IS 楽しむことは忘れない 転生者の物語   作:滝温泉

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どうもこんにちは、今回でデート回は終了します。なのでまあ、気楽に読んでいってください。

それでは本編スタート!


七十四話 日曜Wデートランチタイム午後一時

さて、時計店での買い物、および一夏の誕生日プレゼント等を買った俺たちは昼時になったということで、ちょっと洒落たオープンカフェでランチをとることにした。ちなみに、五反田からの情報によればこの店の料理は高いらしい、一般の女子中学生がドリンクしか頼めない程に。

 

まあそんなことを気にすることもない一夏と俺。そして俺たちが奢るという形で店に入った。まあ実際懐にはなんの支障も乱さないがな。

 

「へぇ、おしゃれだね、ここ。ちょうど今日って暖かいからロケーションも抜群だね」

 

さぁっと髪を撫でる風に微笑むシャル。その姿は貴族のお嬢様のようで、心がくすぐられるように可愛いと思えた。

 

「いらっしゃいませ」

 

「あ、本日のランチってなんですか?」

 

「はい。本日は蟹クリームスパゲッティとなっております。デザートは梨のタルトです」

 

ボルキャンサー、シザース喰ったんだっけなぁ。あんな無惨なシーンを産み出した奴がクリームパスタに……。いかん、どうでもいいことを考えてしまった。いい加減ライダー関連を単語で思い浮かべるのは無しにしたい。

 

「じゃあ、それを五人前ください」

 

「かしこまりました」

 

すらすらと注文を決めていく一夏、店員は帰っていった。あながち一夏がとった注文方法は間違っていない。こういった高い料金のカフェはオススメに自信があるタイプが多い、それにこの店自身結構有名らしいからオススメを五人前頼んで店員との会話をすぐに終わらせた一夏の判断は正しい。

 

それにカフェって食べることより会話を大事にする店だと思う。なのでカフェに来た場合は取り合えず先に注文をし、後は会話と食事で時間を過ごすというのが通。

 

「」

 

ふと気づくと、シャルと五反田、宝丞が一夏をじーっと見つめていた。

 

「な、なんだよ」

 

「いや、手慣れてるから」

 

「いや、普通だって。あんまり外食はしないけど、注文はすらすらできるようにしておけって千冬姉が言ってたから」

 

「ふーん」

 

「あ、あの、一夏さんって、よくこういう店に来るんですか?」

 

「いや、外食はあまりしないなぁ。あ、でも蘭の家では結構食べてるよな」

 

今まで聞いてきたエピソードから考えたらお前の外食は五反田と鈴の店でほとんどということになるな。注文がすらすらできても意味ない気もするが。

 

「う、うちみたいな定食屋と一緒にしないでくださいよ……」

 

「なんだよー。恥ずかしがるところじゃないだろ。五反田定食、うまいじゃん」

 

「私はあの名前自体がイヤなんですけど……」

 

俺の家も夜霧グループで自分の名字が使われているが、別に嫌だと思ったことはない。そこら辺が思春期女子との違いなのか。

 

「ね、ねえ夜霧、その……」

 

「ん?どうした宝丞」

 

宝丞は俺とシャルを見ながら口をもごもごと動かす。言いにくいようなことなのだろうか?

 

「えと、夜霧とシャルロットさんは、恋人なのかしら?」

 

「え……ええっ!?」

 

宝丞の爆弾発言により大きく驚くシャル、まさかの爆弾投下に話していた一夏と五反田もこちらに反応した。

 

「おいおい。いきなりどうしたんだ」

 

「だ、だって、その、仲良さげだし、それに私たちと会うまで二人っきりだったじゃない……」

 

やめてくれ、そこで目をうるませるな。罪悪感が沸くだろうが。

 

「…まあそれはあれだな。昔の馴染みもあるが、シャルは俺の数少ない女子の友達の一人だ。仲が良いのは当然だと思うぞ、なあシャル?」

 

「う、うん。そうだね……」

 

突然の発言でびっくりしたのか、シャルは顔を赤くしながら頷く。ただ少し残念そうに見えるのは気のせいだろうか?

