とある艦隊の日常   作:クレイモア

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ある日上層部から『偶にはゆっくり休んでほしい』と直訳されたメールが端末に送られて急遽貴重な休日を過ごす指揮官。ソファーの上で仰向けなって貴重な休日をどう過ごすか悩んでいる時、神風が執務室に入室した。神風はソファーの上で横になってる指揮官を見て神風は気になって聞いてきた。
※誤字報告があったので一部修正しました。
※基地の構造を修正とタイトルを変更しました。
※一部に誤字があり修正しました


指揮官はゆっくり寛ぎたい 前編

「指揮官、何をしておるのじゃ?」

神風は執務室のソファーの上で仰向けになってる指揮官に話しかけた。困った表情をした彼は溜息をついて話した。

本部(司令部)から『偶には休みを取れ』と言われてな、何をするか決まってなくて悩んでた。」

取り敢えず今日は急遽(きゅうきょ)休みに変わったらしいと神風は心の中で呟くと、口元を隠すようにしてニヤリと笑い指揮官を誘うように言った。

「指揮官、暇ならわっちと将棋を指すか?」

「将棋か…俺はやり方知らないぞ?」

「それなら妾が手取り足取り教えてやろうぞ。今から重桜寮にある妾の部屋でやっても構わんがどうするのじゃ?」

「他の娘に迷惑に掛けるつもりなら遠慮するぞ。」

阿呆(あほう)(わらわ)そんなことをすると思うのかえ? それに睦月や如月達も指揮官と遊びたい言っておったぞ。」

神風はそう言うが指揮官は溜息をついた。

「そうか。しかし、赤城と翔鶴(あいつら)に鉢合わせすると面倒だ。赤城は俺を見ている時の目が可笑しいし翔鶴は俺を誘惑してる感じがしてる。」

「なんじゃ、分かってあったのか?」

「何となくそう思っただけだ。あの二人さえどうにかすれば……いや打つ手はある。」

ある人物を思い出した指揮官は上半身をゆっくり起こした。確かに『彼女』ならあの二人を前にしても厳しく注意喚起するしこちらにとってはデメリットがない、彼はそう考えて立ち上がった。幸い今日の出撃組ではないため何かしてるだろと思った。

神風も後からその人物が誰かは察した。

「……成る程、『彼奴(あやつ)」なら確かにあの二人が暴走しても実力行使で押さえるし監視としての役割も適任じゃな。よかろう、わっちから話を通すから指揮官は後で来てくれんか。今から一時間後に重桜寮の門前で待っておるぞよ。」

失礼するぞ、と言って神風は退出した。いつもは指揮官をからかうのが好きな彼女だが今日は珍しくからかわずに話したので意外だった。

「あいつの誘いに乗るか。」

 

 

 

それから一時間後、約束通り指揮官は重桜寮の門前に立っていた。といっても時間の十分前に来ていたのでポケットにある端末で弄って時間を潰してた。移動中他の陣営の少女(少女たち)と軽く挨拶をしていたが、彼が執務室に出ているのに少し驚いた様子だった。

(普段から篭りっぱなしだしな)

自らを自嘲しながらも端末で時間を確認すると丁度約束の時間になり、神風が入り口から出てきた。

「神風、時間通りに来たぞ。」

「では案内するか」

神風の声に指揮官は頷き、神風の後ろに付いていくように歩いた。重桜寮は和風の部屋になっていると他の陣営の少女から聞いたことがあるのを思い出しながら部屋に入った。

「百聞は一見に如かず、だな。」

実際どんな感じなのかは知らないので指揮官は興味が湧いてた。

「失礼する」

指揮官は部屋に入室した。玄関は十センチ近くの段差、部屋は四人部屋になっていて、床は畳が敷かれ、木製の脚が低い机の上に将棋盤が置かれてる。重桜の艦船少女はベッドではなく敷き布団を敷いて寝るらしく、襖が部屋の右の壁際奥にある。

「ほれほれ、この部屋は土足禁止じゃよ。靴は横の棚に入れてくれ」

神風が指を指した方向を見ると、靴を入れる棚があり指揮官は言われた通りに入れた。

「それより『彼女(あいつ)』は?」

彼奴(あやつ)はこの部屋の隅におる。なにやらあそこで瞑想(めいそう)してあるが…指揮官が危うい事態になれば即座に反応するじゃろう。」

部屋の隅に指を指すと『彼女』と呼ばれた人物は座布団の上で胡座の状態で静かだった。気配を押し殺しており、寝ているように見えた。

「そうか。念には念を入れたが邪魔はしないようにするか」

「そうじゃな。では指揮官よ、準備をしてから早速やるかの」

二人は向かい合うように机に座り、将棋の準備に取り掛かった。

 

 

 

 

如月(きさらぎ)ちゃん、本当に神風お姉ちゃんの部屋に行くの?」

「うん…」

「私達が来ても大丈夫かな…」

同じ階である重桜寮の一室、睦月型の睦月(むつき)如月(きさらぎ)文月(ふみづき)は神風の部屋に行くか迷っていた。現在指揮官と神風が将棋を指し始めた辺りの時間に睦月は部屋にある飴袋に入れて持っていこうとしているところを二人に見られた。といっても睦月は神風の部屋に指揮官がいるのでおじゃましてもらうことを話すと二人は行きたいと言って色々話しあった。

「文月ちゃん、大丈夫! 神風お姉ちゃんも来てもいいって言ってくれたから。」

すでに神風から許可は下りてるらしいので睦月達はすぐ準備をして神風の部屋に行こうとしたところ同じ重桜陣営の戦艦、扶桑(ふそう)山城(やましろ)の姉妹に会い、睦月達は扶桑姉妹に挨拶した。

「扶桑さん、山城さん、こんにちは‼︎」

「こんにちは睦月ちゃん、如月ちゃん、文月ちゃん。三人でどこかに遊びに行くのかしら?」

扶桑は挨拶を返しながら睦月達三人が一緒に行動してることに気になって質問した。

「うん! 神風お姉ちゃんの部屋に遊びに行くの!」

「神風ちゃんのお部屋に? 誰か他の子がいるの?」

「しゅきかんが神風お姉ちゃんの部屋にいるの!」

「殿様がですか?」

神風の部屋に指揮官が居るのに山城は思わず声を出したが、睦月は続けて言った。

「今から神風お姉ちゃんの部屋に行くけど扶桑さん達も一緒に行く?」

「そうですね、山城はどうしますか?」

「私は行きます。そうだ姉様、私達の部屋に三味線があるので殿様の前で演奏しませんか?」

「そうしましょう。睦月ちゃん達は私と山城と一緒に行く? それとも先に神風ちゃんの部屋で待っててくれる?」

自分達と一緒に行くか先に行くか睦月達に聞いてみると、後者の方を選んだので一旦別れて扶桑姉妹は自分の部屋に戻り、睦月達は神風の部屋に向かった。

しかし偶然通りかかった第三者の情報により、神風の部屋は数十分後は混沌とした雰囲気になった。




この物語に出る基地は各陣営ごとに寮があり、敷地内の入り口から見て一番手前(約百メートル先)が執務室がある本館です。各陣営の寮は建物の外装はもちろん内装も各陣営によって統一されてます。(重桜に至っては外見が最早(もはや)城みたいになってます)
また部屋は一人の個人部屋と二〜四人の合同部屋があります。(姉妹艦はいる場合はだいたい合同部屋。増えるごとに工事をして増築を繰り返します)

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