とある艦隊の日常   作:クレイモア

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最近のイベントを見て思い付きで書きました
※諸事情により投稿が遅れました


親睦会

日が沈んだ時間帯、広場に少女たちが集まっている中、二人の少女が歩いていた。

「思っていたより(にぎ)やかね…」

黒いドレスを着た女性、最近着任されたばかりの鉄血陣営の戦艦ビルマルクは基地内にある広場の一角で同じ所属陣営の駆逐艦Z23(ニーミ)と一緒に歩きながら話していた。

「はい、ビスマルク様。色々と個性的な人たちですが、楽しいところです」

「そう…ところでZ23、ビスマルク『様』って言わなくてもいいわ」

「えっと、すいませんビスマルク…さん」

「相変わらず真面目ね子ね」

慌てるZ23の様子にビスマルクは思わず笑みをこぼす。二人が参加しているのはロイヤルと鉄血の二つの陣営が共同主催によるもので数日前から企画されたものである。無論、他の陣営の少女たちも(こぞ)って参加した。

二人は広場を歩いていると他の少女と出会った。

「む、お主見ない顔だな。最近来たばかりの新参者であるか?」

古風な喋り方をする小さな少女にビスマルクは視線を一瞬だけ少女と少女のに随伴する者を見てこの親睦会(パーティ)を開いたロイヤル陣営の小さな女王陛下を連想し、目の前にいる少女はそれに近しい雰囲気を醸し出していると感じた。

「そうだけど…貴女は?」

「すまぬ、自己紹介がまだであったな。余は重桜陣営所属の戦艦長門(ながと)である」

目の前にいる少女、長門はビスマルクに向けて手を差し出す。

「申し遅れたわ、私は鉄血陣営所属の戦艦ビスマルクよ」

ビスマルクは前のめりの姿勢のまま長門と同じように手を差し出す。

「同じ戦艦同士仲良くやろうぞ、ビスマルクよ」

「こちらこそよろしくお願いするわ」

互いに握手をした後、雑談しながら歩く。

「そういえばビスマルクよ、お主は同じ陣営(所属)の者とは既に会っておるのか?」

Z23(この子)以外はまだ会っていないけど…もしかして会っているのかしら?」

「然り、おそらく広場の何処かにいるであろう」

「そうね…ついでにZ23と一緒少し色々案内してくれないかしら? 他の陣営の子たちと顔合わせしたいし…可能なら指揮官と話したいわ」

「良かろう、ついて参れ…指揮官は分からぬがいずれ会うであろう」

長門の承諾を得てビスマルクは共に行動し、他の陣営と顔合わせをするのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ビスマルクが長門たちと行動してる同時刻、広場から少し離れた場所で指揮官は重桜陣営の高雄とロイヤル陣営メイド隊のニューカッスルを後ろに連れて歩いていた。

「ニューカッスル、指揮官殿にこの衣装を着せるのか?」

「はい、私としては普段の服装もよろしいですが、折角の機会ですのでこの衣装に決めました」

二人の内緒話を聞いて指揮官は内心面倒くさい様子だった。

「これ、こういう時の為に買ったわけではないが…」

指揮官は自分の着ている衣装を見て小さくぼやく。彼は普段から着ている軍服ではなく燕尾服(えんびふく)を着ており会場に行く前に着替えてからニューカッスルに身嗜みを整えたばかりである。高雄に関しては護衛の役割で連れている。

実は約一週間程、ロイヤル陣営の戦艦クイーン・エリザベスが執務室に押しけて来て親睦会を企画するように求めてきた。様々な陣営が集まるこの場所(基地)は交流を深めようと度々こうした企画を指揮官がこっそりと取り計らっていた。

ちなみに指揮官は今回の親睦会に関しては元々《もともと》参加するつもりは無く少女たちに自由にやらせるつもりだったが何処からその事がばれて執務室にクイーン・エリザベスやメイド隊が一斉に押しかける事態になり、色々押し付けられて主賓としてパーティに強制参加するとこになった。

