IS 楽しむことは忘れない 転生者の物語   作:滝温泉

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四話 ルームメイト、更識簪

 

俺と一夏、オルコットさんのクラス代表決定戦が決定……ややこしいな。まあとにかく俺たち三人がクラス代表の座をかけて戦うことが決まった。

 

そして今日の授業は全て終了し放課後となった。IS学園は全寮制なので生徒全員が利寮で暮らすこととなっているらしい。だが俺と一夏は急な入学で部屋割りが決まってないとかで一週間は自宅通いらしい、まあ普通ならマンションやらアパートやらに住むのだろうが俺は違う。IS学園を出て人目につかないところに行ってウィザードライバーを使えば一瞬で家に戻れる。このウィザードライバーは夜ごろに放送されていた某猫型ロボットのどこでもドアのような便利さを持っているのだ。

 

「さて、帰るか……」

 

まあそれでも、一人で帰るというのに変わりはない。俺はそんなぼっちのようなことはあまりしたくはない。なので俺と同じ自宅通いの一夏と一緒に(途中まで)帰ることにした。

 

「……何うなだれてるんだ」

 

案の定、教室に一夏は残っていた。勿論他の女子も複数人ほど教室で駄弁っているがな。まあそれはどうでもいい。俺は机にうなだれている一夏の方へと近づいた。

 

「……うう……授業内容が全然わからん。なんでIS学園の授業はこんなにややこしいんだ……?」

 

「そりゃ難しいに決まってるだろう。逆に簡単な授業だとでも思っていたのか?」

 

「そりゃある程度は覚悟してたけどよ……」

 

まあそりゃそうだろうな。専門用語の羅列がびっしりと詰まった教科書数札に加えて今までISの勉強なんて全くしてこなかったんだからな。一般的に例えるなら戦い方を全く知らないのにイマジンとの戦闘をすることになってしまった電王第一話の野上良太郎と同じ感じだろう。

 

そんなことを考えて溜め息を吐いた。それから一夏が復活するのを待つために隣の席に腰かけさせてもらった。幸い教室は静かだし___

 

「あ!あそこ私の席よ、やったわ!」

 

「ちょっとずるいわよ!織斑君と同じ席なだけでなく夜霧君に座ってもらうなんて!」

 

「私あそこの席がよかった~!」

 

「私の苗字が別だったらよかつたのに!」

 

……静か、だったんだがな。

 

「あ、織斑君に夜霧君。まだ教室にいたんですね。よかったです」

 

「はい?」

 

一夏と俺が声の方を向くと、そこには俺たちのクラスの副担任の山田先生が書類を片手に立っていた。

 

「どうしたんですか山田先生。俺と一夏はこれから帰るんですが」

 

「ああ、そのことなんですけど。実はですね、寮の部屋が決まりました」

 

そう言って俺たちに部屋の番号がかかれた紙と鍵を渡す山田先生。……どういうことなのか。

 

「山田先生。俺の記憶が正しければ俺たちは一週間は自宅通いの筈では?昼休みに他の先生から聴きましたよ」

 

「そうそう。部屋が決まってないとかで」

 

「そうなんですけど、事情が事情なので一般的な処置として部屋割りを無理矢理変更したらしいです。……二人とも、そのあたりのこと政府から聞いてます?」

 

聞いてるわけがないでしょう。

 

「そう言うわけで、政府特命もあって、とにかく寮に入れるのを最優先したみたいです。一ヶ月もすれば二人の部屋が用意できますから、しばらくは女子との相部屋で我慢してください」

 

ちょっと待った。

 

「山田先生。相部屋が用意されているんなら俺たちの二人部屋として女子の部屋を変更できなかったんですか?」

 

「そ、それがですね……一応IS学園にも個室がいくつかあるですが、そこに住む女子の方たちが部屋を変えたくないって……それで相部屋でも構わないという人がいたので……」

 

なるほど。致し方ないな。

 

「山田先生、それで、部屋はわかりましたけど、荷物は一回家に帰らないと準備できないですし、今日はもう帰っていいですか?」

 

「あ、いえ、荷物なら____」

 

「私が手配しておいてやった。ありがたく思え」

 

ここで織斑先生登場。

 

「ど、どうもありがとうございます……」

 

「織斑のは私が、夜霧の荷物はお前の姉が用意したそうだ。まあ、生活必需品だけだがな、着替えと、携帯電話の充電器があればいいだろう」

 

それだけの荷物で暮らせるのなら人々にストレスと娯楽は存在しなかっただろうな。

 

「じゃあ、時間を見て部屋に行ってくださいね。夕食は六時から七時、寮の一年生食堂でとってください。ちなみに各部屋にはシャワーがあるのでそちらを使ってください。……えっと、二人は今のところ大浴場は使えませんので」

 

「え、なんでですか?」

 

「一夏、ここは俺たちが来るまで女子専門学園だったんだ。そんなところに男湯があると思うか?まして、女子と入る気じゃあるまいし」

 

「あー、そういうことか……」

 

「おっ、織斑君っ、女子とお風呂に入りたいんですか!?だっ、ダメですよ!」

 

「い、いや、入りたくないです」

 

「ええっ?女の子に興味がないんですか!?そ、それはそれで問題のような……」

 

どうしろというんだ。そして山田先生と教室に群がっているふ女子たち。顔を赤めながらこっちを見るんじゃない、薄い本なんて作るな。

 

「えっと、それじゃあ私たちは会議があるので、これで。二人とも、ちゃんと寮に帰るんですよ。道草くっちゃダメですよ」

 

貴女は五十メートル内で道草をくうのか山田先生。そして寄るところなんかもない筈だろう。

 