 

「(『友達』かぁ。でも、出会いが早い分、他のみんなよりもリードしてるし、大丈夫だよね。それで、いつかは……)」

 

訂正。残念そうな顔ではなかった。顔に手を当てて赤くしているこの状態に残念そうの一言は絶対に違うと思えた。

 

「じゃ、じゃあ夜霧とシャルロットさんは恋人じゃないのね?」

 

「あ、ああ」

 

「……よかった。まだ大丈夫ね。私にだって可能性はあるわ……」

 

「え?」

 

「な、なんでもないわ!」

 

それから一分もしないうちにランチメニューが運ばれてきた。一夏はウェイターが一度に五枚の皿を持っていることに驚いている。だがな一夏、世界は広いぞ、パリには片手で六人前の料理を運ぶおっさんがいたんだ。

 

「お待たせいたしました」

 

そう言って並べられる三枚の皿。蟹クリームスパゲッティはちょうど真ん中に蟹のハサミが置かれていて食欲をそそる。全体的にほぐされた身がトマトクリームと絡んでいて、香りも良好。

 

どうでもいいが、また、ボルキャンサーのシザース補食シーンが頭に浮かんできてしまった。龍騎シリーズを見すぎた性だと思いたい。そういえば、シザースのデッキは四番目に造ったなぁ。

 

「それでは後ほどデザートをお待ちしますので」

 

そう告げてテーブルを離れるウェイターの人。俺たちはスプーンとフォークを取って、早速パスタを食べることにした。

 

「いただきます!」

 

「「いただきます」」

 

「「い、いただきます」」

 

上から一夏、俺とシャル、五反田と宝丞の順でのいただきますだ。一夏はここがカフェということを考えてしてほしい。声が大きい。

 

「おお、うまい!」

 

「うん。生パスタって書いてあったもんね」

 

「確かにうまい、それにこのアイスティーともよく合っている」

 

「お、おいしいですね」

 

「中々の味ね、値段は嘘をつかないってことかしら」

 

それは些か、店の人に失礼じゃないか宝丞?

 

「ん?蘭、ちょっと」

 

「はい?」

 

一夏はナプキンを一枚手に取ると、五反田の口元をそっとぬぐった。

 

「っ!?」

 

「ソース付いてた」

 

「い、い、言ってもらえれば、その……自分で拭きますから!」

 

「そ、そうか。悪い」

 

「あ、いや、あの、えっと、別に嫌な訳じゃ……あ、ありがとうございます」

 

かーっと顔が赤くなる五反田。一夏は女子へのデリカシーと配慮が足りない。気づけよ一夏、色々と。

 

 

「そういえばさ、蘭」

 

「は、はいっ!?」

 

「さっきあげたキャノンボール・ファストのチケットだけど、俺の誕生日のかぶってるんだよ。で、俺の家でする予定の誕生日会、ちょっと遅くなりそうなんだけど大丈夫か?」

 

「だ、大丈夫です!当日は、バカ……じゃない、その、兄もいますから!」

 

「(さりげに今兄をバカ呼ばわりしたな……)」

 

「ああ、そういえばそっか。そうだよな」

 

「は、はい……」

 

と、そこで五反田ははっ!となった。

 

「あ、IS学園の人もくるんですか!?」

 

「ど、どうしたんだよ。そりゃもちろん来る予定だけど」

 

「な、何人くらいですか!?」

 

「え、えーと………十一人くらい?」

 

多いな。今更だが、多いな。

 

「そ、そんなに……」

 

「安心しな五反田。そのうち四人は男だ、俺を含めてな」

 

「そ、そうなんですか……」

 

まあ恐らく、ライバルがたくさんいると思ってるんだろうな。IS学園は俺たち五人を除けば全員女子、そう思うのはいたしかたないのだろう。

 

 

それから少し時間がたち食事が終わり、デザートが運ばれてきた。

 

「あれ?この付け合わせのアイス、全員違うんだな」

 

「あ、確かにな」

 

「本当だね。なんでだろ?」

 

「え、えっと、私がストロベリーで、一夏さんがバニラ、シャルロットさんのがチョコで夜霧さんはミントでアリサちゃんが抹茶ですよね」

 

