「さて、今日も頑張るか…」
朝五時ちょうどに起きた灰色の薄い寝巻の人物は上半身をゆっくりと上げて、気怠気に言って隈のある目をこすった。まだ日が差してない時間帯に起きた彼は海軍からこの基地に着任して数年の若い青年だった。彼は大きく腕を真上に伸ばし、ストレッチをした。ベッドから降りて覚束ない足取りで部屋の箪笥に近づき、着替えようとしたら少女の声が聞こえた。
「指揮官、おはよう。」
自分以外居ない部屋に突然聞こえた青年は驚き声がした方向に振り向くと、一人の艦船がいた。
「ラフィー?」
ドアの側にいたその少女は青年にとって初めての艦船ラフィーだった。
「ラフィー、なんで此処に来てるんだ?」
「指揮官が起きてると思ったから。」
何故此処に来たのか分からない指揮官だったがとりあえずラフィーをベッドに来るように言うと、若干寝惚けながらも歩いて指揮官の左隣に座った。柔らかそうな銀髪を兎耳の髪留めで二つ結びがいつもの彼女の髪型だった。しかしこの時は髪留めしてなかったのでいつもと違い前髪以外を伸ばしていたので分からなかったが、声と兎の可愛らしい絵がある水色の寝巻、瞳が紅いのを見て
「そうか、とりあえず今は寝たほうがいい。まだ早朝だし今日は確か出撃の筈だから休んでほしい」
「指揮官はどうするの?」
「とりあえず着替えて朝飯、溜まってる装備品の整理、事務処理とかやる事沢山あるな」
今日する仕事のスケジュールを頭の中で考えると、ラフィーが指揮官に尋ねた。
「私も手伝っていい?」
ラフィーの突然の問い掛けに指揮官は理由を聞いてみた。
「指揮官いつも仕事ばっかしてる。それに皆んな指揮官と遊びたがってる。」
「そう言ってくれると嬉しいけど、皆んなは色んなものを楽しんで欲しいし俺がいなくてもいいだろ。」
自嘲気味に言う指揮官だがラフィーはなかなか引かなかった。
「そんなことない。指揮官はいつもラフィーたちのことを気遣いすぎ。いつも一人でしているから
「……」
正鵠を射るような発言に指揮官は返す言葉が無く口を閉ざした。彼女の言いたいことは理解できてる。しかしそれは彼女達『艦船』しか出来ないことをしているのに対し自分はただ指揮を執るだけ。それしかできないから彼は自分が可能なことを見つけて彼女達には少し楽にさせようと決めていたが結果的に彼女達を追い込んでいるとは思っていなかった。
まだ口を閉ざしてる彼にラフィーは上目遣いで指揮官を見た。
「私たちは頼りないの?」
「そんなことはない。ただお前達には戦ってくれていることには感謝している。そんなお前達に俺は指示をすることしかできないからな」
指揮官は溜息が出すと、立ち上がり、座ってるラフィーを見た。
「分かった。手伝うことは構わないが量が多いからラフィーにはあることをしてもらう」
「分かった」
短く答えたラフィーも指揮官に続いて立ち上がった。
「だか先ずは着替えて、それから腹ごしらえだ。」
ラフィーには部屋に戻るように言うと彼女は頷き部屋から出た。
朝早くから着替えて朝食を取った指揮官とラフィーは執務室に入って今日する任務を確認していた。ラフィーは指揮官と一緒にするのを楽しみにしていたが、部屋の中央のテーブルに積み重なってる書類の量の膨大さに驚きを隠さなかった。
「なに、これ?」
「凄いだろ? こんな量を二人で半分ずつやってもラフィーが無理と思うからこれをしてもらうとするか」
指揮官は自分の机に近づき、机の左一段目の引き出しからある物を取り出した。
「これで書類に押してほしい」
指揮官に渡されたのは朱肉と判子に使う印鑑だった。
「指揮官、ラフィー疲れた」
「そうだな。今この基地にはかなりいるから色々と皆んなの要望や
そう言いながらも指揮官は書類に書く手のスピードを緩めずに素早くこなし、ラフィーは事前に整理された書類に判子を押すだけ。だが同じ作業を繰り返しするのにラフィーは疲れを感じるのに対し指揮官は慣れているので全然余裕の表情だった。
「でもまだ頑張る。指揮官、これが終わったらラフィーと一緒に寝んねしよ」
「お昼寝のお誘いといった感じか? ラフィーのおかげで判子を押す書類がおおかた片付いてるし、こっちもあと少しだからそれが終わったらそうするか。手伝ってくれたご褒美はするけど、今日の出撃は別の艦隊に急遽
指揮官はそう言い終えながら、次の報告書に手をつけた。ラフィーが手伝ってくれたおかげで時間は正午前に終わり、今日やる書類を終えた指揮官は腕を伸ばした。
「やっと終わったか。皆んなの要望書が多いから判子押すのに疲れるし書く書類も多いからラフィーのお陰で助かったよ」
「指揮官、ラフィー疲れた」
ラフィーは指揮官が使う机ではなく部屋の中央にあるテーブルに書類を置き、テーブルを挟むように置かれた二つのソファーの片方に座ってしていた。しかし量が多く全部押した後はソファーで身体を横になる。
「大丈夫か? おぶってやるけど
「乗る」
ソファーで横になってたラフィーは身体を起こして指揮官の背中に乗り、抱きつくように腕を指揮官の首までまわして抱きしめるようにした。自分よりも背が高い指揮官の視線にラフィーは新鮮な感じだった。
「では昼食を摂ってから昼寝とするか」
普段ははかなり遅めに昼食を摂る指揮官だが午前中の執務はいつもより早めに終わり、午後からもまた執務をする予定である。
何時もとは違う感覚で新鮮さを感じる指揮官はおぶったラフィーに食堂に行くのか話したがラフィーは昼食を摂ることに賛成した。
「うん、行こ」
正午を過ぎた辺り、この基地の
昼食のメニューを決めて指揮官は適当に席を選び背中に乗っかってるラフィーは降りて隣に座って昼食を摂った。指揮官は和食、ラフィーは洋食、お互い自国の料理を選んでいた。
それからはラフィーと約束通り昼寝をする。彼女は寮舎で昼寝がしたいと言い、指揮官はその案に賛成して寮舎で昼寝をとった。指揮官は座椅子の背もたれの部分を後ろに倒して座椅子の上に仰向けの状態で体を横にしてらラフィーは指揮官の上に乗り顔右に向けたうつ伏せの体勢指揮官を抱きしめていた。
「ラフィー、その体勢は可笑しくないか?座椅子はまだあるから持ってくるけど。」
「こっちがいい」
「そうか…」
ラフィーはこのままが良いらしかったので指揮官は何も言わなかった。
暫く経つとラフィーは眠った。何時もは無表情で戦闘以外は基本ダウナーの彼女がこんな可愛らしい寝顔をしてるのに和んだ指揮官はつい頭を撫でた。
「ありがとう、ラフィー」
そう言って指揮官は欠伸をして数分後に眠りに就いた。
どーも、クレイモアです。今回はアズールレーンを出しましたが基本ほのぼのメインを中心とした感じにする予定です。リクエストがあれば是非お願いします。m(_ _)m