「それじゃあ、これから相部屋同士、よろしくな」

 

「……お前は何を聞いていたんだ」

 

入学早々、不安になってきつつある。俺の胃が痛むことなどありませんように、逆に楽しみだけをくれ。

 

 

 

 

俺たちは、職員室でそれぞれの荷物が入った鞄を受けとると、寮に向かった。

 

「えーと、ここか。1025号室だな」

 

「俺は少し向こうの1030号室だ。また明日な一夏、それとノックぐらいはしろよ」

 

「わかってるよ、じゃあな亜久斗」

 

IS学園の寮で一夏と別れ、俺も自分の部屋に向かった。ノックをして、了承をとってから入る。

 

「……誰?」

 

ノックから数秒後、部屋からは女子の声が聞こえる。

 

「失礼、今日から相部屋となった夜霧亜久斗だ。入ってもいいだろうか?」

 

「どうぞ……」

 

返事がしたのでドアを開けて部屋に入る。中には、メカニカル・キーボードをカタカタと叩いている女子がいた。髪はセミロングで癖毛のハネが内側に向いている。頭には大きめの髪飾りをしていた。

 

「俺は夜霧亜久斗。よろしく」

 

「……更識簪」

 

「よろしく、更識さん」

 

「……」

 

「……」

 

まさかの会話が続かないという事件が発生した。まあなにやら更識さんはキーボードでなにやらするのに忙しい様子、ならば無理に話しかけるよりも自分の荷物をほどいていくのがいいだろう。

 

「あ、荷物置かせてもらってもいいかな?」

 

「別に、いい……」

 

あ、返信はちゃんと返してくれた。

 

まあとりあえず、用意してもらった荷物の確認と整理が先だな。

俺が鞄を開けて中身を確認する。

 

・IS学園指定の制服、ベルトが隠れるように少し大きめになっていた。

 

・俺の携帯、ケータッチケータロススタッグフォンファイズフォンetcetc

 

・俺の着替え、下着やUシャツ、私服等

 

さて、一つ一つ整理して行こうか。まずIS学園の制服の内一着はクローゼットへ、残りと着替えはコネクトリングを使ってしまって置いた。※俺の部屋だからな。

 

次に大量に出てきた俺の携帯。およそ十個ほど。こんなにあってどうするんだと言われても俺は知らん、文句はライダーを考えた人に言ってくれ。とりあえず一つを残して残りは同じくコネクトリングで収納。

 

とりあえず荷物はこれだけだった。本当に生活必需品だけだった。まあ俺には関係無い。好きな時に好きな物が出せるからな

 

コネクトプリーズ コネクトプリーズ コネクトプリーズ

 

俺は魔法陣から冷蔵庫やテレビ等を出していき、更識さんの邪魔にならない位置に並べた。ついでにポットも、これだけあればいいだろう。

 

「?何のお____」

 

そして更識さんが俺の模様替えの音を確認しようとこっちを向いた瞬間、丁度更識さんの隣に置いてあったカップに腕が当たり、カップは落下してしまう。

 

「おっと」エクステンドプリーズ

 

まあ当然、防ぎますが。魔法陣に腕を通して、通した腕をカップへと伸ばす。カップは伸びた俺の手によって落下を免れた。

 

「え……?」

 

当然、その様子を見ていた更識さんは目を瞬かせたり擦っている。そりゃ落ちると思ったカップが伸びた俺の手で落ちなかったんだからな。

 

「え、えっと、何が、起きたの?」

 

「あ、いや。ISの能力だと思ってくれ」

 

とりあえず、誤魔化す。だがそんなんじゃ更識さんの疑問は晴れないわけで

…。

 

「他のこともできるの……?」

 

「え?ああ、まあ、できるが」

 

「見せて」

 

「え?」

 

「見せて、ほしい……」

 

更識さんの目が好奇心いっぱいで溢れている。これはあれだ、見せないと終わらないタイプだ。まあ荷物の整理も終わったし、打ち解けるぶん構わないが。

 

「うーん。そうだな…これでいいか」グラビティプリーズ

 

俺はグラビティリングを使ってポットを宙に浮かせる。

 

「……もっと」

 

「………マジか」

 

それから約二十分。マジックショーは続いた。そして色々話し会った結果、様々なことが解った。更識さんが特撮物が好きということや生徒会長の姉がいること。その姉に対するコンプレックスを抱えていることも知った。

 

まあでも、いくらその姉が凄かろうがISを一人で作るなんて無理だ。束さんなら楽勝だろうが、研究所や施設の天才でも専用機を作るのには時間と人手、費用がかかる。一人でそんな風に造れる筈がないのだ。

 

……まあ、俺は造ったけどな。

 

でもそれは装甲が薄く、IS自体にそこまで費用や時間がかからなかったからだ。嘘ではない。

 

「___とまあつまりだ。色々長くなったが俺が言いたいのは、もっと人を頼れ、無理をするなってことだ。……簡潔にしすぎたな」

 

話しをまとめようとしたら簡単な答えになってしまった。小学生か、俺は。

 

「じゃあ、貴方を頼ってもいいの……?」

 

「ああ、俺だけじゃなく、他の人たちもな、友達いるだろ?」

 

「うん……」

 

「じゃあこの話は今日はここで終わり。寝ようか」

 

「うん……ありがと。まだ、設計段階だから、そこを手伝ってほしい……」

 

「ああ、わかったよ」

 

その後は、シャワーを浴びてすぐに寝た。

 

 

 

 

 

 




感想に意見があったのでルームメイトに簪を入れてみました。

そしてアンケートをとることにしました。気軽にお書きください、それではまた次回
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