とある艦隊の日常   作:クレイモア

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ある日いつも通り朝早くから起きた指揮官は今日する書類を確認した。その日は事務ではなく書類に書かれてる物の発注などが主な内容だった。指揮官は書類の確認をしながら移動してる時、ウォースパイトが声をかけてきた。
※サブタイトルを「外食」から「外出」に変更
※一部にルビを振りました


ウォースパイトと外出

「指揮官、何をしているのかしら?」

「ウォースパイトか。」

指揮官は手に持つ書類を見ながら廊下を移動している時、ロイヤル陣営の戦艦ウォースパイトに呼ばれたので一旦立ち止まって声のした方向に体を向けた。駆逐艦と同じ身長の彼女だが、身に纏う艤装は戦艦の主砲や副砲などで同じ姉妹艦であるクイーン・エリザベスも同じ形の艤装をしている。

ウォースパイトは指揮官が手に持ってる書類に目を向けた。それが何なのかは彼女が興味が湧き、指揮官にそれは何なのか聞いてみた。

「指揮官、その書類は何?」

「ああ、これか。これは要望書と発注書だけど。お前も見てみるか?」

「ありがとう、指揮官。」

ウォースパイトは感謝の言葉を言って指揮官が見ていた書類を見た。書類の内容は普段の少女(かのじょ)達の生活に使う嗜好品(しこうひん)や消耗品の名前と発注量が記載していたがウォースパイトは発注量を見て驚きの声を上げた。

「高級茶葉、茶菓子類、シャンプー類、飲み物、それと外出許可書…ってなにこの量⁉︎」

ウォースパイトは普段みんな(全員)が嗜んでいる物がこんなにも発注してるとは思えなかった。

ふとウォースパイトは指揮官にあることを聞いてみた。

「ねえ、指揮官。これらの経費はどうしてるのかしら?」

本部(司令部)は普段から艦隊運営の為に資金を提供してる。そしてその資金を俺はお前達の要望に応えられるように上手くやりくりしてる。」

指揮官の説明を聞いたウォースパイトは気難しい表情をした。

「指揮官は何故私たちに優しくするのかしら?」

指揮官はウォースパイトの質問に少し溜め息をしてから答えた。

「普段から君達には感謝してるからな。俺は君達を『兵器(もの)』ではなく『人』として見ている。君達がひもじい思いをされてしまうのは指揮官として失格と思った。それに書類関係の仕事はストレスを感じると思って態とさせないようにしてる。」

ただそれだけだ、と指揮官は言い残して再び歩き始めた。ウォースパイトは指揮官の発言を聞いて気遣ってくれる有り難みを感じると同時に指揮官に負担を掛けてる後悔を感じた。

(私達は彼に感謝しなければならない。彼は私達に色々気遣ってくれるけど私達は彼に対して何もしていない。私達は彼の助けにならないのかしら?)

ウォースパイトは深く考えてえた。彼女は既に数メートル先で歩いてる指揮官まで走り指揮官の背中に飛びついた。

「うおっ⁉︎」

突然後ろからくるウォースパイトに指揮官は驚いて前に倒れた。うつ伏せの指揮官の背中を馬乗りしてるウォースパイトは指揮官に言った。

「私も手伝うわ。」

「…お前たちには負担をかけたくない。」

「負担? ふん、私はクイーン・エリザベス級高速戦艦ウォースパイトよ。貴方の手伝いをすることなんて何一つ負担と思ってないわ。それに、私は戦場で戦うことしか出来ないと思われるのは大違いよ。ほら離れるから私に貴方の仕事を寄越(わた)しなさい。」

そう言ってウォースパイトは立ち上がって廊下の壁に寄りかかった。指揮官は降参したのか溜息をついて立ち上がった。

「分かった。手伝ってくれるのは感謝する。御礼に何かしてほしいことがあるなら言っても構わない。」

「じゃあ後で言うわ。それより今はするべき事を優先しないと。」

「確かにそうだな。オールド・レディの力、見せてもらうぞ。」

指揮官が試すような発言にウォースパイトは微笑した。

「いいわ、貴方には見せてあげる。」

 

 

 

 

 

 

今日する執務はウォースパイトのお陰で普段より数時間早めに切り上がった。ウォースパイトの飲み込みの早さ、対応に指揮官はとても驚いた。

「指揮官、どうかしら?」

「凄いな。正直不安だったがこれほどとは思わなかった。」

「オールド・レディを舐めてもらっては困るわ。」

ウォースパイトはドヤ顔をしたまま書類の整理を終えていた。

「指揮官、貴方御礼として私に『何かしてほしいことがあるなら言ってもいい』って言ったわよね?」

「対応できる範囲内のことなら何でもいいが…どうした?」

「じゃあ、私と一緒にランチに行かないからしら? 勿論お代は指揮官にするつもりだけど…無理ならしなくてもいいわ。」

「別に構わないが、他の娘が見られた後が不安しかない。」

「それならベルに話させてもらうわ。あの子ならみんなを説得すると思うわ。」

「大丈夫なのか?」

「あの子なら心配ないわ。」

ウォースパイトのベルファストに対する信頼を感じて指揮官は彼女に何か見繕うと考えた。

「では三十分後に入口で集合するか?」

「問題ないわ。」

そうして二人は約束してお互い自室に戻った。

 

 

 

 

 

 

約束の三十分後より五分前に指揮官は入口前に立っていた。いつも着用している軍服ではなく、黒いコートを着ていて大人(シック)な感じの服装でポケットの中にある端末で時間を見ながら彼女(ウォースパイト)来るのを待っていた。

「指揮官、貴方時間前に来てるのね。」

数分後来たウォースパイトは、白いフリルの付いたワンピースを着ていた。普段は落ち着きのある彼女がこのような服を持っていたとは指揮官は思わなかったらしい。

「可愛いな、ウォースパイト。」

「恥ずかしいことを言わないでもらえる。ベルに無理矢理着せられたのよこれ。」

「それでも似合ってるぞ。」

「そ、そう。ありがとう。」

指揮官の賞賛の言葉を貰ったウォースパイトは頰を赤らめながらモジモジした。案外可愛げのあるな、と指揮官は心の中で思って端末を見ると、少し時間が過ぎてた。

「そろそろ行くか。ではお嬢様、エスコートしてあげます。」

「え、指揮官。貴方…」

指揮官は片膝を床についてウォースパイトの左手に両手を差し出した。突然の行動と発言に動揺したが、ウォースパイトはクスッと微笑んで指揮官の手のひらに左手を触れると待っていたかなように指揮官は立ち上がり右手の掌でウォースパイトの左手を掌を触れるように握った。

「優しくエスコートしなさい。」

「御意」

執事の真似事のように返事してウォースパイトと共に外出した。

 




今回はウォースパイトです。アズレンのウォースパイトは真面目な性格で忠犬(?)っぽく感じるので個人的にお気に入りの娘です。ヤンデレではないけど愛ボイスが若干ヤンデレっぽく感じます。余談ですが彼女のあだ名は「お嬢」と呼んでます。(可愛いさと凛々しさを感じます)
※誤字報告がありましたので修正しました。
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