IS 楽しむことは忘れない 転生者の物語   作:滝温泉

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「じゃあ…どうやって英雄に…なるのかな…。香川先生…次は僕…誰を…」
                            東條悟


八十三話 タッグマッチ

突然だが、今月は全学年合同のタッグマッチが行われる。

 

その内容は前回のキャトンボール・ファストの襲撃事件を踏まえて各専用機持ちのレベルアップを図るために一年、二年、三年の専用機持ちでタッグを組ませてトーナメント形式で試合を行うというもの。これが個人ではなくタッグマッチであるのには万が一襲撃された場合の危険を考慮しての事だろう。

 

三年生の専用機持ちはダリル・ケイシー先輩とレナ・エイプリル先輩。二年先は生徒会長の更識楯無とフォルテ・サファイア先輩。一年生は俺と織斑一夏に篠ノ之箒、セシリア・オルコットに凰鈴音と更識簪。シャルロット・デュノアとラウラ・ボーデヴィッヒに佐藤萌衣亞と雪村絵里菜。合わせると計十四人、国家代表・代表候補生・テスターを含めた数は少ないとは言えずISの専用機持ちが十人以上いるならば軍隊を幾つも相手にできるだろう。

 

話がずれたな。全学年合同タッグマッチはその名の通り専用機持ちでタッグを組んでトーナメントを行う訳だ、当然俺もペアを見つけなければいけない。

 

だが一夏は楯無から頼まれたらしく簪と組んだ。一件は終わってもあの二人の仲が近くなく遠すぎずと言った状態だと見かねた楯無が親密にさせようと頼んだらしい。良いことだと思うぞ。ちなみに知ったのは昨日、まだ他の奴には知らせていないんだとか。

 

俺は組むとしたら誰にするべきなのか。だが俺にはそれを考えるまでにやるべきことがあるのだ。

 

「……いただきます」

 

この昼食、チャーシューメンを片付けるという仕事がな。

 

 

 

 

「待っていたぞ、亜久斗」

 

俺が食堂で食事を済ませ教室に戻ると、そこにはラウラが仁王立ちで待っていた。バーンと言う効果音が見える気がするな。

 

「どうしたラウラ、もうすぐ授業が始まるんだが」

 

「タッグマッチの件だ。当然私と組むのだろうな?」

 

………ふむ、どうだろうか。ラウラのIS『シュヴァルツェア・レーゲン』はプラズマ手刀や大型レールカノン、ワイヤーブレード等を備えている中距離と近距離タイプ。相手の動きを止めるAICもかなり強力だ。確かに戦力は申し分ないし全然問題は無いな。

 

「これが申請書だ。さっさとサインをしろ」

 

「ああ、じゃあ_______」

 

パンッ!

 

返事をしようとした瞬間、俺の頭が後ろから叩かれた。平たい鈍器とも言われるこの出席簿の威力は間違いなく織斑先生だ。

 

「ドアの前で通路を塞ぐんじゃない。もう授業を始めるぞ早く席に着け」

 

「はい……。悪いなラウラ、また後で」

 

「あ、ああ」

 

俺とラウラは席に着き、その後から走って教室に来た一夏は俺同様織斑先生の出席簿を喰らった。

 

 

 

 

「夜霧くんお願い、私と組んでくれないかしら?」

 

「What?」

 

放課後の一年生寮。その入り口に見知らぬ女子が立っていて俺を見つけると開口一番にその言葉を放たれた。

 

「(………誰だ?)」

 

俺はこの人に会った記憶がない。赤いリボンということは三年生なのだろうが俺の知り合いにIS学園の三年生はいないしまず接点が………ん。

 

ああ、そういえばある。全学年合同タッグマッチだ。それならばわざわざ一年生寮に来たことも納得がいく、組む相手を探しに来たということだろう。三年生ならダリル・ケイシー先輩もしくはレナ・エイプリル先輩だろう。ダリル・ケイシー先輩は二年生のフォルテ・サファイア先輩と組んでいるらしいからこの人がレナ・エイプリル先輩なのだろう。

 

翠色の瞳に太陽の光でキラキラと光る薄い金色の髪を腰の辺りまで伸ばして紐で束ねている。制服は簪以上セシリア未満ほどの長さのスカートだった。

 

「駄目かな?」

 

「いえ、駄目とかそういうことより何故俺を?他にも専用機持ちはたくさんいるでしょうに」

 

情報としては俺よりも生徒会長である楯無、ドイツの軍人でもあるラウラ等の実力の奴等の方がいい筈。それに俺の戦闘データは代表決定戦と学年別トーナメントのみだから俺の評価はそこまで高くは無い筈。

 

「理由は簡単よ。単純に組む相手がいないだけ、ダリルは二年生の子と組んじゃったし」

 

「でもそれなら他の一年生でもいいのでは?俺や一夏、箒はともかく他の生徒は代表候補生ばかりですが」

 

「それもそうなのだけれどね、私としては男性操縦者である君の実力が知りたいし、接点が欲しいからね」

 

「……接点?」

 

「ええ、貴方たちは結構注目されてるのよ?男子の一人とお近づきになりたいと思ってる人はたくさんいるのよ」

 

……なるほどな。確かにこの人の言う通りかもしれない。今までいなかった男性操縦者の存在は注目の的となるだろうからな。だが今の話でわかったことがある。

 

「……貴女はその目的じゃ無いんですよね?微塵も俺とお近づきになりたいとか思ってなさそうですが」

 

「あら鋭い。正解ね」

 

この人は嘘をつく気なのか違うのか。どこか楯無に近い気がするのは気のせいなのだろうか。

 

「実はね、私も新聞部なのよ」

 

「それがどうしたんですか?」

 

「知ってると思うけど私って専用機持ちなのよ、他の部員や同級生からの期待もある程度はあるし、それで薫子ちゃんや他の子たちに頼まれちゃったのよ。夜霧くんの×××」

 

………んー?

 

「というわけで私と組んでついでに新聞部に来て写真を撮らせて欲しいのよ。あと取材」

 

「……いや俺ご遠慮しますから」

 

できれば本当にご遠慮願いたい。撮影とか、最近は黒歴史を思い出した性で関わりたくない。

 

「それにタッグマッチならラウラと_____」

 

「あら、でも私戦力としては申し分なき筈よ?」

 

「……何故ですか?」

 

エイプリル先輩俺に向き直って自分の胸もとに手を当てた。

 

「だって私、元生徒会長だもの」

 

………なんですって?




ここに来てオリキャラを出しました。何しろ人数が合わなかったので、亜久斗だけ一人というのも考えたんですが他の方の作品と被ってしまいますのでね。まあ無理矢理ですが。レナ・エイプリルちゃんの出番は恐らく七巻だけだと思いますけどね。
タッグマッチは殆どオリジナルになっちゃうかなぁ、人数とかストーリーの都合で。それと私の家の電子レンジがぶっ壊れてしまいました。冷凍食品を温めていただけなのに……ウソダドンドコドーン!
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