「まぁ、いざという時は頼むぞ」

「高雄、今から護衛任務を遂行する」

「私は他のメイド隊にも貴方様が苦労をかけない呼びかけますので是非楽しんでください」

ちなみに指揮官を燕尾服姿を見て少女たちがダンスに誘ったり何かを仕出かそうするが高雄とニューカッスルのお陰で事なきことになる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あれ、指揮官様ですか?」

ユニオン陣営の空母であり古参の一人であるヨークタウンが指揮官に気付くと声を掛け近づく。指揮官はふとヨークタウンの近くを見ると姉妹艦であるエンタープライズとホーネットは別々で他の少女たちと談笑をしている。

「珍しいですね、指揮官様がこういう衣装を持っているとは知りませんでした。凄く…お似合いです」

燕尾服の指揮官を見て彼女(ヨークタウン)は感想を述べる。指揮官はいくつか私服があるのを知っているが普段の服装は軍服しか見られないので新鮮に感じていた。

「できればこのままさっさと時間が過ぎて終わってほしいものだ」

 思わず溜息をつく指揮官にヨークタウンは心情を理解して苦笑する。指揮官はこういった事があまり好きではないからだ。

「指揮官様、もし良ければですけど…私と一緒にダンスをしてくれませんか? あ、嫌なら嫌で構いません」

 折角の機会なので誘おうとするが、指揮官は目の開きが少し閉じる。その様子を見てヨークタウンは内心諦め気味であるが指揮官と話すだけでも良かったと思ってるので会話を打ち切ろうとする。指揮官が困らせる事は彼女にとって不本意である。

(指揮官様が色々気苦労を重ねるから、ここは打ち切った方が賢明ね。それに…二人はこれを見越して私を誘ったのね)

 妹二人からパーティーに参加するように勧められ、あまり着慣れないドレスと着てお|粧《めか〉しをしたのはこういうためだったと改めてこのパーティーに参加して良かったと思う。二人に視線を向けると気付いたのか目配せする気遣いに感謝する。

「いいだろう」

ところが思わない返事にヨークタウンは思わず驚く。

「えっと…本当によろしいのですか?」

「ただの余興だ、嫌なのか?」

疑問形で返す指揮官に対しヨークタウンは被りを振る。他の少女たちが指揮官と踊ろうと誘っているのにのらりくらりと躱しているので自分とは踊らないと思っていた。

「いえ、是非お願いします」

この後、指揮官は少女たちからの鋭い視線を感じつつヨークタウンと踊り、その後ヨークタウンは少しの間幸せな表情のまま余韻に浸っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……はぁ、疲れた」

指揮官は少し疲れた様子で建物の壁に寄りかかっていた。時間は既に日付が変わる数時間前辺り、少女たちが各々(おのおの)解散し始めるのを見て片付けを始めようとした疲れた身体を動かそうとした時にまだ残っているメイド隊の一人でありメイド長を務めるベルファストが声を掛けてきた。

「ご主人様、まだいらっしゃいましたか」

「後片付けほ手伝いをするところだ」

指揮官はそう答えるとベルファストはニコリと微笑む。

「ありがとうございます。メイド隊としてもこれらの片付けに少々時間が掛かるのでご主人様は手伝わなくてもよろしいのですが…後日何か御礼をします」

困惑した表情を見せるベルファストだがかなりの量の皿やテーブルの撤去など時間が掛かるので猫の手が借りたい状況に正直嬉しかった。

「明日もメイド隊としての業務が忙しいし早目に終わらすぞ」

「かしこまりました」

恭しくお辞儀するベルファストに一瞥しこの後メイド隊と共に後片付けをするのであった。この時、燕尾服を着たままとはいえ指揮官が手伝っていたことで予想していた以上の速さで後片付けをするに他のメイド隊が驚いた。




ふと思いましたが200人以上もいるのにこの広場はめっちゃ広いなと感じました(原作ではもう350人超えてるし…)
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