「だな」

 

なんとまあ、種類が豊富なカフェなんだろうか。もしかしたら他にもあるのかもしれないな。

 

「どうせなら食べさせ合いっこしようぜ」

 

「へっ!?」

 

「ん?」

 

「……え?」

 

ここにきてまさかの爆弾発言。それも二度目である。こいつは女子に対して何を考えているんだ……。何も考えていないんだろうな、うん。

 

「え、いや、あの、今なんて……」

 

「いや、だから、食べさせ合いっこしないかなーと」

 

「!!いたたたたた!」

 

「!?」

 

「どうした!?」

 

「い、いえ!なんでも!なんでもないです!」

 

びっくりした。いきなり五反田が痛みを訴えた。マジでなんなのかと思った。

 

「いや、一夏。こういうのは女子に確認した方が……なあ?」

 

「ぼ、僕はいいよ?そ、それにたくさんの種類が味わえていいと思うな!」

 

「え、ええ。シャルロットさんの言う通りね。抹茶だけじゃなくて他の味も試してみたいし……その、ミントとか」

 

「……マジで?」

 

それから、一夏が五反田にあーんをし始めたこともあって、結局全員で食べさせ合いっこをすることになった。顔を真っ赤にして口を開けるシャルと宝丞を見たときは、恥ずかしさでいっぱいになってしまった。

 

 

 

 

 

 

「お、送ってくれてありがとうね。……き、今日はまあ、中々に、楽しかったわ」

 

「それはよかった。俺も楽しかったぞ」

 

「そ、そう。良かったじゃない」

 

時刻は四時過ぎ、夏に比べてだいぶ日の落ちが早くなった空の下では、亜久斗とシャル、そして宝丞が屋敷の前にいた。言わずともがな、宝丞の家である。

 

なぜこうなっているか説明しよう。昼食後、それぞれ目的のお店を見て回った五人は「じゃあ二人を家に送ろう」という一夏の一言で五反田と宝丞を家に送ることとなった。

 

だがこの二人の家の位置は離れており、反対方向。なので一夏が五反田を、亜久斗とシャルが宝丞を家まで送ることとなったのだ。

 

「じゃあな宝丞。キャノンボール・ファストの時は、応援してくれよ」

 

「え、ええ。別にそれぐらいなら、構わないわよ。頑張りなさい。気がむいたら見に行くわ」

 

この少女、宝丞アリサは俗に言う「ツンデレ」である。故にこうは言っていても内心はいく気満々なのだ。出会った時からそれを理解している亜久斗はそれに関しては特に何も言わない。

 

「それじゃあ夜霧、またね」

 

「ああ、またな」

 

そして最後に挨拶を交わし、宝丞は家の中に入っていった。

 

 

「(あ、亜久斗と二人きりの帰り道……。二人きり……二人きり……)」

 

宝丞を家に送り、IS学園への帰路につく亜久斗とシャルロットだったが、そこには変な沈黙が漂っていた。

 

その原因は主にシャルロットがテンパって会話が出来ないからなのだが、亜久斗はそんなシャルロットに声をかけづらくなってしまっているのだ。

 

「悪いな」

 

「え!?」

 

なんとかこのチャンスをものにしたいシャルロットだったがいきなりの謝罪に困惑してしまった。

 

「今日さ、シャルロットと二人で買い物する筈だったのに。最終的には五人にまでなっちゃったからさ」

 

「い、いいよそんなの。僕も楽しかったし」

 

「うーん。じゃあ今度、埋め合わせとしてツーリングにでも行かないか?俺、バイクの免許なら持ってるし」

 

「え!?」

 

謝罪からの突然のデートのお誘い。これにはシャルロットのテンパリも上々である。

 

「い、いいの!?」

 

「ああ、正式にお礼になってないと思うし。俺も一度ツーリングってしてみたかったしな」

 

「そ、そっかぁ……うん。じゃあ今度行こうね」

 

「ああ」

 

二人きりのショピングこそは出来なかったものの。最高の一日となったと思えたシャルロットなのだった。




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