環境と才能に恵まれて。作りたいものが作れている。本当に、楽しいですよ」

 

「そっか。束さんもね、あっくんがいて前よりも楽しいよ!」

 

そのときの笑顔は、思わず写真に納めておきたいくらいのかわいい笑顔だった。

 

 

 

 

 

 

翌朝。朝食を終えて、すぐにIS及び専用装備の撤収作業に当たっていた。

 

「いいよなぁ、亜久斗は特に何も送られてきてないから楽だろ?」

 

「なら、変わろうか?訓練機の三分の一は俺が運んでるんだぞ」

 

「やっぱいい」

 

そうこうして十時を過ぎたところで作業は終了。全員がクラス別のバスに乗り込む。昼食は帰り道のサービスエリアで取るらしい。

 

「あ~………」

 

隣では、一夏がボロボロで某ボクサーのように燃え尽きている。昨日、一夏も実は旅館を抜け出していたらしい、それが織斑先生にばれてまた大目玉を喰らい、挙げ句の果てに箒とキスをしようとしたところを鈴とセシリアに一時間ほど追いかけられたらしい、まあ、俺が言うことじゃないか。俺も抜け出して束さんと一緒に海にいたんだからキスはしようとしてないけど。

 

「すまん……だれか、飲み物持ってないか……?」

 

「知りませんわ」

 

「ふ、ふんっ……!」

 

「すまん、私は持っていない」

 

「ごめんね、僕も……」

 

三人に断られた一夏は俺に目を向ける。

 

「亜久斗………」

 

「オロナミンCと天然水と赤蝮どれがいい?」

 

「天然水で…って最後のは何だよ……」

 

「ははは、冗談だ。ほら、水」

 

「サンキュ」

 

俺が一夏にペットボトルを投げると一夏はそれを受けとる。それを見てセシリアと箒はあっとした顔になる。

 

ここで渡してあげれば好感度UPだったかもしれないのに、ツンデレだなぁ。

 

「ねえ、男性操縦者のふたりっているかしら?」

 

「ん?」

 

「あ、はい。俺が織斑一夏ですけど」

 

俺と一夏は一番前の席だったのでバス内に入ってきた人を確認することができた。

 

その女性は俺たち以上、織斑先生くらいの大人で鮮やかな金髪が輝いている。

 

「君たちがそうなんだ。へえ」

 

その人はそう言うと俺たちを好奇心の目で観察してくる。それが堪らなかったのか一夏が口を開く。

 

「あ、あの、あなたは……?」

 

「私はナターシャ・ファイルス。『銀の福音』の操縦者よ」

 

「え____」

 

その女性、ファイルスさんは困惑している一夏の頬に唇を…ってやばい、後ろの席からの威圧感が伝わってくる。絶対箒とセシリアだ。

 

「あら、何で離れるのかしら?」

 

「いえ、俺までキスされると色々と問題が生じるので遠慮しておきます」

 

「あらあら、照れちゃって。意外と好みな顔してるのに」

 

問題が生じるのは本当だ。キスしたことがマスコミとかに広まったらスキャンダル方面でやばい。そしてなにより、一夏の二の舞になるわけには行かない。

 

その時、俺の携帯が鳴った。

 

「あ、すいません。ちょっと電波が悪いのでバスから出ますね」

 

「何いってんだよ。それメールだろ?」

 

うぐっ、こういう時だけするどいんだから。

 

「クスッ、意外とシャイなのね。『RIDE』の社長さんは。じゃあ、またね。バーイ」

 

そう言うとファイルスさんはバスから降りて何処かへ行ってしまった。まったく、人騒がせな人だなぁ。

 

「一夏……」

 

「一夏さんは本当に先々で幸せいっぱいのようですわね」

 

後ろで騒いでる一夏たちを尻目に、メールの内容を確認するためバスから離れる。

 

そのメールは、新たな戦いを知らせるかのようだった。

 

 




あれ?何故か束さんがヒロイン見たいになっちゃった。ナターシャさんにも微妙なフラグ立てたかな?

次回はオリジナル編です。ライダーたちの戦いがメインとなると思います。いずみボックスにコメントを書いてくれたある人の安を実行したいとおもいます。

それでは、感想、評価、コメントをお待ちしております。

そして最後に、メリークリスマス!!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。